539 / 555
静寂の町に潜む闇
立ち寄った宿の食事
しおりを挟む
徐々に高度を上げる太陽がウルバンの町を祝福するように照らしていた。
捕らえた女主人は、すでにブライトへ引き渡してある。
彼が責任を持って国境の兵へ連れていくという。
町の人々もそれを見届け、ようやく胸をなで下ろしていた。
それからしばらく宿に戻り、旅の荷をまとめて、昼頃に再び広場へ出た。
そこには見送ってくれる人の姿がちらほらとある。
町外れの街道につながる道へ向かうと、彼らは微笑みを浮かべてついてきた。
その中で兄妹は、名残惜しそうにこちらを見ている。
ブライトと目が合うと、彼は静かにうなずいて短く言葉を返した。
「この町をよろしく頼む。二人が声を上げたからこそ、町は生き返ったんだ」
そう告げて俺は馬にまたがった。
馬が地面を蹴ると砂ぼこりが舞い、人々の姿が少しずつ遠ざかっていく。
振り返れば、瓦屋根の家々に昼の光が差しこんでいた。
重苦しい雰囲気は薄れ、まだ頼りないながらも新しい息吹が感じられる。
けれど俺の胸の中には、別の思いがあった。
……焼肉屋を任せっきりにしたままだけど、大丈夫だろうか。
ウルバンでの一件を終えて、ようやく落ち着きを取り戻した気がする。
だが心の奥では、どうしても気がかりが残っていた。
俺の帰りを待っているはずの店。
フレヤやシリルはしっかりしているが、それでも長く離れていると不安になる。
あまりゆっくりはしていられない――そう思い、馬を走らせた。
街道に出ると、すぐに静けさに包まれた。
鳥の声、風に揺れる草の音、馬の蹄が土を叩くリズム。
久々に「旅をしている」という感覚がよみがえる。
谷間を抜け、丘陵を越え、畑の広がる景色の中を進む。
遠くには農夫たちの姿も見え、のどかな風景が続いていた。
上空の太陽は高く、空気は澄んでいる。
胸の奥にわだかまっていた緊張が、少しずつ和らいでいった。
バラムまではもうすぐ……いや、まだ数日はかかるか。
自分に言い聞かせるように小さくつぶやく。
焼肉屋の暖簾が頭に浮かび、自然と表情が緩んだ。
だが気を抜くわけにはいかない。
旅は単調に見える時であっても、危険は至るところにある。
油断は命取りになることもあるのだ。
やがて夕暮れが近づいてきた。
西の空が朱に染まり始め、馬の歩みも少し重くなっている。
このまま無理をすれば夜道を進めないこともないが、それでは馬にも俺にも負担が大きい。
「今日はここまでだな」
そう判断したところで、街道沿いに小さな町が見えた。
木造の家が並び、畑が町のすぐそばまで広がっている。
農村という雰囲気のこじんまりとした町だ。
入口近くの看板には「トラン」と刻まれている。
早速、町に入って宿を探してみると、どうやら二軒しかないらしい。
そのうちの一軒に入ることにした。
中は質素で、木の香りが強く漂っている。
カウンターの向こうに、丸顔で体格のいい男が立っていた。
見た目の雰囲気からして三十歳前後だろうか。
少し緊張したような笑顔を浮かべ、こちらを迎えてくれる。
「よ、ようこそおいでくださいました。お泊まりでしょうか?」
「ああ、一晩頼むよ」
馬を預けて部屋に荷を置き、しばらく休んだ後、食堂に下りて夕食を待った。
やがて木皿に盛られた料理が運ばれてくる。
見た目は……うん、まあ質素だ。旅先での食事に贅沢は言えない。
だが、一口食べた瞬間、思わず身体が硬直した。
「これは……」
ただただ反応に困り、気づけば言葉を失っていた。
塩気が強すぎるのに旨味はなく、野菜は煮えすぎている。
肉は硬く顎の力が求められ、噛むほどにパサつきが増す。
旅の粗末な食事を経験済みの俺でも……正直きつかった。
「お、お口に合いませんでしたか……?」
カウンターから、さっきの男――宿の主が、おずおずと声をかけてきた。
申し訳なさそうに目を伏せ、両手をもじもじと動かしている。
「いえ、その……食べてもらえるだけでありがたいんです。地元の方はあまり寄りつかなくて――」
言葉を選びながらの説明に、俺は手にした食器を置いた。
詳しく聞いてみると、どうやらこの宿は彼の父親から引き継いだものらしい。
父は料理上手で、かつては繁盛していた。
だが亡くなったときにレシピは一切残されなかった。
それでも宿を守るためにと、彼は独学で台所に立ち続けているのだという。
「ううん、そういうわけか。……それは大変ですね」
思わずそう返す。
だが心の中では、どうしても複雑な気分が拭えなかった。
俺より年上の人物が、こんなにおどおどしながら料理を差し出している。
その姿に「しっかりしてくれよ」と言いたくなりそうだ。
だが、それと同時に彼の必死さも伝わってきた。
「よければ……どこが悪いかだけでも教えていただけませんか」
恐る恐る切り出すその声に、俺は一瞬言葉を詰まらせた。
正直、ダメ出しなんて気が進まない。
目の前の相手は年長者だし、宿の主だ。
一方でこれまでの経緯を聞いてしまうと、黙ってやりすごすのもしのびない。
「さしでがましいですけど、ちょっとだけアドバイスを……」
俺の言葉に、彼は顔を上げた。
その表情には切実な色が浮かんでいた。
「本当ですか! ぜひお願いします!」
そう言って深々と頭を下げる。
俺は苦笑しつつ、冷めかけた料理を指さした。
「まず、この肉。煮込む時間が長すぎて硬くなってます。塩も加減が強いから、素材の味が活かせてない。野菜は火の通し方を工夫すれば甘みが出るし、煮崩れも防げる。……まあ、ちょっとした工夫で変わると思いますよ」
そこまで言ったところで、主は何度もうなずきながら真剣な顔を見せた。
「なるほど……なるほど……!」
その姿に、俺は少し肩の力を抜いた。
思ったより素直で、熱心だ。
これなら少し手を貸してもいいかもしれない――そう思い始めていた。
捕らえた女主人は、すでにブライトへ引き渡してある。
彼が責任を持って国境の兵へ連れていくという。
町の人々もそれを見届け、ようやく胸をなで下ろしていた。
それからしばらく宿に戻り、旅の荷をまとめて、昼頃に再び広場へ出た。
そこには見送ってくれる人の姿がちらほらとある。
町外れの街道につながる道へ向かうと、彼らは微笑みを浮かべてついてきた。
その中で兄妹は、名残惜しそうにこちらを見ている。
ブライトと目が合うと、彼は静かにうなずいて短く言葉を返した。
「この町をよろしく頼む。二人が声を上げたからこそ、町は生き返ったんだ」
そう告げて俺は馬にまたがった。
馬が地面を蹴ると砂ぼこりが舞い、人々の姿が少しずつ遠ざかっていく。
振り返れば、瓦屋根の家々に昼の光が差しこんでいた。
重苦しい雰囲気は薄れ、まだ頼りないながらも新しい息吹が感じられる。
けれど俺の胸の中には、別の思いがあった。
……焼肉屋を任せっきりにしたままだけど、大丈夫だろうか。
ウルバンでの一件を終えて、ようやく落ち着きを取り戻した気がする。
だが心の奥では、どうしても気がかりが残っていた。
俺の帰りを待っているはずの店。
フレヤやシリルはしっかりしているが、それでも長く離れていると不安になる。
あまりゆっくりはしていられない――そう思い、馬を走らせた。
街道に出ると、すぐに静けさに包まれた。
鳥の声、風に揺れる草の音、馬の蹄が土を叩くリズム。
久々に「旅をしている」という感覚がよみがえる。
谷間を抜け、丘陵を越え、畑の広がる景色の中を進む。
遠くには農夫たちの姿も見え、のどかな風景が続いていた。
上空の太陽は高く、空気は澄んでいる。
胸の奥にわだかまっていた緊張が、少しずつ和らいでいった。
バラムまではもうすぐ……いや、まだ数日はかかるか。
自分に言い聞かせるように小さくつぶやく。
焼肉屋の暖簾が頭に浮かび、自然と表情が緩んだ。
だが気を抜くわけにはいかない。
旅は単調に見える時であっても、危険は至るところにある。
油断は命取りになることもあるのだ。
やがて夕暮れが近づいてきた。
西の空が朱に染まり始め、馬の歩みも少し重くなっている。
このまま無理をすれば夜道を進めないこともないが、それでは馬にも俺にも負担が大きい。
「今日はここまでだな」
そう判断したところで、街道沿いに小さな町が見えた。
木造の家が並び、畑が町のすぐそばまで広がっている。
農村という雰囲気のこじんまりとした町だ。
入口近くの看板には「トラン」と刻まれている。
早速、町に入って宿を探してみると、どうやら二軒しかないらしい。
そのうちの一軒に入ることにした。
中は質素で、木の香りが強く漂っている。
カウンターの向こうに、丸顔で体格のいい男が立っていた。
見た目の雰囲気からして三十歳前後だろうか。
少し緊張したような笑顔を浮かべ、こちらを迎えてくれる。
「よ、ようこそおいでくださいました。お泊まりでしょうか?」
「ああ、一晩頼むよ」
馬を預けて部屋に荷を置き、しばらく休んだ後、食堂に下りて夕食を待った。
やがて木皿に盛られた料理が運ばれてくる。
見た目は……うん、まあ質素だ。旅先での食事に贅沢は言えない。
だが、一口食べた瞬間、思わず身体が硬直した。
「これは……」
ただただ反応に困り、気づけば言葉を失っていた。
塩気が強すぎるのに旨味はなく、野菜は煮えすぎている。
肉は硬く顎の力が求められ、噛むほどにパサつきが増す。
旅の粗末な食事を経験済みの俺でも……正直きつかった。
「お、お口に合いませんでしたか……?」
カウンターから、さっきの男――宿の主が、おずおずと声をかけてきた。
申し訳なさそうに目を伏せ、両手をもじもじと動かしている。
「いえ、その……食べてもらえるだけでありがたいんです。地元の方はあまり寄りつかなくて――」
言葉を選びながらの説明に、俺は手にした食器を置いた。
詳しく聞いてみると、どうやらこの宿は彼の父親から引き継いだものらしい。
父は料理上手で、かつては繁盛していた。
だが亡くなったときにレシピは一切残されなかった。
それでも宿を守るためにと、彼は独学で台所に立ち続けているのだという。
「ううん、そういうわけか。……それは大変ですね」
思わずそう返す。
だが心の中では、どうしても複雑な気分が拭えなかった。
俺より年上の人物が、こんなにおどおどしながら料理を差し出している。
その姿に「しっかりしてくれよ」と言いたくなりそうだ。
だが、それと同時に彼の必死さも伝わってきた。
「よければ……どこが悪いかだけでも教えていただけませんか」
恐る恐る切り出すその声に、俺は一瞬言葉を詰まらせた。
正直、ダメ出しなんて気が進まない。
目の前の相手は年長者だし、宿の主だ。
一方でこれまでの経緯を聞いてしまうと、黙ってやりすごすのもしのびない。
「さしでがましいですけど、ちょっとだけアドバイスを……」
俺の言葉に、彼は顔を上げた。
その表情には切実な色が浮かんでいた。
「本当ですか! ぜひお願いします!」
そう言って深々と頭を下げる。
俺は苦笑しつつ、冷めかけた料理を指さした。
「まず、この肉。煮込む時間が長すぎて硬くなってます。塩も加減が強いから、素材の味が活かせてない。野菜は火の通し方を工夫すれば甘みが出るし、煮崩れも防げる。……まあ、ちょっとした工夫で変わると思いますよ」
そこまで言ったところで、主は何度もうなずきながら真剣な顔を見せた。
「なるほど……なるほど……!」
その姿に、俺は少し肩の力を抜いた。
思ったより素直で、熱心だ。
これなら少し手を貸してもいいかもしれない――そう思い始めていた。
16
あなたにおすすめの小説
神スキル【絶対育成】で追放令嬢を餌付けしたら国ができた
黒崎隼人
ファンタジー
過労死した植物研究者が転生したのは、貧しい開拓村の少年アランだった。彼に与えられたのは、あらゆる植物を意のままに操る神スキル【絶対育成】だった。
そんな彼の元に、ある日、王都から追放されてきた「悪役令嬢」セラフィーナがやってくる。
「私があなたの知識となり、盾となりましょう。その代わり、この村を豊かにする力を貸してください」
前世の知識とチートスキルを持つ少年と、気高く理知的な元公爵令嬢。
二人が手を取り合った時、飢えた辺境の村は、やがて世界が羨む豊かで平和な楽園へと姿を変えていく。
辺境から始まる、農業革命ファンタジー&国家創成譚が、ここに開幕する。
土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~
にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。
「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。
主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
転生したみたいなので異世界生活を楽しみます
さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。
誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。
感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
元・神獣の世話係 ~神獣さえいればいいと解雇されたけど、心優しいもふもふ神獣は私についてくるようです!~
草乃葉オウル ◆ 書籍発売中
ファンタジー
黒き狼の神獣ガルーと契約を交わし、魔人との戦争を勝利に導いた勇者が天寿をまっとうした。
勇者の養女セフィラは悲しみに暮れつつも、婚約者である王国の王子と幸せに生きていくことを誓う。
だが、王子にとってセフィラは勇者に取り入るための道具でしかなかった。
勇者亡き今、王子はセフィラとの婚約を破棄し、新たな神獣の契約者となって力による国民の支配を目論む。
しかし、ガルーと契約を交わしていたのは最初から勇者ではなくセフィラだったのだ!
真実を知って今さら媚びてくる王子に別れを告げ、セフィラはガルーの背に乗ってお城を飛び出す。
これは少女と世話焼き神獣の癒しとグルメに満ちた気ままな旅の物語!
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる