攻略よりも楽しみたい!~モフモフ守護獣の飼い方~

梛桜

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魔法のお勉強

2度ある事は

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 背後にギベオンとリモナイト様が並び、水晶の直ぐ側には魔術師団長様が居ます。二年前のアイクお兄様とラズーラ様の一件で、私とリモナイト様は警戒されているようです。
 ゆっくりと手を水晶に向けると、カタカタと水晶を置いている台が揺れだす。一度手を遠ざけると、そのカタカタは静まったけど、もう一度近づけるとまたカタカタと鳴り出す。

「…あの、これ大丈夫ですか?」

(ものすっごく、嫌な予感がするんですけども?)

「え、ああ、大丈夫だろう」
「うちの娘に怪我をさせることになったら…」
「宰相様、脅さないでくださいませんか」

 心配性なお父様、分かりますが抑えてください。魔術師長様を脅してはいけません。
 手を近づければ其の分揺れは激しくなり、手を伸ばすのを躊躇ってしまう。私の次はリモナイト様なので、早く検査を終わらせないといけないのは分かっているのですが。
 ちらりとギベオンを見ると、ギベオンも呆れて溜息を零して居ました。あの目は割ってもいいからさっさと触れといってますよ。

(分かりましたよ、弁償なんてしませんからね!)

 気合を入れなおし水晶へと触れると、一瞬にして真っ黒に染まる水晶。そしてパキパキと音を立てて、一瞬にして水晶にヒビが入り嫌な予感が的中してしまった。

「ギベオン!」
「大丈夫だ、我がお前に傷をつけるわけがない」

 破裂して飛び散った水晶は、見るも無残に粉々に割れてしまいました。魔術師長様が止める暇なんて与えませんでしたよ。私はギベオンに抱きかかえられて無事です。咄嗟に防御壁も展開してくれていたようです。
 ザワザワと周りが騒がしくなる中、怪我をしていないかと、鬼の様な怖い顔をして背後にブリザードをまき散らかしているお父様に手を看て貰いつつ、私の側から離れていなかったリモナイト様が割れたままの水晶を見つめて居ました。

「…真っ黒だったね?」
「そうですわね」
「じゃあ、アリアは神殿で再検査だねー」
「面倒ですが、そうなりますわね」
「僕も一緒に神殿に行くから、一緒に行こうね」

(は?)

 いやいや、公式設定ではリモナイト様は確か風属性の魔法だけですよ?しかも宣言しましたよね?魔力量は確かに多いかも知れません。だって、私と一緒に何度も魔力循環の練習と私のお手製のお菓子を食べてましたもの。
 ニコニコと天使の笑顔を浮かべて、魔術師の方が新しい水晶を用意しています。其れを眺めているのですが、アイクお兄様もラズーラ様もこの様子をどこかでみているのでしょうか?
 それにしても、もしかして『手作りのお菓子』の所為で何か変化が?って、それがあったらギベオンが先に気付いてますよね?何度も一緒に王宮へといってますから。

(どうして、リィ様は私に宣言したの?)

 新しく用意された水晶に、リモナイト様は何の躊躇いもなく手を伸ばし触れる。一気に近付いた綺麗な白い手と正反対の真っ黒の色を映し出して、私の時と同じ様に水晶は割れてしまった。
 今度はギベオンが先程展開していた防御壁がありましたので、リモナイト様に水晶の欠片が飛ぶ事はありませんでした。ただ、勢いが良かった所為か結構広範囲に飛び散ったようで、掃除が大変そうです。リモナイト様が最後で本当に良かった。

「適性検査は水晶割りを競う事はないのだがな」
「ふふっ、アリアとギベオンが一緒だからね。ラズ兄様だって割って見せたんだから、僕もやっておかないと」
「なら、リモナイトも神殿の水晶を割ってみるが良い」
「えー?僕に其処まで魔力ある?アリア程は無いと思うんだよねー」

 唖然としてしまう私を置いて、ギベオンとニコニコ笑顔のリモナイト様が話をしている。
 目の前には、再び粉々になってしまった水晶を前に、魔術師長様が頭を抱えて『また予算がー!』と唸ってました。

(そうだよね、この二年という短期間に水晶四つも駄目にしましたから)

 せめて私が確認した時に止めていれば…。とも思いましたが、二度ある事は三度あると思わなかったのでしょうね。ラズーラ様もアイクお兄様も、あの年代にすれば規格外ですし。

「カルシリカ侯爵の御嫡男に魔力があった時点で、嫌な予感はしていたんですけどねー…」
「うちの娘が平均値で納まるわけが無いな」
「陛下も、リモナイト殿下の適性検査を楽しみにしておられるのですが」
「神殿の結果待ちだと報告すればいい」
「宰相様がして下さいよ!」

 何やら仲良しなお父様と魔術師長様ですが、お父様の国王陛下の扱いが若干雑に思います。もしかして、お菓子の件で家族総出で怒ったのが堪えたのでしょうか?
 兎に角、今度は神殿行きが決定してしまったので、予定を考えないといけませんね。

(はぁ、めんどくさい……)

「やはり、アリアの魔力は素晴らしいな」
「もう人型でなくても宜しくてよ?ギベオン」
「折角だ、このまま屋敷へ帰る」
「また睨まれるじゃないですか!嫌ですよ!」

   ふわふわの尻尾をフリフリしてご機嫌なギベオンに抱き上げられたまま、ちょっと不機嫌なリィ様に退出のご挨拶をして、私はギベオンに強制連行されました。
   いや、お父様置いて行っちゃ駄目でしょ!?

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