蔦葛物語

DENNY喜多川

文字の大きさ
32 / 54

第十六夜 前立腺 後編

しおりを挟む
 男性のアナル(正確にはアヌス)による性感は、主に前立腺による。
 前立腺は、女性器におけるスキーン腺に相同である。スキーン腺とは、女性のいわゆる「潮噴き」を司る器官で、十分に開発された女性の何割かは、エクスタシーに達すると、あるいはエクスタシーとは無関係に、この器官から潮を噴く。
 男性の前立腺は、ペニスの根元にあり、皮膚の上から触れることは難しいが、アナルの中から触覚によって前立腺を探し当て、間接的な刺激をすることは、それほど難しくない。これによって射精を促すことができ、性感マッサージや、医療における精液の採取などに使われる。
 しかし、「エネマグラ」などの機器を用いるなどし、十分に前立腺の性感を開発すると、男性は「ドライオーガズム」と呼ばれる、射精を伴わない性感を得ることができる。このドライオーガズムは、女性のエクスタシーと相同であるとされる。
 また、男性同士のアナルセックスで、アナルにペニスを挿入されながら射精することを、ゲイ用語で「トコロテン」と呼ぶ。


 傷は尻穴の中まで及んでいるかもしれない。
 私は膏薬を塗った指で、拾の温かい尻穴の中をまさぐった。
「あっ……」
 拾が切なげな声をあげる。
「痛いのですか?」
「いえ……続けてください」
 私は優しく指を出し入れする。心なしか、拾のあえぎ声が、指の動きとつながっているかのようだった。
 拾の陽物の根元あたりに、こりこりした感覚がある。そこを軽く押すと、
「ああっ……!」
 拾が激しくあえいだ。ふと見ると、拾の陽物も、激しくいきり立っている。
(感じているの……?)
 そういえば、殿方同士で愛し合う時には、尻穴を用いるという。挿れる側が快楽を得るのはわかっていたが、この感じだと、挿れられる側も十分に感じるようだ。
 私は、こりこりした部分を、指先で軽くこすり、押し、撫でさすった。切ない声と共に、拾の陽物が激しく勢いを増す。
 軽く手を添えると、もう発射寸前のようだった。私は、ためらうことなく拾の陽物をくわえ、尻穴のこりこりした部分を強めに刺激した。
 どくっ。
 拾の情熱のほとばしりを、私は残らず飲み干した。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

処理中です...