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小さな変化
①
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それからというもの、俺は定期的に、司馬さんと休日を過ごすようになった。
まあ、ほとんど俺が半ば強引に押しかけてる形だけど。
毎回どこかへ遠出するわけじゃない。
近場でご飯を食べたり、司馬さんの家でダラダラしたり。
今日は、ダラダラの延長で、司馬さんの家を少し“改造”していた。
というのも、司馬さんの家のテレビはサブスクとか見れる最新のモデルなのに、設定が一切されていなかったのだ。
「もったいないですよ、司馬さん! せっかくですから色々見ましょうよ!ほら、話題作りのために流行りの映画とか見ておくのは大事じゃないですか?」
そう言ってはみたものの、実は俺にも目的があった。
どうせなら、俺の見たい、今流行りのアニメも見られるようにしようという、ちょっとした下心つきで。
案の定、司馬さんは「面倒だ」と渋っていたが、そこをなんとか説き伏せて設定を完了させた。
「……よし、あとは司馬さんのアカウントを入力してっと。はい、できました!」
俺はリモコンを手に、ソファに座っていた司馬さんの隣へ腰を下ろす。
「何か見たいのあります?」
司馬さんはスマホから顔を上げ、テレビの画面をちらりと見る。
「相川に任せる。……どうせ、何か見たいやつがあるんだろ?」
――お見通しだ。
「いやぁ、ちょうどこの『奏唱のペリフェラル』っていうランキング一位のアニメが見たかったんです。羽鳥さんがこのアニメのグッズ持ってるの見かけたんですよ。」
羽鳥さんは、同じDX推進室の先輩女性社員、司馬さんにとっては部下に当たる人だ。
普段は真面目でしっかりした先輩なのだが、食堂で仲間とアニメの話題になったとたんにテンションが跳ね上がる、分かりやすいオタクのタイプだ。
前々からこのアニメが面白いと噂で聞いており興味があったのだが、羽鳥さんの熱狂ぶりを見て、本格的に気になり始めた。
司馬さんは、そういえば何処かで聞いたことあるなと考えているような顔をしていたが、気にせず再生ボタンを押す。
持参したポテチの袋をガサゴソと開けると、隣の司馬さんも無言で手を伸ばしてきた。
なんだかんだ、興味はあるらしい。
俺は心の中でニヤリとしながら、画面を見つめた。
「――えっもう最新話まで見終わっちゃいましたよ!」
「あぁ、面白かったな。合唱部の青春ものかと思いきや、まさか歌いながらバトルを始めるとは思わなかった。」
「曲もいいですよね、あの悪役の王子の歌が特に耳に残っていて……」
気づいたら、2人でアニメの感想を熱く語り合っていた。
来週に次話を見ることを約束し、俺は帰った。
まあ、ほとんど俺が半ば強引に押しかけてる形だけど。
毎回どこかへ遠出するわけじゃない。
近場でご飯を食べたり、司馬さんの家でダラダラしたり。
今日は、ダラダラの延長で、司馬さんの家を少し“改造”していた。
というのも、司馬さんの家のテレビはサブスクとか見れる最新のモデルなのに、設定が一切されていなかったのだ。
「もったいないですよ、司馬さん! せっかくですから色々見ましょうよ!ほら、話題作りのために流行りの映画とか見ておくのは大事じゃないですか?」
そう言ってはみたものの、実は俺にも目的があった。
どうせなら、俺の見たい、今流行りのアニメも見られるようにしようという、ちょっとした下心つきで。
案の定、司馬さんは「面倒だ」と渋っていたが、そこをなんとか説き伏せて設定を完了させた。
「……よし、あとは司馬さんのアカウントを入力してっと。はい、できました!」
俺はリモコンを手に、ソファに座っていた司馬さんの隣へ腰を下ろす。
「何か見たいのあります?」
司馬さんはスマホから顔を上げ、テレビの画面をちらりと見る。
「相川に任せる。……どうせ、何か見たいやつがあるんだろ?」
――お見通しだ。
「いやぁ、ちょうどこの『奏唱のペリフェラル』っていうランキング一位のアニメが見たかったんです。羽鳥さんがこのアニメのグッズ持ってるの見かけたんですよ。」
羽鳥さんは、同じDX推進室の先輩女性社員、司馬さんにとっては部下に当たる人だ。
普段は真面目でしっかりした先輩なのだが、食堂で仲間とアニメの話題になったとたんにテンションが跳ね上がる、分かりやすいオタクのタイプだ。
前々からこのアニメが面白いと噂で聞いており興味があったのだが、羽鳥さんの熱狂ぶりを見て、本格的に気になり始めた。
司馬さんは、そういえば何処かで聞いたことあるなと考えているような顔をしていたが、気にせず再生ボタンを押す。
持参したポテチの袋をガサゴソと開けると、隣の司馬さんも無言で手を伸ばしてきた。
なんだかんだ、興味はあるらしい。
俺は心の中でニヤリとしながら、画面を見つめた。
「――えっもう最新話まで見終わっちゃいましたよ!」
「あぁ、面白かったな。合唱部の青春ものかと思いきや、まさか歌いながらバトルを始めるとは思わなかった。」
「曲もいいですよね、あの悪役の王子の歌が特に耳に残っていて……」
気づいたら、2人でアニメの感想を熱く語り合っていた。
来週に次話を見ることを約束し、俺は帰った。
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