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番外編
鍛冶見習い番外編 バルパ・タイレリアという梟雄3
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前回のあらすじ・一代で大商会を築いたバルパだったが、恩人の息子に後を継がないと言われて……
ヨダは、十五になると、母シエラと共に旅立って行った。
絵ならば赤羽屋にいながらでも描けるではないか、と何度か引き留めたが、ヨダは首を縦には振らなかった。
ヨダはフクロウ。シエラはアカゲラ。共に、森の奥深くに住む鳥だ。王都にはない、広大な原生林を見に行きたいのだと、まだ見ぬ原風景を描きたいのだと言われれば、セブの夢を思い出したバルパに言えることは何も無かった。
生まれてこの方、ヨダはほとんど赤羽屋の中しか知らない。
ヨダを守るためだったとはいえ、ヨダが森に思いを馳せるのは当然ともいえた。
十五年前、女というだけで王都からすら出られないだろうとバルパが危惧したシエラは、最早、王都でも五指に入る商会の元会頭だ。手形の入手が容易いどころではなく、その存在そのものが、息子ヨダの手形代わりにすらなる。大きく成長した商会を後継に譲った会頭の隠居旅。それに付きそう道楽息子。その息子がフクロウだなどと、疑う者はいない。
赤羽屋は、バルパが継いだ。
シエラの養子に入り、会頭となった。
世の口さがない者は、バルパを夫を失った大商会会頭の未亡人に取り入り、乗っ取った詐欺師だと後ろ指を指したが、シエラは最後までセブの妻であり、バルパとシエラにそういった関係はなかった。
マイルズとセブが亡くなり。
ヨダとシエラが去って。
バルパは、ぽっかりと胸に穴が開いたようだった。
マイルズやシエラから受け継いだ赤羽屋を盛り立てて行かねばならない。
セブやヨダのような、里を抜けた仲間達とその家族を守って行かねばならない。
やらなければならないことはたくさんある。
けれど。
何がやりたいのか、バルパには分からなくなっていた。
金に飽かせて、妾を数人囲ったりもした。
しかし、素性を話せるほど心許せる者はなく、相手は金の無心ばかり。子が産まれても、ヨダほど執着することはなかった。
「国で一番の商会に」
バルパが立っているのは、ただそのセブとの思い出ゆえ。
国一番の商会になったらどうするのか――その後の展望は、皆無だった。
金儲けは面白い。
金を動かし、人を動かし、商品を動かすのは面白い。
虚ろな心でも、バルパはそう思う。
けれど、セブが言っていたという、『金儲けや商会を大きくするのとは関係ない、バルパのやりたい自由な商売』というものが、バルパにはどうしても分からなかった。
「この地域には、古代の遺跡が眠っている。開発反対、せめて発掘調査のための猶予を!」
ソイ王国との境の街。
金の髪、碧い目の美女がバルパの前に立ちはだかる。
貴族然とした、優雅で知性を感じさせる物腰。対して、身にまとうのは薄汚れた作業着。
国の目が届きづらい国境近く、複合型の遊技場兼商業施設の建設。それを隠れ蓑にした会員制の賭博場。デントコーン王国の王都からは遠く離れているが、ソイ王国との街道が通り、旅人や商人の往来は多く、また逆にソイ王国の王都とはさほど離れていない。金余りな割に娯楽の少ないかの国の貴族を引き込むにも適した、充分に採算の見込める立地。
多少強引な立ち退きもさせたが、それでも大枚を投じた一大事業だ。
傾国級の美女であっても、たかが女一人の反対で覆るほど安くはない。
工期を一日遅らせるだけで、どれだけの小判が飛んで行くか、どれだけの人数に影響が出るか、この女は理解しているのだろうか?
太陽のような金髪、同じ色の尾。貴族の中の貴族と讃えられる、見事な角の牛の獣人。
この女は、種族によって見下されたことなど決してないだろう。
自らの種族を名乗れず、一生隠し続けるしかないセブやヨダのような存在がいることすら、想像だにしないに違いない。
これだけの規模の商会になれば、バルパもまた貴族相手の商売を数多く行ってきた。
貴族相手の商売は利幅が大きい。
商会を大きくしようと思えば、避けては通れない相手だ。
そして、商人として対すれば、決して好きにはなれない相手だ。
特に、正義の味方づらをして、偽善的な大義を振りかざし、自分の言動ひとつによって、どれだけ庶民を振り回すか理解していない、世間知らずの坊ちゃん嬢ちゃんは。
しかし。と、バルパは考える。
この女は、貴族と名乗ったわけではない。
むしろ家名どころか名も知らぬ。
本人が、薄汚れた衣装をまとい、庶民のふりをしているのだ。
踏みにじったところで、何が悪いのか。
偽悪的になっていた。いや、自分も含め、何もかもどうでも良くなっていたのかもしれない。
バルパは女にこう提案した。
自分の妾になれば、飽きるまでの間くらい、着工を待ってやろうと。
貴族女ならば、泣いて逃げ出し親に言いつけるだろう――そう思ったバルパの予想は、見事に裏切られる。
女は、あっけらかんとこう言ったのだ。
「なんだ、そんなことでいいのか」と。
翌朝。
バルパが目覚めると、女は窓から差し込む光を避け、わざわざ暗がりに魔道具の灯りをつけて、一心に何かに目を落としていた。
その女の手元に視線をやり――バルパは顔色を変えて飛び起きた。
ひったくった本は古びてもろく、女が目にしていたページが、ペリリと破ける軽い音がした。
「ああっ……」
古い本が破ける音に、この世の終わりのような顔をした女に、違和感が募る。
大商人と共寝をして、財布を盗って逃げる、というのならばまだ話は分かる。最も、曲がりなりにも隠密として育ったバルパは、害意があろうものなら眠っていたところで素人女にそんな真似を許すことはないが――女が熱心に読んでいたのは、バルパが里を抜けるときに唯一持ち出した、亡くなった妹の形見。妹がよく持ち歩いていた、もうバラバラになってしまいそうなほどに古い本だった。
「勝手に読んでいたのは謝る、謝るから! その本を乱暴に扱うのはやめてくれ」
いぶかしげに眉を寄せるバルパから、女は宝物のようにそうっと本を受け取った。破れたページを開き、足下に落ちた欠片を拾うと、慎重につなぎ合わせ、本を閉じた。その手には真白いハンカチが握られている。本を直接触らぬように、という手袋代わりなのだろう。
朝の日差しを避け、暗がりで読んでいたのもまた、古い本の劣化を防ぐためだったのだろうか。
自分は気付かなかったが、ひょっとしたらかなり高価な本だったのか。
しかし、表紙はボロボロで、題名も読み取れない。綴じた糸もグズグズで、今にもページはバラバラになりそうだ。紙の一枚一枚も劣化のためか薄く、焼けたように茶色く変わっている。保存状態が良いとはお世辞にも言えない。
「まさか、こんなところにこれほど貴重な資料があろうとは思わなかった」
資料?
さらに眉の角度を増すバルパに、女は考古学者なのだと名乗った。
遙か太古に存在していた、今とは別の文明を研究していると言う。
開発を反対していたのも、歴史的資料から、あそこに古代の地下都市や地下墓地がある可能性が高いからだと言う。
この本は、現在の本とは紙が違う。おそらく女の研究している時代に作られたものか、まだその時代を知る者が生き残っている時代に作られたもので、現存しているものはほとんどないのだ、と――女はキラキラした目で饒舌に語った。
それは、十になる前に死んだ、妹の形見だ。
妹はいつもその本を持ち歩き、その本に書かれた、『魔力もスキルも種族もない国』にいつか行きたいと夢見ていた……
そうつぶやいたバルパに、女は目をまん丸にした。
「なんと! 僅か十歳の子が、この本を読み解けたのか! 天才だな! 現代の言語体系につながるものではあるが、数千年前の古語で書かれているというのに。亡くなったとは実に惜しいことだ。じっくりと語り合ってみたかった」
……。
心臓を、ざわざわとしたもので撫で上げられた心地がした。
僅か十歳だった妹の死を、悲しんでくれた者はいた。
共に悼んでくれた者もいた。
けれど、今まで、妹という個を、才能を、認めてくれた者がいただろうか?
言われるまで、バルパ自身も忘れていた。
ロッタは、パズルや謎解きが趣味で、暗号の解読には子どもとは思えない才能を示していた。この本にしても、ロッタが熱く語ってくれたから中身は知っているが、バルパには読めもしないし、理解も出来ない。
今までロッタが語っていた内容ばかりに注目し、課程など考えもしなかったが、ロッタはこの本を、誰に教わることもなく、自力で解読したのだろうか。
そういえば、『里に伝わる暗号に構成が似ている』と、ロッタから聞いたような気もする。
「貴方にとって、大事なものだというのは理解した。だが、それを承知で敢えて頼みたい。この本を、私に預けてもらえないだろうか?」
女の一族は、その始祖が、『無知のために大切な者を死なせてしまった』と伝わっており、代々学問に力を入れている。必然的に学者となる者が多く、中でも考古学は代々研究を続けているのだと言う。
この本で、今まで滞っていた研究が先に進むかもしれない――そのハンカチを噛ませて持った本の表紙を眺める嬉しそうな眼差しに、本について楽しそうに語っていた妹の姿が重なる。もし、ロッタが成長し自由に職を選べていたら、この女のようになっていたのだろうか……。
そんな心情とは関係なく、バルパの口からするりと零れたのは、バルパ自身思いもしない言葉だった。
――牛の獣人が、学者か。
この言葉に、女は美しいまなじりを吊り上げた。
「赤羽屋の会頭は、種族もスキルも関係なく商会員を評価する英傑だと聞いていたが、評判倒れだったようだな。牛の獣人が学者では可笑しいか。確かに牛の獣人は、頭が固くて融通が利かない、不器用な種族だ。一般には騎士に向くとされる。だが、絶対に学者にはなれないと、誰が決めた」
バルパは、表情もなく目を見開いた。
無意識の内に染みついていた固定観念……牛の獣人は、貴族。頑固で、保守的。体制を守るには向くが、革新には不向き。それは、貴族との商売を通して身につまされた実感ではあったけれど、確かに、牛の獣人全てがそうとは限らない。
いつの間にか、刷り込まれていた偏見だ。
フクロウの獣人は、『隠密』スキルを持つから危険だ。隠れ里に閉じ込めておかなくては。そう判断し隔離した国の上層部と、何の違いもない。
――俺のことを、知っていたのか。
そう問うバルパに、女はハンカチでくるんだ白い指先で古書をめくりつつ、面倒くさげに答えた。
「貴方は、遺跡を潰そうとする敵だ。戦いに際して、敵を調べるのは当然だろう?」
女の意識は、既に古書に向いている。
投げやりな回答は不穏なものだったが、バルパに害されるとは微塵も思っていないのか、視線は古書に固定されたままで、着崩れた寝間着には寸鉄も帯びてはいない。
煙草盆を引き寄せ、煙管に刻みたばこを詰めて火を付けると、女は迷惑そうな視線を寄越した。古書が傷む、とでも思っているのだろう。
――あんたの、名は?
バルパの妾になると言いながら、バルパのことなど路傍の石ころ程度にしか思っていない。早く古書に集中したいからどこかに行ってくれ、と言わんばかりの女に、何故かちょっかいをかけたくなる。
さっきから、心臓がこそばゆい。
この女の言動は、いちいちなんだか身の内をざらざらと撫でる。
「カーラ。カーラ・フリントコーン」
それを聞いた瞬間、驚愕に身を固めたバルパに、女は――カーラは気づきもしない。
しばらくの間、カーラが本をめくる音だけがしていた。
ふふ、ふははははは……
不意に笑い出したバルパを怪訝そうに見つめ首を傾げたものの、カーラは再び古書へと目を落とした。そのまま視線を上げることはない。
カーラ・フリントコーン。
フリントコーン。無爵の名門。
この女は、貴族などではなかった。
デントコーン王家と同格の血統を誇りながら、二千年の昔から、デントコーン王家からの陞爵の誘いを蹴り続けてきたまつろわぬ一族。
そのくせ、王家に滅ぼされるでもなく、むしろ一目置かれて国に存在し続けている。
知っている。嫌になるほど良く知っていた。
フリントコーンを従えることは、大御所様、エクシード一世の悲願だった。父が、兄が、身命を賭して仕えた大王。まだ幼い娘の命を差し出して、名誉だと言い切った、父の絶対君主。
二十五年前。カーラ・フリントコーンが産まれたとき、その大御所様の命で、父と兄とはフリントコーン周辺を徹底的に調査していた。産まれたばかりの乳児を、既に孫までいる大御所様の側妃にするため。フリントコーンの弱みを握り、従え、その証としてフリントコーンの姫をもらい受ける。その大御所様の悲願を何としても叶えるべく、父も兄も暗躍していた。バルパ自身も、フリントコーンの調査には何度も駆り出された。そういえば、確かにフリントコーンは学者の家系だった。
しかし、何をどうしてもフリントコーン当主を頷かせることは出来ず、バルパが里を抜けるときもまだ、カーラ・フリントコーンは大御所様のものにはなっていなかった。
……今、ここに、カーラ・フリントコーンがいるということは。
カーラは。フリントコーン家は。
大御所様に、逆らい続けたということだ。
あの、強大な王に。
腹の奥から、苦いものが込み上げた。
ロッタを差し出した父を憎んでいた。黙認した兄を恨んでいた。声を殺して従うしかない母に絶望していた。
けれど。
バルパは、大御所様に刃向かうことなど思いつきもしなかった。
全ての元凶であるはずの国王を、憎むどころか、恨み言一つ言うことすら考えもしなかった。
自分は、どこまで国の飼い犬だったのか……。
ロッタの、夢を叶えたいと思った。
だがその前に、ロッタの復讐をこそ、謀るべきだったのではないか?
自分は、牙を抜かれ、従順に躾されたペットだった。逃げたつもりで、自由になったつもりで、飼い主の手のひらから抜け出せぬ猿だったのだ。
煙草盆を指先でひとつ弾くと、バルパはカーラを見つめた。
その瞳に、暗い炎が宿っていることに、古書に目を落としたままのカーラは気付かない。
――着工の延期と言わず、建設を中止してもいい。
バルパのその言葉に、カーラはパッと顔を上げた。期待を込めた太陽のような眼差しに、バルパは陰のような笑みを浮かべた。
――あんたが俺の妻になるなら、施設の建設を中止し、発掘の後援もしよう。
着工を間際にした大規模施設の建設を中止するのは、そう簡単なことではない。色々な利権も絡む。千両箱が、十や二十は飛んで行くだろうし、有力な取引先も幾つか失うことになるだろう。
けれど、この女が手に入るなら、悪くない。
案の定、カーラ・フリントコーンは花開くような笑顔で、こう言った。
「なんだ、そんなことでいいのか」と――
牛小話・牛の病気は基本、人にはうつらない。話題になった数々の疫病も人にはうつらない。ただし、牛から人に移る恐ろしい病気があります……。その名は白癬菌!そう!水虫・タムシの原因菌!
何より要注意なのは、白癬菌で皮膚病になった牛に直接触らなくても、その牛が体を掻いたパイプとかで菌が生きていること。半袖で牧場に行かれる方はご注意ください……。
ヨダは、十五になると、母シエラと共に旅立って行った。
絵ならば赤羽屋にいながらでも描けるではないか、と何度か引き留めたが、ヨダは首を縦には振らなかった。
ヨダはフクロウ。シエラはアカゲラ。共に、森の奥深くに住む鳥だ。王都にはない、広大な原生林を見に行きたいのだと、まだ見ぬ原風景を描きたいのだと言われれば、セブの夢を思い出したバルパに言えることは何も無かった。
生まれてこの方、ヨダはほとんど赤羽屋の中しか知らない。
ヨダを守るためだったとはいえ、ヨダが森に思いを馳せるのは当然ともいえた。
十五年前、女というだけで王都からすら出られないだろうとバルパが危惧したシエラは、最早、王都でも五指に入る商会の元会頭だ。手形の入手が容易いどころではなく、その存在そのものが、息子ヨダの手形代わりにすらなる。大きく成長した商会を後継に譲った会頭の隠居旅。それに付きそう道楽息子。その息子がフクロウだなどと、疑う者はいない。
赤羽屋は、バルパが継いだ。
シエラの養子に入り、会頭となった。
世の口さがない者は、バルパを夫を失った大商会会頭の未亡人に取り入り、乗っ取った詐欺師だと後ろ指を指したが、シエラは最後までセブの妻であり、バルパとシエラにそういった関係はなかった。
マイルズとセブが亡くなり。
ヨダとシエラが去って。
バルパは、ぽっかりと胸に穴が開いたようだった。
マイルズやシエラから受け継いだ赤羽屋を盛り立てて行かねばならない。
セブやヨダのような、里を抜けた仲間達とその家族を守って行かねばならない。
やらなければならないことはたくさんある。
けれど。
何がやりたいのか、バルパには分からなくなっていた。
金に飽かせて、妾を数人囲ったりもした。
しかし、素性を話せるほど心許せる者はなく、相手は金の無心ばかり。子が産まれても、ヨダほど執着することはなかった。
「国で一番の商会に」
バルパが立っているのは、ただそのセブとの思い出ゆえ。
国一番の商会になったらどうするのか――その後の展望は、皆無だった。
金儲けは面白い。
金を動かし、人を動かし、商品を動かすのは面白い。
虚ろな心でも、バルパはそう思う。
けれど、セブが言っていたという、『金儲けや商会を大きくするのとは関係ない、バルパのやりたい自由な商売』というものが、バルパにはどうしても分からなかった。
「この地域には、古代の遺跡が眠っている。開発反対、せめて発掘調査のための猶予を!」
ソイ王国との境の街。
金の髪、碧い目の美女がバルパの前に立ちはだかる。
貴族然とした、優雅で知性を感じさせる物腰。対して、身にまとうのは薄汚れた作業着。
国の目が届きづらい国境近く、複合型の遊技場兼商業施設の建設。それを隠れ蓑にした会員制の賭博場。デントコーン王国の王都からは遠く離れているが、ソイ王国との街道が通り、旅人や商人の往来は多く、また逆にソイ王国の王都とはさほど離れていない。金余りな割に娯楽の少ないかの国の貴族を引き込むにも適した、充分に採算の見込める立地。
多少強引な立ち退きもさせたが、それでも大枚を投じた一大事業だ。
傾国級の美女であっても、たかが女一人の反対で覆るほど安くはない。
工期を一日遅らせるだけで、どれだけの小判が飛んで行くか、どれだけの人数に影響が出るか、この女は理解しているのだろうか?
太陽のような金髪、同じ色の尾。貴族の中の貴族と讃えられる、見事な角の牛の獣人。
この女は、種族によって見下されたことなど決してないだろう。
自らの種族を名乗れず、一生隠し続けるしかないセブやヨダのような存在がいることすら、想像だにしないに違いない。
これだけの規模の商会になれば、バルパもまた貴族相手の商売を数多く行ってきた。
貴族相手の商売は利幅が大きい。
商会を大きくしようと思えば、避けては通れない相手だ。
そして、商人として対すれば、決して好きにはなれない相手だ。
特に、正義の味方づらをして、偽善的な大義を振りかざし、自分の言動ひとつによって、どれだけ庶民を振り回すか理解していない、世間知らずの坊ちゃん嬢ちゃんは。
しかし。と、バルパは考える。
この女は、貴族と名乗ったわけではない。
むしろ家名どころか名も知らぬ。
本人が、薄汚れた衣装をまとい、庶民のふりをしているのだ。
踏みにじったところで、何が悪いのか。
偽悪的になっていた。いや、自分も含め、何もかもどうでも良くなっていたのかもしれない。
バルパは女にこう提案した。
自分の妾になれば、飽きるまでの間くらい、着工を待ってやろうと。
貴族女ならば、泣いて逃げ出し親に言いつけるだろう――そう思ったバルパの予想は、見事に裏切られる。
女は、あっけらかんとこう言ったのだ。
「なんだ、そんなことでいいのか」と。
翌朝。
バルパが目覚めると、女は窓から差し込む光を避け、わざわざ暗がりに魔道具の灯りをつけて、一心に何かに目を落としていた。
その女の手元に視線をやり――バルパは顔色を変えて飛び起きた。
ひったくった本は古びてもろく、女が目にしていたページが、ペリリと破ける軽い音がした。
「ああっ……」
古い本が破ける音に、この世の終わりのような顔をした女に、違和感が募る。
大商人と共寝をして、財布を盗って逃げる、というのならばまだ話は分かる。最も、曲がりなりにも隠密として育ったバルパは、害意があろうものなら眠っていたところで素人女にそんな真似を許すことはないが――女が熱心に読んでいたのは、バルパが里を抜けるときに唯一持ち出した、亡くなった妹の形見。妹がよく持ち歩いていた、もうバラバラになってしまいそうなほどに古い本だった。
「勝手に読んでいたのは謝る、謝るから! その本を乱暴に扱うのはやめてくれ」
いぶかしげに眉を寄せるバルパから、女は宝物のようにそうっと本を受け取った。破れたページを開き、足下に落ちた欠片を拾うと、慎重につなぎ合わせ、本を閉じた。その手には真白いハンカチが握られている。本を直接触らぬように、という手袋代わりなのだろう。
朝の日差しを避け、暗がりで読んでいたのもまた、古い本の劣化を防ぐためだったのだろうか。
自分は気付かなかったが、ひょっとしたらかなり高価な本だったのか。
しかし、表紙はボロボロで、題名も読み取れない。綴じた糸もグズグズで、今にもページはバラバラになりそうだ。紙の一枚一枚も劣化のためか薄く、焼けたように茶色く変わっている。保存状態が良いとはお世辞にも言えない。
「まさか、こんなところにこれほど貴重な資料があろうとは思わなかった」
資料?
さらに眉の角度を増すバルパに、女は考古学者なのだと名乗った。
遙か太古に存在していた、今とは別の文明を研究していると言う。
開発を反対していたのも、歴史的資料から、あそこに古代の地下都市や地下墓地がある可能性が高いからだと言う。
この本は、現在の本とは紙が違う。おそらく女の研究している時代に作られたものか、まだその時代を知る者が生き残っている時代に作られたもので、現存しているものはほとんどないのだ、と――女はキラキラした目で饒舌に語った。
それは、十になる前に死んだ、妹の形見だ。
妹はいつもその本を持ち歩き、その本に書かれた、『魔力もスキルも種族もない国』にいつか行きたいと夢見ていた……
そうつぶやいたバルパに、女は目をまん丸にした。
「なんと! 僅か十歳の子が、この本を読み解けたのか! 天才だな! 現代の言語体系につながるものではあるが、数千年前の古語で書かれているというのに。亡くなったとは実に惜しいことだ。じっくりと語り合ってみたかった」
……。
心臓を、ざわざわとしたもので撫で上げられた心地がした。
僅か十歳だった妹の死を、悲しんでくれた者はいた。
共に悼んでくれた者もいた。
けれど、今まで、妹という個を、才能を、認めてくれた者がいただろうか?
言われるまで、バルパ自身も忘れていた。
ロッタは、パズルや謎解きが趣味で、暗号の解読には子どもとは思えない才能を示していた。この本にしても、ロッタが熱く語ってくれたから中身は知っているが、バルパには読めもしないし、理解も出来ない。
今までロッタが語っていた内容ばかりに注目し、課程など考えもしなかったが、ロッタはこの本を、誰に教わることもなく、自力で解読したのだろうか。
そういえば、『里に伝わる暗号に構成が似ている』と、ロッタから聞いたような気もする。
「貴方にとって、大事なものだというのは理解した。だが、それを承知で敢えて頼みたい。この本を、私に預けてもらえないだろうか?」
女の一族は、その始祖が、『無知のために大切な者を死なせてしまった』と伝わっており、代々学問に力を入れている。必然的に学者となる者が多く、中でも考古学は代々研究を続けているのだと言う。
この本で、今まで滞っていた研究が先に進むかもしれない――そのハンカチを噛ませて持った本の表紙を眺める嬉しそうな眼差しに、本について楽しそうに語っていた妹の姿が重なる。もし、ロッタが成長し自由に職を選べていたら、この女のようになっていたのだろうか……。
そんな心情とは関係なく、バルパの口からするりと零れたのは、バルパ自身思いもしない言葉だった。
――牛の獣人が、学者か。
この言葉に、女は美しいまなじりを吊り上げた。
「赤羽屋の会頭は、種族もスキルも関係なく商会員を評価する英傑だと聞いていたが、評判倒れだったようだな。牛の獣人が学者では可笑しいか。確かに牛の獣人は、頭が固くて融通が利かない、不器用な種族だ。一般には騎士に向くとされる。だが、絶対に学者にはなれないと、誰が決めた」
バルパは、表情もなく目を見開いた。
無意識の内に染みついていた固定観念……牛の獣人は、貴族。頑固で、保守的。体制を守るには向くが、革新には不向き。それは、貴族との商売を通して身につまされた実感ではあったけれど、確かに、牛の獣人全てがそうとは限らない。
いつの間にか、刷り込まれていた偏見だ。
フクロウの獣人は、『隠密』スキルを持つから危険だ。隠れ里に閉じ込めておかなくては。そう判断し隔離した国の上層部と、何の違いもない。
――俺のことを、知っていたのか。
そう問うバルパに、女はハンカチでくるんだ白い指先で古書をめくりつつ、面倒くさげに答えた。
「貴方は、遺跡を潰そうとする敵だ。戦いに際して、敵を調べるのは当然だろう?」
女の意識は、既に古書に向いている。
投げやりな回答は不穏なものだったが、バルパに害されるとは微塵も思っていないのか、視線は古書に固定されたままで、着崩れた寝間着には寸鉄も帯びてはいない。
煙草盆を引き寄せ、煙管に刻みたばこを詰めて火を付けると、女は迷惑そうな視線を寄越した。古書が傷む、とでも思っているのだろう。
――あんたの、名は?
バルパの妾になると言いながら、バルパのことなど路傍の石ころ程度にしか思っていない。早く古書に集中したいからどこかに行ってくれ、と言わんばかりの女に、何故かちょっかいをかけたくなる。
さっきから、心臓がこそばゆい。
この女の言動は、いちいちなんだか身の内をざらざらと撫でる。
「カーラ。カーラ・フリントコーン」
それを聞いた瞬間、驚愕に身を固めたバルパに、女は――カーラは気づきもしない。
しばらくの間、カーラが本をめくる音だけがしていた。
ふふ、ふははははは……
不意に笑い出したバルパを怪訝そうに見つめ首を傾げたものの、カーラは再び古書へと目を落とした。そのまま視線を上げることはない。
カーラ・フリントコーン。
フリントコーン。無爵の名門。
この女は、貴族などではなかった。
デントコーン王家と同格の血統を誇りながら、二千年の昔から、デントコーン王家からの陞爵の誘いを蹴り続けてきたまつろわぬ一族。
そのくせ、王家に滅ぼされるでもなく、むしろ一目置かれて国に存在し続けている。
知っている。嫌になるほど良く知っていた。
フリントコーンを従えることは、大御所様、エクシード一世の悲願だった。父が、兄が、身命を賭して仕えた大王。まだ幼い娘の命を差し出して、名誉だと言い切った、父の絶対君主。
二十五年前。カーラ・フリントコーンが産まれたとき、その大御所様の命で、父と兄とはフリントコーン周辺を徹底的に調査していた。産まれたばかりの乳児を、既に孫までいる大御所様の側妃にするため。フリントコーンの弱みを握り、従え、その証としてフリントコーンの姫をもらい受ける。その大御所様の悲願を何としても叶えるべく、父も兄も暗躍していた。バルパ自身も、フリントコーンの調査には何度も駆り出された。そういえば、確かにフリントコーンは学者の家系だった。
しかし、何をどうしてもフリントコーン当主を頷かせることは出来ず、バルパが里を抜けるときもまだ、カーラ・フリントコーンは大御所様のものにはなっていなかった。
……今、ここに、カーラ・フリントコーンがいるということは。
カーラは。フリントコーン家は。
大御所様に、逆らい続けたということだ。
あの、強大な王に。
腹の奥から、苦いものが込み上げた。
ロッタを差し出した父を憎んでいた。黙認した兄を恨んでいた。声を殺して従うしかない母に絶望していた。
けれど。
バルパは、大御所様に刃向かうことなど思いつきもしなかった。
全ての元凶であるはずの国王を、憎むどころか、恨み言一つ言うことすら考えもしなかった。
自分は、どこまで国の飼い犬だったのか……。
ロッタの、夢を叶えたいと思った。
だがその前に、ロッタの復讐をこそ、謀るべきだったのではないか?
自分は、牙を抜かれ、従順に躾されたペットだった。逃げたつもりで、自由になったつもりで、飼い主の手のひらから抜け出せぬ猿だったのだ。
煙草盆を指先でひとつ弾くと、バルパはカーラを見つめた。
その瞳に、暗い炎が宿っていることに、古書に目を落としたままのカーラは気付かない。
――着工の延期と言わず、建設を中止してもいい。
バルパのその言葉に、カーラはパッと顔を上げた。期待を込めた太陽のような眼差しに、バルパは陰のような笑みを浮かべた。
――あんたが俺の妻になるなら、施設の建設を中止し、発掘の後援もしよう。
着工を間際にした大規模施設の建設を中止するのは、そう簡単なことではない。色々な利権も絡む。千両箱が、十や二十は飛んで行くだろうし、有力な取引先も幾つか失うことになるだろう。
けれど、この女が手に入るなら、悪くない。
案の定、カーラ・フリントコーンは花開くような笑顔で、こう言った。
「なんだ、そんなことでいいのか」と――
牛小話・牛の病気は基本、人にはうつらない。話題になった数々の疫病も人にはうつらない。ただし、牛から人に移る恐ろしい病気があります……。その名は白癬菌!そう!水虫・タムシの原因菌!
何より要注意なのは、白癬菌で皮膚病になった牛に直接触らなくても、その牛が体を掻いたパイプとかで菌が生きていること。半袖で牧場に行かれる方はご注意ください……。
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