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伍の抄 黒犬
其の参
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────。
ふしぎな話やろ。
ほんでももっと不思議な話があんねんで。その後の師景についてや。
分身は離れてからすぐに姿をくらましたんで消息はわからへん。しかし一方の師景は、分身を離したその日から年を取らんくなってしもうた。おまけにどれほどひどい傷を負っても、たちまちに治ってまう。
ああ、その通り。
彼は『不老不死』になってしもうた。
現実問題、不老ちゅうのは生きづらいもんでな。
もはやしばらく都には戻れんさかいに、吉野山に隠棲したようだ。……無理もなかろ。
都の人間が数十年も変わらん彼の姿でも見たら、妖怪やなんやと騒ぐに決まっとるからの。
隠棲するなかで師景は『キイチ』と名を変えた。
──なんでかって、……。
決別したかったからやろなァ。
母親を殺した自分、数多くの人を傷つけてきた自分。それらはすべて、あの分身によるものやったけれども、……それでもやったのは師景という人間や。
分身がおらんくなったいま、自分は新たな自分になったと区切りをつけたかった。そうして『キイチ』と名乗るようになって数十年──。
知り合いもなんもかもおらん都に戻るころには、世はもう十三世紀になっとった。
…………。
そう、環奈のいうとおり。
──ちょうど、小倉百人一首が生まれるころのことや。
────。
和本のもととなった『小倉百人一首』について、最低限のことだけ話そう。
だいじょうぶか八郎、寝るなよ。
こんどは嘉禎元年、初夏。
西暦でいうと、環奈。……そのとおり。一二三五年やな。
ここにひとりの歌人が出てくる。
和本の序文に書かれてた言葉を覚えとるか?
──そう、藤原定家や。
彼こそが小倉百人一首を編み出した立役者。
しかしなにも勝手に思いたってやったわけやない。親戚であった宇都宮蓮生という者から依頼を受けたんや。
「京都の西の郊外、嵯峨の中院に私の山荘がある。そこの障子がどうにも寂しゅうて──綺麗に飾れるような色紙形をひとり一首で百首分、書いてはくれまいか」
とな。
なかなかイメージがつかんかね。
障子というのはお前たちが考えるものでなく、現代でいう襖のことをいった。つまり、襖に貼るための詩歌が書かれた色紙を百人分、好きにえらんで書いてくれ……とこういうわけだ。
それを受けて定家は、小倉山の山荘にて百の歌人を選び、和歌を色紙に染筆して蓮生へ贈ったそうな。
ふふ。
いいや──これはまだお前たちの知る『小倉百人一首』とちゃうねん。
『百人秀歌』と呼んでおった。
のちにそこへ二首を加え、数人の歌人や和歌が入れ替わったものが『小倉山荘色紙和歌』っちゅう、小倉百人一首の原型になったものなんや。
その翌年、定家は晩年最後の大仕事として、この百人秀歌や自身が編纂した新勅撰和歌集をもとに『小倉百人一首』の選考を開始、──四年の時をかけ百首を選首し配置した。
これこそが、後世に伝わる小倉百人一首やねんな。
……ややこいな、たしかにややこい。
まあつまり、小倉山の山荘で百首の歌を選んだっちゅうことが分かればええさ。
……────。
さてさて。
鬼の一番、と書いて鬼一。
そう名を変えた師景はひとりで吉野山にこもっていたが、まあほとぼりが冷めたこともあって都へ戻ったんや。その道中でうわさを聞いた。
あやかしがひとを食って暴れている──。
なんでもそのあやかしは、胴が長く、黒々とした獣のようやったとも。
鬼一はぴんときた。
暴れておるのは己の半身やと、瞬時にそう思うた。いちどは分かれた半身なればこそ、このまま捨て置くわけにもいかぬ。
ひどいものなら殺してしまえ──そう思って鬼一は半身を探しはじめたわけや。
そんななかであるとき、小倉山荘でひとり歌集を編む老人がいてると聞いた。おまけにその老人は黒犬を飼っているという──。鬼一は藁にも縋る想いでその老人を尋ねた。
分かるやろ。
せや、それが定家。藤原定家や。
定家は、現代の世にいう『小倉百人一首』を編纂しておったところやった。
手が震えるほどの老齢を引きずって、一心不乱に和歌を書きおこす彼の情熱は並のもんやなかってんねやろうな。鬼一は話しかけることもできひんで、ただただその姿を眺めとった。
──ああ、黒犬ね。
いやはや鬼一は戸惑った。
どこを探しても黒犬はいてへん。かわりに山荘にはひとりの男がおってな、ずいぶんと愛想のない、定家のそばをじっと離れん黒くて長い髪の大男。
──せや。
鬼一も、気付いてん。
「この男こそ、かつて自分から離れた半身だ」
と。
……そうやで。
半身は黒い獣やったはずや。
やから鬼一は戸惑うた。獣のすがたをしたはずの半身がいつの間にやら人の形をして、おとなしゅう定家のそばに腰を落ち着けとるねんから。
半身は、わかっとるんかおらんのか……鬼一には牙を剝いたが、定家に叱られるととたんに大人しゅうなって。およそ巷で騒がれる殺人鬼にはとうてい見えへんかった。
鬼一はどうしたらええもんかと分からんくなってな。殺したろうと思うくらいやったのに。
──いつしか。
その山荘に通ううち、当初の目的なぞ忘れて、ただただ定家翁と話をしに行くようになっていったんや。
…………。
そのうちに定家が、こっそり教えてくれた。
その男はやはりもともと村々を食い荒らす化け物やった、と。
小倉山荘に来た当初は、毛を逆立てた獣の姿で、自分をも食い殺さんばかりの勢いやった──ともさ。しかしこの獣、山荘に踏み入るなり様子を変えたんやと。そういった。
部屋中を嗅ぎまわって、書きかけの色紙形にすり寄って泣き出す始末。
鼻の奥でくんくん鳴いてまるで犬やと──。
あげく、そのまま山荘に居座ったかと思やァ、いつの間にやら人の形に変化して、筆をとっておなじ絵を何べんも飽きずに描くという。それがあんまりにうまいもんやさかい、芸術家肌の定家はたまらずに家に置いてやったと、そういうことらしかった。
…………。
男は、名を。
──”ハルカゲ”。
と、いったそうな。
……────。
とにかく。
その大男も悪さするでもなく絵を描くだけやさかいにな。鬼一はひとつ約束したんや。
『お前がまた人を殺めるようなことがあれば、そのときには必ず、お前を永久に封じてやる』
と。
鬼一は、山に隠棲していた間、剣術や陰陽術の修行をしていたさかいな。そないなことは朝飯前やった。
え?
ああ、もちろんそのとおり。
ハルカゲはきっともうそないなことはせん──そう思えばこそ、鬼一もそんな約束をしたんや。
……なんでそないに変わったのかって?
うーん、せやなあ。
定家には、持論があった。
──和歌には力がある。
と。
いつかの世にて、紀貫之が言葉をのこした。
『やまとうたは ひとのこころをたねとして よろずのことのはとぞなりける』
…………。
和歌は、人の心をもととして、さまざまな言葉となったものである──と。
天地を動かし、目に見えぬ鬼神をも感動させ、男女の仲をも親しくさせ、威張ってる武士の心まで和ませるのが、和歌なのだ……と、紀貫之はそう遺した。
せやから、ハルカゲが柔和になったんは、この和歌たちのおかげやと。
定家はそういいたかったんや。
なに──そんなもんなんかって?
ええか。
和歌には敵も味方も、ない。
そこにあるのはただ人間が人間として生けるかぎり、だれしもが感じうる情──ただひとつのみや。
八郎と柊介が喧嘩をしたとしても、美しい夕陽を同時に見て「きれい」と同時につぶやいたら、なんや喧嘩なぞどうでもようならんか?
……たとえばの話やがな。
とにかく、和歌にはそういう力があったんや。それは俺も、いまでもそう思うとる。
────。
ま、というわけでやな。
定家が歌を選び、ハルカゲが絵を描き、文字を鬼一が書きあげたもんが、この和本となった。
なあ、すごかろう。
この和本にはそれぞれ三人の想いが強う、それは強う込められた。
此度のように言霊が寄るもしかたあるまい。
以上が、和本のなりたちである。
スッキリしたか?
うん?
…………。ううむ。
三人のその後か。
いや──うん。まあ、核心をつくには必要な話や。
ただ、やな。
あんまり気持ちのエエもんでもない。
ああ。
覚悟はよろしいか、柊介。
ふしぎな話やろ。
ほんでももっと不思議な話があんねんで。その後の師景についてや。
分身は離れてからすぐに姿をくらましたんで消息はわからへん。しかし一方の師景は、分身を離したその日から年を取らんくなってしもうた。おまけにどれほどひどい傷を負っても、たちまちに治ってまう。
ああ、その通り。
彼は『不老不死』になってしもうた。
現実問題、不老ちゅうのは生きづらいもんでな。
もはやしばらく都には戻れんさかいに、吉野山に隠棲したようだ。……無理もなかろ。
都の人間が数十年も変わらん彼の姿でも見たら、妖怪やなんやと騒ぐに決まっとるからの。
隠棲するなかで師景は『キイチ』と名を変えた。
──なんでかって、……。
決別したかったからやろなァ。
母親を殺した自分、数多くの人を傷つけてきた自分。それらはすべて、あの分身によるものやったけれども、……それでもやったのは師景という人間や。
分身がおらんくなったいま、自分は新たな自分になったと区切りをつけたかった。そうして『キイチ』と名乗るようになって数十年──。
知り合いもなんもかもおらん都に戻るころには、世はもう十三世紀になっとった。
…………。
そう、環奈のいうとおり。
──ちょうど、小倉百人一首が生まれるころのことや。
────。
和本のもととなった『小倉百人一首』について、最低限のことだけ話そう。
だいじょうぶか八郎、寝るなよ。
こんどは嘉禎元年、初夏。
西暦でいうと、環奈。……そのとおり。一二三五年やな。
ここにひとりの歌人が出てくる。
和本の序文に書かれてた言葉を覚えとるか?
──そう、藤原定家や。
彼こそが小倉百人一首を編み出した立役者。
しかしなにも勝手に思いたってやったわけやない。親戚であった宇都宮蓮生という者から依頼を受けたんや。
「京都の西の郊外、嵯峨の中院に私の山荘がある。そこの障子がどうにも寂しゅうて──綺麗に飾れるような色紙形をひとり一首で百首分、書いてはくれまいか」
とな。
なかなかイメージがつかんかね。
障子というのはお前たちが考えるものでなく、現代でいう襖のことをいった。つまり、襖に貼るための詩歌が書かれた色紙を百人分、好きにえらんで書いてくれ……とこういうわけだ。
それを受けて定家は、小倉山の山荘にて百の歌人を選び、和歌を色紙に染筆して蓮生へ贈ったそうな。
ふふ。
いいや──これはまだお前たちの知る『小倉百人一首』とちゃうねん。
『百人秀歌』と呼んでおった。
のちにそこへ二首を加え、数人の歌人や和歌が入れ替わったものが『小倉山荘色紙和歌』っちゅう、小倉百人一首の原型になったものなんや。
その翌年、定家は晩年最後の大仕事として、この百人秀歌や自身が編纂した新勅撰和歌集をもとに『小倉百人一首』の選考を開始、──四年の時をかけ百首を選首し配置した。
これこそが、後世に伝わる小倉百人一首やねんな。
……ややこいな、たしかにややこい。
まあつまり、小倉山の山荘で百首の歌を選んだっちゅうことが分かればええさ。
……────。
さてさて。
鬼の一番、と書いて鬼一。
そう名を変えた師景はひとりで吉野山にこもっていたが、まあほとぼりが冷めたこともあって都へ戻ったんや。その道中でうわさを聞いた。
あやかしがひとを食って暴れている──。
なんでもそのあやかしは、胴が長く、黒々とした獣のようやったとも。
鬼一はぴんときた。
暴れておるのは己の半身やと、瞬時にそう思うた。いちどは分かれた半身なればこそ、このまま捨て置くわけにもいかぬ。
ひどいものなら殺してしまえ──そう思って鬼一は半身を探しはじめたわけや。
そんななかであるとき、小倉山荘でひとり歌集を編む老人がいてると聞いた。おまけにその老人は黒犬を飼っているという──。鬼一は藁にも縋る想いでその老人を尋ねた。
分かるやろ。
せや、それが定家。藤原定家や。
定家は、現代の世にいう『小倉百人一首』を編纂しておったところやった。
手が震えるほどの老齢を引きずって、一心不乱に和歌を書きおこす彼の情熱は並のもんやなかってんねやろうな。鬼一は話しかけることもできひんで、ただただその姿を眺めとった。
──ああ、黒犬ね。
いやはや鬼一は戸惑った。
どこを探しても黒犬はいてへん。かわりに山荘にはひとりの男がおってな、ずいぶんと愛想のない、定家のそばをじっと離れん黒くて長い髪の大男。
──せや。
鬼一も、気付いてん。
「この男こそ、かつて自分から離れた半身だ」
と。
……そうやで。
半身は黒い獣やったはずや。
やから鬼一は戸惑うた。獣のすがたをしたはずの半身がいつの間にやら人の形をして、おとなしゅう定家のそばに腰を落ち着けとるねんから。
半身は、わかっとるんかおらんのか……鬼一には牙を剝いたが、定家に叱られるととたんに大人しゅうなって。およそ巷で騒がれる殺人鬼にはとうてい見えへんかった。
鬼一はどうしたらええもんかと分からんくなってな。殺したろうと思うくらいやったのに。
──いつしか。
その山荘に通ううち、当初の目的なぞ忘れて、ただただ定家翁と話をしに行くようになっていったんや。
…………。
そのうちに定家が、こっそり教えてくれた。
その男はやはりもともと村々を食い荒らす化け物やった、と。
小倉山荘に来た当初は、毛を逆立てた獣の姿で、自分をも食い殺さんばかりの勢いやった──ともさ。しかしこの獣、山荘に踏み入るなり様子を変えたんやと。そういった。
部屋中を嗅ぎまわって、書きかけの色紙形にすり寄って泣き出す始末。
鼻の奥でくんくん鳴いてまるで犬やと──。
あげく、そのまま山荘に居座ったかと思やァ、いつの間にやら人の形に変化して、筆をとっておなじ絵を何べんも飽きずに描くという。それがあんまりにうまいもんやさかい、芸術家肌の定家はたまらずに家に置いてやったと、そういうことらしかった。
…………。
男は、名を。
──”ハルカゲ”。
と、いったそうな。
……────。
とにかく。
その大男も悪さするでもなく絵を描くだけやさかいにな。鬼一はひとつ約束したんや。
『お前がまた人を殺めるようなことがあれば、そのときには必ず、お前を永久に封じてやる』
と。
鬼一は、山に隠棲していた間、剣術や陰陽術の修行をしていたさかいな。そないなことは朝飯前やった。
え?
ああ、もちろんそのとおり。
ハルカゲはきっともうそないなことはせん──そう思えばこそ、鬼一もそんな約束をしたんや。
……なんでそないに変わったのかって?
うーん、せやなあ。
定家には、持論があった。
──和歌には力がある。
と。
いつかの世にて、紀貫之が言葉をのこした。
『やまとうたは ひとのこころをたねとして よろずのことのはとぞなりける』
…………。
和歌は、人の心をもととして、さまざまな言葉となったものである──と。
天地を動かし、目に見えぬ鬼神をも感動させ、男女の仲をも親しくさせ、威張ってる武士の心まで和ませるのが、和歌なのだ……と、紀貫之はそう遺した。
せやから、ハルカゲが柔和になったんは、この和歌たちのおかげやと。
定家はそういいたかったんや。
なに──そんなもんなんかって?
ええか。
和歌には敵も味方も、ない。
そこにあるのはただ人間が人間として生けるかぎり、だれしもが感じうる情──ただひとつのみや。
八郎と柊介が喧嘩をしたとしても、美しい夕陽を同時に見て「きれい」と同時につぶやいたら、なんや喧嘩なぞどうでもようならんか?
……たとえばの話やがな。
とにかく、和歌にはそういう力があったんや。それは俺も、いまでもそう思うとる。
────。
ま、というわけでやな。
定家が歌を選び、ハルカゲが絵を描き、文字を鬼一が書きあげたもんが、この和本となった。
なあ、すごかろう。
この和本にはそれぞれ三人の想いが強う、それは強う込められた。
此度のように言霊が寄るもしかたあるまい。
以上が、和本のなりたちである。
スッキリしたか?
うん?
…………。ううむ。
三人のその後か。
いや──うん。まあ、核心をつくには必要な話や。
ただ、やな。
あんまり気持ちのエエもんでもない。
ああ。
覚悟はよろしいか、柊介。
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