291 / 314
第四章 悪役令嬢は王女と共に戦場を駆ける
292.悪役令嬢はナハリトの町長を〆る
しおりを挟む
ナハリトの町にある、随分と古い屋敷が町長である――えっと、名前は何だったかしら? と、私はそんなことを考えつつ、エルーサと共にその屋敷へ訪れた。因みに町を占領したわけだけど、町の広場に指令室である馬車と停めただけなんだけどね。町の者達も馬車のサイズから考えるとおかしな人数が出てきて、さぞ驚いたでしょうね。
「これはこれは……ど、どうされましたか?」
と、印象的には『細長い』感じの男が町長であるキュレル準男爵だ。因みに一度、魔法による脅しを掛けた所為で随分と私に対して恐怖している――わけだけど、まぁ、それは致し方ないところ。
「キュレル準男爵に再度、訊きたい事があったので、訪ねさせていただきました」
私の言葉に彼はビクリと小さく怯えるように跳ねる。うん、なんだか可哀想になってくるけど、まぁ、少し前の態度からすれば、こちらの方がマシともいえる。他の人達から私が彼をズタボロにしてしまうのでは無いかと心配されたほどだけど、残念ながら、それくらいでキレるわけないじゃない。
まぁ、流石に下品な言葉と嫌らしい視線を向けれたことに関しては許すべからず。と、は思っているけど、ちょっと脅しただけで土下座するような者なのだから、小物であることは間違いないわね。
「へ、へぇ、なんなりと……」
彼は揉み手をしながら冷や汗をダラダラと垂らしながらそう言いながら、私の小さな動きにもビクリとする。うーん、やり過ぎたのかしら? と、思いつつも会話を進める。
「元々の町の様子というのは分かりかねますが、あまりにも寂れすぎているのは奇妙に思えたので、少し話を訊かせて貰ってもよいですか?」
私の言葉に彼はあからさまに反応する。うん、何かあるのね……いくつか考えられることはあるけど、まぁ、それも訊けばいいか。と、思いつつ少しだけ魔力で圧を掛けると、彼は小さく「ひぃっ」と、声を上げる。
「で、何があったのかしら?」
「……えっ、あ、は、はいっ、あ……いや……なんといいますか……いえ、あ、あの……元々、この町の近くにある魔導洞窟ですが、あまり大きく無く我が国では不人気の魔導洞窟でして……そ、その……寂れているというほどでは無かったのですが……」
と、彼は汗を拭きながらそう言った。まぁ、町の寂れ具合を考えても不人気だったということは分からなくはないけれど、現状の人気の無さは異常状態と言ってもいいでしょう。その原因というところを知りたいわけだけど――まぁ、ロクな話では無いのでしょうね。
「あ、あの……ですね。我が国では非常時である時は冒険者を徴兵する決まりがありまして……ガスパール侯爵様がお触れを出し、殆どの冒険者が戦へ出てしまい、あ、あの……」
「なるほど、それに関しては言う必要は無いわ。結果は私達の方が詳しいでしょうから。それだけでは無いわよね?」
私がそう言うと彼は視線を泳がせた。うん、まぁ、なんとなく予想出来たけど、どうなのかしらね。
「ひとつ訊きたいのだけど、冒険者ギルドから文句は言われないの? 本来、冒険者ギルドに所属する冒険者というのは聖イーフレイ帝国が管理する組織が故にどの国でも徴兵というのは基本的にしていませんよね?」
近年、その慣習というのも薄れてきているという話は聞いていた。しかし、スーリアルの人間が如何に考えているか少し気になった。
キュレル準男爵は怯えつつも内心面倒くさいと思っているのか、視線を泳がせ小さく「あー」と、声を漏らす。
「私も……そのぉ、詳しくは無いのですが……我が国では先々代の頃より冒険者も活用するようになったのです……故に奴隷や冒険者のおかげで、強勢なる軍を維持して――」
と、言ってから彼は項垂れた。
「おかげで、冒険者も徴収された奴隷も帰ってこない! この町に住む多くの者が財を失ったのです!!」
彼は少しばかり頭に血が上ったのか、声を大にしてそう言った。エルーサが思わずピクリと動こうとするのを止めさせて、私は大きな溜息をあえて吐く。
「――ふぅ。 で? だから、何なのでしょう? そもそも、我がミストリアへ進攻する為に兵を動かしたのはそちらでしょう。冒険者や奴隷、資材を徴収したのはガスパール侯爵ですよね? 私に文句を言っても仕方ないでしょう。ガスパール侯爵が率いる軍は私達によって壊滅し、私達はパーレンダムも押さえた。そして、今現在、このナハリトの町も占拠しているのだから、私の怖さは知っているハズよね?」
と、脅せば彼はガックリと膝を付き情けない声を上げる。なんとも、面倒くさい男だと思わず思ってしまう。
「どうして戦など始めてしまったのだ……」
「そんなことを私に言っても知らないわよ。スーリアルの者達が欲をかいただけでしょう? キュレル準男爵もガスパール侯爵が私達のような年端も行かない女子が指揮を執る軍に負けるとは思ってなかったのでしょ?」
私はそう言いながら再度溜息を吐いて笑顔で圧を掛ける。と、彼は「ひぃぃぃっ」と、酷い顔で失禁するのであった。なんだか、解せぬ。
「これはこれは……ど、どうされましたか?」
と、印象的には『細長い』感じの男が町長であるキュレル準男爵だ。因みに一度、魔法による脅しを掛けた所為で随分と私に対して恐怖している――わけだけど、まぁ、それは致し方ないところ。
「キュレル準男爵に再度、訊きたい事があったので、訪ねさせていただきました」
私の言葉に彼はビクリと小さく怯えるように跳ねる。うん、なんだか可哀想になってくるけど、まぁ、少し前の態度からすれば、こちらの方がマシともいえる。他の人達から私が彼をズタボロにしてしまうのでは無いかと心配されたほどだけど、残念ながら、それくらいでキレるわけないじゃない。
まぁ、流石に下品な言葉と嫌らしい視線を向けれたことに関しては許すべからず。と、は思っているけど、ちょっと脅しただけで土下座するような者なのだから、小物であることは間違いないわね。
「へ、へぇ、なんなりと……」
彼は揉み手をしながら冷や汗をダラダラと垂らしながらそう言いながら、私の小さな動きにもビクリとする。うーん、やり過ぎたのかしら? と、思いつつも会話を進める。
「元々の町の様子というのは分かりかねますが、あまりにも寂れすぎているのは奇妙に思えたので、少し話を訊かせて貰ってもよいですか?」
私の言葉に彼はあからさまに反応する。うん、何かあるのね……いくつか考えられることはあるけど、まぁ、それも訊けばいいか。と、思いつつ少しだけ魔力で圧を掛けると、彼は小さく「ひぃっ」と、声を上げる。
「で、何があったのかしら?」
「……えっ、あ、は、はいっ、あ……いや……なんといいますか……いえ、あ、あの……元々、この町の近くにある魔導洞窟ですが、あまり大きく無く我が国では不人気の魔導洞窟でして……そ、その……寂れているというほどでは無かったのですが……」
と、彼は汗を拭きながらそう言った。まぁ、町の寂れ具合を考えても不人気だったということは分からなくはないけれど、現状の人気の無さは異常状態と言ってもいいでしょう。その原因というところを知りたいわけだけど――まぁ、ロクな話では無いのでしょうね。
「あ、あの……ですね。我が国では非常時である時は冒険者を徴兵する決まりがありまして……ガスパール侯爵様がお触れを出し、殆どの冒険者が戦へ出てしまい、あ、あの……」
「なるほど、それに関しては言う必要は無いわ。結果は私達の方が詳しいでしょうから。それだけでは無いわよね?」
私がそう言うと彼は視線を泳がせた。うん、まぁ、なんとなく予想出来たけど、どうなのかしらね。
「ひとつ訊きたいのだけど、冒険者ギルドから文句は言われないの? 本来、冒険者ギルドに所属する冒険者というのは聖イーフレイ帝国が管理する組織が故にどの国でも徴兵というのは基本的にしていませんよね?」
近年、その慣習というのも薄れてきているという話は聞いていた。しかし、スーリアルの人間が如何に考えているか少し気になった。
キュレル準男爵は怯えつつも内心面倒くさいと思っているのか、視線を泳がせ小さく「あー」と、声を漏らす。
「私も……そのぉ、詳しくは無いのですが……我が国では先々代の頃より冒険者も活用するようになったのです……故に奴隷や冒険者のおかげで、強勢なる軍を維持して――」
と、言ってから彼は項垂れた。
「おかげで、冒険者も徴収された奴隷も帰ってこない! この町に住む多くの者が財を失ったのです!!」
彼は少しばかり頭に血が上ったのか、声を大にしてそう言った。エルーサが思わずピクリと動こうとするのを止めさせて、私は大きな溜息をあえて吐く。
「――ふぅ。 で? だから、何なのでしょう? そもそも、我がミストリアへ進攻する為に兵を動かしたのはそちらでしょう。冒険者や奴隷、資材を徴収したのはガスパール侯爵ですよね? 私に文句を言っても仕方ないでしょう。ガスパール侯爵が率いる軍は私達によって壊滅し、私達はパーレンダムも押さえた。そして、今現在、このナハリトの町も占拠しているのだから、私の怖さは知っているハズよね?」
と、脅せば彼はガックリと膝を付き情けない声を上げる。なんとも、面倒くさい男だと思わず思ってしまう。
「どうして戦など始めてしまったのだ……」
「そんなことを私に言っても知らないわよ。スーリアルの者達が欲をかいただけでしょう? キュレル準男爵もガスパール侯爵が私達のような年端も行かない女子が指揮を執る軍に負けるとは思ってなかったのでしょ?」
私はそう言いながら再度溜息を吐いて笑顔で圧を掛ける。と、彼は「ひぃぃぃっ」と、酷い顔で失禁するのであった。なんだか、解せぬ。
0
あなたにおすすめの小説
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
【完結】長男は悪役で次男はヒーローで、私はへっぽこ姫だけど死亡フラグは折って頑張ります!
くま
ファンタジー
2022年4月書籍化いたしました!
イラストレータはれんたさん。とても可愛いらしく仕上げて貰えて感謝感激です(*≧∀≦*)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
池に溺れてしまったこの国のお姫様、エメラルド。
あれ?ここって前世で読んだ小説の世界!?
長男の王子は悪役!?次男の王子はヒーロー!?
二人共あの小説のキャラクターじゃん!
そして私は……誰だ!!?え?すぐ死ぬキャラ!?何それ!兄様達はチート過ぎるくらい魔力が強いのに、私はなんてこった!!
へっぽこじゃん!?!
しかも家族仲、兄弟仲が……悪いよ!?
悪役だろうが、ヒーローだろうがみんな仲良くが一番!そして私はへっぽこでも生き抜いてみせる!!
とあるへっぽこ姫が家族と仲良くなる作戦を頑張りつつ、みんなに溺愛されまくるお話です。
※基本家族愛中心です。主人公も幼い年齢からスタートなので、恋愛編はまだ先かなと。
それでもよろしければエメラルド達の成長を温かく見守ってください!
※途中なんか残酷シーンあるあるかもなので、、、苦手でしたらごめんなさい
※不定期更新なります!
現在キャラクター達のイメージ図を描いてます。随時更新するようにします。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる