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揺れる異世界 ―戦乱のフォンス編―
ドワーフからの頼みごと その2
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しばらく同じペースで進んだところでシモンが馬を止めた。
俺は何事かとエルネスと顔を見合わせた。
自然と緊張が高まるが、周囲に異常は見られない気がした。
「……あれ、あの人たちはドワーフ?」
道の脇からずんぐりむっくりの体型をした人たちが出てくるのが目に入った。
「――ちょ、ちょっと、待った!!」
シモンが剣を抜こうとしたので慌てて声をかけた。
愛馬はこちらの心情を察するように、前方へ駆け足で近づいてくれた。
「……カナタ、何やら出てきたので」
「この人たちはカルマンの国民だと思いますけど、悪い人たちじゃないはずです、多分」
リカルド以外のことは知らないので確信が持てなかった。
あと、ドワーフたちがカルマン兵に装備品を供給していることは無視できない。
「……フォンスの者たちか」
ドワーフの一人が声を出した。
赤色のごわついた髪と伸びた髭が印象的だった。
「まあ、そんなところです」
そうではない俺が答えあぐねていると、シモンが返事をした。
二人で向かい合っているうちに、エルネスたちも駆けつけてきた。
「――うわっ、生ドワーフ初めて見たかも」
クリスタが不躾な発言をしたが、ドワーフたちは意に介さないようだった。
ふと、最初に声をかけてきたドワーフが宝飾と鎖のついた手鏡のようなものを持っていることに気がついた。
「私はオラシオ。カルマンに酷使されるドワーフが増える一方だったので、危険を感じて国を出た。そして、これは我らの秘宝の善人の鏡。心根が平和で澄んだ者を知ることができる。もっとも、カルマンでは何の役にも立たない代物だがね」
「伝承でしか聞いたことがなかったですが、実物を見るのは初めてです」
エルネスが驚いたような反応を見せた。
「あんたらの中に鏡が反応する者が複数いたので、危険を顧みずに茂みから出てきたんだ。その様子からして、カルマンとの戦いに赴くんだろうね」
「それで、ドワーフの人たちがどんな用事が?」
シモンは先へ進みたいようで、せっかちな様子でたずねた。
「無理は承知で頼みたいんだが、カルマンに残っているドワーフたちを助けてやってくれないか。仲間たちは今も武器や防具を作らされている。あいつらが製造をやめれば、カルマンは大打撃を被る。ただ、それをするには、監視している兵士たちを倒してもらう必要がある」
そう聞かされて、俺やエルネス、シモンは互いの顔を見合わせた。
少なくとも、俺は無茶な依頼だと感じた。
「話は聞かせてもらった。それでカルマンの息の根を止められるのなら、その頼みを叶えようじゃないか」
いつの間にか、クルトが馬車を下りて様子を見にきていたようだ。
「あんた、名は何という」
「フォンスの騎士、クルトだ」
「……クルト、いい名だ」
彼に反応しているのか、秘宝の鏡が輝き始めた。
「ここにいる連中に反応していたが、あんたがきたら一際反応が強くなった」
「なんだそれは、不思議な物を持っているな」
「善人に反応する鏡らしいですよ」
シモンの説明にクルトは興味深そうに頷いた。
「とにかく、先ほどの件は承知した。僕たちはそこへ向かうとしよう。場所が分からないから、君もついてきてくれるか」
「ああっ、私はオラシオだ」
「オラシオ、案内を頼む。それから、そこにいる君の仲間たちは僕たちの拠点に避難した方がいいだろう。まずは国境を越えた最初の町に行ってくれ。クルトと行きあったと話せば問題ないはずだ」
俺たちはドワーフの仲間たちを助けに行くことになった。
敵の中枢に近づく気がするが、一体どうなるのか分からなかった。
俺は何事かとエルネスと顔を見合わせた。
自然と緊張が高まるが、周囲に異常は見られない気がした。
「……あれ、あの人たちはドワーフ?」
道の脇からずんぐりむっくりの体型をした人たちが出てくるのが目に入った。
「――ちょ、ちょっと、待った!!」
シモンが剣を抜こうとしたので慌てて声をかけた。
愛馬はこちらの心情を察するように、前方へ駆け足で近づいてくれた。
「……カナタ、何やら出てきたので」
「この人たちはカルマンの国民だと思いますけど、悪い人たちじゃないはずです、多分」
リカルド以外のことは知らないので確信が持てなかった。
あと、ドワーフたちがカルマン兵に装備品を供給していることは無視できない。
「……フォンスの者たちか」
ドワーフの一人が声を出した。
赤色のごわついた髪と伸びた髭が印象的だった。
「まあ、そんなところです」
そうではない俺が答えあぐねていると、シモンが返事をした。
二人で向かい合っているうちに、エルネスたちも駆けつけてきた。
「――うわっ、生ドワーフ初めて見たかも」
クリスタが不躾な発言をしたが、ドワーフたちは意に介さないようだった。
ふと、最初に声をかけてきたドワーフが宝飾と鎖のついた手鏡のようなものを持っていることに気がついた。
「私はオラシオ。カルマンに酷使されるドワーフが増える一方だったので、危険を感じて国を出た。そして、これは我らの秘宝の善人の鏡。心根が平和で澄んだ者を知ることができる。もっとも、カルマンでは何の役にも立たない代物だがね」
「伝承でしか聞いたことがなかったですが、実物を見るのは初めてです」
エルネスが驚いたような反応を見せた。
「あんたらの中に鏡が反応する者が複数いたので、危険を顧みずに茂みから出てきたんだ。その様子からして、カルマンとの戦いに赴くんだろうね」
「それで、ドワーフの人たちがどんな用事が?」
シモンは先へ進みたいようで、せっかちな様子でたずねた。
「無理は承知で頼みたいんだが、カルマンに残っているドワーフたちを助けてやってくれないか。仲間たちは今も武器や防具を作らされている。あいつらが製造をやめれば、カルマンは大打撃を被る。ただ、それをするには、監視している兵士たちを倒してもらう必要がある」
そう聞かされて、俺やエルネス、シモンは互いの顔を見合わせた。
少なくとも、俺は無茶な依頼だと感じた。
「話は聞かせてもらった。それでカルマンの息の根を止められるのなら、その頼みを叶えようじゃないか」
いつの間にか、クルトが馬車を下りて様子を見にきていたようだ。
「あんた、名は何という」
「フォンスの騎士、クルトだ」
「……クルト、いい名だ」
彼に反応しているのか、秘宝の鏡が輝き始めた。
「ここにいる連中に反応していたが、あんたがきたら一際反応が強くなった」
「なんだそれは、不思議な物を持っているな」
「善人に反応する鏡らしいですよ」
シモンの説明にクルトは興味深そうに頷いた。
「とにかく、先ほどの件は承知した。僕たちはそこへ向かうとしよう。場所が分からないから、君もついてきてくれるか」
「ああっ、私はオラシオだ」
「オラシオ、案内を頼む。それから、そこにいる君の仲間たちは僕たちの拠点に避難した方がいいだろう。まずは国境を越えた最初の町に行ってくれ。クルトと行きあったと話せば問題ないはずだ」
俺たちはドワーフの仲間たちを助けに行くことになった。
敵の中枢に近づく気がするが、一体どうなるのか分からなかった。
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