ホラー系乙女ゲームの悪役令嬢はVtuberになって破滅エンドを回避したい

古森きり

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驚愕の真実?

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「えーと、必要なのはデスク、ゲーミングチェア、モニター、モニターアーム、マイク、マイクアーム、パソコンにはもともとモニターとキーボード、マウスがついていたから、あと必要なのはマウスパッドかな……撮影カメラは別途買って、動画編集ソフトで編集してそれにライブ2Dで実況を入れて……投稿する感じかな?」

 動画で編集済みだと絶対『詐欺動画』とか言われそうー。
 でもまあ、それもエンタメよね。
 言いたいやつには言わせておけばいいわ。
 所詮リスナーは文字!
 …………くらいのメンタルでやることが大事って、織星くんの先輩のそふらのくんが言ってた。
 確かにリスナーとしてコメ欄が荒れているとそう思う。
 指示厨の言うことを聞く必要はないと思うし、誹謗中傷とかに負けないでほしいけれど、ウザいことには間違いない。
 承認欲求もほしいけど、私の第一目標は修行だもの。
 自分の成長を見守ってくれる人だけ残ればそれでいいわ。
 師匠はすでに秋月っていう存在がいるんだもの。
 秋月は鏡を霊道にしないと外に出られないから、撮影に連れて行くのは難しい。
 私の部屋で見守っていてもらうのが一番かも。

「よし、まずは物を揃えるところからだわ。りーーーん! 粦ー、いるーーー?」
「はあーい、ただいまー」

 洗濯物を干していた粦を呼ぶと、すぐにきてくれる。
 メモした必要な機材などを一つ一つ説明しながら買いに行く計画を立て、次の土曜日に決定。

「この、動画投稿というのはどこで行うのですか?」
「真智の家でやるの。やらせてもらえるってことで話はつけてきたから」
「はあ……お嬢様、行動力がすごいです」
「ふふーん。まぁね」

 でも、立ち絵やライブ2Dの制作についてはもう一度真智の家で調べないとダメなんだよね。
 プロの人に頼めばなんとかなったりしないかなぁ?
 なんか、今更だけど……一年分の生活費一千万円、た、足りるかなあ……?
 自分だけじゃなくて粦の学費と生活費もあるから、めちゃくちゃ不安なんだけれど。

「Vtuberってお金がかかるんだね」
「わー!」
「秋月様!」
「びびびびっくりした! 驚かさないでよ、秋月……」
「ごめんごめん」

 突然後ろに現れた秋月が、私が粦に手渡したメモを見ながら「なんか呪文みたい……」と言っている。
 昔の人だもんねぇ。

「でも、真宵がやりたいことはわかったよ。面白試みだし、これを続けておけば君自身の成長と世間の目が君という存在を“見守る”ものになるだろう。僕は賛成だな」
「うん! 頑張る! ……時間はかかるけれど……」
「そうだね。でも君は若い。時間はあるよ」
「うんっ!」

 別に舐めてたわけじゃないし、デビューまで時間はかかると聞いたけれど……自分自身で準備を始めてみたら『こりゃあ一年、二年時間かかるのも理解できるわ~』ってなる。
 一つ一つ確実にやっていかないと。
 まずは、立ち絵だ!



「Vtuberの体の……えっと、絵か。絵が上手い知り合い……」
「そうなの。イラストレーターさんのこと調べたいんだけれど、今日もパソコンを使いに行ってもいい?」

 すっごく申し訳ないんだけれどね。
 すっごく申し訳ない。
 ネット料金、今の時代ってもしかして“使い放題”とかない可能性があるじゃん?
 それなのに毎日使わせてもらうのってめっちゃ申し訳がない……。
 だから調べることは全部まとめてきた!
 でもイラストレーター探すのだけは時間かかりそう!
 マジで申し訳ねええええ!
 もしも真智がネットで探す必要がないくらい絵が上手い知り合いがいたら解決だけど、小学校一年生に無茶振りである自覚はある!

「知ってる」
「え、知って……え? いるの? イラストレーターの知り合い!?」
十夜とうやのお兄ちゃんがすごく絵、うまかった。聞いてみたらいいと思う」
「へ……ぁ? え? とう……」

 と、と、と、と、と、とうや?
 十夜!?
 ま、ま、ま、ま、まさか善岩寺十夜ぜんがんじとうや!?
『宵闇の光はラピスラズリの導きで』のセンターに鎮座している、メイン攻略対象の、あの善岩寺十夜ぜんがんじとうや!?

「そ、そ、それって、あの……ぜ、善岩寺十夜ぜんがんじとうや……?」
「そう。隣のクラスなんだけど、習字の教室でずっと一緒なんだ」

 しゅ、習字の教室!

「札とか書くから習字は絶対習わせられるんだよなー」

 なるほど!?

「十夜の兄ちゃんの一夜いちや兄ちゃんが絵、めっちゃ上手いんだ。イラストレーター? っていうやつやってたと思う」
「そうなの!?」

 っていうか、十夜にお兄ちゃんがいること自体知らなかったんだけど!?
 ゲームに存在出てなかったよ!?

「じゃあ、聞いてみたいな。お礼はちゃんと支払うから」
「そーだな。じゃあ十夜に聞いてみるか」
「うん。ありがとう」
「なにタニンゴトみてーなこと言ってんだよ。自分のことなんだから、自分で頼めよ」
「へ、ひっ!?」
「そんなの当たり前だろ~」
「……そ……っ」

 それはそうか。
 私自身がやりたいと言い出し、おそらくこの世界では初の試みだもんね。
 私が自分で動かなければなにも始まらないし進まない。
 そうだ、若いんだから動かなきゃ!
 生き延びるべくの行動力!

「わかった! 直接お願いさせてほしい!」
「おう。じゃあ昼休みに会いに行こ」
「うん!」

 それに――それに善岩寺十夜ぜんがんじとうやもまた、破滅エンドのある攻略対象。
 霊媒師の家系で、霊を下ろし、そのまま悪霊に乗っ取られて行方不明となった母を探している霊媒師。
 声を聴いて寄り添うように仕事をする。悪魔になった母を倒しきれず、祟り神になる。
 彼の破滅エンドも、可能なら……。

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