聖女だった私

山田ランチ

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〈2章〉14 精霊の花嫁達

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「ああ、いたいた! ブリジットぉ――!」

 どこまでも続く若草色の草原の向こうから見知った姿と声が近づいてくる。その姿がはっきりと見えた瞬間、ブリジットは花弁に触れていた手を離して走り出していた。

「ネリ―? ネリ―なの!」

 色とりどりの見た事がない草花の上を蝶達が戯れている。極上な絨毯を敷き詰めたような草原にある大きな泉は、空を映す程に澄んでおり底は見えない程に深い。楽園はどこかと問われたら、間違いなくこの場所だと言える程に美しさで心震える場所だった。

 この不思議な場所に来たのは偶然だった。数日前、リアムの監禁から逃れるのと引き換えに城を出た記憶は新しく、乗っていた馬車が激しく揺れた感覚も今でもしっかりと覚えている。それなのに、目が覚めたらこの世のものとは思えない程に美しく幻想的な場所にいた。それがただただ信じられなかった。

「ネリ―無事で良かった、本当に良かった!」

 自分よりも小柄な身体をぶつかるように強く抱き締めると、ネリ―もお構いなしに強く抱き返してくる。

「ブリジットも元気そうで良かった!」
「あなたが叱られていないかずっとずっと心配だったの」
「だから私がネリ―は無事だと教えただろう?」

 後ろから大きな気配がする。影になりネリ―と二人見上げた先には、絶世の美男子が立っていた。リアムもハイスも美しい男性かと聞かれればそうなのだろうが、今目の前にいるのはそれら全てを凌駕する美しさだった。涼し気な目元に、泉の底のような濃い青色の瞳は計り知れなく、ずっと見つめてはいけないような感覚に陥ってしまう。目を逸らすと薄い唇の端が不満そうに持ち上がっていた。  
 銀色の長い髪に、中央から分けられた前髪から覗くのは額に埋め込まれた蒼い宝石が陽の光を浴びてきらりと光る。視線を下げた先にはすらりと引き締まった身体に、無造作に薄い生地の着流しを羽織り、宝石が編まれた腰紐で結ばれている。その全てはまるで美しい彫刻が動いているかのようで、目のやり場に困り更に視線を地面に向けると、その美しい顔は覗き込むように追いかけてきた。

「止めてよ、ウンディ―ネ様! ブリジットが困っているでしょう?」

 遮るようにしてネリ―の細い腕が間に入ってくる。

「そんな風に迫っていたらいくらウンディ―ネ様がいい男でも好きになってもらえないからね」
「……ネリ―どうして」
「ちょっと待ってブリジット、僕は今ウンディ―ネ様と大事な話を……」
「ネリ―ったら!」
「だから待ってよ! ウンディ―ネ様はブリジットに近過ぎ!」

 どさくさに紛れて伸ばされた手が頬に触れている。それを払うようにネリ―はぺしっと振り払った。
「ネリ―! どうしてウンディ―ネ様の事をご存知なの? というかここにはどうやって来たの!?」

 細い腕を掴んで下ろすと、ネリ―の両頬を掴んでこちらに向かせた。

「ぶり、ふぃっと?」

 頬を掴まれて唇を尖らせたネリ―は驚いたように目をまん丸にしてようやく視線を向けてきた。 

「ちゃんと説明して!」

 その瞬間、後ろから盛大な笑い声が聞こえてきた。そして後ろから抱き締められる。身動きが取れないまましばらく立ち尽くすしかなかった。

「そうだった。ちゃんと話していなかったよね? 僕の事」

 妙に改まったその様子に思わず緊張が走る。それを知ってか知らずか、後ろから耳元に顔を寄せられた。

「こうも放おって置かれると夫としては少しばかり寂しい気もするのだが」

 お腹に回る冷たい手にとっさに離そうとして力が籠もる。

「つ、妻になったつもりはございません! どうかこの手をお離しください」

 すると、腕を掴んでいた手が更に引き寄せてきた。腰に抱きついていたネリ―も引かれ、同時に硬い胸にぶつかってしまう。するとウンディ―ネは盛大な溜息をついてネリ―のおでこを軽く弾いた。

「痛い! 酷いウンディ―ネ様!」
「いい加減にしないか。いつまでもそうやって甘えているんじゃない」

 するとふてくされながらもネリ―は言う事を聞いた。それが珍しくて驚いていると、今度は肩を引き寄せられた。 

「こちらにおいでブリジット」

 促されるままに連れて行かれたのは草原の真ん中にある白い建物だった。ここは不思議な場所で、どれだけ歩いても望めばすぐにこの泉と白い建物の近くに戻って来る事が出来た。まるで世界の中心にでもなっているようなこの場所は、住む人々の憩いの場になっていた。女性達が現れては談笑したりお茶をしていく。女性達にどうしてここにいるのかを聞いても、皆微笑むだけで答えてはくれなかった。そしてどこに向かうのかその背中を追っていると、ふっと煙に巻かれたように消えてしまうのだった。
 そんな不思議な現象がここに着いて早々起きたものだから、目の前の男性が精霊ウンディ―ネだという事も、この場所が特別な場所だという事も意外とすんなり信じる事が出来た。白い建物は四本の柱で建てられた休憩所のような所だった。

「ブリジットはこちらへ座りなさい」

 横並びするような形で美しい花々の彫刻が施された椅子に座り、ネリ―と向かい合う格好になる。ネリ―はつまらなそうにしているが、大人しく手と足を揃えて座っていた。

「もう気づいているよね、僕の正体」

 どこか気まずそうな顔をしたネリ―が柄にもなく控えめに言ってきた。

「気づいているって何を?」
「だから、僕が本当は人間じゃないって事だよ」

 一拍どころではない。暫く言葉が出てこない中、驚きは突然やってきた。

「ネリ―は人間じゃないの!?」
「嘘、気づいていなかったの? 普通の人間がここに来られる訳ないでしょ。僕はれっきとした精霊だよ!」
「精霊!? ウンディ―ネ様、どういう事ですか」
「ネリ―は紛れもなく精霊だ。私が保証しよう」

 隣から首を傾げたウンディ―ネが微笑んでくる。そんな会話など無視してネリ―が勢いよく手を掴んできた。

「僕が精霊だって事は信じてくれた? 黙ってた事怒っていない?」
「びっくりしたけど怒ってなんかいないわ。だってこんな不思議な場所にネリ―が来られる時点で信じるしかないでしょう?」
「確かにウンディ―ネ様に招かれない限りここには来られないからね」
「そうだぞブリジット。光栄な事だと思って妻になる事を受け入れろ。私の妻になれるのは聖女のみだ。これほど名誉ある座をなぜ断る? 他の精霊達よりも私の方が妻を妻として扱うというのに」

 最後の方は溜息混じりの声だった。

「……他の精霊様もこちらに?」
「まさか! ここにあれらが集まったらすぐに喧嘩になってしまうよ」
「でももう大丈夫だよ! これからは僕もそばにいるし、自由に楽しく過ごそうよ!」

 その時、ふと頭の中にハイスの姿が過ぎった。

「……ハイス様、怒っていらした? ハイス様は私を守ろうとして下さっていたのに、私はそのお気持ちを裏切る形になってしまったから」
「心配しなくて大丈夫だよ。確かに心配していたけど、神官長になったから身分を得て身の安全は保証されたからね」
「ハイス様が神官長に?」
「私がした」

 これには得意げに微笑むウンディ―ネを見返す目に力が入ってしまった。

「ハイス様は公爵家を継ぐお方でもありますし、聖騎士団団長の任務にも就いておられます。それに加え神官長を兼任しては身体を壊してしまいます!」
「……なんだ、せっかくあの青年の献身に報いて殺されないように取り計らってやったというのに。多少私欲もあったようだがな」
「一体何があったんです?」

 ネリ―はウンディ―ネの視線を受け、面倒くさそうにポツリポツリと答えてくれた。

「ブリジットが塔に捕まっているかもって思ったから単独で乗り込もうとしたり、王子達と対立したり、裏で手を回そうとしたり? 色々していたみたいだよ。でも大丈夫、あのハイス様だもん」
「本当にご無事なのね?」
「わざわざお前が心配せずここにいられるようにしてやったのだぞ。あの青年が死んでしまえばお前は責任を感じて塞ぎ込んでしまうだろう?」
「当たり前です! ハイス様が私のせいで亡くなられるなど絶対にあってはなりませんから。……ありがとうございます」

 するとウンディ―ネは満足そうに頷いた。

「安心して。ブリジットがいいと思うまで、ウンディ―ネ様には指一本触れさせないから!」
「もう触っているが?」

 からかうようにウンディ―ネの冷たい指先が弄ぶように髪の先に触れてくる。ネリ―は頬を膨らませてその手を払おうとしておでこを軽く押さえられていた。

「それにしても、お姿は人間と変わらないのですね?」
「これはお前達が好む姿を取っているだけだ。本来の私の姿を見せるのは妻になってからにしよう」

 色香の漂うウンディ―ネの顔が目前まで迫って思わず身を引くと、すかさず手を取られた。ひんやりと心地よい指先がしっかりと手を握ってくる。ネリ―は何か言いたそうだったが飲み込んだようだった。

「実に初々しい反応だ。やはり新妻はいいな」 

 逃げ場がなく身体を強張らせると、机の上に勢いよく銀の盆が置かれた。

「旦那様ったらまるで私達にはもう飽きてしまわれたような物言いですわね」

 見上げると、薄茶色の肩までの髪が印象的な可愛らしい女性がいつの間にか立っていた。見るからに滑らかな良い生地のワンピースを着た女性はブリジットには優しく微笑むとお茶を入れてくれた。花の柔らかな香りが一気に立ち昇り、思わず深呼吸したくなる程に良い匂いだった。

「良い香りでしょう? 良い水があればいいお花が育ちます。精霊達が慈しんで育てた薔薇のお茶ですよ」

 同じ年の頃に見えるがとても品のよい立ち振舞いは、どこかの貴族令嬢のようにも見える。でもそれにしては短い髪が気になってしまった。視線に気がついた女性は自分の短い髪に触れてみせると、少し下がった目尻が印象的なおっとりとした表情とは打って変わり、いたずらっぽく笑ってみせた。

「ここでは好きな格好で過ごせます。格好だけでなく好きな所へ好きな時に行き、自由に過ごす事が許されています。もちろんやらなければならない事もありますが、それはここに来る前の方が断然多かったと思うので、あまり気にした事はないですね」
「失礼ですがあなたは?」
「失礼しました。私はウンディ―ネ様の十三番目の妻でテスラと申します」
「十三番目!?」
「はい。あなたが十四目のブリジット様ですね。私達が一番近いと思うので、何か困った事があればなんでも聞いて下さいね」

 そういうテスラは本当にそう思っているように優しく微笑みお茶を入れるとその場を後にする。その時もウンディ―ネへとお小言は忘れていなかった。

「旦那様、ちゃんと了承を得ないと駄目ですよ! 夫婦とは双方を尊重してこそ長続きするのものなのです」

 ウンディ―ネは苦笑いを浮かべながらテスラの手を取って甲に口づけをすると、テスラもそれを当たり前のように受けていた。離れていく背中を見ながら訳が分からないままウンディ―ネの方へ身体を向けた。

「あの、ウンディ―ネ様は沢山妻がおられるのですか?」

 長い髪がさらりと風に攫われていく。その間から覗く表情は真剣なものだった。小さく息を吐きながらお茶を飲む仕草でさえ美しい精霊の妻になどなれる訳がない。第一、精霊と人間が夫婦になどなれるのだろうさ。そう思っているとウンディ―ネは胡乱な視線を向けてきた。

「精霊と人間が夫婦になどなれる訳がない、そう思っているのだろう?」

 びくりとして身体を震わせると、意地悪そうな笑みが返ってきた。

「ウンディーネ様は心を読まれるのですか?」
「どうだろうな。長い事生きているからそれくらい容易いかもしれぬ」
「違うよ! ウンディ―ネ様は妻達と対面した時に何度も言われ続けているから、そう返せただけだよ」
「ネリ―お前は少し黙っていろ。全く、誰に似てそんなにおしゃべりになったんだ」
「ネリ―はウンディ―ネ様の子供なの?」

 するとネリ―はおかしそうに声を上げて笑った。

「違う違う! 僕達は水から生まれるんだ。でもその僕達を育てるのはウンディ―ネ様の妻達のお仕事って訳。まあ人間でいう乳母だよね。乳はもらわないけれど」
「ネリ―! お前はいいから少し離れているか黙っていろ」
「僕がいた方がブリジットが安心出来ると思うけど。でもまあ最初が肝心だから? ウンディ―ネ様が嫌だったらはっきりそう言った方がいいからね」

 いたずらっぽくそう言うと、ネリ―は少し離れた芝生の上でごろんと横になってしまった。

「あの、聞きたい事は沢山あるんですが……」
「なんだ? 可能な限り全て答えよう」
「精霊はみんなネリ―みたいな子達ばかりなのでしょうか?」
「自分で言うのもなんだが、お前はこれだけ混乱する話を聞いておいて私に聞きたい事はまずそれなのか?」
「それはもちろん質問は沢山ありますけど、やっぱりネリ―みたいな子達が沢山いるのかは気になるところです」
「皆がネリ―ならば私は疲弊してしまうだろうな。だが色々な個性の精霊達がいる。だから季節は美しく規則正しく巡っていくのだ」
「それではなぜ私なのでしょうか」
「私達精霊には家柄も身分も関係ない。そんなものは全てお前達人間が重要視しているだけだ。それにお前は美しい」

 はっきりとそう言われ、心の奥がじんわりと温かくなった。

「誰がなんと言おうと私はお前を妻にすると決めていた。もうずっと昔からだ」
「ずっと昔、ですか?」

 するとウンディ―ネは表情を僅かに固くすると立ち上がってしまった。

「今日はもう休め。といってもここに明確な時の流れはないのだから、寝台で眠るという行為は不要だが必要なら用意させよう。ネリ―にでも頼むといい。ネリ―、お前に任せる」
「ですがまだ……」
「もう終いだ。私にも仕事があるのでな」

 ウンディ―ネは泉に向かうととぷんと中に入って行ってしまった。 

「ああ逃げちゃって。ウンディ―ネ様ったら時々ああなんだから」
「私怒らせちゃったのかな」
「違う違う! 口下手なだけだから気にしなくていいよ。この場所はとっても快適なんだよ! 案内するから着いて来て!」

 手を引かれるまま歩き出す。なんとなく、ウンディ―ネの言っていた最後の言葉と様子が胸に引っ掛かったまま、泉から離れていった。
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