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揺れる異世界 ―戦乱のフォンス編―
彼女は決してチートではない
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俺やシモンは慌ててディアナの後を追った。
宙を飛ぶように移動できる彼女と違って、俺たちは岩壁の向こう側に行くまで時間がかかってしまった。
ようやくその場にたどり着くと、愕然とする光景が広がっていた。
「一人でこれをやったのか……」
砦のような場所ということもあって、その場には数十人の兵士がいた。
しかし、その全てが氷漬けにされて、周囲には無数の氷像が並んでいる。
「おれを超える実力者に会うことは、そうそうないと思ってたんですけど、これは完璧規格外ですね」
シモンがため息交じりに吐露した。
俺もディアナの実力に改めて驚いた。たしかにありえない次元だ。
「退屈だから動いてみたけど、何だか拍子抜けね。カルマンって大したことないんじゃない」
彼女はうんざりしたような声を上げた。
ちょうど近くにいたので、ヘレナからディアナについて聞いてみることにした。
「ディアナは出身が同じなんですか?」
「うん、そう。生まれ育ったのは同じみたいだけど、年齢不詳。定住地不明。魔女と例えられるだけあって謎が多い」
「そんな人材をよくつれてこれましたね」
「……偶然だった。他のエルフを誘ったところにディアナがきて、豪邸の話に食いついてきた。多分、興味本位でついてきたんだと思う」
ヘレナは淡々とした口調で説明してくれた。
ディアナは二十代ぐらいに見えるものの、実年齢はもっと上なのかもしれない。
「魔女だけに美魔女的な……」
我ながらしょうもないことを呟いていた。
彼女は見た目はいいが、人格的に危険が多そうなのでこちらからお近づきになろうと思わない。
「あそこの人物は素晴らしい戦力だな。たしか、ヘレナが連れてきてくれたのか」
「うん、たまたまだけど」
ケガ明けのクルトが少し遅れてやってきた。
指揮は彼に委ねられているので、次の指示が出るはずだ。
「残存兵は皆無のようなので、そのまま馬と馬車で道なりに進もう。この調子で砦を落としていけばカルマンの戦力を削ることができるだろう」
「はっ!」
クルトの声にフォンスの兵士が応じた。
俺たちは無関係だが、彼らはクルトの部下のような感じになっていた。
意思が強く、崇高な信念を持ち合わせているので、彼はリーダーに適任だろう。
敵が無力化されているのは言うまでもない状況なので、その場から引き返した。
再び、馬に乗って移動を再開した。
砦のようなものがあった脇を通過して道なりに進んでいく。
周辺にも敵がいるかもしれないと思ったが、平らな道が広がるだけでどこにもその気配は見当たらなかった。
「あんたらぐらい強ければ、この先の要塞も簡単に落とせそうだ! 順調に行けばそのうちカルマンの中心まで行けるだろうな」
オラシオが馬車から身を乗り出して全員に向けていった。
先ほどの戦いが圧勝だったことに気を良くしているようだ。
一般人の俺から見れば虐殺みたいなものだが、オラシオやフォンスの人たちに水を差すだけなので、わざわざ言おうとは思わない。
それから、休憩をはさみながら移動を続けた。
オラシオの言葉通り、一定の距離を進むと次の砦が現れた。
そのたびにディアナが飛び出して、退屈しのぎの運動で敵を全滅させた。
俺が同じだけのマナを消費したら干からびそうだが、彼女はピンピンしていた。
そんなことを繰り返すうちに、遠くの方に城壁に囲まれた都市が見えた。
「いやー、まさかこんな早く着くとは。あの場所がカルマンの中心だ。奥の方に見えるのが大王たちのいる城で、煙の上がっている場所はドワーフの工房だな」
オラシオが馬車から身を乗り出して説明した。
いよいよ、敵の本拠地が迫っている。
少数精鋭ではあるが、戦力が充実しているせいかあまり不安は感じなかった。
宙を飛ぶように移動できる彼女と違って、俺たちは岩壁の向こう側に行くまで時間がかかってしまった。
ようやくその場にたどり着くと、愕然とする光景が広がっていた。
「一人でこれをやったのか……」
砦のような場所ということもあって、その場には数十人の兵士がいた。
しかし、その全てが氷漬けにされて、周囲には無数の氷像が並んでいる。
「おれを超える実力者に会うことは、そうそうないと思ってたんですけど、これは完璧規格外ですね」
シモンがため息交じりに吐露した。
俺もディアナの実力に改めて驚いた。たしかにありえない次元だ。
「退屈だから動いてみたけど、何だか拍子抜けね。カルマンって大したことないんじゃない」
彼女はうんざりしたような声を上げた。
ちょうど近くにいたので、ヘレナからディアナについて聞いてみることにした。
「ディアナは出身が同じなんですか?」
「うん、そう。生まれ育ったのは同じみたいだけど、年齢不詳。定住地不明。魔女と例えられるだけあって謎が多い」
「そんな人材をよくつれてこれましたね」
「……偶然だった。他のエルフを誘ったところにディアナがきて、豪邸の話に食いついてきた。多分、興味本位でついてきたんだと思う」
ヘレナは淡々とした口調で説明してくれた。
ディアナは二十代ぐらいに見えるものの、実年齢はもっと上なのかもしれない。
「魔女だけに美魔女的な……」
我ながらしょうもないことを呟いていた。
彼女は見た目はいいが、人格的に危険が多そうなのでこちらからお近づきになろうと思わない。
「あそこの人物は素晴らしい戦力だな。たしか、ヘレナが連れてきてくれたのか」
「うん、たまたまだけど」
ケガ明けのクルトが少し遅れてやってきた。
指揮は彼に委ねられているので、次の指示が出るはずだ。
「残存兵は皆無のようなので、そのまま馬と馬車で道なりに進もう。この調子で砦を落としていけばカルマンの戦力を削ることができるだろう」
「はっ!」
クルトの声にフォンスの兵士が応じた。
俺たちは無関係だが、彼らはクルトの部下のような感じになっていた。
意思が強く、崇高な信念を持ち合わせているので、彼はリーダーに適任だろう。
敵が無力化されているのは言うまでもない状況なので、その場から引き返した。
再び、馬に乗って移動を再開した。
砦のようなものがあった脇を通過して道なりに進んでいく。
周辺にも敵がいるかもしれないと思ったが、平らな道が広がるだけでどこにもその気配は見当たらなかった。
「あんたらぐらい強ければ、この先の要塞も簡単に落とせそうだ! 順調に行けばそのうちカルマンの中心まで行けるだろうな」
オラシオが馬車から身を乗り出して全員に向けていった。
先ほどの戦いが圧勝だったことに気を良くしているようだ。
一般人の俺から見れば虐殺みたいなものだが、オラシオやフォンスの人たちに水を差すだけなので、わざわざ言おうとは思わない。
それから、休憩をはさみながら移動を続けた。
オラシオの言葉通り、一定の距離を進むと次の砦が現れた。
そのたびにディアナが飛び出して、退屈しのぎの運動で敵を全滅させた。
俺が同じだけのマナを消費したら干からびそうだが、彼女はピンピンしていた。
そんなことを繰り返すうちに、遠くの方に城壁に囲まれた都市が見えた。
「いやー、まさかこんな早く着くとは。あの場所がカルマンの中心だ。奥の方に見えるのが大王たちのいる城で、煙の上がっている場所はドワーフの工房だな」
オラシオが馬車から身を乗り出して説明した。
いよいよ、敵の本拠地が迫っている。
少数精鋭ではあるが、戦力が充実しているせいかあまり不安は感じなかった。
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