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番外編
鍛冶見習い番外編・秋の大祭特別SS
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秋になると、収穫祭がある。
母ちゃんが死んじゃってから、飲んだくれてた父ちゃんは、ほとんどそういった地域の行事には無頓着だったけれど、オイラはたまに、ご近所さんに連れられて顔を出していた。
神社世話人っていう役もあって、各家で持ち回りだ。
うちは、ここのところ免除されていたみたいだけれど、そろそろやってみるかい?とテリテおばさんに言われて、今年はオイラが世話人当番になった。
なんだか、一人前だって認められたみたいで、ちょっと誇らしい。
うちの近所の神社は、由緒はあるけれど、小さな稲荷神社だ。
普段はそれこそ、戸も閉め切っていて中も見えないし、近所のお年寄りが落ち葉を掃き、孫を遊ばせ、スズメにエサをまいているような、人気もまばらな場所だけれど、春と秋のお祭りのときは一変する。
人が集まり、高い旗がたち、お神輿が担ぎ出される。
お祭りとはいっても、小さな神社のこと、金魚すくいが出たり踊ったりするわけじゃないらしい。
春には今年の豊作を祈願し、秋には今年の豊作を感謝する。
お祭りらしいお祭りに行きたいときは、もうちょっと離れた大きな神社の秋祭りに行くけれど、うちが世話人になったいる神社のお祭りは、それが精一杯。
「こりゃおっきいね」
「例年はテリテさんがいてくれるから、一発なんだがねぇ」
神社のお祭りは、まず前日の旗立てから始まる。
世話人に選ばれたうちから十人くらい集まって、参道の入り口に『稲荷神社大祭』と書かれた旗(のぼり?)を立てるんだけど、この旗がまた大きい。
十メートル近くある?
根元はしっかり固定するから、風で倒れることとかはあんまりないみたいなんだけど……
まずは立てなきゃって話だよね。
木製だから、もちろんそれなりの重さがあるし。
「オイラじゃ、テリテおばさんの代わりってわけにゃいかないからなぁ」
「いや、ノアちゃんが来てくれて大助かりだよ。
神様も喜んでくれるだろう。
テリテさんちも、今年はモチの担当になってくれてるから、駆り出すのは悪いしね」
「お正月でもないのに、オモチもお供えするの?」
「そりゃあ、神様はモチが好きだからね。
豊作のお礼を申し上げるんだ、今年の米でモチくらいあげにゃあ。
ノアちゃんちにも、毎年、モチが配られてただろ?」
「ああ、あのちっちゃいの」
「まあ、神様からのおすそ分けだからねぇ、お腹いっぱいってわけにゃあいかないね」
そういえば、うちにも毎年、お祭りの後には世話人さん(テリテおばさんなことが多い)が、半紙に包まれた小さなモチを持って来てくれてた気がする。
ちょっとしかないからって、母ちゃんがいつもオイラに優先で食べさせてくれて、火鉢で焼いて食べるのが、ちっちゃい頃は楽しみだったっけ。
いつの間にか、もらってすぐ口にぽいっと放り込んで終わるのが定番になってたけど、今年はちゃんと焼いて食べてみよう。うん。
「ロイド爺ちゃんは、毎年世話人やってるの?」
「うちは氏子総代なんだよ。
氏子ってのは、神社の神様にお世話になってる家のことで、うちはその代表。
まあ、神様のおかげで、うちの牛も馬も今年も元気だった。
ありがとさん、てなもんだね」
うちの近所の神社は稲荷神社。
ちなみに王都には、やたら稲荷神社が多い。
一口に、伊勢屋稲荷に犬のくそ、と言われていて、石を投げたら稲荷神社に当たる、とまで言われる。
なぜならお稲荷さんていうのは、元は豊作の神様だったけれど、今では商売繫盛をもたらす神様として信仰されているからだ。
とは言っても、うちのへんは農家が多いから、まだまだ元の豊作の神様として拝まれている。
黒狐(玄狐)は豊作の神様、白狐は商売の神様、ともいうらしいけど、うちの神社の駒狐には色が塗ってないから、どっちなのかは分からない。
「じゃあ取り合えず、縄をかけて、根元を固定して引っ張るかね。
確かテリテさんがいない頃はそうしてたはず……」
そう言ってロイド爺ちゃんが、縄を取り出したとき。
「あーっ、シャリテ姉ちゃん!」
「あれ、ノアちゃん?
お母ちゃんがこっちにいるかと思って来たんだけど」
「いいときに来てくれた、シャリテちゃん。
この旗を、ちょいっと立ててもらえるか?」
「え?
いいですよ?」
首をかしげつつ、シャリテ姉ちゃんは、オイラたちが十人がかりでどうしようか悩んでいた旗をひょいっと立ててくれた。
どうやら、テリテおばさんがモチをつくと聞いて帰ってきたらしいシャリテ姉ちゃんは、さすがの筋肉で、むきん、と巨大な旗を軽々と持ち上げる姿は、とても壮観だった。
シャリテ姉ちゃんにも、マークスおじさんみたいに、筋肉に一目ぼれしてくれる旦那さんが現れるといいのに。
さて次の日。
オイラはロイド爺ちゃんに言われて、包丁を持って早朝から神社に集合。
そこにはなぜか、剣を持った満月先生と、マーシャルおじさん、巨大な鏡餅の乗ったお盆を持ったマリル兄ちゃんがいた。
「あれ、マリル兄ちゃん?
テリテおばさんが持ってくると思ったのに」
「父ちゃんが奉納試合に駆り出されちまったからな。
母ちゃんなしじゃ牛が回らねぇよ」
「奉納試合?」
首をかしげるオイラに、満月先生が説明してくれる。
「祭りのときには、神様に何らかの試合を奉納するしきたりなんだよ。
試合なら結構なんでもよくて、剣道の試合、空手の試合、羽子板の試合、こま回しの試合、凧揚げの試合、グランドゴルフの試合なんてものもあった。
今年は……真剣の立会いだね」
「ちょっ、振り幅大きすぎない?」
「神の庭を血で汚すような真似はしないから大丈夫さ」
満月先生は丸い顔でにっこりと微笑んでくれるけれど、その実、見た目に反してかなり強いことをオイラは知っている。
マーシャルおじさん、大丈夫なんだろうか?
まあ、でも、普段あのテリテおばさんと暮らしてるんだし、大丈夫なのかも?
「さあ、社殿を開いてお神輿を出すから、ノアちゃんも手伝って」
ロイド爺ちゃんに言われて、オイラは慌てて拝殿にあがる。
オイラが普段、初もうでとかに来て見られるのは拝殿までで、社殿っていうのがあるのは知らなかった。
そういえば、よく考えると、賽銭箱と大きな鈴が置いてある建物の後ろに、さらに小さな建物がある。
その中に、お神輿と、ご神体が収まっているそうだ。
とは言っても、オイラが見られたのはお神輿まで。
ご神体は、早々お目見えしないらしい。
「えーっと、毎回悩むんだけど、この飾り紐はどうやって巻くんだっけ」
「確かここから始めて……?」
「ロイドさんが分かんなきゃ誰もわかんないよ」
お神輿の、てっぺんの鳳凰の飾りや屋根の四隅の出っ張った飾りは組み立て式になっているようで、それを差し込んで、差し込みを隠すように紅白の飾り紐を巻く。
氏子総代になった人によって巻き方が違うそうで、まあ、華やかに見えればいいじゃん、というのが総意のようだ。
「さて、それじゃあオモチをお神輿と神様にお供えして」
マリル兄ちゃんが持って来た二組のお供え餅を、お神輿の前に一つ、社殿の前に一つ、大きな三方に乗せてお供えする。
その他にも、野菜やお米、柿に栗、里芋、さつま芋、秋に採れたものなら何でも三方の上に山積みしていく。
それから、神社特有の、木と布で出来た折りたたみ椅子を、参加者の数だけ並べていく。
「いやあ、遅くなりまして」
「おや、スギさん。
ご苦労様だね、忙しいんだろ?」
「今日は、三件はしごですよ」
椅子を並べ終わった頃、真っ白い狩衣《かりぎぬ》に黒い烏帽子を被った神主さんが顔を出した。
ロイド爺ちゃんの話だと、ここみたいに小さな神社には専門の神主さんはいなくて、一人の神主さんが、いくつもの神社の神主さんを兼ねているそうだ。
この時期は、おめでたい日にお祭りが集中するから、神主さんもあっちへ行ったりこっちへ行ったり大忙しなんだそうだ。
「おお、ノアちゃんか。
大きくなって。
それじゃ、この紙垂|《しで》をね、しめ縄に差し込んできておくれ。
それが終わったら、こっちの御幣|《ごへい》を、神社の境内にある小さなお社にお供えしてきてくれるかい」
「はーい」
しめ縄があるのは、社殿の入り口、賽銭箱の上、鳥居の下、手水舎の上、ご神木の周り。
しめ縄自体も、何年かに一回は作り直すみたいだけど、今回は古い紙の飾りを新しいのに替えて終わりだ。
両手でしめ縄を持って逆にねじると、隙間が空いて、そこに紙垂を差し込む。
一人じゃやり辛いし、オイラに届かない場所も多いから、帰る前にマリル兄ちゃんが手伝ってくれた。
さらに神社の境内には、石造りのお社や仏さまが何体もある。
なんで神社に仏さま?と思わなくもないけれど、誰も由来を知らないらしい。
裏に刻まれた日付を見ると、何百年とか昔だから、伝わってなくてもまぁしょうがない。
特に有名なのは、薬師如来さまと馬頭観音さまらしい。
古い紙垂を回収して、新しいものに替える。
古いものはまとめて神社裏の箱に入れておくと、お正月にまとめてお焚き上げしてくれるらしい。
らしいらしいって言っているのは、全部ロイド爺ちゃんの受け売りだからで、今日までオイラは、神社に仏さまがいるのも知らなかった。
近所で、毎年初もうでにも来ているのに、案外知らないもんなんだとびっくりした。
オイラが御幣|《ごへい》をあげてまわっている間に、境内の人垣から歓声が漏れる。
満月先生とマーシャルおじさんの奉納試合?
背の低いオイラには、人垣で見えないのがちょっと残念だけど、野次からすると意外とマーシャルおじさんが押してるらしい。
剣術道場も開いたみたいだし、酪農家のオッチャンに負けちゃったら、満月先生、マズいんじゃないのかなぁ。
「ノアちゃん、終わったかい?
それじゃあお祓いを始めるからね、拝殿に上がっておいで」
神主さんに呼ばれて、オイラは慌てて拝殿に這い上がる。
中では、世話人さんと地区の役員さんが集まって神主さんの前に腰かけていた。
「え、オイラもこの中に入っていいの?」
「そりゃあ、ノアちゃんも神社世話人なんだから」
笑顔で手招きするロイド爺ちゃんの横の空いた席に、静かに座る。
「それでは、今回の秋の大祭、おめでとうございます。
今年はね、ジェラルド陛下の即位十周年ということで、治世を祝うお祈りを一つ、余分にあげさせてもらおうと……あ、いえ、余分ていうのは失言ですね」
意外におちゃめな神主さんに、クスクス笑いが漏れる。
「そんなお達しが上の方からありましたので、まあ、若い方には退屈でしょうが、ひとつ真面目に聞いていてください」
神主さんの、神様へのお辞儀っていうのは、独特だ。
腰を九十度に曲げて、二礼二拍一礼も、素人がやるよりとても大ぶりでカッコいい。
神主さんは、退屈かも、なんてオイラに向かって言ったんだろうけど、お祈りも、お祓いも、玉串奉納も、初めてなオイラには結構面白かった。
「ねぇ、スギさん。
お祈りの途中で国王様が出て来たよね?
あと、豊作とか、商売繫盛とか、オイラにも分かる言葉が何か所かあった!」
「へぇ、よく聞いてたねノアちゃん。
お稲荷様っていうのは、豊作と商売繁盛と両方の神様だからね。
豊作といえば、国の各地から農作物が国王様に献上されて、それを神様にお供えする行事があるんだけれど、この地域からは粟が国王様に献上されてるんだよ。
それを利用した粟酒っていうのをマテリテさんちで去年は仕込んだらしくて……」
「ノアちゃーん、ちょっとこっちに来て、餅切り手伝っとくれ」
「はーいっ」
次は、お神輿を大八車に乗せて、さらに天狗の衣装を着た人がお神輿と一緒に乗って、近所を回り、お賽銭を集めて回る。
「ちょっ、なんで俺っ!?」
「年寄りにゃ、揺れる大八の上に立ってるなぁ骨が折れるんだよ」
「俺、早く帰んなきゃ母ちゃんに絞られ……」
「まぁまあ、太鼓を聞きゃあ、テリテさんも出てくるから」
「って母ちゃんに拝まれるっつーこと!?
無理っ、絶対無理だって!」
「交通安全のお守りも配るしねー」
「やだってばぁぁぁ」
……なんだかすっごく聞き覚えのある声が、段々と遠くなっていく。
うん、オイラも、テリテおばさんに拝まれるのは腰が引ける、かな。
「マリル兄ちゃんでいいの、あれ?」
「大八の引手は手習い所の先生だ、逃がしゃしないただろうよ」
ロイド爺ちゃんが大八車を見送りながら、好々爺然とした笑顔を浮かべる。
うん、満月先生相手じゃ、マリル兄ちゃんに勝ち目はない。
「ところで、なんで稲荷神社で、天狗?」
「なんでかねぇ。
昔からそうなんだよね」
なんだか腑に落ちないけれど、オイラは催促されてちゃっちゃかとお供えのモチを四角く切り分ける。
それを、専門職ばりの手慣れた老人会のおばあちゃんたちが、神社のハンコの押してある半紙であっという間にくるんでいく。
「ひー、ふー、みー……
さて、氏子に配る分はこれで最後だ。
ってことは残りは……」
「よーし焼くぞー」
「醤油は?
新しいの買ってきたかい?」
「去年のは腐ってたからねぇ」
……なんで神社の拝殿に火鉢がこんなにあるのかと思ってたけど。
片っ端から火を熾していたロイド爺ちゃんが、網を乗せてオイラに微笑む。
「じゃ、焼き方はノアちゃんに任せた。
年寄りが多いから、小さめに切っての。
天狗組が帰ってきてから焼く分も残してな」
「……え?」
オイラがこの数十人分、全部焼くの?
しかも、ひと口大の細かいやつを?
確かに、今年は焼いて食べようか、とは思ったけど。
「さーて、残りのモンは……
お供えで呑むぞー!」
「おおーーーっ」
ええー。
「今年はお神酒が多いから遠慮なくいけるな」
「今年は粟酒なんてのもあるからねぇ」
……はい。
オイラが焼き方拝命したの、なんでか分かりました。
確かにオイラはまだ酒飲めないけどさ。
「ほら、ノアちゃん、そっちのモチが転がってった」
「ノアちゃんが焼いてくれると、ひと際御利益がある気がするね」
「あー、ロイド爺ちゃん、落ちたモチはオイラが食べるからっ」
「……今、帰ったんだけど。
すっかり出来上がってんな。
お賽銭結構もらったんだけど……ひょっとしてコレ、俺が数えんのか?」
「まあ、ソロバンのおさらいだと思って頑張ろうか」
「満月先生、俺、ソロバン苦手……」
「まあまあ、天狗役を五回務めると長生きできるらしいよ」
「俺、あと四回も母ちゃんに拝まれるの……?」
マリル兄ちゃんは安定のマリル兄ちゃんぶりだったけれど、この後、「若いんだから」と、オイラとマリル兄ちゃんそろって、残ったモチを吐くまで食べさせられたことだけは追記しておく。
うぷっ。
その後、「お祭りだし、頑張ったご褒美だよ」とテリテおばさんが持って来てくれた赤飯は、とてもじゃないけど食べられなかった。
うぷぷっ。
天皇陛下の御即位おめでとうございます。
実際に、地元の神社で神主さんが、陛下の御代の安寧をお祈りしていました。
母ちゃんが死んじゃってから、飲んだくれてた父ちゃんは、ほとんどそういった地域の行事には無頓着だったけれど、オイラはたまに、ご近所さんに連れられて顔を出していた。
神社世話人っていう役もあって、各家で持ち回りだ。
うちは、ここのところ免除されていたみたいだけれど、そろそろやってみるかい?とテリテおばさんに言われて、今年はオイラが世話人当番になった。
なんだか、一人前だって認められたみたいで、ちょっと誇らしい。
うちの近所の神社は、由緒はあるけれど、小さな稲荷神社だ。
普段はそれこそ、戸も閉め切っていて中も見えないし、近所のお年寄りが落ち葉を掃き、孫を遊ばせ、スズメにエサをまいているような、人気もまばらな場所だけれど、春と秋のお祭りのときは一変する。
人が集まり、高い旗がたち、お神輿が担ぎ出される。
お祭りとはいっても、小さな神社のこと、金魚すくいが出たり踊ったりするわけじゃないらしい。
春には今年の豊作を祈願し、秋には今年の豊作を感謝する。
お祭りらしいお祭りに行きたいときは、もうちょっと離れた大きな神社の秋祭りに行くけれど、うちが世話人になったいる神社のお祭りは、それが精一杯。
「こりゃおっきいね」
「例年はテリテさんがいてくれるから、一発なんだがねぇ」
神社のお祭りは、まず前日の旗立てから始まる。
世話人に選ばれたうちから十人くらい集まって、参道の入り口に『稲荷神社大祭』と書かれた旗(のぼり?)を立てるんだけど、この旗がまた大きい。
十メートル近くある?
根元はしっかり固定するから、風で倒れることとかはあんまりないみたいなんだけど……
まずは立てなきゃって話だよね。
木製だから、もちろんそれなりの重さがあるし。
「オイラじゃ、テリテおばさんの代わりってわけにゃいかないからなぁ」
「いや、ノアちゃんが来てくれて大助かりだよ。
神様も喜んでくれるだろう。
テリテさんちも、今年はモチの担当になってくれてるから、駆り出すのは悪いしね」
「お正月でもないのに、オモチもお供えするの?」
「そりゃあ、神様はモチが好きだからね。
豊作のお礼を申し上げるんだ、今年の米でモチくらいあげにゃあ。
ノアちゃんちにも、毎年、モチが配られてただろ?」
「ああ、あのちっちゃいの」
「まあ、神様からのおすそ分けだからねぇ、お腹いっぱいってわけにゃあいかないね」
そういえば、うちにも毎年、お祭りの後には世話人さん(テリテおばさんなことが多い)が、半紙に包まれた小さなモチを持って来てくれてた気がする。
ちょっとしかないからって、母ちゃんがいつもオイラに優先で食べさせてくれて、火鉢で焼いて食べるのが、ちっちゃい頃は楽しみだったっけ。
いつの間にか、もらってすぐ口にぽいっと放り込んで終わるのが定番になってたけど、今年はちゃんと焼いて食べてみよう。うん。
「ロイド爺ちゃんは、毎年世話人やってるの?」
「うちは氏子総代なんだよ。
氏子ってのは、神社の神様にお世話になってる家のことで、うちはその代表。
まあ、神様のおかげで、うちの牛も馬も今年も元気だった。
ありがとさん、てなもんだね」
うちの近所の神社は稲荷神社。
ちなみに王都には、やたら稲荷神社が多い。
一口に、伊勢屋稲荷に犬のくそ、と言われていて、石を投げたら稲荷神社に当たる、とまで言われる。
なぜならお稲荷さんていうのは、元は豊作の神様だったけれど、今では商売繫盛をもたらす神様として信仰されているからだ。
とは言っても、うちのへんは農家が多いから、まだまだ元の豊作の神様として拝まれている。
黒狐(玄狐)は豊作の神様、白狐は商売の神様、ともいうらしいけど、うちの神社の駒狐には色が塗ってないから、どっちなのかは分からない。
「じゃあ取り合えず、縄をかけて、根元を固定して引っ張るかね。
確かテリテさんがいない頃はそうしてたはず……」
そう言ってロイド爺ちゃんが、縄を取り出したとき。
「あーっ、シャリテ姉ちゃん!」
「あれ、ノアちゃん?
お母ちゃんがこっちにいるかと思って来たんだけど」
「いいときに来てくれた、シャリテちゃん。
この旗を、ちょいっと立ててもらえるか?」
「え?
いいですよ?」
首をかしげつつ、シャリテ姉ちゃんは、オイラたちが十人がかりでどうしようか悩んでいた旗をひょいっと立ててくれた。
どうやら、テリテおばさんがモチをつくと聞いて帰ってきたらしいシャリテ姉ちゃんは、さすがの筋肉で、むきん、と巨大な旗を軽々と持ち上げる姿は、とても壮観だった。
シャリテ姉ちゃんにも、マークスおじさんみたいに、筋肉に一目ぼれしてくれる旦那さんが現れるといいのに。
さて次の日。
オイラはロイド爺ちゃんに言われて、包丁を持って早朝から神社に集合。
そこにはなぜか、剣を持った満月先生と、マーシャルおじさん、巨大な鏡餅の乗ったお盆を持ったマリル兄ちゃんがいた。
「あれ、マリル兄ちゃん?
テリテおばさんが持ってくると思ったのに」
「父ちゃんが奉納試合に駆り出されちまったからな。
母ちゃんなしじゃ牛が回らねぇよ」
「奉納試合?」
首をかしげるオイラに、満月先生が説明してくれる。
「祭りのときには、神様に何らかの試合を奉納するしきたりなんだよ。
試合なら結構なんでもよくて、剣道の試合、空手の試合、羽子板の試合、こま回しの試合、凧揚げの試合、グランドゴルフの試合なんてものもあった。
今年は……真剣の立会いだね」
「ちょっ、振り幅大きすぎない?」
「神の庭を血で汚すような真似はしないから大丈夫さ」
満月先生は丸い顔でにっこりと微笑んでくれるけれど、その実、見た目に反してかなり強いことをオイラは知っている。
マーシャルおじさん、大丈夫なんだろうか?
まあ、でも、普段あのテリテおばさんと暮らしてるんだし、大丈夫なのかも?
「さあ、社殿を開いてお神輿を出すから、ノアちゃんも手伝って」
ロイド爺ちゃんに言われて、オイラは慌てて拝殿にあがる。
オイラが普段、初もうでとかに来て見られるのは拝殿までで、社殿っていうのがあるのは知らなかった。
そういえば、よく考えると、賽銭箱と大きな鈴が置いてある建物の後ろに、さらに小さな建物がある。
その中に、お神輿と、ご神体が収まっているそうだ。
とは言っても、オイラが見られたのはお神輿まで。
ご神体は、早々お目見えしないらしい。
「えーっと、毎回悩むんだけど、この飾り紐はどうやって巻くんだっけ」
「確かここから始めて……?」
「ロイドさんが分かんなきゃ誰もわかんないよ」
お神輿の、てっぺんの鳳凰の飾りや屋根の四隅の出っ張った飾りは組み立て式になっているようで、それを差し込んで、差し込みを隠すように紅白の飾り紐を巻く。
氏子総代になった人によって巻き方が違うそうで、まあ、華やかに見えればいいじゃん、というのが総意のようだ。
「さて、それじゃあオモチをお神輿と神様にお供えして」
マリル兄ちゃんが持って来た二組のお供え餅を、お神輿の前に一つ、社殿の前に一つ、大きな三方に乗せてお供えする。
その他にも、野菜やお米、柿に栗、里芋、さつま芋、秋に採れたものなら何でも三方の上に山積みしていく。
それから、神社特有の、木と布で出来た折りたたみ椅子を、参加者の数だけ並べていく。
「いやあ、遅くなりまして」
「おや、スギさん。
ご苦労様だね、忙しいんだろ?」
「今日は、三件はしごですよ」
椅子を並べ終わった頃、真っ白い狩衣《かりぎぬ》に黒い烏帽子を被った神主さんが顔を出した。
ロイド爺ちゃんの話だと、ここみたいに小さな神社には専門の神主さんはいなくて、一人の神主さんが、いくつもの神社の神主さんを兼ねているそうだ。
この時期は、おめでたい日にお祭りが集中するから、神主さんもあっちへ行ったりこっちへ行ったり大忙しなんだそうだ。
「おお、ノアちゃんか。
大きくなって。
それじゃ、この紙垂|《しで》をね、しめ縄に差し込んできておくれ。
それが終わったら、こっちの御幣|《ごへい》を、神社の境内にある小さなお社にお供えしてきてくれるかい」
「はーい」
しめ縄があるのは、社殿の入り口、賽銭箱の上、鳥居の下、手水舎の上、ご神木の周り。
しめ縄自体も、何年かに一回は作り直すみたいだけど、今回は古い紙の飾りを新しいのに替えて終わりだ。
両手でしめ縄を持って逆にねじると、隙間が空いて、そこに紙垂を差し込む。
一人じゃやり辛いし、オイラに届かない場所も多いから、帰る前にマリル兄ちゃんが手伝ってくれた。
さらに神社の境内には、石造りのお社や仏さまが何体もある。
なんで神社に仏さま?と思わなくもないけれど、誰も由来を知らないらしい。
裏に刻まれた日付を見ると、何百年とか昔だから、伝わってなくてもまぁしょうがない。
特に有名なのは、薬師如来さまと馬頭観音さまらしい。
古い紙垂を回収して、新しいものに替える。
古いものはまとめて神社裏の箱に入れておくと、お正月にまとめてお焚き上げしてくれるらしい。
らしいらしいって言っているのは、全部ロイド爺ちゃんの受け売りだからで、今日までオイラは、神社に仏さまがいるのも知らなかった。
近所で、毎年初もうでにも来ているのに、案外知らないもんなんだとびっくりした。
オイラが御幣|《ごへい》をあげてまわっている間に、境内の人垣から歓声が漏れる。
満月先生とマーシャルおじさんの奉納試合?
背の低いオイラには、人垣で見えないのがちょっと残念だけど、野次からすると意外とマーシャルおじさんが押してるらしい。
剣術道場も開いたみたいだし、酪農家のオッチャンに負けちゃったら、満月先生、マズいんじゃないのかなぁ。
「ノアちゃん、終わったかい?
それじゃあお祓いを始めるからね、拝殿に上がっておいで」
神主さんに呼ばれて、オイラは慌てて拝殿に這い上がる。
中では、世話人さんと地区の役員さんが集まって神主さんの前に腰かけていた。
「え、オイラもこの中に入っていいの?」
「そりゃあ、ノアちゃんも神社世話人なんだから」
笑顔で手招きするロイド爺ちゃんの横の空いた席に、静かに座る。
「それでは、今回の秋の大祭、おめでとうございます。
今年はね、ジェラルド陛下の即位十周年ということで、治世を祝うお祈りを一つ、余分にあげさせてもらおうと……あ、いえ、余分ていうのは失言ですね」
意外におちゃめな神主さんに、クスクス笑いが漏れる。
「そんなお達しが上の方からありましたので、まあ、若い方には退屈でしょうが、ひとつ真面目に聞いていてください」
神主さんの、神様へのお辞儀っていうのは、独特だ。
腰を九十度に曲げて、二礼二拍一礼も、素人がやるよりとても大ぶりでカッコいい。
神主さんは、退屈かも、なんてオイラに向かって言ったんだろうけど、お祈りも、お祓いも、玉串奉納も、初めてなオイラには結構面白かった。
「ねぇ、スギさん。
お祈りの途中で国王様が出て来たよね?
あと、豊作とか、商売繫盛とか、オイラにも分かる言葉が何か所かあった!」
「へぇ、よく聞いてたねノアちゃん。
お稲荷様っていうのは、豊作と商売繁盛と両方の神様だからね。
豊作といえば、国の各地から農作物が国王様に献上されて、それを神様にお供えする行事があるんだけれど、この地域からは粟が国王様に献上されてるんだよ。
それを利用した粟酒っていうのをマテリテさんちで去年は仕込んだらしくて……」
「ノアちゃーん、ちょっとこっちに来て、餅切り手伝っとくれ」
「はーいっ」
次は、お神輿を大八車に乗せて、さらに天狗の衣装を着た人がお神輿と一緒に乗って、近所を回り、お賽銭を集めて回る。
「ちょっ、なんで俺っ!?」
「年寄りにゃ、揺れる大八の上に立ってるなぁ骨が折れるんだよ」
「俺、早く帰んなきゃ母ちゃんに絞られ……」
「まぁまあ、太鼓を聞きゃあ、テリテさんも出てくるから」
「って母ちゃんに拝まれるっつーこと!?
無理っ、絶対無理だって!」
「交通安全のお守りも配るしねー」
「やだってばぁぁぁ」
……なんだかすっごく聞き覚えのある声が、段々と遠くなっていく。
うん、オイラも、テリテおばさんに拝まれるのは腰が引ける、かな。
「マリル兄ちゃんでいいの、あれ?」
「大八の引手は手習い所の先生だ、逃がしゃしないただろうよ」
ロイド爺ちゃんが大八車を見送りながら、好々爺然とした笑顔を浮かべる。
うん、満月先生相手じゃ、マリル兄ちゃんに勝ち目はない。
「ところで、なんで稲荷神社で、天狗?」
「なんでかねぇ。
昔からそうなんだよね」
なんだか腑に落ちないけれど、オイラは催促されてちゃっちゃかとお供えのモチを四角く切り分ける。
それを、専門職ばりの手慣れた老人会のおばあちゃんたちが、神社のハンコの押してある半紙であっという間にくるんでいく。
「ひー、ふー、みー……
さて、氏子に配る分はこれで最後だ。
ってことは残りは……」
「よーし焼くぞー」
「醤油は?
新しいの買ってきたかい?」
「去年のは腐ってたからねぇ」
……なんで神社の拝殿に火鉢がこんなにあるのかと思ってたけど。
片っ端から火を熾していたロイド爺ちゃんが、網を乗せてオイラに微笑む。
「じゃ、焼き方はノアちゃんに任せた。
年寄りが多いから、小さめに切っての。
天狗組が帰ってきてから焼く分も残してな」
「……え?」
オイラがこの数十人分、全部焼くの?
しかも、ひと口大の細かいやつを?
確かに、今年は焼いて食べようか、とは思ったけど。
「さーて、残りのモンは……
お供えで呑むぞー!」
「おおーーーっ」
ええー。
「今年はお神酒が多いから遠慮なくいけるな」
「今年は粟酒なんてのもあるからねぇ」
……はい。
オイラが焼き方拝命したの、なんでか分かりました。
確かにオイラはまだ酒飲めないけどさ。
「ほら、ノアちゃん、そっちのモチが転がってった」
「ノアちゃんが焼いてくれると、ひと際御利益がある気がするね」
「あー、ロイド爺ちゃん、落ちたモチはオイラが食べるからっ」
「……今、帰ったんだけど。
すっかり出来上がってんな。
お賽銭結構もらったんだけど……ひょっとしてコレ、俺が数えんのか?」
「まあ、ソロバンのおさらいだと思って頑張ろうか」
「満月先生、俺、ソロバン苦手……」
「まあまあ、天狗役を五回務めると長生きできるらしいよ」
「俺、あと四回も母ちゃんに拝まれるの……?」
マリル兄ちゃんは安定のマリル兄ちゃんぶりだったけれど、この後、「若いんだから」と、オイラとマリル兄ちゃんそろって、残ったモチを吐くまで食べさせられたことだけは追記しておく。
うぷっ。
その後、「お祭りだし、頑張ったご褒美だよ」とテリテおばさんが持って来てくれた赤飯は、とてもじゃないけど食べられなかった。
うぷぷっ。
天皇陛下の御即位おめでとうございます。
実際に、地元の神社で神主さんが、陛下の御代の安寧をお祈りしていました。
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現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
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絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
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