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13 死の山の調査
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しおりを挟む「う、うわ~~~!」
死の山の調査をしていたサシャとヨハンネスは、空から降って来た巨大な影に恐怖する。
「やった! ドラゴンだしぃ!!」
いや、ヨハンネスだけ恐怖して、サシャは喜んでいる。
二人の思いはすれ違い、「ワーキャー」言っていると、ドラゴンはサシャ達の前に着地した。
「ヨハン! やっておしまい!!」
着地するや否や、サシャはドラゴンを指差し、ヨハンネスに命令する。
「いやいやいやいや」
当然、ヨハンネスは首を高速で横に振る。
「なんだしぃ。さっき助けないって言ったしぃ」
「すみませんでした! 超絶美少女勇者サシャ様。どうか矮小なる私を助けてください!!」
急に態度を変えるヨハンネス。そんな事で、サシャの機嫌は直らないぞ?
「うっ……もう一回、言ってみるしぃ」
ん?
「超絶ウルトラ美少女勇者サシャ様~~~!」
「ふふん。わかってるじゃん。仕方ないしぃ」
あ……いいんだ。おべっかで機嫌を直すとは、案外チョロイ。
ヨハンネスの叫びを聞いたサシャは、刀を抜いてドラゴンを見据える。
するとドラゴンも威嚇の声をあげ、サシャに炎を吐きつける。
「そんなもの効かないしぃ!」
サシャが左手を前に構えるだけで、炎は弾かれる。
「おお!」
その光景を後ろで見ていたヨハンネスは感嘆の声を……
「あつっ! こっち燃えてるって!!」
サシャは自分一人分の防御結界しか出していなかったので、炎のブレスの余波が、ヨハンネスを襲ってしまった。
「あ、あはは~。わり~わり~」
サシャは笑いながら謝り、ヨハンネスに防御結界を張ってあげて、動くなと命令する。
そうしてサシャが遊んでいると、ドラゴンの爪が頭上から振り落とされた。
サシャは遊んでいても集中はしていたので、その爪をひょいっと軽く避ける。そして、ドラゴンが手をどけた場所を注視していると、もう片方の爪が降って来るので、今度は避けると同時に魔法で作った風の玉をぶつけて吹き飛ばす。
ドラゴンとの距離が空くと、サシャは地を蹴り突進。刀を振るわんとする。
しかしドラゴンは先ほどの魔法でもびくともせずに体勢を建て直し、尻尾を大きく振るって横薙ぎ。
凄まじい速さの鞭がサシャを襲う。
だが、尻尾の先はサシャに斬られて遠くに飛んで行く事となった。
「ギャーーー!」
ドラゴンは痛みで大声をあげたのも束の間、翼を羽ばたかせ、空にエスケープ。
いや、ただ逃げたわけではなさそうだ。大口を開けて魔力を溜めている。
「お! デカイ攻撃が来そうだしぃ!」
サシャはそれだけ言うと、ドラゴンの真下まで走り、見上げる。
ドラゴンはサシャを見失っていないので、当然、発射口の口を真下に持って行き、ドラゴンブレスを発射した。
先ほどの炎のブレスと桁違いの威力。死の山にぶつかり轟音を響かせ続ける。そうしてドラゴンブレスは10秒ほど放出されて止まる事となる。
「サ、サシャ……?」
煙が晴れたその場には、サシャの姿は無く、ヨハンネスは小さく声を出し、キョロキョロと探し続ける。
しかし、サシャを探している場合ではない。ドラゴンは雄叫びをあげ、ヨハンネスの目の前にドスーンと着地した。
「う……あぁぁ」
巨大なドラゴンに睨まれたヨハンネスは恐怖し、声にならない声を出す。そんなヨハンネスにかまう事なく、ドラゴンは大口を開けて迫る……
「【雷斬り】~~~!!」
突如鳴り響く雷鳴と、必殺技の名前……もちろんサシャだ。
サシャはドラゴンブレスが放たれた直後、ドラゴンの背に転移して飛び乗った。そしてジュースを飲みながら一服。ドラゴンが叫んだ時には耳を塞ぎ、着地した際には、ヨハンネスがビビる顔を笑いをこらえながら見ていた。
さすがにヨハンネスが喰われ掛けた時には、ドラゴンの首を一刀両断に斬り裂き、助けてやったと言うわけだ。
サシャに切り落とされたドラゴンの首は、ヨハンネスの目の前にドシンと落ち、ヨハンネスはへにゃへにゃと崩れ落ちる。
「まったく……情けないしぃ」
「うぅぅ。ありがとう、ありがとう。サシャは命の恩人だ~」
「そ、そんなんじゃないしぃ」
うん。そんなんじゃなかったな。サシャからしたら、からかいの一環。それも、ピンチを自分で作り出して助けたのだから、ヒーローの自作自演だ。
もちろん、あとからその事も伝えようと思っていたらしいが、ヨハンネスがここまで感謝して来るとは想定外。さすがに自重したようだ。
「もういいしぃ。あんな弱っちいドラゴンにウチが負けるわけないしぃ」
「ドラゴンが弱い? あのブレスも凄い威力だったじゃないか?」
「普通の人からしたらね。なんたって、ウチは最強の美少女勇者だしぃ!!」
サシャはセリフを言い終わると、刀を掲げて決めポーズ。ヨハンネスはいつもの事なので、呆れ……
パチパチパチパチ
……拍手してるよ。どうやら少し頭をやってしまったようだ。そしてサシャは恥ずかしくて拍手をやめさせるなら、やらなきゃいいんだ。
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