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第三章 悪役令嬢は学院生活を送る
208.悪役令嬢はサロンにて皆と喜びを分かち合う
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サロンに入ると、すぐに皆が駆け寄ってくる。
「まぁ、そのように駆けて来るのは貴族令嬢としては少しはしたなくってよ」
と、私がにこやかに言うと皆はしまったという感じにそれぞれが「失礼しました」と、言って少し落ち着いたようだ。そして、その後ろにいたリンリィは余裕のある雰囲気で微笑んだ。なんというか、少し雰囲気が変わった気がするけれど、なんというか――今回の大会に優勝した事で少し心に余裕が出来たのかしら?
「リンリィ、優勝おめでとう。今日はアリエルと周囲の監視のせいで自由に動けなかったけれど、凄い技術に驚かされたわ」
「ありがとうございます。と、言ってもお師匠様からの指示があったからこそ――ですから」
「言われた事をしっかりと出来ることが何よりも大事よ。それから、フィレーヌもよく頑張ったわね。多数いる実力者の中で次席だったのは凄いことよ」
私がそう言うとフィレーヌは深々と礼をする。
「エステリア様のおかげでございます――ですが、私もリンリィ様のように凄い魔法を扱えるようになりたいと思いました。他の者達とも少し話しましたが、先んじてエステリア様から学べる立場にいることを本当に感謝いたします」
今回、魔法競技大会に参加したのはフィレーヌ・ウィッシャルド子爵令嬢以外ではカザレア・ニーデリング男爵令嬢、キャシディ・テンパーラント準男爵令嬢の三名だ。現在、魔術に随分執着しているハーファリアはやはり騎士爵家の子で武闘大会の方で腕試しをしたいらしい。
因みに両方に参加するというのは学園側から認められていないので、どちらかだけにしか出れないということで、結構悩んだそうだけど、どうも私が武闘大会に出る事で、自身も出る事を決めたそうだ。
「礼などいらないわ。出場38名の中で上位独占したのですから、貴女達の頑張りの結果よ。私は少しだけ成長のヒントを与えたに過ぎないわ」
「そうです。第5席になったナスティア伯爵子息のアレクスリア様の悔しそうな表情は忘れる事は出来ません」
と、ハーファリアは不幸なナスティア伯爵子爵の悔し気な顔を思い出して笑いを堪えつつ、そう言った。うーん、ナスティア伯爵と言えば貴族派閥の家でパルプスト公爵家とも近しい家だったハズね。前年度の優勝者らしいけれど、見た感じは――うん、まぁ。そうよね。と、いう感じだったわ。
魔法は魔術をキチンと理解することで確実にレベルアップ出来る技術が幾つもあるわけで、お母様考案の多重圧縮術式なんかは普通に魔法のみで作り上げようと思うとビックリするくらいに魔力が必要になるし。
リンリィが突出しているだけで、次席になったフィレーヌも実は彼女と似たような思想で魔法に昇華させていることに私は気が付いている。正直、下位の貴族と上位の貴族では生まれた時の魔力量の差が最も大きな違いとなる。故に上位の貴族に対抗する方法として、少ない魔力量でも十分な威力や精度を発揮する魔法の構築が大事となる。
そこで術式として、威力の向上や魔力の増幅などが組み込まれている。普通の魔法では威力向上の魔法や詠唱速度の上昇を重ね掛けすることで、高速かつ高威力の魔法を発動させるわけだけど、それを行う為には3つから5つの魔法を連続的に使う必要が出て来る。これを魔術的に思考することで、術式構築が複雑になる代わりに一つの魔法として扱う事が出来る――わけだけど、いままでの固定観念では中々に難しいモノだったらしい。これに関しては私は普通の魔法というものを知識でしか知らないから、いまいち分かっていないところもある。
「ただ、パルプスト公爵に近い貴族に目を付けられるのは面倒かもしれないから、気を付けてね」
「でも、そうしたらリアが守ってあげるのでしょ?」
と、マリーが楽し気にそう言うのだった。まぁ、ある程度は後ろ盾に私がいるということを喧伝する必要はあるかもしれない――けど、すでに私の派閥みたいな扱いになっている気がするから、平気な気もしているのよね。
「それは当然よ。私が目を掛けている皆に手を出すというなら全力で叩き潰すわ」
「ま、当然だけど私も協力するわ。我が商会の全力を使ってハブってやるわ」
マリーは少し物騒なので、アレだけど既にミストリア内では知る者のいない商会を複数運営しているわけで、私の商会と合わせれば、様々な商品を確実に止める事が出来る――けれど、あまりやりすぎると女王キャロラインから怒られそうな気がする。
「まぁ、やりすぎはよくないけれど、二度と手は出させないと思わせるくらいにはしておきたいわね」
と、私はにこやかに微笑んでそう言うと、何故か皆が微妙な顔をする。それは何故なの?
「まぁ、そのように駆けて来るのは貴族令嬢としては少しはしたなくってよ」
と、私がにこやかに言うと皆はしまったという感じにそれぞれが「失礼しました」と、言って少し落ち着いたようだ。そして、その後ろにいたリンリィは余裕のある雰囲気で微笑んだ。なんというか、少し雰囲気が変わった気がするけれど、なんというか――今回の大会に優勝した事で少し心に余裕が出来たのかしら?
「リンリィ、優勝おめでとう。今日はアリエルと周囲の監視のせいで自由に動けなかったけれど、凄い技術に驚かされたわ」
「ありがとうございます。と、言ってもお師匠様からの指示があったからこそ――ですから」
「言われた事をしっかりと出来ることが何よりも大事よ。それから、フィレーヌもよく頑張ったわね。多数いる実力者の中で次席だったのは凄いことよ」
私がそう言うとフィレーヌは深々と礼をする。
「エステリア様のおかげでございます――ですが、私もリンリィ様のように凄い魔法を扱えるようになりたいと思いました。他の者達とも少し話しましたが、先んじてエステリア様から学べる立場にいることを本当に感謝いたします」
今回、魔法競技大会に参加したのはフィレーヌ・ウィッシャルド子爵令嬢以外ではカザレア・ニーデリング男爵令嬢、キャシディ・テンパーラント準男爵令嬢の三名だ。現在、魔術に随分執着しているハーファリアはやはり騎士爵家の子で武闘大会の方で腕試しをしたいらしい。
因みに両方に参加するというのは学園側から認められていないので、どちらかだけにしか出れないということで、結構悩んだそうだけど、どうも私が武闘大会に出る事で、自身も出る事を決めたそうだ。
「礼などいらないわ。出場38名の中で上位独占したのですから、貴女達の頑張りの結果よ。私は少しだけ成長のヒントを与えたに過ぎないわ」
「そうです。第5席になったナスティア伯爵子息のアレクスリア様の悔しそうな表情は忘れる事は出来ません」
と、ハーファリアは不幸なナスティア伯爵子爵の悔し気な顔を思い出して笑いを堪えつつ、そう言った。うーん、ナスティア伯爵と言えば貴族派閥の家でパルプスト公爵家とも近しい家だったハズね。前年度の優勝者らしいけれど、見た感じは――うん、まぁ。そうよね。と、いう感じだったわ。
魔法は魔術をキチンと理解することで確実にレベルアップ出来る技術が幾つもあるわけで、お母様考案の多重圧縮術式なんかは普通に魔法のみで作り上げようと思うとビックリするくらいに魔力が必要になるし。
リンリィが突出しているだけで、次席になったフィレーヌも実は彼女と似たような思想で魔法に昇華させていることに私は気が付いている。正直、下位の貴族と上位の貴族では生まれた時の魔力量の差が最も大きな違いとなる。故に上位の貴族に対抗する方法として、少ない魔力量でも十分な威力や精度を発揮する魔法の構築が大事となる。
そこで術式として、威力の向上や魔力の増幅などが組み込まれている。普通の魔法では威力向上の魔法や詠唱速度の上昇を重ね掛けすることで、高速かつ高威力の魔法を発動させるわけだけど、それを行う為には3つから5つの魔法を連続的に使う必要が出て来る。これを魔術的に思考することで、術式構築が複雑になる代わりに一つの魔法として扱う事が出来る――わけだけど、いままでの固定観念では中々に難しいモノだったらしい。これに関しては私は普通の魔法というものを知識でしか知らないから、いまいち分かっていないところもある。
「ただ、パルプスト公爵に近い貴族に目を付けられるのは面倒かもしれないから、気を付けてね」
「でも、そうしたらリアが守ってあげるのでしょ?」
と、マリーが楽し気にそう言うのだった。まぁ、ある程度は後ろ盾に私がいるということを喧伝する必要はあるかもしれない――けど、すでに私の派閥みたいな扱いになっている気がするから、平気な気もしているのよね。
「それは当然よ。私が目を掛けている皆に手を出すというなら全力で叩き潰すわ」
「ま、当然だけど私も協力するわ。我が商会の全力を使ってハブってやるわ」
マリーは少し物騒なので、アレだけど既にミストリア内では知る者のいない商会を複数運営しているわけで、私の商会と合わせれば、様々な商品を確実に止める事が出来る――けれど、あまりやりすぎると女王キャロラインから怒られそうな気がする。
「まぁ、やりすぎはよくないけれど、二度と手は出させないと思わせるくらいにはしておきたいわね」
と、私はにこやかに微笑んでそう言うと、何故か皆が微妙な顔をする。それは何故なの?
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