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番外編
鍛冶見習い番外編 ヌールの恋1
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前回のあらすじ・ヌールの父バルパと妻カーラのなれそめ
私は、姉に仕えるために産まれた。
こう聞くと、多くの庶民は顔をしかめるだろう。
けれど、それが例えば王族だったなら。
国王陛下だけが絶対の主君で、同じ先王陛下の血を引いていても、王弟や王妹は忠実なる家臣。当たり前のことだ。
うちは、爵位もない商家だから、不自然と言えば不自然なのかもしれない。
しかし、私にとってそれは、産まれたときからの当然だった。
「ヌールは優秀だな。ゆくゆくは、商会の全てを任せられる、副会頭にだってなれるだろう」
満足そうに目を細めて言う父、バルパ・タイレリア。
一代にして、小さな小間物屋を、複数の国を跨ぐ大商会にのし上げた、稀代の梟雄。
複数の妾を持ち、さらに数多い子どもを持つ父だが、その父が愛したのは、生涯でただ一人。
カーラ・フリントコーン。
太陽のような黄金の髪、碧玉の瞳。天上の神々が至高の美を競い合って作り上げたかのような、人外の美貌。大陸でも最大の、デントコーン王国王家から二千年に渡って求められながらも、ついぞ追従することのなかった孤高の一族の末。誰及ぶことのない英知の結晶。
私の母は、その父の『最愛』に、当てつけのように付けられた男爵家の娘だった。
フリントコーンは、王家と並ぶ名門ではあるものの、所詮は無爵。
学者だけであった頃ならば、貴族とも無縁でいられたものの、大商会の会頭である父の正妻となってからは、公の場で、あからさまに貴族に侮辱されることもあったらしい。
王家は二千年変わらずフリントコーンを求めていたが、貴族たちにとってフリントコーンとは、敬愛する王家を無碍にする鼻持ちならない一族に他ならなかった。
『最愛』を見下す貴族たちへの当てつけのように、父は借金の形に、建国の頃から続く由緒正しい男爵家の娘を手に入れた。そして、その娘――後の母を、カーラ・フリントコーンの侍女として仕えさせた。
カーラは、変わった女性だった。
研究の便宜と引き換えに、大商人の妻となることを承知したが、「フリントコーン」の名にはこだわった。カーラはフリントコーン一族最後の一人だったからだ。
自分より一回り以上年上、四十を過ぎた大商人に向かって、妻になって欲しくば婿に来い、それが無理なら種だけ寄越せ、そうすれば血は繋がる、と言ったそうだ。
さらに、カーラと結婚するならば、今までの妾とは手を切る、と言った父に対し、カーラは必要ない、と言い切った。夫に構われる時間が増えると、研究に差し支える。むしろ妾を増やせ、と。
イタチの雄は複数の雌の縄張りと重なる広い縄張りを持ち、その雌を妻とする。
人に置き換えれば、妾は持つが、妾同士が一堂に会することはない。
一方で、牛は群れで暮らす動物だ。同じ雄を夫とする雌同士が一カ所に暮らし、子育ては協力して行う。雌の間に序列も争いもないらしく、むしろ雄への興味関心が薄い。つまり、嫉妬しない。
最優先は常に研究で、父は二の次。
宝石にもドレスにも興味はなく、一番喜んだのは、父の妹の本を自由に研究して良い、と言ったときで、感謝されたのは、父が差し止めた建設予定地から、本当に古代の地下墓地が発見され、発掘のための人員を差配したときだったそうだ。
カーラ・フリントコーンがそんな性格でなかったら、父と母との間に私は産まれていない。名言だったか迷言だったのか――妾腹に産まれた私としては複雑なところだ。
商人として名をなした父が、今更婿入りするのには様々な問題があった。けれど父は、迷うことなくフリントコーン家への婿入りを決めた。
それと同時に、名を『赤羽屋バルパ』から、『バルパ・タイレリア・フリントコーン』へと改名した。
タイレリア。
それは、マダニを媒介とする牛の寄生虫である。
妹を失いながらも、国を、王家を恨もうという発想すらなかった飼い犬が、王家を拒み続けたフリントコーンを名乗り、せめてこの巨大な牛(=デントコーン王国)をじわじわと弱らせる病の一端たろうという、決意表明でもあった。
婚姻の翌年、カーラは牛とイタチの双子を産んだ。
牛のほうは女の子。
カーラに良く似た、金の髪に碧玉の瞳、真珠の肌の、天使と見紛う美しい赤ん坊だったそうだ。
名をヨーネ。
フリントコーンの血を色濃く持つ、正統な後継の誕生である。
バルパ・タイレリアは、その娘――ヨーネ・スフィーダ・フリントコーンを、フリントコーンの正統な後継にして、自身の築いた大商会の後継にと指名したのだ。
父は絶対だった。
父は隠れ里を抜けた隠密の庇護者であり、その庇護を抜けて生きていける者はいない。
逆らおうと思う者すらいない。
後に産まれた自分はもちろん、先に産まれていた兄も姉も……全ての一族は、ただ一人、ヨーネ・スフィーダ・フリントコーンに傅くために学び、成長した。
カーラとの出会いで、父はかつての夢を思い出したという。
『魔力もスキルも種族も関係のない国』
『フクロウが、フクロウであることを隠さず、そのままの姿で生きられる国』。
それは、かつての友に誓った夢であり、かつての恩人に報いる手段でもあった。
夢は、まだ道半ば。
商会は成長を続け、姉が十になり、私が産まれる頃には、商会は王国でも三本の指に入るほどとなった。
赤羽屋の他は、何代も続く豪商ばかり。商才と成長率でいったら、赤羽屋は王国随一といっても過言ではなかった。
騎士爵どころか、男爵子爵家にも広く金を貸し付け、伯爵級の家とも対等に商いが出来るまでになった。
あるとき、国の事業で提携することとなったのは、グリーンハイツ伯爵家。
公にはなっていないが、父が抜けたお庭番甲家の頭目、表の顔である。
「飛ぶ鳥を落とす赤羽屋会頭、どのような人物かと思ったが、いやはやどうして」
マーレン・グリーンハイツ伯爵は、甲家の末端にいた父の顔を知らなかった。伯爵は、貴族にしては気さくで純朴な人物だったそうだ。反して世渡り下手で、じわじわと借財を増やしてしまうような人物。
父は伯爵と宴席を共にし、酒を酌み交わし、借財の相談にまで快く乗り――
父は、相手が心から望む人物像になりきることが出来る。
その手腕は見事の一言に尽きる。赤羽屋で手代を始めた頃には、机上で学んだ理論でしかなかったらしいが、長年の商人生活での実践で血肉となり、息をするように自然に、相手の信頼しきる友人になることが出来た。
家名でなく名呼びを許され、友人と呼ばれ、半年が経つ頃には、お互いに「バルパ」「マーレン」と呼び合うほどの親友となった。
一年が経ち、二年が経ち。
甲家の表の顔を任されているマーレン・グリーンハイツ伯爵とは異なり、裏の顔――隠れ里の隠密育成を任されている、バルパの父と兄がバルパの存在に気付く頃には、グリーンハイツ家は最早赤羽屋なしには身動き一つとれなくなっていた。
グリーンハイツ伯爵に、無二の親友として父を紹介されたときの、祖父と伯父の顔こそ見物だったと、父は酒が入るたび機嫌良く語っていた。
もちろん、父はその後もマーレン・グリーンハイツ伯爵にとって良き友、親友であり続けた。マーレン・グリーンハイツ伯爵は、自ら進んで、赤羽屋の融資を入れ、赤羽屋の差配に家を任せた。
それで、父の第一の目標は成った。
父を、里を抜けた隠密と分かって尚、甲家が父を殺せなくなること。
父を殺せば、グリーンハイツ伯爵家が成り行かなくなる。
いや、むしろ――赤羽屋バルパ・タイレリアを殺せば、国益が損なわれる。赤羽屋はその域にまで達していた。
バルパは、マーレン・グリーンハイツ伯爵を通し、その友人である王太子――クレイタス殿下にさえ『商家の兄』と慕われるようにすらなっていた。
幾つもの国をまたいで商売し、中でもソイ帝国から魔水晶を輸入出来るのは、皇帝からの信を得た赤羽屋を置いて他にない。
赤羽屋は、父バルパ・タイレリアのワンマン商会だ。
父がいなくなれば、赤羽屋は崩れる。
他国の商会に対抗できる唯一の商会となった赤羽屋を失うことは、国の上層部の誰もが望まぬことだった。
国に忠実であればあるほど、父を殺すことは出来ない。祖父と伯父はさぞ臍を噛んだことだろう。
第二の目標。
それは、「フクロウがフクロウとして生きられる国」。
そのために父は、積極的に顔を晒し、お庭番の関係者に自分が元隠密だと知らしめた。
父は積極的に働きかけ、隠密であることを望まぬフクロウたちが、追われることなく市井に紛れて暮らせる仕組み作りに尽力した。
『スキル封じの魔道具』――その構想に着手しつつも、資金難で身動きがとれなくなっていた女魔道具士がいた。今までなかった全く新しい魔道具を、人の一生の内で一から組み上げ完成させるには、魔道具士の実力は無論、運にも大きく左右される。商人が投資として行うことは、ゴールの見えない暗闇に金を投げ続けるに等しい。それでも父はそのコットンシードに住むレッサーパンダの女魔道具士を根気強く支援し、ついに『隠密』スキルを封じる魔道具を完成させた。
やがてスキル封じの魔道具は国に認められ、隠れ里のフクロウたちやその子孫は、一生取れない魔道具の装着と引き換えに、日の当たる場所を歩けるようになった。
カーラ・フリントコーンは、姉が十二歳の頃に亡くなった。
最後の言葉は、「私の研究は、ヨーネに……」というもので、なんとも生涯を研究に捧げたカーラ・フリントコーンらしいものだったそうだ。
『最愛』を失った父の嘆きは深かったが、父には妻にうり二つの愛娘がいた。
父は、隠れ里の仲間を救うため、そして娘のために生き続けた。
カーラ・フリントコーンが亡くなって、十年と少し。
姉は、実母に中身までもそっくりに成長していた。考古学、人類学、錬金術の分野で鬼才と呼ばれ、研究以外に全く興味を示さない。もちろん、商売にも全く興味がなく、父亡き後、次期会頭と決まっている姉を補佐し、商会運営を肩代わりするために、商才のありそうな一族の者は一同に集められ、バルパ・タイレリア自らの英才教育を施されていた。私もその内の一人だった。周りからは、最も父の血を濃く引く、と言われ期待されていたようだが、私は内心首を傾げるばかりだった。私はイタチの父とは異なり羊の獣人だし、あれほどの熱を宿してもいない。
私の転機は、十四の春に訪れた。
王都を、未曾有の大災害が襲ったのだ。
その名を、不死者の王。
Sランクのアンデッドだった。
その時、私は、王都に帰ってきていた父の恩人への使いを頼まれ、店を離れていた。
恩人が探していたという高価な瑠璃の顔料と、その恩人宅の仏壇に供えるよう言われた抹香を風呂敷に包み、緊張して道を急いでいた。
何だか、いやに東の空が薄墨色だったのを覚えている。
最初に聞こえたのは、野太い怒鳴り声だった。
次いで、絹を引き裂くような悲鳴。
足を進める方向から、まばらに走ってくる人々。
十三の小娘でも、おかしいとは思っていた。
けれど、あの父の恩人への届け物、という任務が足を止めさせなかった。
ぞわり、と寒気がしたときには、全てが遅かった。
大通りを、ふらつくようにやってくる、黒い魔法帽。
いや、魔法帽を被り、すり切れたローブに折れた杖を持った骸骨だ。
その足が酔っ払ったように一歩進むたび、踏み固められた大通りの路面がボコボコと盛り上がり、茶色がかった骨の指が地面をかき分け、その下にある骸骨の本体を引きずり上げる。
そういえばここは、元は墓地であったのを、数十年前の大火をきっかけに退けて、火除地を兼ねた大通りにしたと聞いたことがある。
葬られたままの遺体がまだ残っていたのか……
頭の端で、どこか現実逃避気味にそんなことを冷静に考える。
逃げなければ、と思う心とは裏腹に、足は凍り付いたように動かない。
ガチガチと、骨のぶつかり合う音がする。
魔法帽は、最初に見た時より、十数歩こちらに近づいた。
周りには、十数体の骸骨兵が増えている。
すぐ前で腰を抜かしていたネズミの獣人が、ズリズリと尻で後じさって私の足に当たった。
その衝撃に、凍り付いていた足がぶるぶると震えだした。
でも、動く。
私は足を叱咤しながら、すぐ脇の路地へと逃げ込んだ。
そのまま、裏長屋のどぶ板を踏みしめ、よろよろと走り出した。そして、恐怖に負けてチラッと振り返ったその先――光のない、空っぽな眼孔と目が合った。黒い魔法帽ごと、首を傾げるようにして、白い骸骨がこちらを覗いていた。その白い歯の並ぶ顎骨が、にたぁと笑ったと思ったのは、目の錯覚か。思わず足が止まった。
昼日中の裏長屋に、井戸端で洗濯をしていたおかみさんたちのつんざくような悲鳴が響き渡った。
私が逃げ込んだために、巻き込んで申し訳ない、とは思う。
けれど、なぜ、あの魔法帽の骸骨は、私を追いかけてくるのか?
骸骨が歩む度、周りの長屋の軒先に置かれた盆栽は葉を落とし、花は萎れ、汲み置きの水はよどみ、建物は黒く朽ちていく。
アンデッドは、数十に増え、あるいは人、あるいは犬猫、あるいは牛馬の骨が魔法帽の骸骨に付き従う。
百鬼夜行、いや、今はまだ日中なのに。
動きが遅いのがせめてもの救いだ。
でも、これが夜になったらどうなるのか、想像もつかない。
「このっ、寄るんじゃないよっ」
赤ん坊を背負った気の強いおかみさんが、心張り棒で一体の骨へと殴りかかった。頭蓋骨がガコッと吹っ飛び、けれど残された体は動じることなく頭蓋骨を拾いに向かう。『ぎゃっ』という声がして目をやると、おかみさんの持つ心張り棒の先が黒い靄に覆われ、ぐずぐずと腐り始めていた。
心張り棒を放り出し、赤ん坊を背負い直すと一目散に逃げ出したおかみさんに引っ張られるように、次々と長屋の人々も走り出す。
一瞬隠れようかとも思ったが、私も人々の波に乗って逃げ出した。
刃物で切られたり噛みつかれたりするのならば隠れるのも有効かもしれないが、問答無用に周囲のものが朽ちていく現状、留まるのは自らの生を諦めるのと同義だ。
――それから、どれくらい逃げ回っただろう。
王都の三分の一くらいは移動したかもしれない。
逃げ切ったと思っても、やはり私の後を追うように骸骨の群れは移動してくる。
怯えや恐怖でなく、疲れ切って足が震えだした頃、私は大きめの味噌樽の中に隠れていた。もしあの骸骨たちが匂いで私を追ってきているのなら、味噌樽の悪臭が私の匂いを紛らわせてくれるのではないかと思ったのだ。
思惑は半分当たった。
骸骨達は私を見失い、あちこちへと散らばっていったようで、骸骨達に追われた人々の悲鳴が散り散りに聞こえては消えた。
安堵に息をつき、震える足ごと風呂敷包みを抱きしめ、次第に、いつまで隠れていればいいのかと不安になりだした頃。
私は、ポンと背を叩かれた。
牛小話・時々CMが流れているビオスリー。牛にも全く同じ薬がある。
私は、姉に仕えるために産まれた。
こう聞くと、多くの庶民は顔をしかめるだろう。
けれど、それが例えば王族だったなら。
国王陛下だけが絶対の主君で、同じ先王陛下の血を引いていても、王弟や王妹は忠実なる家臣。当たり前のことだ。
うちは、爵位もない商家だから、不自然と言えば不自然なのかもしれない。
しかし、私にとってそれは、産まれたときからの当然だった。
「ヌールは優秀だな。ゆくゆくは、商会の全てを任せられる、副会頭にだってなれるだろう」
満足そうに目を細めて言う父、バルパ・タイレリア。
一代にして、小さな小間物屋を、複数の国を跨ぐ大商会にのし上げた、稀代の梟雄。
複数の妾を持ち、さらに数多い子どもを持つ父だが、その父が愛したのは、生涯でただ一人。
カーラ・フリントコーン。
太陽のような黄金の髪、碧玉の瞳。天上の神々が至高の美を競い合って作り上げたかのような、人外の美貌。大陸でも最大の、デントコーン王国王家から二千年に渡って求められながらも、ついぞ追従することのなかった孤高の一族の末。誰及ぶことのない英知の結晶。
私の母は、その父の『最愛』に、当てつけのように付けられた男爵家の娘だった。
フリントコーンは、王家と並ぶ名門ではあるものの、所詮は無爵。
学者だけであった頃ならば、貴族とも無縁でいられたものの、大商会の会頭である父の正妻となってからは、公の場で、あからさまに貴族に侮辱されることもあったらしい。
王家は二千年変わらずフリントコーンを求めていたが、貴族たちにとってフリントコーンとは、敬愛する王家を無碍にする鼻持ちならない一族に他ならなかった。
『最愛』を見下す貴族たちへの当てつけのように、父は借金の形に、建国の頃から続く由緒正しい男爵家の娘を手に入れた。そして、その娘――後の母を、カーラ・フリントコーンの侍女として仕えさせた。
カーラは、変わった女性だった。
研究の便宜と引き換えに、大商人の妻となることを承知したが、「フリントコーン」の名にはこだわった。カーラはフリントコーン一族最後の一人だったからだ。
自分より一回り以上年上、四十を過ぎた大商人に向かって、妻になって欲しくば婿に来い、それが無理なら種だけ寄越せ、そうすれば血は繋がる、と言ったそうだ。
さらに、カーラと結婚するならば、今までの妾とは手を切る、と言った父に対し、カーラは必要ない、と言い切った。夫に構われる時間が増えると、研究に差し支える。むしろ妾を増やせ、と。
イタチの雄は複数の雌の縄張りと重なる広い縄張りを持ち、その雌を妻とする。
人に置き換えれば、妾は持つが、妾同士が一堂に会することはない。
一方で、牛は群れで暮らす動物だ。同じ雄を夫とする雌同士が一カ所に暮らし、子育ては協力して行う。雌の間に序列も争いもないらしく、むしろ雄への興味関心が薄い。つまり、嫉妬しない。
最優先は常に研究で、父は二の次。
宝石にもドレスにも興味はなく、一番喜んだのは、父の妹の本を自由に研究して良い、と言ったときで、感謝されたのは、父が差し止めた建設予定地から、本当に古代の地下墓地が発見され、発掘のための人員を差配したときだったそうだ。
カーラ・フリントコーンがそんな性格でなかったら、父と母との間に私は産まれていない。名言だったか迷言だったのか――妾腹に産まれた私としては複雑なところだ。
商人として名をなした父が、今更婿入りするのには様々な問題があった。けれど父は、迷うことなくフリントコーン家への婿入りを決めた。
それと同時に、名を『赤羽屋バルパ』から、『バルパ・タイレリア・フリントコーン』へと改名した。
タイレリア。
それは、マダニを媒介とする牛の寄生虫である。
妹を失いながらも、国を、王家を恨もうという発想すらなかった飼い犬が、王家を拒み続けたフリントコーンを名乗り、せめてこの巨大な牛(=デントコーン王国)をじわじわと弱らせる病の一端たろうという、決意表明でもあった。
婚姻の翌年、カーラは牛とイタチの双子を産んだ。
牛のほうは女の子。
カーラに良く似た、金の髪に碧玉の瞳、真珠の肌の、天使と見紛う美しい赤ん坊だったそうだ。
名をヨーネ。
フリントコーンの血を色濃く持つ、正統な後継の誕生である。
バルパ・タイレリアは、その娘――ヨーネ・スフィーダ・フリントコーンを、フリントコーンの正統な後継にして、自身の築いた大商会の後継にと指名したのだ。
父は絶対だった。
父は隠れ里を抜けた隠密の庇護者であり、その庇護を抜けて生きていける者はいない。
逆らおうと思う者すらいない。
後に産まれた自分はもちろん、先に産まれていた兄も姉も……全ての一族は、ただ一人、ヨーネ・スフィーダ・フリントコーンに傅くために学び、成長した。
カーラとの出会いで、父はかつての夢を思い出したという。
『魔力もスキルも種族も関係のない国』
『フクロウが、フクロウであることを隠さず、そのままの姿で生きられる国』。
それは、かつての友に誓った夢であり、かつての恩人に報いる手段でもあった。
夢は、まだ道半ば。
商会は成長を続け、姉が十になり、私が産まれる頃には、商会は王国でも三本の指に入るほどとなった。
赤羽屋の他は、何代も続く豪商ばかり。商才と成長率でいったら、赤羽屋は王国随一といっても過言ではなかった。
騎士爵どころか、男爵子爵家にも広く金を貸し付け、伯爵級の家とも対等に商いが出来るまでになった。
あるとき、国の事業で提携することとなったのは、グリーンハイツ伯爵家。
公にはなっていないが、父が抜けたお庭番甲家の頭目、表の顔である。
「飛ぶ鳥を落とす赤羽屋会頭、どのような人物かと思ったが、いやはやどうして」
マーレン・グリーンハイツ伯爵は、甲家の末端にいた父の顔を知らなかった。伯爵は、貴族にしては気さくで純朴な人物だったそうだ。反して世渡り下手で、じわじわと借財を増やしてしまうような人物。
父は伯爵と宴席を共にし、酒を酌み交わし、借財の相談にまで快く乗り――
父は、相手が心から望む人物像になりきることが出来る。
その手腕は見事の一言に尽きる。赤羽屋で手代を始めた頃には、机上で学んだ理論でしかなかったらしいが、長年の商人生活での実践で血肉となり、息をするように自然に、相手の信頼しきる友人になることが出来た。
家名でなく名呼びを許され、友人と呼ばれ、半年が経つ頃には、お互いに「バルパ」「マーレン」と呼び合うほどの親友となった。
一年が経ち、二年が経ち。
甲家の表の顔を任されているマーレン・グリーンハイツ伯爵とは異なり、裏の顔――隠れ里の隠密育成を任されている、バルパの父と兄がバルパの存在に気付く頃には、グリーンハイツ家は最早赤羽屋なしには身動き一つとれなくなっていた。
グリーンハイツ伯爵に、無二の親友として父を紹介されたときの、祖父と伯父の顔こそ見物だったと、父は酒が入るたび機嫌良く語っていた。
もちろん、父はその後もマーレン・グリーンハイツ伯爵にとって良き友、親友であり続けた。マーレン・グリーンハイツ伯爵は、自ら進んで、赤羽屋の融資を入れ、赤羽屋の差配に家を任せた。
それで、父の第一の目標は成った。
父を、里を抜けた隠密と分かって尚、甲家が父を殺せなくなること。
父を殺せば、グリーンハイツ伯爵家が成り行かなくなる。
いや、むしろ――赤羽屋バルパ・タイレリアを殺せば、国益が損なわれる。赤羽屋はその域にまで達していた。
バルパは、マーレン・グリーンハイツ伯爵を通し、その友人である王太子――クレイタス殿下にさえ『商家の兄』と慕われるようにすらなっていた。
幾つもの国をまたいで商売し、中でもソイ帝国から魔水晶を輸入出来るのは、皇帝からの信を得た赤羽屋を置いて他にない。
赤羽屋は、父バルパ・タイレリアのワンマン商会だ。
父がいなくなれば、赤羽屋は崩れる。
他国の商会に対抗できる唯一の商会となった赤羽屋を失うことは、国の上層部の誰もが望まぬことだった。
国に忠実であればあるほど、父を殺すことは出来ない。祖父と伯父はさぞ臍を噛んだことだろう。
第二の目標。
それは、「フクロウがフクロウとして生きられる国」。
そのために父は、積極的に顔を晒し、お庭番の関係者に自分が元隠密だと知らしめた。
父は積極的に働きかけ、隠密であることを望まぬフクロウたちが、追われることなく市井に紛れて暮らせる仕組み作りに尽力した。
『スキル封じの魔道具』――その構想に着手しつつも、資金難で身動きがとれなくなっていた女魔道具士がいた。今までなかった全く新しい魔道具を、人の一生の内で一から組み上げ完成させるには、魔道具士の実力は無論、運にも大きく左右される。商人が投資として行うことは、ゴールの見えない暗闇に金を投げ続けるに等しい。それでも父はそのコットンシードに住むレッサーパンダの女魔道具士を根気強く支援し、ついに『隠密』スキルを封じる魔道具を完成させた。
やがてスキル封じの魔道具は国に認められ、隠れ里のフクロウたちやその子孫は、一生取れない魔道具の装着と引き換えに、日の当たる場所を歩けるようになった。
カーラ・フリントコーンは、姉が十二歳の頃に亡くなった。
最後の言葉は、「私の研究は、ヨーネに……」というもので、なんとも生涯を研究に捧げたカーラ・フリントコーンらしいものだったそうだ。
『最愛』を失った父の嘆きは深かったが、父には妻にうり二つの愛娘がいた。
父は、隠れ里の仲間を救うため、そして娘のために生き続けた。
カーラ・フリントコーンが亡くなって、十年と少し。
姉は、実母に中身までもそっくりに成長していた。考古学、人類学、錬金術の分野で鬼才と呼ばれ、研究以外に全く興味を示さない。もちろん、商売にも全く興味がなく、父亡き後、次期会頭と決まっている姉を補佐し、商会運営を肩代わりするために、商才のありそうな一族の者は一同に集められ、バルパ・タイレリア自らの英才教育を施されていた。私もその内の一人だった。周りからは、最も父の血を濃く引く、と言われ期待されていたようだが、私は内心首を傾げるばかりだった。私はイタチの父とは異なり羊の獣人だし、あれほどの熱を宿してもいない。
私の転機は、十四の春に訪れた。
王都を、未曾有の大災害が襲ったのだ。
その名を、不死者の王。
Sランクのアンデッドだった。
その時、私は、王都に帰ってきていた父の恩人への使いを頼まれ、店を離れていた。
恩人が探していたという高価な瑠璃の顔料と、その恩人宅の仏壇に供えるよう言われた抹香を風呂敷に包み、緊張して道を急いでいた。
何だか、いやに東の空が薄墨色だったのを覚えている。
最初に聞こえたのは、野太い怒鳴り声だった。
次いで、絹を引き裂くような悲鳴。
足を進める方向から、まばらに走ってくる人々。
十三の小娘でも、おかしいとは思っていた。
けれど、あの父の恩人への届け物、という任務が足を止めさせなかった。
ぞわり、と寒気がしたときには、全てが遅かった。
大通りを、ふらつくようにやってくる、黒い魔法帽。
いや、魔法帽を被り、すり切れたローブに折れた杖を持った骸骨だ。
その足が酔っ払ったように一歩進むたび、踏み固められた大通りの路面がボコボコと盛り上がり、茶色がかった骨の指が地面をかき分け、その下にある骸骨の本体を引きずり上げる。
そういえばここは、元は墓地であったのを、数十年前の大火をきっかけに退けて、火除地を兼ねた大通りにしたと聞いたことがある。
葬られたままの遺体がまだ残っていたのか……
頭の端で、どこか現実逃避気味にそんなことを冷静に考える。
逃げなければ、と思う心とは裏腹に、足は凍り付いたように動かない。
ガチガチと、骨のぶつかり合う音がする。
魔法帽は、最初に見た時より、十数歩こちらに近づいた。
周りには、十数体の骸骨兵が増えている。
すぐ前で腰を抜かしていたネズミの獣人が、ズリズリと尻で後じさって私の足に当たった。
その衝撃に、凍り付いていた足がぶるぶると震えだした。
でも、動く。
私は足を叱咤しながら、すぐ脇の路地へと逃げ込んだ。
そのまま、裏長屋のどぶ板を踏みしめ、よろよろと走り出した。そして、恐怖に負けてチラッと振り返ったその先――光のない、空っぽな眼孔と目が合った。黒い魔法帽ごと、首を傾げるようにして、白い骸骨がこちらを覗いていた。その白い歯の並ぶ顎骨が、にたぁと笑ったと思ったのは、目の錯覚か。思わず足が止まった。
昼日中の裏長屋に、井戸端で洗濯をしていたおかみさんたちのつんざくような悲鳴が響き渡った。
私が逃げ込んだために、巻き込んで申し訳ない、とは思う。
けれど、なぜ、あの魔法帽の骸骨は、私を追いかけてくるのか?
骸骨が歩む度、周りの長屋の軒先に置かれた盆栽は葉を落とし、花は萎れ、汲み置きの水はよどみ、建物は黒く朽ちていく。
アンデッドは、数十に増え、あるいは人、あるいは犬猫、あるいは牛馬の骨が魔法帽の骸骨に付き従う。
百鬼夜行、いや、今はまだ日中なのに。
動きが遅いのがせめてもの救いだ。
でも、これが夜になったらどうなるのか、想像もつかない。
「このっ、寄るんじゃないよっ」
赤ん坊を背負った気の強いおかみさんが、心張り棒で一体の骨へと殴りかかった。頭蓋骨がガコッと吹っ飛び、けれど残された体は動じることなく頭蓋骨を拾いに向かう。『ぎゃっ』という声がして目をやると、おかみさんの持つ心張り棒の先が黒い靄に覆われ、ぐずぐずと腐り始めていた。
心張り棒を放り出し、赤ん坊を背負い直すと一目散に逃げ出したおかみさんに引っ張られるように、次々と長屋の人々も走り出す。
一瞬隠れようかとも思ったが、私も人々の波に乗って逃げ出した。
刃物で切られたり噛みつかれたりするのならば隠れるのも有効かもしれないが、問答無用に周囲のものが朽ちていく現状、留まるのは自らの生を諦めるのと同義だ。
――それから、どれくらい逃げ回っただろう。
王都の三分の一くらいは移動したかもしれない。
逃げ切ったと思っても、やはり私の後を追うように骸骨の群れは移動してくる。
怯えや恐怖でなく、疲れ切って足が震えだした頃、私は大きめの味噌樽の中に隠れていた。もしあの骸骨たちが匂いで私を追ってきているのなら、味噌樽の悪臭が私の匂いを紛らわせてくれるのではないかと思ったのだ。
思惑は半分当たった。
骸骨達は私を見失い、あちこちへと散らばっていったようで、骸骨達に追われた人々の悲鳴が散り散りに聞こえては消えた。
安堵に息をつき、震える足ごと風呂敷包みを抱きしめ、次第に、いつまで隠れていればいいのかと不安になりだした頃。
私は、ポンと背を叩かれた。
牛小話・時々CMが流れているビオスリー。牛にも全く同じ薬がある。
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