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魔法のお勉強
適性検査、当日です!
しおりを挟む安全を考慮されて開かれた王宮での魔力検査は、恙無く、問題なく進んでいます。後方に控えているのはマウシット様と私とリモナイト殿下です。段々と私達が近付くにつれ、魔術師団のトップの方がそわっそわしてます。
今日は宰相を務めているお父様も魔力検査の見守りを買って出たらしく、置かれている二年前に新調された水晶の傍らに待機しています。
(アイクお兄様の時に悔しがってましたものね、何で上位属性の発現を見れなかったのだ!って。魔術師を目指していましたので、アイクお兄様が帰って来た時張り付いてましたもんねー。)
「なんだかドキドキするね、アリア。緊張するから、手繋いでもいい?」
「ええ、勿論ですわリィ様。…あの、マウシット様。このような時くらい読書はお止めになりませんこと?」
「私に魔力があると思うのですか?私に必要なのは、剣の腕でも魔法の腕でもなく、誰にも負けない知識です」
「ですが、今は順番を待っているのですよ?」
「何かあれば動くのは、警護をしている騎士の仕事です」
こんなに夢を見ていない十歳も嫌だなー。もくもくと本を読んで知識を蓄えるのは止めろとは言わないけど、こういう時くらい自分にどんな属性があるかとかドキドキしててもいいじゃないですか。カルシリカ家って子供の時から言い聞かせてるだけあって、本当に徹底してるわー。
「心配しなくても、今は何の動きも無い」
「ギベオン…」
「特に問題も無かろう」
会場で待機している侍女さん達の視線を、一身に浴びている守護聖獣に言われたくない。
最初、ギベオンは私を抱き上げて会場へと入ろうとしたけど、お父様の睨み攻撃とか、案内をしてくれる女官さんや侍女さんの視線に『私が』堪えかねて卸して貰ったんです。
今は私の背後を警護するかのように立っています。侍女さん達からの注目を浴びているので、お察しでしょうが人型です。キラッキラのヴィジュアル系イケメンです。
(浮世離れしているのも考えものですよねー)
「アリア、もう直ぐマウシットの番だよ」
「直ぐにリモナイト殿下やアメーリア嬢の順番になりますよ」
「えー?わかんないよ?マウシットにも魔力あるかもしれないじゃない」
ニコニコと笑顔でマウシット様の背から顔を出して、魔力測定の水晶をみているリモナイト様が可愛い。将来はクールビュティーの名を頂くマウシット様ですが、今は子供ですので、まぁ美少年ですよ。其れが美少女といっても過言ではないリモナイト殿下と並ぶと…。
(カメラ、何で此処には一眼レフのカメラが無いの…っ!せめてスクショで残したいっ)
ドレスの影で握り拳を作り、可愛いの暴力に耐え忍ぶ私が居ます。
キラキラふわふわの金髪に、紫の瞳のリィ様。涼やかな銀髪にアイスブルーの瞳のマウシット様。色合いも綺麗に合わさって、本当に目の保養です。うっとり。
ああ、うっとりしてる場合じゃありません。魔力測定の水晶にマウシット様が手を触れた瞬間、微かに光る水晶の色は水属性の青。一般的な魔力量に比べれば少ないですが、なんと魔力を持たないカルシリカ家のマウシット様に、魔力が!
「ほらー!マウシットは水属性だね!」
「………」
「マウシット様?」
驚きに身体が固まってしまっているマウシット様と、可愛い息子の付き添いに来ていたカルシリカ侯爵様も目をこれでもかと大きく開いて驚いています。
カルシリカ家の驚きも確かに分かりますが、流石はリィ様というべきか。固まっているマウシット様をよいしょと横へと移動させて、大きな瞳でマウシット様をジッと見つめて『メッ!』としてます。
「ねぇ、マウシット?次はアリアの番なんだから、直ぐに移動しないと駄目なんだよ?」
「は!あ、は、はははい」
「大丈夫ですか?マウシット様」
「……」
展開に頭が付いていけていないマウシット様が、涙目であうあうと何か言いたげです。あらやだ可愛い。お父様に視線を向ければ、察してくださったお父様がカルシリカ侯爵様を強めに突き、促してくださったようです。
「おめでとう御座います、マウシット様。水属性ですわね。私にも水属性が出ましたら、ご一緒に魔法を学びましょうね」
「ぼ、僕に…、魔力」
「はい、ちゃんと水晶は青色に光ってましたわ」
「本当に…?」
「はい!」
「だから、僕も言ったでしょ?マウシットにだって魔力があるかもよって」
同じ金髪と紫の瞳。まるで双子のような容姿の私とリモナイト様に笑顔を向けられて、マウシット様はちょっとぎこちない笑みを浮かべでくれました。明日からはマウシットも魔法の勉強しようね!とリモナイト様にしっかりと約束させられて、カルシリカ侯爵様と共に離れていきました。
(さぁ、次は私ですね!)
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