【R18】天才王子ってそっちか!

天野 チサ

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05 傷は意外と深かったようです

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「胸からも十分快感を得られるということですね」
「はい、とても……っ、あぁっ!」
「さすがです。このように詳細を教えてもらえると助かります」
「それ、は、一体――」

 リオネルはずっと「教えてほしい」と指南を求めているが、一体どういうことなのだろうか。
 そのことを聞きたくて開いた口は、唐突に胸の先端を口に含まれた吸われたことによって嬌声に変わった。

「ああぁっ! ひぅっあっ」

 少しずつ高められていたところを突然違う刺激に襲われて、受け止めきれない快感に身体が弓なりに反った。
 その状況をも、息もたえだえに伝えたら、マルティナの胸を口に含んだまま胸元で紫紺の髪が承知したように頷く。

 舌先が生き物のようにうねりマルティナの胸を苛む。
 先端を吸われるたび、舌先に包まれるたび、身体は跳ねた。

 舌が透明な糸を引きながら乳房から離れ、ようやく解放されたときには胸の頂がはしたないほどぷっくりと膨らんでいた。反応しすぎてジンジンと痛むが、その痛みすら刺激になる。

(うう……どうしてこんなに気持ちいいのかしら)

 この身は不感症のはずなのだ。
 自身に起きている変化に顔を真っ赤にするマルティナとは対照的に、リオネルは口角を上げると散々マルティナを責め立てた舌で満足そうに唇をぺろりと舐めた。
 ここまで人を翻弄しておきながら、余裕たっぷりの仕草が信じられない。

「とても参考になりました。感謝します」
「あくまで、わ、私個人の見解ではありますけど……?」

 いまだに状況がよくわからないながらも、どうやら彼の役に立ったようだと安堵した。
 おかげで、これで終わりかとすっかり油断していたマルティナだが、どうやらまだであったらしい。
 リオネルの手はマルティナが必死に擦り合わせていた両脚に触れる。

「で、殿下そこは――っ!」

 やはり慣れた手つきで素早くショーツを脱がされた。
 露わとなった下腹部に骨ばった手のひらが触れ、なにかをなぞるように指先がするりと肌を滑る。

「ひあっ!」

 そこは避妊紋が刻まれているところだ。
 リオネルはおそらくそれを確認してから、女性にとって大事な部分へと手を伸ばした。制止するマルティナの手など悠々とかわされる。

「待って……!」

 マルティナの頭は冷水を浴びせかけられたかのように冷静さを取り戻した。

『つまんねぇ身体』

 舌打ち交じりの声が記憶の奥から蘇った。

 婚約者と行為に及ぼうとしたとき……彼は欲情した瞳に間違いなく行為に対する自信を滾らせていたのだが、どれだけ愛撫をしようとも表情を変えず反応を示さない身体に、明らかな苛立ちを募らせていた。

 実際は表情を変えないというよりも、元より感情を表さないようにと育てられたわけであるし、そもそも彼の愛撫に快感を得ることが無かっただけだ。

 しかし婚約者は、どうやらそうやって澄ました顔のマルティナを自分の手で乱れさせ、よがらせるつもりであったらしい。
 いつも地味で澄ました生意気な娘を懲らしめてやるのだと。
 事実そのようなことを言われた。
 
 それほど意気揚々とした様子で彼は求めてきたのだが、結果としてマルティナの女性器が快感に濡れることはなく、よがらせるどころか散々苦心したあげく挿入にすら至らなかった。
 その結果は、彼にとってこれ以上ないほどの憤りを感じるものだったらしい。

 そうして吐き捨てられたのが『つまんねぇ身体』だったのだ。

 すべてマルティナのせいだと、『不感症』に始まりしまいには床に座らせられて、人格を否定するような言葉の数々を彼が満足するまで延々と浴びせ続けられた。

 そして叩きつけられた婚約破棄であったのだ。
 当然のようにマルティナの不感症を有責とされ、彼女には改善するつもりも協力する様子すらも見られない。と、とにかくこちらの非を責めるだけのひどい文面が並んでいた。
 両親から施された従順であれという教育は、婚約に関してはすべてが裏目に出た。
 
 そういったこれまでの記憶が一気にマルティナの脳裏を巡る。

(また、叱られてしまう……!)

 自分の身体は『つまらない』から。
 婚約者の言葉はマルティナが思っていた以上に、心を抉っていたらしい。

「――っ!」

 大事な部分へ伸びるリオネルの手に、両目を固く瞑って身体をこわばらせたのだが――太ももにそっと触れた彼の手はやはり安心するような温かみだった。
 そのまま脚をなぞり根本に辿り着いた指先も、ひたすらに優しい。

 マルティナのこわばった身体から緊張が解けるのを待つように、触れたまま動きを止めた。しばらくしてから、秘部の割目をなぞるように優しく上下し始める。
 擦られるたびに、またあの甘い痺れに襲われた。

「あっ、んん……っ!」

 しだいに秘部からぬるりとした感覚を感じて、マルティナは目を見開いた。
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