珠玉の欠片 〜塵も積もれば山となる〜

一 千之助

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 ここは僕の家 8 ☆

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『やだっ! やだってぇ! また、やらしい跡つけたら、怒るからねっ!』

『じゃ、こっちな? ……ぅ、ぬるぬるして、めちゃくちゃ気持ち悦い』

『ひゃあ…ぁっ? ぁ…、んう……、ん…んっ』

 手淫で極まることを教えられたトムは、カイルにされるがままである。しかも場所は浴室、お互いに全裸。さらには石鹸まである絶好のシチュエーション。
 お猿なカイルが我慢出来るわけもなく、毎日のように浴室で絡まり、甘美な悪戯に耽る二人。
 カイルは跡をつけないことにだけ注意し、少しずつ少しづつトムの身体を慣らしていった。

『気持ち悦い? こことかさ。どうよ?』

『わ…、分かんない…… ひうっ?!』

 きゅうっと乳首を乳輪ごと摘み上げられ、トムの唇から短い悲鳴が漏れる。少し鼻にかかる甘さを含んだソレに、カイルは興奮を抑えきれない。
 べろりとトムのうなじに舌を這わせ、噛みつきたいのや吸い付きたいのを必死に我慢しつつ、乳首と一緒に一物も扱いてやった。

『あひっ? あっ、あっ、……カ、カイルぅぅ……っ』

 前のめりになって自分を呼ぶ可愛らしい姿。

 はーっ、はーっと必死に深く呼吸し、高まる愉悦を逃がそうとするその姿は、カイルにとって至福の一言である。

 ……むちゃくちゃ可愛いんですけどっ?! なあっ? 気持ち悦い? 泣いてる? 泣けちゃうくらい悦いのか? もう、堪らんわぁぁーっ!

 すこぶる興奮した脳内に押され、カイルの手が動きを速めた。ぬちぬちと上下する大きな手に先端を包みこまれるたび、仰け反って佳がるトム。

『ここだよなぁ? やっぱ。はは、めっちゃ濡れてるぞ? すごく硬くなってて嬉しそうだ』

 くちゃくちゃと両手で先端を握り込み、親指の腹が鈴口あたりを撫で回すカイルの指。それに佳がり狂うトムの手足が、か弱く水を撥ねさせた。
 
『イ……っ、……く……うぅぅっっ!』

 ぐぐっと身体を丸めてカチカチ震える恋人にかぶさり、カイルはその嬌態に目の色を変える。獣のように荒らいだ息が耳にかかり、トムの全身を羞恥に染めた。

『イく……? なあ? イっちゃうか? ほら……』

 ドロリと脳を蕩けさせる雄の囁き。

 それにトドメを刺され、トムは悶絶するように身体を小刻みに痙攣させて果てる。びゅるっと噴き出した温かな蜜を手に滴らせ、まだ出し切れていない小さな一物をカイルは構わず扱いた。
 それに余韻を刺激されまくられたトムは、仰け反りながら泣きじゃくる。

『ま…っ、て……っ、イっ…てるっ! イってるってぇ……っ!』

『うん、イってるな。すげぇ硬くて熱い…… 俺のモノだもんな、コレ。なあ? トム?』

『そ…っ、そだ……っ、ぁっ! …だよ…っ、んんっ?! ヵ…イルのぉ……っ、ひぁんっ!』

 甘く喘ぎながら呟かれる肯定。それに眼が眩み、カイルは心臓が爆発しそうだった。

 ……胸が痛えぇぇーっ! 俺のっ! 俺のなんだ、トムはっ! ここも、俺の……っ! ………ヤベぇ挿れたくなってきたぞっ!

 ふうふう荒らぐ息を必死に噛み殺し、真っ赤なトムの耳を舐めまくって、無意識に小さな双丘を割り開こうとする己の指を、すかさずカイルは戒める。

 ……駄目だ、駄目だ、駄目だ。トムを怖がらせちまう。俺は…… 襲わない。

 くっと唇を引き絞り、カイルは指の腹だけでそっとトムの最奥入口を撫でた。
 一瞬、びくっと胸の中のトムが震えたが、それを宥めるよう抱きしめて髪に口づける。

『触るだけ…… 挿れないから。ここも俺のだもんな。婚約するまで、大切にするから…… だから…… 触らせて?』

 泡だらけになった湯船の中でトムを反転させ、カイルはトムが脚を閉じられないよう、自分の脚を跨がせた。

『怖かったらキスしよう。一杯気持ち悦くなるキスを…… だから……』

 ちゅっ、ちゅっと口づけしつつ、カイルは両手でトムの尻たぶを掴み、その最奥で震える蕾に指を這わせる。
 ぴゃっと身体を震わせ、慌ててカイルの首にしがみついたトム。可愛らしい仕草だけで許可を示す恋人に、カイルの劣情が猛り狂った。

 ……おまっ! 人を殺しにかかってるだろぉぉーーっ! マジで心臓が爆散しそうだぞ、おいぃぃーっ!! 良いんだな、触ってもっ!! ホントに触っちゃうぞっ?!

 しかし、自分と同じ様に爆散しそうなトムの鼓動と重なり、カイルはふにゃふにゃな笑みでにやけてしまう。

 ……可愛い。可愛い。可愛い。……怖いのか? それとも恥ずかしい? どっちもかな? ……うわあ、マジでヤベぇことなってる、俺の身体っ!!

 ギンギンにおっ勃つ自分の息子が今にも暴発しそうなカイルは、夢中でトムの身体を弄った。
 きゅっと固くすぼまる蕾の反応が可愛くて、彼は何度も円をなぞるように撫で回し、ときおり悪戯げに柔らかな肉孔を押してみる。

『……ふっ、……ぁ……んっ!』

 ……なんつー声ぇぇっ! ちょ、まっ……っ! 

 圧し殺した吐息と喘ぎ。耳朶を擽るように蕩けたソレで悶絶させられ、カイルは暴発すると同時に勢い余ってトムの最奥に指を埋め込んでしまった。

『おう…ふっ! ふうぅぅっ! ……ううっ』

『ひ……っ! ひぃ……ぃ……っ、カイル…… カイル……っ!』

『……悪い…… イっちまったぁ…… はあ……っ、……? トム?』

 ヒクヒク震える柔らかな感触。自分の指がトムの中に第二関節辺りまで入ってしまっていることに気づき、カイルは思わずビキっと硬直した。

『挿れ…… 挿れない……って…… 言ったのにぃ……、んう……ぅっ』

『ごめ…っ! わざとじゃなくてっ!』

 慌てて引き抜こうとしたカイルだが、そのキュンキュン締まる感触が心地好く、思わずゴクリと固唾を呑む。

『……わざとじゃなかったけど。……その。……どうだ? やっぱ怖いか?』

 トムを怯えさせないよう、じっと指を動かさず、カイルは恐々尋ねた。それに小さく頷いて、トムは唇を震わせている。

『少しだけ我慢してな? すぐに抜くから……』

 ゆっくり少しずつ動かして、カイルは指を抜く。それが、ず…っと抜き出されるたび、トムの口から小さな呻きが漏れた。そして、つぷ…っと指が抜けた途端、放心したかのようにトムの身体から力が抜ける。

『ごめんな、俺も夢中になっちゃって……』

『良いよ…… カイルなら…… うん』

 涙目なくせに強がって笑う恋人が愛しすぎて、カイルはトムの意識が飛ぶまで、散々可愛がり倒した。

 そして真夜中の寝室で目覚め、ぼうっとしたまま周囲を見渡す。



「あれ……? ここは……」

 ……さっきまでトムといちゃいちゃしてはず…… え? まさか、夢っ?!

 がばっと起き上がったカイルは、やけにすっきりした気分や心地好い気怠さの残る身体に呆然とする。
 そして横で眠る最愛の眼が泣き腫らした状態なことに安堵した。

 ……夢じゃなかったな。びっくりしたよ。

 カイルに甘く虐めまくられて、ぴすぴす鼻にかかる寝息をたてて眠るトム。そのあまりの可愛らしさに脳内だけで悶絶し、カイルは掛布を直してやると、その掛布ごと抱き締めるように再び眠りについた。

 お風呂でおいたをしすぎたため、軽く湯あたりしてしまいカイルも逆上せたのだ。結果、記憶が曖昧になっていた。
 それでもしっかりトムを寝台まで運んで寝かせた自分を、カイルは全力で褒めてやる。そして脳裏を過る恋人の真っ赤な佳がり顔。

『良いよ…… カイルなら…… うん』

 トムを起こさない程度にジタバタしつつ、カイルはこの世の春を噛み締めていた。

 ……俺なら良いって。……くううぅぅっ! マジでトムに殺されそうっ!! いや、死なないけどねっ? トムと結婚して、ずっと幸せに暮らすけどねっ? 死ぬ時はトムを守って死にたいっっ!!

 こうして徐々に仲を深めていく御子様達。

 だが、御子様はいつまでも御子様ではない。

 いずれ、身体を重ねられる日を夢見て、カイルも、うとうとと微睡んだ。

 その日は、もうすぐそこまで迫っている。
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