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2巻
2-3
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◆
数時間後、『魔導士の集い』の三人は、宿の食事処で夕食をとっていた。
「まさか、あの時代遅れがまだ冒険者をしていたとはな。いや、あれを冒険者と呼んでいいのか分からないが」
ミルドはフォークを肉に突き刺して、ニヤッと笑みを浮かべた。
三人は冒険者ギルドでのやり取りを思い出して噴き出した。
「子守りをして自信でもつけたのかしらね? ミルドの支援魔法がなければ何もできないくせにね」
「まったくだ。あいつが調子に乗るから、子犬とガキも調子に乗るのだ」
ランとギークはそう言うと、酒の入ったグラスを傾けた。
しかし、彼らは気づいていない。
ミルドの支援魔法が凄いわけではなく、サラの前衛としての能力が高かったおかげで、短期間のうちにC級パーティになれたということに。
彼らは魔法が使えない純剣士であるサラを完全に侮っていた。一般的にも純剣士は馬鹿にされがちだが、それにしてもミルドたちの偏った思考は大概である。
それは、彼らが魔法使いを高貴な存在だと思い込んでいることが原因だった。
魔法使いは大きく二つに分けられる。
一つは冒険者として魔法を使って魔物たちと戦う者。
もう一つは生涯を通して魔法の研究を行う者だ。
『魔導士の集い』の三人は後者の魔法使いだった。
一般的に高学歴と言われている魔法学校に在学しながら、とある理由で冒険者をしている彼らは、魔法の知識がない者は自分よりも下の存在であるという認識を持っていた。
「それにしても、今回の前衛もハズレだったな。なんで俺の支援魔法を受けて、サラ以下の働きしかできないんだ」
「マジで前衛のレベル低すぎでしょ。どうして魔法が使えるのに、純剣士以下の動きしかできないかな」
ミルドとランは今日の依頼のことを思い出して、大きなため息を吐いた。
今日彼らの前衛を務めたのは、他のC級パーティで前衛をしていた者だった。
実力的に問題がある人物ではなかったのだが、全く機能しない後衛のミルドたちを守りながら戦うとなると荷が重すぎる。結局彼らは目的の魔物までたどり着くこともできず、途中で引き返す羽目になったのだった。
「その前の前衛も外れだったな。やはり前衛職に期待などすべきではないな」
ギークはそう言うと、腕を組んで眉をひそめる。
サラが抜けてから、彼らのパーティには二度新しい前衛が加わった。
しかし二人ともミルドたちの壊滅的な実力と、酷すぎる扱いに嫌気が差して、パーティを去っていった。
普通なら二度も前衛に出ていかれれば、自分たちに問題があると気づくものだが、彼らには全くその様子がない。それだけ周りが見えておらず、自分たちこそが正しいという思い込みに囚われていたのだった。
「ねぇ、ミルド。この街にまともな前衛職なんていないじゃん。勝負のときの前衛はどうすんの?」
ランの言葉を聞いて、ミルドは得意げな表情を浮かべる。
「それは問題ない。冒険者ギルドには最低でもB級パーティの前衛を用意しろと言っておいた」
「おお、さすがだな。ミルド」
ギークに褒められて、ミルドはドヤ顔でグラスを揺らす。
「当たり前だ。前衛に足を引っ張られて勝負に負けるなんて、馬鹿らしいだろ? 本来の俺たちの力を発揮できれば、あんな依頼は簡単に達成できるのだからな」
ランとギークは大きく頷いて、ミルドに同意する。
「調子に乗ってるサラに自分の立場を教えてあげないとね」
「俺たちを馬鹿にしてきた子犬とガキと一緒にな」
二人の言葉を聞いて、ミルドは満足げに口元を緩めた。
間違いだらけの話し合いだというのに、そこに誰もツッコむ者はいなかった。
こうして、残念すぎる魔法使いたちの食事会は進んでいくのだった。
4 勝負開始
『魔導士の集い』との一悶着から数日後――ついに勝負の日を迎えた。
ケルとサラさんと共に冒険者ギルドに向かうと、疲れきった顔をしたエリさんがいた。
カウンターに向かうと、エリさんは俺たちに気づいて顔を上げる。
「あ、ソータくん。サラさん、ケルさんもこんにちは」
エリさんはすぐにいつもの営業スマイルを見せたが、いつもとは様子が違っていた。
……さすがに、スルーはできないよね。
「エリさん、何かあったんですか?」
サラさんがエリさんの顔を覗き込んだ。
「まぁ、色々とありまして」
エリさんは気まずそうに笑うと、ため息まじりに続ける。
「ソータくんとミルドさんたちの勝負が決まったあの少し後、ミルドさんが冒険者ギルドに戻ってきたんですよ」
「ミルドが?」
「はい。『最低でもB級パーティの前衛を用意しろ』と言ってきまして。それに該当する冒険者を探すのが大変だったんです」
それを聞いて、俺とサラさんは目を丸くした。
確かミルドたちって、C級のパーティじゃなかったっけ?
「B級以上ですか? C級の前衛ではなく?」
俺が思わず聞くと、エリさんは「そうなんですよ」と言って目を細める。
「ミルドさん曰く、自分たちはB級パーティの力があるから、それ以下の前衛は足手まといになってバランスが悪いとか言ってるんです。もう普通じゃないですよ」
エリさんがうな垂れていると、冒険者ギルドの奥からギルド長のハンスさんがやってきた。
「まさか、俺がいないうちにそんなことになっていたとはな」
ハンスさんは頭を掻いてから眉をひそめる。
「まぁ、今回の勝負は都合がいいかもしれない。あいつらの言動は色々と問題だらけだったからな。一度痛い目を見た方がいい」
「問題ですか?」
俺が首を傾げると、ハンスさんは続ける。
「自分の実力を分かっていない。前衛や、学歴が自分よりも下の奴らを馬鹿にする。そんな奴らだから、他の冒険者たちから不満や苦情が多数寄せられているんだ。とはいえ、悪事を働いたわけではないからな……ギルドとしてはなんとも……」
「そんな人たちのパーティで前衛をしてくれる冒険者なんて、ほとんどいなかったんですよ。本当に骨が折れました」
エリさんがそう言うと、ハンスさんは同情するように苦笑した。
そんな二人のやり取りを見ていたサラさんが、深く頭を下げる。
「申し訳ない、エリさん。私たちがこんな勝負をしなければ――」
「謝らないでください、サラさん……その代わり、ぼこぼこにしてやってくださいね!」
エリさんは笑顔でそう言うと、サラさんに向けて拳をぴっと突き出した。
突然のことに驚きながらも、サラさんは照れくさそうにエリと拳を合わせた。
そのやり取りを見ていたハンスさんは、何事かをエリさんに耳打ちする。
「エリ。あのことはミルドたちに言ってあるんだろうな?」
「もちろんです。ちゃんと言っておきましたよ」
それを聞いてハンスさんは、納得した様子で「それならいいか」と呟いた。
一体なんのことだろうか?
俺がサラさんと顔を見合わせていると、勢いよく冒険者ギルドの扉が開かれた。
その扉の先には『魔導士の集い』の三人の姿があった。
「ほほう。逃げることなく来たのか、サラ」
ミルドは眼鏡の縁をくいっと上げると、得意げな顔でこちらに向かって歩いてくる。
そして、その後ろにはランとギークの姿もあった。
「魔法が使えないくせに本気で私たちに楯突くんだ? それって勇敢じゃなくて無謀って言うんだけど」
「それが分からないんだろう。頭が足りんのだ、頭がな」
やれやれと言った様子でやってきた二人は、つまらないものを見る目でサラさんを見た。
すると、エリさんが咳払いを一つ。
「こほん。あと少ししたら、ミルドさんたちがご所望のB級パーティの前衛職の方が来ます。その方が来たら、依頼開始ということで」
エリさんの言葉を聞いたミルドは鼻で笑う。
「ふんっ、B級か。まぁ、最低ラインではあるな」
「B級か~。まぁ、仕方ないわね」
「我慢するしかないな。このギルド職員に、それ以上の働きを求めても無駄だしな」
ミルド、ラン、ギークの口ぶりに、エリさんは口元を引きつらせた。
……一体、この三人はどの立場でものを言っているのだろう。
しかし呆れる俺に対して、ケルはテンションを上げているみたいだ。
「フフフッ、よい。面白いではないか。まさかここまで愚かな人間だったとはな」
ケルがテンションを上げる相手というだけで、この三人がどういう人間なのか察しがつく。
俺はそんなことを考えながら、勝負開始の合図を待つことにした。
◆
それから、ミルドのパーティに加わる冒険者が合流して、俺たちは討伐対象の目撃情報があった森の奥へと馬車で向かった。
「今回討伐する魔物は……ハメレオンダス、でしたっけ?」
俺は馬車に揺られながら、エリさんから貰った依頼書に目を通していた。
初めて相手にする魔物だし、必要な情報は極力頭に入れておきたいと考えて依頼書を読み込んでいる。
書類には、今回の討伐対象となる魔物の大まかな習性などが書かれていた。
今回の討伐対象はハメレオンダスという魔物で、体の色を自在に変えることができるらしい。
狩りをするときや身を隠したいときに、周囲に姿を溶け込ませるのだ。
体の大きさに反して動きは素早く、長く伸ばした舌で獲物を巻き付けて捕食するらしい。
うーん。もしかしたら、少し厄介な魔物なのかもしれない。
俺はそう考えながら、隣に座るサラさんを見る。
「サラさんはハメレオンダスと戦った経験はありますか?」
「いや、話を聞いたことがあるだけで、戦ってはいないね」
「そうですか。もしかしたら、結構珍しい魔物なのかもしれませんね」
そんな会話をしていると、俺の膝の上で丸まっていたケルが顔を上げた。
「ソータたちなら何も問題はないだろう。それよりも……あっちの愚かな者たちには、さっそく問題が起きていそうだぞ」
「問題?」
ケルが見つめている方に顔を向けると、そこにはミルドたちの姿があった。
ミルドたちも同じ依頼を受けているので、この馬車に同乗している。
これから勝負をするのに同じ空間にいるって、結構気まずいんだよね。
しかし、そんなことが気にならないくらい、ミルドたちの話し合いはヒートアップしているように見えた。
なんの話で盛り上がっているのだろうと思って耳を傾けると、ミルドの偉そうな声が聞こえてきた。
「だから、何度言えば分かる? 前衛はお前一人だ。お前は俺たちが魔法で魔物を倒すまで、肉壁になればいいんだ」
「壁になれというのはまだいい。ただ、フォーメーションもなく、いつになれば援護があるかも分からないっていうのはどういうことだ? 時間稼ぎをしろと言うなら、せめてどのくらい時間を稼げばいいのかくらい教えてくれ」
新しくミルドのパーティに加わった男は、眉をひそめて不満そうな顔をしていた。
確か名前は、グラストと言っていたっけ?
馬車に乗る前は気さくで優しそうなお兄さんって感じの印象だったのに、この十数分でずいぶんと苛立っているよう見える。
「あんたがそんなこと考える必要はないの。黙って壁になってればいいでしょ」
「まったくだ。どうせ前衛職なんてそれくらいしかできないだろう」
ランとギークの発言を聞いて、俺は顔を引きつらせた。
「うわぁ、結構酷いことを言ってますね」
「基本的に前衛職を見下しているからね。いや、むしろ自分たちが選ばれた存在だと思い込んでいる節があるからかな?」
「選ばれた存在ですか?」
サラさんの言葉を聞いて、俺は思わず首を傾げてしまう。
ぱっと見た感じ、何かに優れているようには見えない。
一体、何に選ばれたというのだろうか?
サラさんは彼らを見ながら続ける。
「『知能が高く、魔法の知識量が多い我らは、神から選ばれた存在だ』ってよく言ってたね。彼ら、勉強はよくできるみたいだからさ」
「な、なるほど……」
彼らの言い分は全く意味が分からないけど、前衛職を馬鹿にしている理由については理解した。
そんなふうに考えてるから、あんなに見下すことができるのか。
でも、冒険者に必要な能力って頭の良し悪しだけじゃない気がするんだけどな……
俺が呆気にとられていると、太ももの上にいるケルが嬉しそうに笑う。
「フフフッ、さぞプライドが高いのだろうな。それが崩されたとき、どんな顔をするのか楽しみではないか」
ケルは勝負で勝った後のことを想像したのか、リズミカルに尻尾を振っていた。
相変わらず見た目は可愛らしいのに、言うことは結構えぐいなぁ。
俺は苦笑しながらケルの頭を優しく撫でた。
そうこうしているうちに目的地に到着し、俺たちは馬車から降りた。
「それじゃあ、『魔力探知』をしながら森の中を探索していきましょうか」
俺はぐっと伸びを一つしてから、サラさんとケルに言った。
今回の魔物は姿を隠している可能性がある。
姿が見えない魔物を探すということは、今まで以上に俺とケルの『魔力探知』が重要になってくるだろう。
あれ? そういえば、ミルドたちはどうやってハメレオンダスを見つけるのだろうか?
俺たちみたいに『魔力探知』が使えたりするのかな?
ミルドたちの方を見ると、彼らは地面に魔法陣を描いてそれをじっと眺めていた。
……え、何やってんの?
思わず足を止めて見入っていると、視線に気づいたミルドが自慢げにふんぞり返った。
「貴様らのように学がないと、何をしているのか分からんだろ?」
どうしよう、本当に何をやっているのか分からない。
俺が何も言えずにいると、魔法陣に手を置いたランが顔を上げる。
「特別に教えてあげる。これはね、魔力の残滓を検出する方法なの。この魔法を使えば、討伐対象がどこにいるのか大体見当がつくのよ」
「え、そんなことができるんですか?」
『魔力探知』で分かるのは、魔力を持つものがどこにいるかのみ。個別の対象を割り出すことはできない。
まさか、そんな便利な魔法があったなんて……
俺が前のめりになってランが使う魔法を見ようとすると、ケルがポンッと前足で俺の太ももを軽く叩いて首を横に振った。
サラさんも何やら苦い顔をしている。
え、なんで二人ともそんな反応なんだろ?
ランは魔法陣の周りに高そうな魔石を並べていった。
その作業を終えると、ランはやりきったような顔で汗を拭う。
「よっし。とりあえず、仕掛けは終わったわ。一時間待ちましょうか」
「「え?」」
俺とグラストさんの声が重なった。
「何よ?」
俺たちの反応が気に入らなかったのか、ランがじろっと睨んできた。
「魔力の痕跡を探るのよ? そのくらい時間がかかって当然でしょ? そんなことも分からないの?」
当然のようにそう言われ、俺は反応に困ってしまう。
この一個の仕掛けだけで、森の中にいる魔物全ての魔力の痕跡を探せるとは思えない。
ということは、ミルドたちはこれをいろんな場所で何度もやるつもりなのか?
その度に一時間かかるとなると、さすがに効率が悪すぎない?
「ソータ。行こうか」
「あ、はい」
サラさんの言葉に従って、俺は呆れて立ち尽くすグラストさんを残して、その場を立ち去った。
少し歩いてから振り向いてみたけど、ミルドたちはその場から動く素振りを見せない。
本当にあのやり方で魔物を見つけられるのだろうか?
「魔力の残滓を見つけたとしても、それがいつ残されたものかなど分からんだろう。あれはただの自己満足でしかないぞ」
ケルがそう言って、つまらなそうな目でミルドたちを見る。
「え、そうなの? じゃあ、なんでミルドたちはあんな魔法を使っているんだろう?」
「それっぽいことをして、悦に入りたいのだろうな」
「悦に入りたいだけって……あの人たちって、一応C級なんだよね?」
C級パーティというのは、一定レベルの実力を持った冒険者のパーティだ。だから「それっぽいことをしたい」とか、そんなレベルの人はいないと思うんだけど。
俺が疑問を口にすると、ケルは待ってましたと言わんばかりの笑みを浮かべた。
「エリから聞いたが、あのパーティはサラを追放してから、まだ一度も依頼を達成していないらしいぞ」
「え? 一度も?」
ケルの言葉を聞いて、サラさんは露骨に聞き返した。
サラさん抜きだと一度も依頼を達成できていないってことは……ミルドたちも、オリバたちと同じタイプか。
オリバが俺に頼っていたように、ミルドたちはサラさんに頼り切っていたのだ。
それに気づかずに追放する辺りもそっくりかもしれない。
「意外だったか?」
「……いや、そんなこともないかもね」
ケルに問われたサラさんは、少しだけすっきりした顔でそう答えた。
俺はそんな彼女を見て口元を緩める。
「それじゃあ、ミルドたちは置いておいて、先にハメレオンダスを見つけましょうか!」
俺はそう意気込んで『魔力探知』を使いながら、森の奥へと向かっていった。
5 それぞれのパーティ
「『火球』!」
「キュウゥ!!」
俺が魔法を唱えると、勢いよく飛び出していった炎の玉が大きなネズミのような魔物――ハイラットを吹っ飛ばした。
魔法の発射口を上手く調整することで、魔法の威力も確実に上がっているようだ。
サラさんとケルの方も、それぞれハイラットをあっさりと倒していた。
俺は転がっているその魔物を見ながら、腕を組んで考える。
「さっきからこの魔物、多くないですか?」
ハメレオンダスを捜索している最中、何度か別の魔物と遭遇したのだが、結構な確率で今倒れているハイラットと戦っている気がする。
「確かに多いね。どこかに巣でもあるのかな?」
「ハイラットは繁殖力が凄いからな。これだけいても不自然ではない。どちらかというと、他のことの方が気になるが……」
サラさんにそう答えたケルは、倒れているハイラットの手足をムニムニと踏んで何かを考えていた。
一瞬、何をしているのか気になるが、以前ケルに魔物の死体蹴りを提案されたことを思い出して、俺は聞くのをやめておいた。
まぁ、あのときは魔法の練習のための提案だったし、いたずらに死体を傷付けようとしていたわけではないんだけどね。
ケルはしばらくハイラットの手足をムニムニとしてから顔を上げる。
「これだけハイラットがいるということは、ハメレオンダスも近いかもしれぬな。この魔物たちはハメレオンダスの良い餌だろう」
「え、ハメレオンダスって、この魔物を食べるの?」
「ああ。恐らく一呑みだな」
俺はケルの言葉を聞いて、思わず驚きの声を上げる。
俺の下半身くらいあるハイラットを一呑みにするということは、ハメレオンダスはそれなりに大きい魔物なのだろう。
そんなにでかい魔物が、保護色になって姿を隠しているらしい。
そうなると、気がついたときにはすでにハメレオンダスの腹の中にいる、なんてこともあるかもしれない。
「『魔力探知』で警戒しておかないと……ん? ケル!」
「ああ。何かが凄いスピードで迫ってきてるな」
気を引き締めなくてはと思った次の瞬間、凄いスピードで動いている魔力があることに気づいた。
そしてそれは、俺たちのすぐ近くまで迫ってきている。
「キュウゥ!!」
俺たちが構えていると、茂みの中から血相を変えたハイラットが飛び出してきた。
そして次の瞬間、縞模様の長い体を持つ蛇の魔物が、勢いよくハイラットに襲いかかった。
数時間後、『魔導士の集い』の三人は、宿の食事処で夕食をとっていた。
「まさか、あの時代遅れがまだ冒険者をしていたとはな。いや、あれを冒険者と呼んでいいのか分からないが」
ミルドはフォークを肉に突き刺して、ニヤッと笑みを浮かべた。
三人は冒険者ギルドでのやり取りを思い出して噴き出した。
「子守りをして自信でもつけたのかしらね? ミルドの支援魔法がなければ何もできないくせにね」
「まったくだ。あいつが調子に乗るから、子犬とガキも調子に乗るのだ」
ランとギークはそう言うと、酒の入ったグラスを傾けた。
しかし、彼らは気づいていない。
ミルドの支援魔法が凄いわけではなく、サラの前衛としての能力が高かったおかげで、短期間のうちにC級パーティになれたということに。
彼らは魔法が使えない純剣士であるサラを完全に侮っていた。一般的にも純剣士は馬鹿にされがちだが、それにしてもミルドたちの偏った思考は大概である。
それは、彼らが魔法使いを高貴な存在だと思い込んでいることが原因だった。
魔法使いは大きく二つに分けられる。
一つは冒険者として魔法を使って魔物たちと戦う者。
もう一つは生涯を通して魔法の研究を行う者だ。
『魔導士の集い』の三人は後者の魔法使いだった。
一般的に高学歴と言われている魔法学校に在学しながら、とある理由で冒険者をしている彼らは、魔法の知識がない者は自分よりも下の存在であるという認識を持っていた。
「それにしても、今回の前衛もハズレだったな。なんで俺の支援魔法を受けて、サラ以下の働きしかできないんだ」
「マジで前衛のレベル低すぎでしょ。どうして魔法が使えるのに、純剣士以下の動きしかできないかな」
ミルドとランは今日の依頼のことを思い出して、大きなため息を吐いた。
今日彼らの前衛を務めたのは、他のC級パーティで前衛をしていた者だった。
実力的に問題がある人物ではなかったのだが、全く機能しない後衛のミルドたちを守りながら戦うとなると荷が重すぎる。結局彼らは目的の魔物までたどり着くこともできず、途中で引き返す羽目になったのだった。
「その前の前衛も外れだったな。やはり前衛職に期待などすべきではないな」
ギークはそう言うと、腕を組んで眉をひそめる。
サラが抜けてから、彼らのパーティには二度新しい前衛が加わった。
しかし二人ともミルドたちの壊滅的な実力と、酷すぎる扱いに嫌気が差して、パーティを去っていった。
普通なら二度も前衛に出ていかれれば、自分たちに問題があると気づくものだが、彼らには全くその様子がない。それだけ周りが見えておらず、自分たちこそが正しいという思い込みに囚われていたのだった。
「ねぇ、ミルド。この街にまともな前衛職なんていないじゃん。勝負のときの前衛はどうすんの?」
ランの言葉を聞いて、ミルドは得意げな表情を浮かべる。
「それは問題ない。冒険者ギルドには最低でもB級パーティの前衛を用意しろと言っておいた」
「おお、さすがだな。ミルド」
ギークに褒められて、ミルドはドヤ顔でグラスを揺らす。
「当たり前だ。前衛に足を引っ張られて勝負に負けるなんて、馬鹿らしいだろ? 本来の俺たちの力を発揮できれば、あんな依頼は簡単に達成できるのだからな」
ランとギークは大きく頷いて、ミルドに同意する。
「調子に乗ってるサラに自分の立場を教えてあげないとね」
「俺たちを馬鹿にしてきた子犬とガキと一緒にな」
二人の言葉を聞いて、ミルドは満足げに口元を緩めた。
間違いだらけの話し合いだというのに、そこに誰もツッコむ者はいなかった。
こうして、残念すぎる魔法使いたちの食事会は進んでいくのだった。
4 勝負開始
『魔導士の集い』との一悶着から数日後――ついに勝負の日を迎えた。
ケルとサラさんと共に冒険者ギルドに向かうと、疲れきった顔をしたエリさんがいた。
カウンターに向かうと、エリさんは俺たちに気づいて顔を上げる。
「あ、ソータくん。サラさん、ケルさんもこんにちは」
エリさんはすぐにいつもの営業スマイルを見せたが、いつもとは様子が違っていた。
……さすがに、スルーはできないよね。
「エリさん、何かあったんですか?」
サラさんがエリさんの顔を覗き込んだ。
「まぁ、色々とありまして」
エリさんは気まずそうに笑うと、ため息まじりに続ける。
「ソータくんとミルドさんたちの勝負が決まったあの少し後、ミルドさんが冒険者ギルドに戻ってきたんですよ」
「ミルドが?」
「はい。『最低でもB級パーティの前衛を用意しろ』と言ってきまして。それに該当する冒険者を探すのが大変だったんです」
それを聞いて、俺とサラさんは目を丸くした。
確かミルドたちって、C級のパーティじゃなかったっけ?
「B級以上ですか? C級の前衛ではなく?」
俺が思わず聞くと、エリさんは「そうなんですよ」と言って目を細める。
「ミルドさん曰く、自分たちはB級パーティの力があるから、それ以下の前衛は足手まといになってバランスが悪いとか言ってるんです。もう普通じゃないですよ」
エリさんがうな垂れていると、冒険者ギルドの奥からギルド長のハンスさんがやってきた。
「まさか、俺がいないうちにそんなことになっていたとはな」
ハンスさんは頭を掻いてから眉をひそめる。
「まぁ、今回の勝負は都合がいいかもしれない。あいつらの言動は色々と問題だらけだったからな。一度痛い目を見た方がいい」
「問題ですか?」
俺が首を傾げると、ハンスさんは続ける。
「自分の実力を分かっていない。前衛や、学歴が自分よりも下の奴らを馬鹿にする。そんな奴らだから、他の冒険者たちから不満や苦情が多数寄せられているんだ。とはいえ、悪事を働いたわけではないからな……ギルドとしてはなんとも……」
「そんな人たちのパーティで前衛をしてくれる冒険者なんて、ほとんどいなかったんですよ。本当に骨が折れました」
エリさんがそう言うと、ハンスさんは同情するように苦笑した。
そんな二人のやり取りを見ていたサラさんが、深く頭を下げる。
「申し訳ない、エリさん。私たちがこんな勝負をしなければ――」
「謝らないでください、サラさん……その代わり、ぼこぼこにしてやってくださいね!」
エリさんは笑顔でそう言うと、サラさんに向けて拳をぴっと突き出した。
突然のことに驚きながらも、サラさんは照れくさそうにエリと拳を合わせた。
そのやり取りを見ていたハンスさんは、何事かをエリさんに耳打ちする。
「エリ。あのことはミルドたちに言ってあるんだろうな?」
「もちろんです。ちゃんと言っておきましたよ」
それを聞いてハンスさんは、納得した様子で「それならいいか」と呟いた。
一体なんのことだろうか?
俺がサラさんと顔を見合わせていると、勢いよく冒険者ギルドの扉が開かれた。
その扉の先には『魔導士の集い』の三人の姿があった。
「ほほう。逃げることなく来たのか、サラ」
ミルドは眼鏡の縁をくいっと上げると、得意げな顔でこちらに向かって歩いてくる。
そして、その後ろにはランとギークの姿もあった。
「魔法が使えないくせに本気で私たちに楯突くんだ? それって勇敢じゃなくて無謀って言うんだけど」
「それが分からないんだろう。頭が足りんのだ、頭がな」
やれやれと言った様子でやってきた二人は、つまらないものを見る目でサラさんを見た。
すると、エリさんが咳払いを一つ。
「こほん。あと少ししたら、ミルドさんたちがご所望のB級パーティの前衛職の方が来ます。その方が来たら、依頼開始ということで」
エリさんの言葉を聞いたミルドは鼻で笑う。
「ふんっ、B級か。まぁ、最低ラインではあるな」
「B級か~。まぁ、仕方ないわね」
「我慢するしかないな。このギルド職員に、それ以上の働きを求めても無駄だしな」
ミルド、ラン、ギークの口ぶりに、エリさんは口元を引きつらせた。
……一体、この三人はどの立場でものを言っているのだろう。
しかし呆れる俺に対して、ケルはテンションを上げているみたいだ。
「フフフッ、よい。面白いではないか。まさかここまで愚かな人間だったとはな」
ケルがテンションを上げる相手というだけで、この三人がどういう人間なのか察しがつく。
俺はそんなことを考えながら、勝負開始の合図を待つことにした。
◆
それから、ミルドのパーティに加わる冒険者が合流して、俺たちは討伐対象の目撃情報があった森の奥へと馬車で向かった。
「今回討伐する魔物は……ハメレオンダス、でしたっけ?」
俺は馬車に揺られながら、エリさんから貰った依頼書に目を通していた。
初めて相手にする魔物だし、必要な情報は極力頭に入れておきたいと考えて依頼書を読み込んでいる。
書類には、今回の討伐対象となる魔物の大まかな習性などが書かれていた。
今回の討伐対象はハメレオンダスという魔物で、体の色を自在に変えることができるらしい。
狩りをするときや身を隠したいときに、周囲に姿を溶け込ませるのだ。
体の大きさに反して動きは素早く、長く伸ばした舌で獲物を巻き付けて捕食するらしい。
うーん。もしかしたら、少し厄介な魔物なのかもしれない。
俺はそう考えながら、隣に座るサラさんを見る。
「サラさんはハメレオンダスと戦った経験はありますか?」
「いや、話を聞いたことがあるだけで、戦ってはいないね」
「そうですか。もしかしたら、結構珍しい魔物なのかもしれませんね」
そんな会話をしていると、俺の膝の上で丸まっていたケルが顔を上げた。
「ソータたちなら何も問題はないだろう。それよりも……あっちの愚かな者たちには、さっそく問題が起きていそうだぞ」
「問題?」
ケルが見つめている方に顔を向けると、そこにはミルドたちの姿があった。
ミルドたちも同じ依頼を受けているので、この馬車に同乗している。
これから勝負をするのに同じ空間にいるって、結構気まずいんだよね。
しかし、そんなことが気にならないくらい、ミルドたちの話し合いはヒートアップしているように見えた。
なんの話で盛り上がっているのだろうと思って耳を傾けると、ミルドの偉そうな声が聞こえてきた。
「だから、何度言えば分かる? 前衛はお前一人だ。お前は俺たちが魔法で魔物を倒すまで、肉壁になればいいんだ」
「壁になれというのはまだいい。ただ、フォーメーションもなく、いつになれば援護があるかも分からないっていうのはどういうことだ? 時間稼ぎをしろと言うなら、せめてどのくらい時間を稼げばいいのかくらい教えてくれ」
新しくミルドのパーティに加わった男は、眉をひそめて不満そうな顔をしていた。
確か名前は、グラストと言っていたっけ?
馬車に乗る前は気さくで優しそうなお兄さんって感じの印象だったのに、この十数分でずいぶんと苛立っているよう見える。
「あんたがそんなこと考える必要はないの。黙って壁になってればいいでしょ」
「まったくだ。どうせ前衛職なんてそれくらいしかできないだろう」
ランとギークの発言を聞いて、俺は顔を引きつらせた。
「うわぁ、結構酷いことを言ってますね」
「基本的に前衛職を見下しているからね。いや、むしろ自分たちが選ばれた存在だと思い込んでいる節があるからかな?」
「選ばれた存在ですか?」
サラさんの言葉を聞いて、俺は思わず首を傾げてしまう。
ぱっと見た感じ、何かに優れているようには見えない。
一体、何に選ばれたというのだろうか?
サラさんは彼らを見ながら続ける。
「『知能が高く、魔法の知識量が多い我らは、神から選ばれた存在だ』ってよく言ってたね。彼ら、勉強はよくできるみたいだからさ」
「な、なるほど……」
彼らの言い分は全く意味が分からないけど、前衛職を馬鹿にしている理由については理解した。
そんなふうに考えてるから、あんなに見下すことができるのか。
でも、冒険者に必要な能力って頭の良し悪しだけじゃない気がするんだけどな……
俺が呆気にとられていると、太ももの上にいるケルが嬉しそうに笑う。
「フフフッ、さぞプライドが高いのだろうな。それが崩されたとき、どんな顔をするのか楽しみではないか」
ケルは勝負で勝った後のことを想像したのか、リズミカルに尻尾を振っていた。
相変わらず見た目は可愛らしいのに、言うことは結構えぐいなぁ。
俺は苦笑しながらケルの頭を優しく撫でた。
そうこうしているうちに目的地に到着し、俺たちは馬車から降りた。
「それじゃあ、『魔力探知』をしながら森の中を探索していきましょうか」
俺はぐっと伸びを一つしてから、サラさんとケルに言った。
今回の魔物は姿を隠している可能性がある。
姿が見えない魔物を探すということは、今まで以上に俺とケルの『魔力探知』が重要になってくるだろう。
あれ? そういえば、ミルドたちはどうやってハメレオンダスを見つけるのだろうか?
俺たちみたいに『魔力探知』が使えたりするのかな?
ミルドたちの方を見ると、彼らは地面に魔法陣を描いてそれをじっと眺めていた。
……え、何やってんの?
思わず足を止めて見入っていると、視線に気づいたミルドが自慢げにふんぞり返った。
「貴様らのように学がないと、何をしているのか分からんだろ?」
どうしよう、本当に何をやっているのか分からない。
俺が何も言えずにいると、魔法陣に手を置いたランが顔を上げる。
「特別に教えてあげる。これはね、魔力の残滓を検出する方法なの。この魔法を使えば、討伐対象がどこにいるのか大体見当がつくのよ」
「え、そんなことができるんですか?」
『魔力探知』で分かるのは、魔力を持つものがどこにいるかのみ。個別の対象を割り出すことはできない。
まさか、そんな便利な魔法があったなんて……
俺が前のめりになってランが使う魔法を見ようとすると、ケルがポンッと前足で俺の太ももを軽く叩いて首を横に振った。
サラさんも何やら苦い顔をしている。
え、なんで二人ともそんな反応なんだろ?
ランは魔法陣の周りに高そうな魔石を並べていった。
その作業を終えると、ランはやりきったような顔で汗を拭う。
「よっし。とりあえず、仕掛けは終わったわ。一時間待ちましょうか」
「「え?」」
俺とグラストさんの声が重なった。
「何よ?」
俺たちの反応が気に入らなかったのか、ランがじろっと睨んできた。
「魔力の痕跡を探るのよ? そのくらい時間がかかって当然でしょ? そんなことも分からないの?」
当然のようにそう言われ、俺は反応に困ってしまう。
この一個の仕掛けだけで、森の中にいる魔物全ての魔力の痕跡を探せるとは思えない。
ということは、ミルドたちはこれをいろんな場所で何度もやるつもりなのか?
その度に一時間かかるとなると、さすがに効率が悪すぎない?
「ソータ。行こうか」
「あ、はい」
サラさんの言葉に従って、俺は呆れて立ち尽くすグラストさんを残して、その場を立ち去った。
少し歩いてから振り向いてみたけど、ミルドたちはその場から動く素振りを見せない。
本当にあのやり方で魔物を見つけられるのだろうか?
「魔力の残滓を見つけたとしても、それがいつ残されたものかなど分からんだろう。あれはただの自己満足でしかないぞ」
ケルがそう言って、つまらなそうな目でミルドたちを見る。
「え、そうなの? じゃあ、なんでミルドたちはあんな魔法を使っているんだろう?」
「それっぽいことをして、悦に入りたいのだろうな」
「悦に入りたいだけって……あの人たちって、一応C級なんだよね?」
C級パーティというのは、一定レベルの実力を持った冒険者のパーティだ。だから「それっぽいことをしたい」とか、そんなレベルの人はいないと思うんだけど。
俺が疑問を口にすると、ケルは待ってましたと言わんばかりの笑みを浮かべた。
「エリから聞いたが、あのパーティはサラを追放してから、まだ一度も依頼を達成していないらしいぞ」
「え? 一度も?」
ケルの言葉を聞いて、サラさんは露骨に聞き返した。
サラさん抜きだと一度も依頼を達成できていないってことは……ミルドたちも、オリバたちと同じタイプか。
オリバが俺に頼っていたように、ミルドたちはサラさんに頼り切っていたのだ。
それに気づかずに追放する辺りもそっくりかもしれない。
「意外だったか?」
「……いや、そんなこともないかもね」
ケルに問われたサラさんは、少しだけすっきりした顔でそう答えた。
俺はそんな彼女を見て口元を緩める。
「それじゃあ、ミルドたちは置いておいて、先にハメレオンダスを見つけましょうか!」
俺はそう意気込んで『魔力探知』を使いながら、森の奥へと向かっていった。
5 それぞれのパーティ
「『火球』!」
「キュウゥ!!」
俺が魔法を唱えると、勢いよく飛び出していった炎の玉が大きなネズミのような魔物――ハイラットを吹っ飛ばした。
魔法の発射口を上手く調整することで、魔法の威力も確実に上がっているようだ。
サラさんとケルの方も、それぞれハイラットをあっさりと倒していた。
俺は転がっているその魔物を見ながら、腕を組んで考える。
「さっきからこの魔物、多くないですか?」
ハメレオンダスを捜索している最中、何度か別の魔物と遭遇したのだが、結構な確率で今倒れているハイラットと戦っている気がする。
「確かに多いね。どこかに巣でもあるのかな?」
「ハイラットは繁殖力が凄いからな。これだけいても不自然ではない。どちらかというと、他のことの方が気になるが……」
サラさんにそう答えたケルは、倒れているハイラットの手足をムニムニと踏んで何かを考えていた。
一瞬、何をしているのか気になるが、以前ケルに魔物の死体蹴りを提案されたことを思い出して、俺は聞くのをやめておいた。
まぁ、あのときは魔法の練習のための提案だったし、いたずらに死体を傷付けようとしていたわけではないんだけどね。
ケルはしばらくハイラットの手足をムニムニとしてから顔を上げる。
「これだけハイラットがいるということは、ハメレオンダスも近いかもしれぬな。この魔物たちはハメレオンダスの良い餌だろう」
「え、ハメレオンダスって、この魔物を食べるの?」
「ああ。恐らく一呑みだな」
俺はケルの言葉を聞いて、思わず驚きの声を上げる。
俺の下半身くらいあるハイラットを一呑みにするということは、ハメレオンダスはそれなりに大きい魔物なのだろう。
そんなにでかい魔物が、保護色になって姿を隠しているらしい。
そうなると、気がついたときにはすでにハメレオンダスの腹の中にいる、なんてこともあるかもしれない。
「『魔力探知』で警戒しておかないと……ん? ケル!」
「ああ。何かが凄いスピードで迫ってきてるな」
気を引き締めなくてはと思った次の瞬間、凄いスピードで動いている魔力があることに気づいた。
そしてそれは、俺たちのすぐ近くまで迫ってきている。
「キュウゥ!!」
俺たちが構えていると、茂みの中から血相を変えたハイラットが飛び出してきた。
そして次の瞬間、縞模様の長い体を持つ蛇の魔物が、勢いよくハイラットに襲いかかった。
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