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小さな変化
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翌週、職場にて。
チームミーティングがあり移動していた時、前を歩いていた羽鳥さんがファイルを落としてしまい、近くにいた司馬さんが拾い上げた。
「あっ、これは……」
ファイルが、俺の言っていた羽鳥さんの持っているグッズだったみたいで、司馬さんが無意識に反応した。
その瞬間、物を落として慌てていた羽鳥さんの目の色が変わったのを見逃さなかった。
「司馬さん"奏ペリ"知ってるんですか!!!」
「あ、あぁ。流行ってるみたいだったから、ちょうど先週見初めて……。」
司馬さんが助けを求めるような視線を送ってきたが、普段は余裕のある人がタジタジになっている姿が面白くて、俺は笑いを堪えるのに必死だった。
その後、羽鳥さんのマシンガントークが炸裂した。
その日を境に、司馬さんと周囲の関係が少し変わり始めた。
別に司馬さんは堅苦しい上司だった訳ではない。普通に話せる人だ。
ただ、司馬さんは趣味やプライベートの雑談を今までしなかったのだ。
もちろん、職場なので別に仕事の話しかしないのも間違ってはいない。
けれど、プライベートな話はちょっと気を抜いて話せる分、距離が縮まりやすいものだ。
要するに、司馬さんと部下の距離が、少し近くなった。
「最近羽鳥ちゃん、司馬くんとよく話してるよね。」
「ええ、私が好きな漫画が最近アニメ化されたんですけど、司馬さんも見てるみたいで。
嬉しくて、つい色々話しちゃってます!」
ふと、そんな話が隣の席から耳に入ってきたので向くと、羽鳥さんと小野寺さんが話していた。
小野寺さんは、俺の隣の席に座っている男性だ。ダンディーでモテそうな、小洒落た着こなしをしている。
髪もきっちり整えるというより、毛先を少し遊ばせたスタイルで、肩の力が抜けた二枚目俳優のような雰囲気を纏っている。
部署内では最年長で、司馬さんより年上だが、司馬さんの部下という微妙な立ち位置だ。
小野寺さんにとって、年下の司馬さんが上司というのはやりづらいのでは?と思っていたのだが、司馬"くん"呼びをしているように、良い関係性に見える。
小野寺さんは司馬さんと真反対の、いわゆるチャランポランとした性格だ。普段も雑談ばかり。
だが、見た目時々営業先にものすごく気に入られ、大抵の場合その営業先が太いリピーターになるため、一定の成績を残している。
こんな人だからこそ、年上の上司の元でもメンタルがやられずに仕事出来るのだろう。本当に、不思議な人だ。
「司馬さんって、あまり自分の話をしないじゃないですか。
もちろん、仕事の相談とかは話すんですが、それ以外の話はあまりしないというか。
営業先でも、基本的に聞き役に回って、自分の話はしないですよね。
だから、司馬さんと同じ作品が好きだと分かって嬉しかったんです。
どこか遠くに感じていた人が近くに来てくれたように感じて。」
羽鳥さんがどこか遠くを見ながら語るのを、小野寺さんはにやにやしながら見守っていた。
「もしや羽鳥ちゃん、司馬くんのこと…」
チームミーティングがあり移動していた時、前を歩いていた羽鳥さんがファイルを落としてしまい、近くにいた司馬さんが拾い上げた。
「あっ、これは……」
ファイルが、俺の言っていた羽鳥さんの持っているグッズだったみたいで、司馬さんが無意識に反応した。
その瞬間、物を落として慌てていた羽鳥さんの目の色が変わったのを見逃さなかった。
「司馬さん"奏ペリ"知ってるんですか!!!」
「あ、あぁ。流行ってるみたいだったから、ちょうど先週見初めて……。」
司馬さんが助けを求めるような視線を送ってきたが、普段は余裕のある人がタジタジになっている姿が面白くて、俺は笑いを堪えるのに必死だった。
その後、羽鳥さんのマシンガントークが炸裂した。
その日を境に、司馬さんと周囲の関係が少し変わり始めた。
別に司馬さんは堅苦しい上司だった訳ではない。普通に話せる人だ。
ただ、司馬さんは趣味やプライベートの雑談を今までしなかったのだ。
もちろん、職場なので別に仕事の話しかしないのも間違ってはいない。
けれど、プライベートな話はちょっと気を抜いて話せる分、距離が縮まりやすいものだ。
要するに、司馬さんと部下の距離が、少し近くなった。
「最近羽鳥ちゃん、司馬くんとよく話してるよね。」
「ええ、私が好きな漫画が最近アニメ化されたんですけど、司馬さんも見てるみたいで。
嬉しくて、つい色々話しちゃってます!」
ふと、そんな話が隣の席から耳に入ってきたので向くと、羽鳥さんと小野寺さんが話していた。
小野寺さんは、俺の隣の席に座っている男性だ。ダンディーでモテそうな、小洒落た着こなしをしている。
髪もきっちり整えるというより、毛先を少し遊ばせたスタイルで、肩の力が抜けた二枚目俳優のような雰囲気を纏っている。
部署内では最年長で、司馬さんより年上だが、司馬さんの部下という微妙な立ち位置だ。
小野寺さんにとって、年下の司馬さんが上司というのはやりづらいのでは?と思っていたのだが、司馬"くん"呼びをしているように、良い関係性に見える。
小野寺さんは司馬さんと真反対の、いわゆるチャランポランとした性格だ。普段も雑談ばかり。
だが、見た目時々営業先にものすごく気に入られ、大抵の場合その営業先が太いリピーターになるため、一定の成績を残している。
こんな人だからこそ、年上の上司の元でもメンタルがやられずに仕事出来るのだろう。本当に、不思議な人だ。
「司馬さんって、あまり自分の話をしないじゃないですか。
もちろん、仕事の相談とかは話すんですが、それ以外の話はあまりしないというか。
営業先でも、基本的に聞き役に回って、自分の話はしないですよね。
だから、司馬さんと同じ作品が好きだと分かって嬉しかったんです。
どこか遠くに感じていた人が近くに来てくれたように感じて。」
羽鳥さんがどこか遠くを見ながら語るのを、小野寺さんはにやにやしながら見守っていた。
「もしや羽鳥ちゃん、司馬くんのこと…」
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