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破滅エンド&家の立て直し
しおりを挟む「ここから出たら秋月は鬼に戻っちゃう?」
「浄化されてはいるから、どうかな? 祟り神のレベルには達していなかったんだよね。と言っても祟りというのは本当に数千年経っても癒えない場合もある。そのぐらい、祟りは怖いものなんだ。僕は幼かったから……知らないものの方が多かったから……許せたのかもしれない。僕の父や僕を殺した者たちの方が怨讐に囚われて未だに人を襲い続ける悪霊として漂っていると知った時、心が晴れて浄化されたんだよね。結局のところはなにが救いになるかによるって感じ?」
そういうものなんだ。
どちらにしても秋月はもう満足している。
じゃあ、秋月はもう大丈夫なのかな?
このまま私の味方でい続けてくれそう?
「秋月は自由になりたい?」
「今のところはいいかな。でも、君がこの屋敷から出る時は一緒に連れて行ってもらおうかな。この屋敷で僕が視えるのは一番若い使用人の粦くらい」
「そういえば鬼ババアやマザコン親父は秋月のこと視えないんだっけ?」
「そう。目の前にいても無視される。もう視えなくなっているんだろうね」
「弱くなってるってこと?」
「修行をしている感じは見受けられないからね。現場に行っているわけでもないから、感覚もどんどん鈍くなっているだろう。千頭山家の祖先たちが築いてきた資産をただ食い潰しているだけなんだよ、あの二人」
「ええ……!? そうなの!?」
「そうだよ。多分君が今通っている学校を卒業する頃にはまあ、底をつくんじゃないかな。中学生までは義務教育だと聞いたことがあるけれど、それ以上は難しいんじゃない?」
それを聞いてハッとした。
ゲームの中の真宵は十八歳で祟り神になるまで祖母や父に呪いの受け皿として連れ回される。
かなり酷い浄霊方法だと思っていたが、家の資産が底をつくからだ……!
秋月を視ることもできない二人が対処できるのは「せいぜいお墓やお地蔵さんのご供養や一ヶ月ぐらい先を視るような占いの霊視くらい」らしいので、それなりの収入が見込めるお祓いや建物や土地の供養は不可能。
もし、それらをやってしまうといわゆる“詐欺”や“信仰宗教”の類になる。
だがそれらに手を染めた瞬間、今まで千頭山家が丁寧に浄化をしてきた秋月が“反転”するという。
それを避けるため――そして、それでも高額な仕事を成立させるためにあの鬼ババアたちが選んだのが、私を呪いや隠の気、よくないものを詰め込む人形に仕立て上げること。
……ク、クソだぁ。
「まあ、だから君がもっと力をつけてくれたら僕としても千頭山家を守ることに繋がると思っているんだ。あの二人はダメだね。散財しかしない」
「そっか。秋月、千頭山家の守り神だものね」
「うん。一応ね」
だから私を育てて家を建て直させたいのか。
ほーむ、なるほど。
まあ、家を建て直さなきゃ秋月が“反転”してまた祟り鬼になってしまうかもしれない。
それはよくないことだ。
「じゃあ、私は強くなって家の立て直しもしなきゃいけないのか」
「君に頼る形になってしまうこと申し訳なく思うけれど」
「ううん。どのみち強くなったら大きな仕事もできるもんね?」
「そうだね。同じくらい危険も伴うけれど……」
「それならやることは変わらないよ!」
優秀な祈祷師になれば大きな依頼も受けられるようになる。
イコールあいつらは私に手出しができなくなる。
まだ家の財産が食い潰されるまでに猶予はあるから……猶予があるのもすごいけどな……その間に私がこの家の主柱になればいいのだ!
「私、立派な祈祷師になるよ! だから色々教えてほしい! ゲームが始まるのは私が十八歳の時なの。それまでに祟り神にならないように、強くなりたい。強くなったら家のことも守れるでしょ?」
「そうだね。確かに。――それなら、やはり次は粦を引き込もう」
「りん?」
「僕のことが見える霊力の高い使用人だよ。歳は真宵とあまり変わらないね。何歳かは、聞いたことないけれど……。使用人が一人いればだいぶ家の中で動きやすくなるはずだ」
「わかった。声かけてみる」
「うん。僕からも粦にお願いしてみるよ」
秋月が「真宵のご飯を使用人にお願いするけれど、あまり期待しないで~」って言っていたのは鬼ババアたちもそうだけれど、使用人も秋月が見えないからか。
唯一見えるのがその粦という子。
味方が増えるのは助かるから、紹介してもらおう!
「ではもう少し霊力の質が整ったら次の課題を出そう。その新しくできた悪魔祓いの家系の友人にも基礎を教えてあげるから、家に連れておいで」
「いいの?」
「いいよ」
「ありがとう!」
真智を連れてきていいんだ。
秋月に真智も教えてもらったら、あの子も死亡エンドを回避できるだろう。
「これからも他の攻略対象というの? が、現れたら助けてあげるといい。人を救うことは徳を積むことになる。徳を積むことは、魂の格を上げることになる。魂の格が上がることで、より強力な力を使えるようになるし身が守れるようになる」
「じゃあ今まで言われたことを頑張るね!」
「そうだね。少しずつ成長しなさい。どんなに霊力が高くても、死んでしまったら意味がないからね」
「うん」
元々が祟り鬼だった秋月が言うと説得力がある。
秋月を助けるためにも、明日から散策頑張るぞー!
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