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第三 海辺の町『トラート』
砂浜へレッツゴー
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駅を出ると、線路と垂直の方向に道が伸びていた。道の両脇には、みやげ物屋や雑貨店、カフェ等、様々な店が並んでいる。浮き輪や海パン、ビーチサンダルを店頭に並べている店が多いことから、ここが海に近い場所だということが分かる。
僕は海に向かって伸びていると思われるその道を、とにかく全速力で走った。毎日学校の友達とサッカーをやっているから、足の速さには自信がある。あんなお腹の出た駅員なんかに、絶対に追い付かれるはずがない。
走りながら、何度か後ろを振り返ってみた。しかし、駅員が追い掛けて来る気配はない。それでも僕は、駅からできるだけ遠ざかろうと思い、必死で走り続けた。僕の走りに合わせて、背中のリュックが上下にリズムよく跳ねていた。
やがて、道沿いにレストランやホテルの姿が目立つようになった。
きっと、海の近くまで来たのだ。
僕は走るのをやめて、その場にしゃがみ込んだ。
「あーっ、疲れた」
苦しくて、ぜえぜえと息をするのが精一杯。下を向きながら、なんとか呼吸を整える。
深呼吸をしようと思ってふと顔を上げると、短パンにビキニ姿のお姉さんが、こっちに向かって歩いて来るのが見えた。
「海はどっちですか?」
僕が尋ねると、
「このまま道沿いに進めば、すぐに着くわ」
さらさらの長い髪を風になびかせながら、お姉さんはウインクした。
僕はお姉さんにお礼を言うと、いても立ってもいられずに再び走り出した。
もうすぐ海に着く。妹の優奈が夢で見たレイリアの海。白い砂浜があって、そこには桃色のタンポポが咲いている。
緩いカーブを曲がり終えると、青色の海が見えてきた。ゆらゆらと揺れる海面が太陽の光を反射させ、きらきらと輝いている。
よし、ラストスパートだ。
興奮して、自然に走るスピードが速くなる。
海岸沿いに遊歩道が見えた。僕はあっという間にその遊歩道まで辿り着くと、
「初めまして、桃色のタンポポさん達」嬉しさのあまり、スピードを緩めることなく、そのまま地面を蹴って前方にジャンプ。白い砂浜に着地した……つもりだったが。
ズボッ。
あれっ? なんだ、この変な感触。
足元を見ると、なんと、僕の両足は泥の中にはまっていた。
「おいおい、お前なに考えてんだよ。浜は立入禁止だぜ。泥に埋もれて死んじまっても知らねえぞ」
後ろから声がしたので振り向くと、自転車に乗ったサングラス姿の男が、遊歩道の上から僕のことを見ていた。あきれたという表情。
口から、自然と大きなため息が出た。
僕は海に向かって伸びていると思われるその道を、とにかく全速力で走った。毎日学校の友達とサッカーをやっているから、足の速さには自信がある。あんなお腹の出た駅員なんかに、絶対に追い付かれるはずがない。
走りながら、何度か後ろを振り返ってみた。しかし、駅員が追い掛けて来る気配はない。それでも僕は、駅からできるだけ遠ざかろうと思い、必死で走り続けた。僕の走りに合わせて、背中のリュックが上下にリズムよく跳ねていた。
やがて、道沿いにレストランやホテルの姿が目立つようになった。
きっと、海の近くまで来たのだ。
僕は走るのをやめて、その場にしゃがみ込んだ。
「あーっ、疲れた」
苦しくて、ぜえぜえと息をするのが精一杯。下を向きながら、なんとか呼吸を整える。
深呼吸をしようと思ってふと顔を上げると、短パンにビキニ姿のお姉さんが、こっちに向かって歩いて来るのが見えた。
「海はどっちですか?」
僕が尋ねると、
「このまま道沿いに進めば、すぐに着くわ」
さらさらの長い髪を風になびかせながら、お姉さんはウインクした。
僕はお姉さんにお礼を言うと、いても立ってもいられずに再び走り出した。
もうすぐ海に着く。妹の優奈が夢で見たレイリアの海。白い砂浜があって、そこには桃色のタンポポが咲いている。
緩いカーブを曲がり終えると、青色の海が見えてきた。ゆらゆらと揺れる海面が太陽の光を反射させ、きらきらと輝いている。
よし、ラストスパートだ。
興奮して、自然に走るスピードが速くなる。
海岸沿いに遊歩道が見えた。僕はあっという間にその遊歩道まで辿り着くと、
「初めまして、桃色のタンポポさん達」嬉しさのあまり、スピードを緩めることなく、そのまま地面を蹴って前方にジャンプ。白い砂浜に着地した……つもりだったが。
ズボッ。
あれっ? なんだ、この変な感触。
足元を見ると、なんと、僕の両足は泥の中にはまっていた。
「おいおい、お前なに考えてんだよ。浜は立入禁止だぜ。泥に埋もれて死んじまっても知らねえぞ」
後ろから声がしたので振り向くと、自転車に乗ったサングラス姿の男が、遊歩道の上から僕のことを見ていた。あきれたという表情。
口から、自然と大きなため息が出た。
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