攻略よりも楽しみたい!~モフモフ守護獣の飼い方~

梛桜

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幼少期を楽しみましょう

お茶会は貴族のたしなみ…らしい

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 私が暮らしているクラスター王国は緑豊かな森を背に、大きな湖を東に持つ立地に恵まれた国。湖から引かれた川が王国内を循環していて、日本と同じで四季が有り、春と秋が長め。獣人と魔法が普通に存在するという素晴らしい国。
 そうです、魔法も心ときめきますが獣人が存在しているんですよ!敵としてじゃなくて、普通に生活しているし、貴族にだって獣人の子息・令嬢がいるんです!モフモフ最高!
 ロックオンするべきは、モフモフ獣人の令息・令嬢です。是非ともお友達になりたいです。誰か紹介しろください。

 本題からそれてる場合じゃない。

 この国では、十歳までは魔法の使い方を教えたりしないんだそうです。勿体無い。八歳くらいから魔術の基礎を習ってゆっくりと身体に慣らしていくんだけど、其の前に自分の属性を知り、理解をする事で魔力の暴走を食い止めるのにもなるそうな。
 ゲームではアメーリアは三つの属性を持っていて、それもあってゲームの舞台である学園の魔法特進科クラスに所属していたくらい、実は有能だったりする。 
 でも、魔法があるという事は、誰でも魔法を使える。という訳でも無いようです。ゲームじゃ無かった設定その何チャラ目というやつです。獣人として生まれると、魔力が無い。魔力は人族の王族に近いほど魔力量や威力が強い。など。

 はい、皆様お気づきでしょうか?チートがありますよねー?私、王族で一番と言われているラズーラ第一王子殿下よりも魔力の量が多いです。『ただし、現時点で』です。成長したら抜かされるかもしれない、いや抜かしてください、寧ろ抜かせよ。

(何でだ、何がいけなかったんだろう?面白がって魔力を増幅させたり良質にするって言われてる魔力循環やりすぎた?)

 アイクお兄様やラーヴァと仲良く過ごしているし、お茶会に誘われても必要最低限しか参加していない時点で、私はゲーム設定のアメーリアとはかなり違うと思う。侯爵令嬢とはどういうものかを、熱く語っていた侍女のセシルを遠い目で眺めていたのが懐かしいです。
 幼馴染みとなった、二人の王子様の存在も在りますね。ゲーム開始でのアメーリアと二人の関係性は王族と貴族です。ご挨拶はしますが『アイドクレーズの妹』若しくは『侯爵家の令嬢』という認識だけです。

「アリア、いらしたようだよ」
「え?」

 ざわりと会場が色めき立ち、参加している令嬢達がきゃあきゃあと騒がしくなる。アイクお兄様の声に顔を上げ、ざわめきの先に目をやると、豪奢なドレスを優雅に着こなした王妃様とふわふわと揺れる金色の髪が見える。

(キラキラで眩しくて真っ直ぐ見れな…、あーもう、くっっっっそ可愛い!!本当このショタ二人お人形みたいで観賞用に下さい!おっと失礼!令嬢にあるまじき言葉遣いでしたわ、でもあの頬をムニムニしたい)

 いやでもね?キラキラでサラサラな金髪に、微笑みを浮かべる白くて滑らかそうな薔薇色の頬、瞳を細めて笑みを見せていても其の瞳は今日の空の様な濃い青。まさに王道と言うべきキラキラ王子様ですよ!
 ラズーラ=クラスター第一王子殿下、年齢はアイクお兄様と同じ歳の九歳。王道のキラッキラハイスペック王子様で、今は性格も柔らかく温和な優しい方です(たまに怖いけど)。メイン攻略対象で、この王子様を選んで攻略するとクラスター王国の王妃様エンドです。
 そして、その王子様の隣には、少し背の低いこれまた金髪の王子様。こちらは癖っ毛なのか、ふわふわと髪が風に揺れている。ひたすらにお兄様のラズーラ王子様を見つめているせいか、紫と金の不思議な色合いの瞳は見えないけど、どこか小動物っぽい。
 リモナイト=クラスター第二王子殿下、年齢は私と同じ歳の七歳。兄王子様が大好きで甘えん坊な王子様。しかもこの王子様どじっこ属性持ってます、そんな所も可愛いと侍女達からも評判なんですよ。勿論リモナイト殿下も攻略対象です。攻略したら臣籍降下されて公爵夫人エンドとなります。

「さて、それじゃご挨拶に行こうか」
「はい、アイクお兄様」

 お茶会を主催してくださったのは王妃様ですが、王子様達にもご挨拶は必須です。上位の家から順番に挨拶をするのですが、侯爵家は上位なので早めに向かうのです。

「この度はこのような素晴らしいお茶会にご招待頂き、誠に有難う御座います」
「アイドクレーズ、アメーリア嬢も良く来てくれた」
「王妃殿下、ラズーラ王子殿下、リモナイト王子殿下におかれましてはご機嫌麗しく、本日はお茶会にご招待頂き光栄に存じます。とても美しいお庭に兄共々見惚れておりました」

 微笑みを浮かべ膝を折り、淑女の礼を取る。お母様の指導のお陰か、七歳でも淑女としての礼儀作法はかなりの上級者だと思う。本当、普段ほわわんとしているお母様だけど、躾けや礼儀作法は王宮の指導役を承る程の腕前?でした。夢に見るくらいのスパルタだったよ…。お母様怖い。
 お母様を思って遠い目をしていると、ラズーラ王子の背後に隠れている、リモナイト王子がキョトンとした瞳でこっちをみていた。目が合ってにっこりと微笑みを向けると、恥ずかしそうに笑ってまたラズーラ王子の背後へと隠れてしまう。この小動物可愛すぎか。ちょこちょこラズーラ王子様の後ろを歩く姿が雛鳥のようで本当可愛い。

「いつも丁寧な挨拶ありがとう、ほらリィもご挨拶は?」
「あ、あの…ようこそ…」
「ご招待有難う御座います、リモナイト王子殿下。此方我が家の菓子職人から預かりましたの」
「僕のケーキ!アリア、ありがとう」
「良かったね、リィ」
「うん、あとで行くから一緒にたべよーね」

 差し出した手作りお菓子に、瞳をキラッキラさせて天使の笑顔を浮かべるリモナイト王子可愛い尊い。ゲーム設定でこの天使のようなリモナイト王子がツンツンツンデレになるなんて、誰が思うでしょうか。このまま成長する事無く居て欲しい。あの細かったリモナイト王子も、お菓子効果なのか食事も出来るようになって王妃様もニコニコしてます。
 公爵・侯爵・伯爵・子爵と続いていく挨拶ですが、そろそろ男爵家でもあるヒロインちゃんが登場してもいい頃。チラチラと挨拶の列をみつつ、紅茶を頂いているとアイクお兄様が顔を上げてニコッと笑みを浮かべました。

「ジャスパー、今日も参加していたんだね。もう挨拶には行ったの?」
「おー、アイク。ラズ殿下の側にいなくていいのか?」
「……今、ご挨拶の最中だからね、僕も其れまでは休憩だよ」
「だよなぁ…、今回の茶会は列がすげーのなんの。お、いいのあるじゃねーか」

 アイクお兄様のお友達のようですが、其の名前に私の耳がピクリと動きました。アイクお兄様、直ちに私にその方を紹介してくださいませお願いします!私の記憶が間違えていなければ、其の方は私の最推しへの道標なのですよ!

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