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第二章 悪役令嬢は暗躍する
70.悪役令嬢は王女達と二次会をする
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「グラファス兄妹は誘わなくても良かったのですか?」
そう言ったのはファルリオ君だ。私的に誘っても良かったのだが、アリエル的にはまだキチンと話を通していない相手を引き入れるのは問題があると判断したのだろう。
ちなみにファルリオ君はマリーを通して、私達が目指す今後の計画の一部を話しており、協力関係にある。本当はパルプスト公爵令息であるアーネストも仲間に出来ればいいのだけど、あそこの家は貴族派でも一番ヤバイ思想のトップだから、彼にコンタクトを取るのも難しかったので、現在は保留事案だ。
「ええ、彼らにはまだ上には確認を取っていないから、今はこの場の話に入れるわけにはいかないわね。それにしても、ミーリアとジェニーは大丈夫かしら? 随分と顔色が悪いわよ」
「だ、大丈夫ですわっ!」
「そ、そうです。大丈夫……です」
ま、いきなりアリエルに連れてこられたのだから、仕方ないでしょうね。
「と、いうかアリエル。ちゃんと説明してあげたの?」
「えーっと、してないけど? そもそもエステリアの取り巻きでしょ、貴女が面倒みるところでしょう?」
リンリィ嬢が苦笑してるぞ、もう……アリエルめ、面倒な。
「あ、あの……エステリア様。ご婚約に関して、私達は祝辞を述べた方がよいのでしょうか?」
と、ジェニーが不安そうに言った。確かに本来、婚約おめでとうと伝えるのは間違いじゃない。間違いじゃないけど楽しくはない。今回のお茶会でがぜんヤル気が出ましたよ。クリフト殿下との婚約破棄は絶対に条件達成してやろうじゃない。
「それはいいわ。ただミーリアとジェニーは何があっても私の味方よね?」
申し訳ないけど、ミーリアは商売で繋がっているので、我が家を切るなんて事は出来ないのは分かっている。どちらかと言えばジェニーに踏み絵を踏ませるのは悪いとは思うけど、今後の為には必要だろう。
「はい、もちろんです。我がハフルスト家はエステリア様のおかげで今があると言ってもよいのですからっ!」
と、ミーリアは真剣な表情でそう言った。それを見てジェニーは少し不安そうになりながらも「私もです」と、答えた。
「私と殿下との婚約はあくまでも政治的なモノだから、特におめでたくもなんでも無いわ。ここだけの話なので、口外すると大変な事になる。と、思ってね。貴女達の事は信じているし、大切な私の側近なのだから」
二人とも瞳を潤わせて臣下の礼を取る。
「そろそろ良いか? 今回、ここにいる皆に集まって貰ったのは私達の目的を共有する為である。私はまだ2年後ではあるが、皆は今年から小学に通うことになる。そして数年後には学園都市での生活になる。大人達の政争に私達は巻き込まれているのだ。これをある程度、解消していきたいと思っている」
アリエルは王女モードで凛とした声でそう言った。本来、悪役令嬢同盟の目的とは違うけれど、結果として断罪回避に繋がる部分も多い――と、いうか私は完全にそこが重要なのだけどね。
「ですが、ここには貴族派閥の者はいませんよね?」
そう言ったのはミーリアだ。彼女は意外とその辺りの空気が読める娘だ。
「ええ、その通りね。貴族派閥の切り崩しも追々は考えないといけないのだけど、私やアリエルがひとまず目標としているのは、中立派と保守派のバランスを取る事と、中心人物とはお互いが繋がっておくことで貴族派を上手く抑え込む事よ」
「そ、それは派閥自体は分かれているけど、中立派と保守派は手を組んでいる……と、いうことでしょうか?」
「さすがジェニーね、物分かりが良くってよ」
「ありがとうございます!」
と、ジェニーは目を輝かせた。くっ、貴女チョロ過ぎるわ。逆に心配になってきた……変な男に騙されたりしないでね。ちゃんと面倒みよう。マジでこの娘、調子良すぎな傾向ありまくりだわ。
「しかし、アリエル殿下はよろしいのですか? 慣例に基づけば殿下が継承権第一位なのにクリフト殿下に私やグラファス侯爵のところのマルコを側近として付けてしまっても」
「よいよい。キチンと情報を上げてくれればいい。手段は任せるが、悟られぬように。正確には色々と難はあるけれど、兄上も優秀だからな。別に兄上を始末しようとは思っていないし、私を支えてミストリア発展に貢献して頂ければそれでよいのだ――が、今はどうやら問題のある者が兄を操ろうとしているようだ。ファルリオも気を付けるように」
「畏まりました。孰れは父の跡を継ぎたいと思っております。その時はアリエル殿下の力になれればと思っていますよ」
「期待しているぞ。ただ、アンネマリーとの付き合いに関しては清く正しくだぞ」
ファルリオ君は言われなくてもという表情を見せつつ、私は彼もこういうところは貴族らしくない。などと、思いながら、早々に推しと婚約まで話を持って行ったマリーに脱帽だ。と、いうかマリー、本当に手を伸ばしすぎには気を付けなよ? と、私が視線を向けるとマリーはニヤリと笑った。くっ、爆ぜろ!
そう言ったのはファルリオ君だ。私的に誘っても良かったのだが、アリエル的にはまだキチンと話を通していない相手を引き入れるのは問題があると判断したのだろう。
ちなみにファルリオ君はマリーを通して、私達が目指す今後の計画の一部を話しており、協力関係にある。本当はパルプスト公爵令息であるアーネストも仲間に出来ればいいのだけど、あそこの家は貴族派でも一番ヤバイ思想のトップだから、彼にコンタクトを取るのも難しかったので、現在は保留事案だ。
「ええ、彼らにはまだ上には確認を取っていないから、今はこの場の話に入れるわけにはいかないわね。それにしても、ミーリアとジェニーは大丈夫かしら? 随分と顔色が悪いわよ」
「だ、大丈夫ですわっ!」
「そ、そうです。大丈夫……です」
ま、いきなりアリエルに連れてこられたのだから、仕方ないでしょうね。
「と、いうかアリエル。ちゃんと説明してあげたの?」
「えーっと、してないけど? そもそもエステリアの取り巻きでしょ、貴女が面倒みるところでしょう?」
リンリィ嬢が苦笑してるぞ、もう……アリエルめ、面倒な。
「あ、あの……エステリア様。ご婚約に関して、私達は祝辞を述べた方がよいのでしょうか?」
と、ジェニーが不安そうに言った。確かに本来、婚約おめでとうと伝えるのは間違いじゃない。間違いじゃないけど楽しくはない。今回のお茶会でがぜんヤル気が出ましたよ。クリフト殿下との婚約破棄は絶対に条件達成してやろうじゃない。
「それはいいわ。ただミーリアとジェニーは何があっても私の味方よね?」
申し訳ないけど、ミーリアは商売で繋がっているので、我が家を切るなんて事は出来ないのは分かっている。どちらかと言えばジェニーに踏み絵を踏ませるのは悪いとは思うけど、今後の為には必要だろう。
「はい、もちろんです。我がハフルスト家はエステリア様のおかげで今があると言ってもよいのですからっ!」
と、ミーリアは真剣な表情でそう言った。それを見てジェニーは少し不安そうになりながらも「私もです」と、答えた。
「私と殿下との婚約はあくまでも政治的なモノだから、特におめでたくもなんでも無いわ。ここだけの話なので、口外すると大変な事になる。と、思ってね。貴女達の事は信じているし、大切な私の側近なのだから」
二人とも瞳を潤わせて臣下の礼を取る。
「そろそろ良いか? 今回、ここにいる皆に集まって貰ったのは私達の目的を共有する為である。私はまだ2年後ではあるが、皆は今年から小学に通うことになる。そして数年後には学園都市での生活になる。大人達の政争に私達は巻き込まれているのだ。これをある程度、解消していきたいと思っている」
アリエルは王女モードで凛とした声でそう言った。本来、悪役令嬢同盟の目的とは違うけれど、結果として断罪回避に繋がる部分も多い――と、いうか私は完全にそこが重要なのだけどね。
「ですが、ここには貴族派閥の者はいませんよね?」
そう言ったのはミーリアだ。彼女は意外とその辺りの空気が読める娘だ。
「ええ、その通りね。貴族派閥の切り崩しも追々は考えないといけないのだけど、私やアリエルがひとまず目標としているのは、中立派と保守派のバランスを取る事と、中心人物とはお互いが繋がっておくことで貴族派を上手く抑え込む事よ」
「そ、それは派閥自体は分かれているけど、中立派と保守派は手を組んでいる……と、いうことでしょうか?」
「さすがジェニーね、物分かりが良くってよ」
「ありがとうございます!」
と、ジェニーは目を輝かせた。くっ、貴女チョロ過ぎるわ。逆に心配になってきた……変な男に騙されたりしないでね。ちゃんと面倒みよう。マジでこの娘、調子良すぎな傾向ありまくりだわ。
「しかし、アリエル殿下はよろしいのですか? 慣例に基づけば殿下が継承権第一位なのにクリフト殿下に私やグラファス侯爵のところのマルコを側近として付けてしまっても」
「よいよい。キチンと情報を上げてくれればいい。手段は任せるが、悟られぬように。正確には色々と難はあるけれど、兄上も優秀だからな。別に兄上を始末しようとは思っていないし、私を支えてミストリア発展に貢献して頂ければそれでよいのだ――が、今はどうやら問題のある者が兄を操ろうとしているようだ。ファルリオも気を付けるように」
「畏まりました。孰れは父の跡を継ぎたいと思っております。その時はアリエル殿下の力になれればと思っていますよ」
「期待しているぞ。ただ、アンネマリーとの付き合いに関しては清く正しくだぞ」
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