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こんなところに異世界 ―俺は勇者じゃないとそろそろ気づいてほしい―
シモンの変化―魔人との戦い―
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ゴブリンの大軍が続く中、必死で身を守っていた。
無闇に攻撃に転じれば隙だらけになるので、敵を倒す役割は他の仲間に任せきりだった。この状況でモンスターを斬り伏せられるほど腕に自信はなかった。
広間のように魔術使い放題なら理想的だが、乱戦に魔術は適していない。
もう少しモンスターが減ってくれば状況は違ってくるだろう。
シモンやオーウェンが敵の数を削ってくれているが、奥の扉からはひっきりなしにモンスターが現れていた。どれだけの軍勢が控えていたのか分からない。
敵は数で押しきれないと判断したのか、今度はゴブリンに紛れて数体のオークが登場した。
ゴブリンが道を譲るはずもなく、オークの列はゴブリンたちを押しのけながら突進している。
「厄介なのが来たな……」
「狙いやすいだけいいと思います」
最前列で戦うリュートとエレンがそれぞれの意見を口にした。
そのまま交戦状態に入り、二人がオークに対峙する。
やはり、見た目通りに怪力のようで押しこまれそうになった。
しかし、すぐに軽い身のこなしでオークを返り討ちにした。
どうやら、オークが最後尾のようで、その後方にモンスターは見当たらない。
ここを耐えれば勝機が見えてくるかもしれない。
前線の味方を抜けてくるゴブリンに対処しながら、我慢の時間が続いた。
どこまでも長く感じられる時間が過ぎ、モンスターの軍団は全滅した。
シモンを筆頭に仲間たちが奮戦してくれたおかげた。
魔術が使えない状況では防戦一方になり、守りを固めることしかできなかった。
それでも、こちらに負傷者が出なかったのは最善の結果だった。
一度に五十近いモンスターを相手にしたため、リュートやエレンの息が上がっている。シモンに疲れの色は見えず、オーウェンは少し疲れている様子だった。
「大丈夫か、かなりの数のモンスターだったが」
「けっこうヤバかったけど、何とか無事だ」
「こちらも最小限のダメージで切り抜けました」
「そうか、それはよかった。シモンは――」
オーウェンがシモンに問いかけたところで、彼は黙ったまま正面を指さした。
「……何やかが近づいてきます」
シモンは真顔のままで、その表情から緊迫した事態であることを察した。
幅の広くなった通路は先の方まで奥行きがあり、奥の方から何かが歩いてきた。
「……シモン、もしかしてあれは」
「ええ、おれが前に倒したのと似てますね」
シモンがケラスを倒してくれたが、まだ他にもいたとは。
ケラスと似たような外見で、深い青色の肌が特徴的だった。
肌の色以外はそこまで人間離れしているように見えなかった。
一定の速度で歩きながら接近する様は不気味に感じた。
「森で出会ったやつと同じように返り討ちにしてやります」
シモンの言葉から不安は感じなかった。
彼がこの場を離れて足を運び、両者の間合いが近づいた。
ケラスはそれなりに饒舌だったが、今度の魔人は何も話そうとしない。
押し黙ったまま、距離を詰めたシモンに視線を向けている。
魔人はおもむろに手の平を真上に向けると、青色の光を発する剣を中空に生じさせた。……あれはシモンと同じような技では。
続いてシモンも魔人の動きに応じるように緑色の光を発する剣を発生させた。
どんな理由があるのか分からないが、両者の武器は似たような方法で作られているようだ。
そして、戦いの幕が開けた。
互いに踏みこんで、鍔競り合いを繰り広げる。
力は五分五分のようで、拮抗した状態が続いた。
シモンが先に飛び退き、間合いを取り直した。
敵は魔人だけあって簡単に倒せそうにはないようだ。
普通の相手なら、あっさりと決着が着いていてもおかしくない。
オーウェンやリュート、エレンは離れた位置で見守っていた。
彼らも腕が立つが、魔人相手では少し荷が重いような気がする。
今度は魔人からシモンに近づき、攻撃を繰り出した。
剣戟を連続で放ち、シモンを押しこもうとしている。
シモンは緑光の剣で守りながら、上手く攻撃を防いでいた。
互いの動きが素早いため魔術で援護するのは不可能であり、彼の力を信じるしかない。
これまでシモンと共に窮地を乗り越えてきた。
きっと、今回も何とかしてくれるはずだ。
魔人は無尽蔵のスタミナなのか、攻撃の手を緩めることはなかった。
一方のシモンも息を切らすことなく、互角の戦いを続けている。
このまま膠着した状況が続けば戦いが長引きそうだ。
長期戦を覚悟したところで、シモンが魔人と間合いを取った。
「楽に勝たせてくれないみたいなんで、本気を出すとしますか」
彼がそう口にした後、その両手から淡い光が放たれた。
それと同時に、わずかな瞬間マナの奔流が感じられた。
「――えっ、そんな!?」
「……これは一体、どういうことだ」
シモンの両手は緑色に変化していた。
手の部分だけとはいえ、まるで魔人のような見た目になっている。
俺と仲間たちは互いに顔を見合わせた。
シモンは俺たちの反応を気に留めることなく、魔人との間合いを詰めた。
ただでさえ速かった剣戟は速度を増し、神速の領域に達しているように見て取れた。
拮抗した状態は打って変わり、完全にシモンの優勢になっている。
「――これで終わりにしましょう」
シモンは敵の虚を突いて、胴への攻撃を放った。
魔人は横一文字に斬られ、その場に倒れこんだ。
無闇に攻撃に転じれば隙だらけになるので、敵を倒す役割は他の仲間に任せきりだった。この状況でモンスターを斬り伏せられるほど腕に自信はなかった。
広間のように魔術使い放題なら理想的だが、乱戦に魔術は適していない。
もう少しモンスターが減ってくれば状況は違ってくるだろう。
シモンやオーウェンが敵の数を削ってくれているが、奥の扉からはひっきりなしにモンスターが現れていた。どれだけの軍勢が控えていたのか分からない。
敵は数で押しきれないと判断したのか、今度はゴブリンに紛れて数体のオークが登場した。
ゴブリンが道を譲るはずもなく、オークの列はゴブリンたちを押しのけながら突進している。
「厄介なのが来たな……」
「狙いやすいだけいいと思います」
最前列で戦うリュートとエレンがそれぞれの意見を口にした。
そのまま交戦状態に入り、二人がオークに対峙する。
やはり、見た目通りに怪力のようで押しこまれそうになった。
しかし、すぐに軽い身のこなしでオークを返り討ちにした。
どうやら、オークが最後尾のようで、その後方にモンスターは見当たらない。
ここを耐えれば勝機が見えてくるかもしれない。
前線の味方を抜けてくるゴブリンに対処しながら、我慢の時間が続いた。
どこまでも長く感じられる時間が過ぎ、モンスターの軍団は全滅した。
シモンを筆頭に仲間たちが奮戦してくれたおかげた。
魔術が使えない状況では防戦一方になり、守りを固めることしかできなかった。
それでも、こちらに負傷者が出なかったのは最善の結果だった。
一度に五十近いモンスターを相手にしたため、リュートやエレンの息が上がっている。シモンに疲れの色は見えず、オーウェンは少し疲れている様子だった。
「大丈夫か、かなりの数のモンスターだったが」
「けっこうヤバかったけど、何とか無事だ」
「こちらも最小限のダメージで切り抜けました」
「そうか、それはよかった。シモンは――」
オーウェンがシモンに問いかけたところで、彼は黙ったまま正面を指さした。
「……何やかが近づいてきます」
シモンは真顔のままで、その表情から緊迫した事態であることを察した。
幅の広くなった通路は先の方まで奥行きがあり、奥の方から何かが歩いてきた。
「……シモン、もしかしてあれは」
「ええ、おれが前に倒したのと似てますね」
シモンがケラスを倒してくれたが、まだ他にもいたとは。
ケラスと似たような外見で、深い青色の肌が特徴的だった。
肌の色以外はそこまで人間離れしているように見えなかった。
一定の速度で歩きながら接近する様は不気味に感じた。
「森で出会ったやつと同じように返り討ちにしてやります」
シモンの言葉から不安は感じなかった。
彼がこの場を離れて足を運び、両者の間合いが近づいた。
ケラスはそれなりに饒舌だったが、今度の魔人は何も話そうとしない。
押し黙ったまま、距離を詰めたシモンに視線を向けている。
魔人はおもむろに手の平を真上に向けると、青色の光を発する剣を中空に生じさせた。……あれはシモンと同じような技では。
続いてシモンも魔人の動きに応じるように緑色の光を発する剣を発生させた。
どんな理由があるのか分からないが、両者の武器は似たような方法で作られているようだ。
そして、戦いの幕が開けた。
互いに踏みこんで、鍔競り合いを繰り広げる。
力は五分五分のようで、拮抗した状態が続いた。
シモンが先に飛び退き、間合いを取り直した。
敵は魔人だけあって簡単に倒せそうにはないようだ。
普通の相手なら、あっさりと決着が着いていてもおかしくない。
オーウェンやリュート、エレンは離れた位置で見守っていた。
彼らも腕が立つが、魔人相手では少し荷が重いような気がする。
今度は魔人からシモンに近づき、攻撃を繰り出した。
剣戟を連続で放ち、シモンを押しこもうとしている。
シモンは緑光の剣で守りながら、上手く攻撃を防いでいた。
互いの動きが素早いため魔術で援護するのは不可能であり、彼の力を信じるしかない。
これまでシモンと共に窮地を乗り越えてきた。
きっと、今回も何とかしてくれるはずだ。
魔人は無尽蔵のスタミナなのか、攻撃の手を緩めることはなかった。
一方のシモンも息を切らすことなく、互角の戦いを続けている。
このまま膠着した状況が続けば戦いが長引きそうだ。
長期戦を覚悟したところで、シモンが魔人と間合いを取った。
「楽に勝たせてくれないみたいなんで、本気を出すとしますか」
彼がそう口にした後、その両手から淡い光が放たれた。
それと同時に、わずかな瞬間マナの奔流が感じられた。
「――えっ、そんな!?」
「……これは一体、どういうことだ」
シモンの両手は緑色に変化していた。
手の部分だけとはいえ、まるで魔人のような見た目になっている。
俺と仲間たちは互いに顔を見合わせた。
シモンは俺たちの反応を気に留めることなく、魔人との間合いを詰めた。
ただでさえ速かった剣戟は速度を増し、神速の領域に達しているように見て取れた。
拮抗した状態は打って変わり、完全にシモンの優勢になっている。
「――これで終わりにしましょう」
シモンは敵の虚を突いて、胴への攻撃を放った。
魔人は横一文字に斬られ、その場に倒れこんだ。
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