悪役令嬢同盟 ―転生したら悪役令嬢だった少女達の姦しい日々―

もいもいさん

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第三章 悪役令嬢は学院生活を送る

256.悪役令嬢の派閥に属する令嬢の驚き

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 私はキャニレー準男爵令嬢ビビアンヌ。

 ハーブスト公爵家の妖精姫と謳われるエステリア様の派閥――ご本人はアリエル王女殿下の派閥と仰っていますが、皆、エステリア様の派閥だと思っている者が殆どだと思っています。我が家は両親とも近衛騎士に所属する魔術師なので、当然アリエル王女殿下にも忠誠を誓っていると言って問題ないわけですが……そのような事はどうでも良いのです。

 我が家は現在の女王陛下と共に戦って名を成し、準男爵となったキャニレー家の長女として生まれたわけですが、我が家は両親ともに魔法を扱う者として、そこそこ名の知れた者ではあるのですが……残念ながらエステリア様には名前を憶えては貰っていないのは少し悔しい気持ちがあります。

 そ、そんなこともどうでも良いのです。

 私は今までの価値観がどこかに吹き飛んでしまうくらいの衝撃を受けています。

 他家と比べても我が家では皆、貴族家としてはかなり魔力が高い方で魔法の扱いも幼児の頃から扱っていたので、自信があったのですが、これも魔法競技大会で惨敗した。既にエステリア様に覚えられている方々は魔法競技大会や武闘大会で結果を残していた。これは何とも悔しい思いをしたのです。

 これについては少し反省をしているところでもあって、魔法こそが至高であり、魔術を学ぶことに意味を感じていなかった所為で私は周囲から一歩も二歩も遅れてしまっている。

 そして、先程エステリア様に質問した後にあの方が仰っていた話があまりにも衝撃で私は今までの価値観が崩れ落ちるのを感じた。今、手にしている魔導技術を使った武器の有用性は彼女の言う通りかもしれない。何よりも使用魔力が少ない事を考えれば経戦能力の高さを考えれば本当に恐ろしい。

 ただ、噂の南方貿易で大帝国内に広がり始めている銃という存在と同様に防御魔法で防ぐことが簡単に出来るハズではある――と思う。

「ああ、一応言っておきますが、爆式の攻撃を魔法で防御するのは可能ではありますが、超々高圧縮の特殊な爆破エクスプロージョン術式ですので、多くの者が使う防御魔法では防げても1度か2度が限界ですので、貴女達は興味本位で防御で防いでみるなんて馬鹿な事は考えないように」

 と、エステリア様の注意に私はドキリとして思わずズレた眼鏡を焦ってスッと直した。

 とりあえず、自身の魔法知識には無い超高圧縮の特殊な爆破エクスプロージョンとは一体どういうことなのでしょうか?

 すると、ウィッシャルド子爵令嬢のフィレーヌ様が挙手をする。

「どうぞ、フィレーヌ」
「ありがとうございます。特殊な術式が封入されているのは理解致しましたが、本当に少ない魔力量でそのようなモノが発動出来るのか私には理解出来ないのですが、そこについてご教授願えないでしょうか?」

 彼女は中々に飛び込んでいきますね。私にはそのような勇気は中々出ません――と、言いますか、一度失敗したので、もう一度それが出来るかというのは難しい話です。

「そうね。リンリィから説明して貰った方がよいかしら?」

 エステリア様がそう言うと、彼女の最側近とも言われているアーマリア侯爵令嬢のリンリィ様がニコやかに微笑み「畏まりました」と言って、皆の前に一歩進む。

「かの弾丸には極めてシンプルな構造ではありますが、複数の術式が入っており、最終的に発動する条件を満たした術式が起動するような仕組みになっています。まず、魔銃の引金を引く時に使用した魔力を銃腔じゅうこうに送るのですが、そこで魔力を増幅する仕組みが入っており、灯火トーチ程度の魔力から超々以上の魔力と同等に魔力が増幅されます。ここがキモではあるのですが、弾丸自体に入っている術式も複数回の圧縮を行って爆破エクスプロージョンの威力を上げる効果が入っています。因みに弾丸だけで術式を発動することは出来ないような仕組みになっていますのであしからず」

 と、彼女は結構な早口でそう言った。正直、よく分からないけれど、なんとも凄いことは理解しました。

 魔法においては威力を上げる方法は魔力量を上げることですが、リンリィ様の話によればどうやら魔術においては違うようです――そうなると、今までの魔法における思考とは違うという事になるわけですが、勉強会に参加していた時によく分かっていなかったのですが、魔法にも応用出来る技術という可能性はかなり高いですよね?

 ああ、もっと柔軟に物事を考えなければいけないですね。我が家の爵位は一代限りなのですから、王女殿下やエステリア様のお役に立ってみせなければ、貴族では無くなってしまうかもしれないのです。せめて騎士に任命され騎士爵でも得なければ話になりません。

 これから、必死になって皆について――いいえ、もっと目立って我ここにアリ! と、思わせなければなりませんね。
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