3 / 28
はじまりは偏見から
③
しおりを挟む
そして迎えた月曜日。
いよいよ本配属初日――俺は、重たい足取りで出社した。
人事に案内されて向かった先で待っていた人物は、会った瞬間に
「あ、この人が噂の室長だな」
と分かるほどの存在感だった。
180cmは確実に超えていそうな高身長に、俳優のように整った顔立ち。
スーツの着こなしも完璧で、賢さと信頼感が滲み出ている。
想像以上であり、俺は一瞬、言葉を失い見惚れてしまった。
「君が相川君だね?DX推進室、室長の司馬だ。どうぞよろしく」
差し出された手にようやく意識が戻り、俺はとっさに考えてきた挨拶を口にした。
「…あっ、はい! 本日より配属になりました相川涼太です。至らない点が多々あるかと思いますが、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします!」
差し出された手を慌てて握り返すと、司馬さんは少しだけ笑った。
「そんなに硬くならなくていいよ。私は中途入社だし、他の課長に比べたら経歴も浅いから。といっても、相川君から見たらオジサンかもしれないけどね」
その言葉に思わず緊張が緩み、肩の力が抜けた。
俺の様子を見て、司馬さんはさらに言葉を続けた。
「早速だけど、うちでは毎週月曜の朝にグループミーティングをやってるんだ。
今週の仕事内容を全体で把握するためのものでね。相川君はまだ分からないことが多いと思うけど、まずは自己紹介して、他の人がどんな仕事をしてるか聞いてみて。」
俺が頷くと、司馬さんは会議室へ案内してくれた。
⸻
部屋に入ると、5人ほどのメンバーがすでに席についていた。
司馬さんは俺を連れて空いている椅子に腰掛け、軽く手を叩いた。
「お待たせ。それじゃあ始めようか。早速だけど、今日から配属された新卒の相川君だ。みんな、よろしく頼むよ。」
「じゃあ相川君、一言お願い。」
「ほっ、本日より配属になりました、相川涼太です。至らない点が多々あるかと思いますが、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします!」
……挨拶のパターン、1種類しか用意してなかった。
だが、パチパチと拍手が起き、何とか乗り切れたようでホッとする。
⸻
その後は、各自の業務報告。
司馬さんが的確にアドバイスや補足を入れていたが――
正直、何を話してるのかまったく分からなかったので、ここは割愛する。
ミーティング終了後、他の人が部屋から出ていく中、司馬さんは俺に話を続けた。
「どうだった?と聞いてもおそらくほとんど分からなかっただろうね。これからの業務だけど、しばらくは私についてもらおうと思ってる。それで仕事内容を学び、ある程度分かってきたら私の担当を一部引き継いでやってみて、最終的には独り立ちして欲しい。そんな感じでいいかな?」
「はっはい!むしろ室長直々に仕事内容を見せてもらえるなんて有難いです。よろしくお願いします!」
正直言うと、この人と一緒なのはやりづらいなと感じたが、初日からそんなことは言えない。
暗い思いを抱えながら、俺の社会人生活が始まった。
いよいよ本配属初日――俺は、重たい足取りで出社した。
人事に案内されて向かった先で待っていた人物は、会った瞬間に
「あ、この人が噂の室長だな」
と分かるほどの存在感だった。
180cmは確実に超えていそうな高身長に、俳優のように整った顔立ち。
スーツの着こなしも完璧で、賢さと信頼感が滲み出ている。
想像以上であり、俺は一瞬、言葉を失い見惚れてしまった。
「君が相川君だね?DX推進室、室長の司馬だ。どうぞよろしく」
差し出された手にようやく意識が戻り、俺はとっさに考えてきた挨拶を口にした。
「…あっ、はい! 本日より配属になりました相川涼太です。至らない点が多々あるかと思いますが、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします!」
差し出された手を慌てて握り返すと、司馬さんは少しだけ笑った。
「そんなに硬くならなくていいよ。私は中途入社だし、他の課長に比べたら経歴も浅いから。といっても、相川君から見たらオジサンかもしれないけどね」
その言葉に思わず緊張が緩み、肩の力が抜けた。
俺の様子を見て、司馬さんはさらに言葉を続けた。
「早速だけど、うちでは毎週月曜の朝にグループミーティングをやってるんだ。
今週の仕事内容を全体で把握するためのものでね。相川君はまだ分からないことが多いと思うけど、まずは自己紹介して、他の人がどんな仕事をしてるか聞いてみて。」
俺が頷くと、司馬さんは会議室へ案内してくれた。
⸻
部屋に入ると、5人ほどのメンバーがすでに席についていた。
司馬さんは俺を連れて空いている椅子に腰掛け、軽く手を叩いた。
「お待たせ。それじゃあ始めようか。早速だけど、今日から配属された新卒の相川君だ。みんな、よろしく頼むよ。」
「じゃあ相川君、一言お願い。」
「ほっ、本日より配属になりました、相川涼太です。至らない点が多々あるかと思いますが、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします!」
……挨拶のパターン、1種類しか用意してなかった。
だが、パチパチと拍手が起き、何とか乗り切れたようでホッとする。
⸻
その後は、各自の業務報告。
司馬さんが的確にアドバイスや補足を入れていたが――
正直、何を話してるのかまったく分からなかったので、ここは割愛する。
ミーティング終了後、他の人が部屋から出ていく中、司馬さんは俺に話を続けた。
「どうだった?と聞いてもおそらくほとんど分からなかっただろうね。これからの業務だけど、しばらくは私についてもらおうと思ってる。それで仕事内容を学び、ある程度分かってきたら私の担当を一部引き継いでやってみて、最終的には独り立ちして欲しい。そんな感じでいいかな?」
「はっはい!むしろ室長直々に仕事内容を見せてもらえるなんて有難いです。よろしくお願いします!」
正直言うと、この人と一緒なのはやりづらいなと感じたが、初日からそんなことは言えない。
暗い思いを抱えながら、俺の社会人生活が始まった。
1
あなたにおすすめの小説
サークル合宿に飛び入り参加した犬系年下イケメン(実は高校生)になぜか執着されてる話【※更新お休み中/再開未定】
日向汐
BL
「来ちゃった」
「いやお前誰だよ」
一途な犬系イケメン高校生(+やたらイケメンなサークルメンバー)×無愛想平凡大学生のピュアなラブストーリー♡(に、なる予定)
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
♡やお気に入り登録、しおり挟んで追ってくださるのも、全部全部ありがとうございます…!すごく励みになります!! ( ߹ᯅ߹ )✨
おかげさまで、なんとか合宿編は終わりそうです。
次の目標は、教育実習・文化祭編までたどり着くこと…、、
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
総愛され書くのは初めてですが、全員キスまではする…予定です。
皆さんがどのキャラを気に入ってくださるか、ワクワクしながら書いてます😊
(教えてもらえたらテンション上がります)
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
⚠︎書きながら展開を考えていくので、途中で何度も加筆修正が入ると思います。
タイトルも仮ですし、不定期更新です。
下書きみたいなお話ですみません💦
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~
青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」
その言葉を言われたのが社会人2年目の春。
あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。
だが、今はー
「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」
「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」
冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。
貴方の視界に、俺は映らないー。
2人の記念日もずっと1人で祝っている。
あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。
そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。
あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。
ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー
※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。
表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。
【完結】かわいい美形の後輩が、俺にだけメロい
日向汐
BL
続編・番外編はTwitter(べったー)に載せていきますので、よかったらぜひ🤲
⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆
過保護なかわいい系美形の後輩。
たまに見せる甘い言動が受けの心を揺する♡
そんなお話。
⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆
【攻め】
雨宮千冬(あめみや・ちふゆ)
大学1年。法学部。
淡いピンク髪、甘い顔立ちの砂糖系イケメン。
甘く切ないラブソングが人気の、歌い手「フユ」として匿名活動中。
【受け】
睦月伊織(むつき・いおり)
大学2年。工学部。
黒髪黒目の平凡大学生。ぶっきらぼうな口調と態度で、ちょっとずぼら。恋愛は初心。
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
ステッドファスト ー恋に一途な僕らの再会ー
ブンダバー
BL
中学の頃から、橋本はずっと鏑木だけを想い続けてきた。
一方の鏑木も、橋本に特別な感情を抱いていながら、モデルとして生きる彼の未来を思い、その一歩を踏み出せずにいた。
時が経ち、広告代理店に勤める社会人となった鏑木と、人気モデルとして芸能界で活躍する橋本は、仕事をきっかけに偶然の再会を果たす。
――あの頃、言えなかった気持ち。
――守りたかった距離。
大人になった今だからこそ、再び動き出す両片想い。
恋も、仕事も、簡単じゃない。それでも不器用に前へ進もうとする
青年たちの、芸能界を舞台にした再会ラブストーリー。
果たして、二人が想いを伝え合える日は来るのか――。
そんな2人を見守る幼馴染サブカップルにも注目!
兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?
perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。
その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。
彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。
……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。
口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。
――「光希、俺はお前が好きだ。」
次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。
六年目の恋、もう一度手をつなぐ
高穂もか
BL
幼なじみで恋人のつむぎと渉は互いにオメガ・アルファの親公認のカップルだ。
順調な交際も六年目――最近の渉はデートもしないし、手もつながなくなった。
「もう、おればっかりが好きなんやろか?」
馴ればっかりの関係に、寂しさを覚えるつむぎ。
そのうえ、渉は二人の通う高校にやってきた美貌の転校生・沙也にかまってばかりで。他のオメガには、優しく甘く接する恋人にもやもやしてしまう。
嫉妬をしても、「友達なんやから面倒なこというなって」と笑われ、遂にはお泊りまでしたと聞き……
「そっちがその気なら、もういい!」
堪忍袋の緒が切れたつむぎは、別れを切り出す。すると、渉は意外な反応を……?
倦怠期を乗り越えて、もう一度恋をする。幼なじみオメガバースBLです♡
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる