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二 通小町
巡り合いて......(一)
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怒涛の夏休みが終わり、学校が始まった。
「うっす!」
「おはよー!」
俺は休み前より十分早く家を出て学校に向かう。
夏祭りの時の菅原先生との約束で遅刻するわけにはいかない。菅原先生にリアルに雷落とされたら堪らない。
水本はインターハイ前の朝練が始まり、先に学校に行ってる。
「おはよう、小野君」
菅生と篠原、安達が揃ってこっちにやってくる。
「あ、色々ありがとうね」
「いや別に......。元気か?菅生んとこも」
「うん。大丈夫」
「お姉ちゃん、お礼言ってた。よろしく伝えてって」
二人が口々に言うのを安達もにこにこして見ていた。
「今日は水本君は?」
「バスケの朝練。インターハイ近いだろ?」
「あ、そっか」
ケラケラ笑う三人娘。元気になって良かったよ。
四人で喋りながら、通学路を歩いていたんだけど、
なんか妙なんだよね。
いや菅生達じゃなくて、背後が。なんか視線を感じるんだ。
でも、振り向くと誰もいない。
ーなんだ?ー
何回も振り向いたけど、やっぱり誰もいない。
「おはようございまーす」
「うん、時間厳守でよろしい」
校門の前でいつも通り仁王立ちしている菅原先生に挨拶して校内に入ると、気配は消えた。
そう言えば、馬頭さんが妙な気配がするって言ってたな。
それに平泉から帰ってきてから、松尾のじいちゃんから手紙が来てた。義雄さん達がお礼を言ってたって報告なんだけど、最後にP.S.で背後に気をつけろって書いてあった。
俺はそっち系じゃないし、そっち系の友達もいないから、たぶんそういう意味じゃなくて......なんだろうな。
あ、ちなみに追試は無事クリアなんだけど、小野崎先生てば、休み明けたら小テストやるから、って不気味な前振りしてたな。
どこまでスパルタなのよ、先生。
「おっはよ、コマチ。よくひとりで学校来れたな。えらいえらい」
「俺は小学生か!」
教室に入ると、先に席に着いていた水本に頭をぐしゃぐしゃされた。止めんかい!セットが乱れるわ。
と、ふっと教室の外に一瞬あの気配がした。が、ガラリと扉が開くと同時に消えた。
「みんなおはよう!」
「おはようございます」
立花先生、相変わらず髪の毛スゴいっすね。あ、でもちょっと短くなってる。白衣もパリッと......。
『立花先生、恋人出来たみたいよ、休み中に』
斜め後ろの安達がサクッと情報提供。それは目出度い。三十路のうちに春が来て良かったね先生。
「静かに!」
なんとわなしに顔を赤らめながら、先生が咳払い。
「今学期から新しくクラスメートが増える。......入ってきなさい」
先生が廊下の方に目をやると、男子生徒がおずおずと教室に入ってきた。
「新しく転入してきた深草くんだ。仲良くしてやってくれ」
長身スリムなメガネ男子に女子の目がキラリ、いやギラリと光った。
「深草陸海です。よろしくお願いします」
ちょっと気弱そうな草食系のインテリって感じのニューフェイスに女子のテンションが上がって、男子のテンションはちょい下がりぎみ。まあでも好感度高めかもな。陰キャっぽいけど。
「席は.......そうだな。窓際の一番後ろが空いてたな。深草くんは視力は大丈夫か?」
「大丈夫です」
先生の問いかけにニッコリ笑顔で返す深草くん。
でも、指定された席に向かう彼の目線が俺とぶつかった時、なんか背筋がぞわっとした。
「よろしく」
って顔は笑顔なんだけど、目が怖い。
でもまぁ、慣れてないから緊張してるのかな?と俺は特にも気にかけなかった。
「うっす!」
「おはよー!」
俺は休み前より十分早く家を出て学校に向かう。
夏祭りの時の菅原先生との約束で遅刻するわけにはいかない。菅原先生にリアルに雷落とされたら堪らない。
水本はインターハイ前の朝練が始まり、先に学校に行ってる。
「おはよう、小野君」
菅生と篠原、安達が揃ってこっちにやってくる。
「あ、色々ありがとうね」
「いや別に......。元気か?菅生んとこも」
「うん。大丈夫」
「お姉ちゃん、お礼言ってた。よろしく伝えてって」
二人が口々に言うのを安達もにこにこして見ていた。
「今日は水本君は?」
「バスケの朝練。インターハイ近いだろ?」
「あ、そっか」
ケラケラ笑う三人娘。元気になって良かったよ。
四人で喋りながら、通学路を歩いていたんだけど、
なんか妙なんだよね。
いや菅生達じゃなくて、背後が。なんか視線を感じるんだ。
でも、振り向くと誰もいない。
ーなんだ?ー
何回も振り向いたけど、やっぱり誰もいない。
「おはようございまーす」
「うん、時間厳守でよろしい」
校門の前でいつも通り仁王立ちしている菅原先生に挨拶して校内に入ると、気配は消えた。
そう言えば、馬頭さんが妙な気配がするって言ってたな。
それに平泉から帰ってきてから、松尾のじいちゃんから手紙が来てた。義雄さん達がお礼を言ってたって報告なんだけど、最後にP.S.で背後に気をつけろって書いてあった。
俺はそっち系じゃないし、そっち系の友達もいないから、たぶんそういう意味じゃなくて......なんだろうな。
あ、ちなみに追試は無事クリアなんだけど、小野崎先生てば、休み明けたら小テストやるから、って不気味な前振りしてたな。
どこまでスパルタなのよ、先生。
「おっはよ、コマチ。よくひとりで学校来れたな。えらいえらい」
「俺は小学生か!」
教室に入ると、先に席に着いていた水本に頭をぐしゃぐしゃされた。止めんかい!セットが乱れるわ。
と、ふっと教室の外に一瞬あの気配がした。が、ガラリと扉が開くと同時に消えた。
「みんなおはよう!」
「おはようございます」
立花先生、相変わらず髪の毛スゴいっすね。あ、でもちょっと短くなってる。白衣もパリッと......。
『立花先生、恋人出来たみたいよ、休み中に』
斜め後ろの安達がサクッと情報提供。それは目出度い。三十路のうちに春が来て良かったね先生。
「静かに!」
なんとわなしに顔を赤らめながら、先生が咳払い。
「今学期から新しくクラスメートが増える。......入ってきなさい」
先生が廊下の方に目をやると、男子生徒がおずおずと教室に入ってきた。
「新しく転入してきた深草くんだ。仲良くしてやってくれ」
長身スリムなメガネ男子に女子の目がキラリ、いやギラリと光った。
「深草陸海です。よろしくお願いします」
ちょっと気弱そうな草食系のインテリって感じのニューフェイスに女子のテンションが上がって、男子のテンションはちょい下がりぎみ。まあでも好感度高めかもな。陰キャっぽいけど。
「席は.......そうだな。窓際の一番後ろが空いてたな。深草くんは視力は大丈夫か?」
「大丈夫です」
先生の問いかけにニッコリ笑顔で返す深草くん。
でも、指定された席に向かう彼の目線が俺とぶつかった時、なんか背筋がぞわっとした。
「よろしく」
って顔は笑顔なんだけど、目が怖い。
でもまぁ、慣れてないから緊張してるのかな?と俺は特にも気にかけなかった。
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