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拾漆の抄 助言者
其の弐
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──菅原道真。
現代の日本において、日本三大怨霊として言われているうちのひとりである。ちなみに、先日八郎のもとに現れた崇徳院もそのうちのひとりであるらしい。
彼の生涯は崇徳院同様、極めて波乱万丈だった。
父である菅原是善の血を濃く継いだか、幼少の頃より詩歌に秀でて頭もよく、若年十八歳にして文章生となる。当初は家格に応じて文人社会に身を置いていたが、当時の宇多天皇にその才を見出され、政治の世界にも足を踏み入れることとなったとか。
よほどに重用された道真は出世も早く、宇多朝末期頃には、太政官ツートップのひとりとして君臨するまでに至るのである。
しかし宇多から醍醐に天皇が変わると、徐々に雲行きが怪しくなっていく。
道真の掲げる国家体制に不満を持つ保守派や、異例の昇進を見せていく道真を妬む者たちの手によってあらぬ嫌疑をかけられ、大宰府へと左遷。不遇な晩年を過ごした。
今では『学問の神様、至誠の神様』として太宰府天満宮他神社に祀られているが、当時は道真の死後に道真左遷に関係した人物が相次いで亡くなったことを受け、道真の祟りとして恐れられた過去もある。──
自宅門扉の前で、ひととおりをネットで調べた八郎は「ああ」と薄い返事をした。
「知ってんで、大宰府天満宮の神様やろ。ちょうどもうすぐ修学旅行で大宰府行くことなってんから、よう調べたもん──えっ、ていうことは天満宮行く前にそこの神さまに会うてもたってことやん。これすごいことちゃう?」
と無邪気にわらう八郎に、小町と業平はおかしそうに肩を揺らす。
「八郎さまったら、大宰府に行かれるのね」
「うん。高村学級はみんな頭わるいやつばっかりやさかい、すこしは道真公の恩恵もろうとけって先生がいうててん。な、先生」
「ああ、けっこう切実にな」
「ハハハッ。たしかに、彼は非常に秀才だったからね。まあ──ゆえに最後は大変だったそうだが」
業平がおだやかに微笑する。そのことばを受けて、八郎は眉をしかめた。
「なんで頭のええ人とか、いろんなことに優れとって将来有望な人ってすぐどっか遠くに追いやられるんスか。高村センセかて文武両道やったのに隠岐に行かされたいうし」
崇徳院の生涯を追ったときから、理不尽な処遇にたいして敏感になっている八郎。さきほどネットで軽く調べたかぎりでも道真の境遇はとうてい納得のできるものではなかった。
高村は軽くわらったのち、深くうなずく。
「それはな、頭がええ人間はほんの一部で大半の人間は頭の出来がそうよくないために、頭の良い人間の考え方が理解できひんからや。悲しいかな、この国は多数決というものがある。ゆえに必然的に頭のわるい人間が主張する言葉に流されてまうねん」
と経営コンサルタントのようなことを口走り、高村はつづけた。
「けれど悪いことは出来ひんな。結局は自責の念に駆られて死んでいく。みなが恐れる祟りちゅうんは、結局は自身の中で生み出す場合がほとんどやねん」
「…………」
八郎はムッとした顔で押し黙る。
しかし道真はひとり、しきりに高村に視線を向けてはそわそわと落ち着かない。すかさず業平はにっこりわらって、
「どうした道真。いつでも襟を正していたおまえが、ずいぶんと落ち着きのないようすだ」
と茶化しはじめた。
「あ、もしかしてあれかな。黒歴史を知っている私がいると気が散るかな。大丈夫大丈夫、若い男なんてみんなそんなもんだよ」
「業平どのッ」
道真は耳を真っ赤に染めて憤慨する。
その肩をなだめるように小町がそっと手を添えた。
「わかりますわ。この人のこういうところ──ほんとうに人がおわるいのよね。いっぺん死んだって治りゃしないのだから」
「……そちらは」
「あ、生前はお逢いしませんでしたね。わたくし、小野小町と申します」
「…………」
恭しく頭を下げる小町を見て、道真はびくりと肩を揺らした。
女流歌人──小野小町。
その名を、彼女と同時代に生きた菅原道真が知らぬはずもない。
「あなたが小町どのですか」
「ええ。あなたのことは業平からよくうかがっておりましたよ。秀才といわれながら、お若いころはなかなかの悪童だったそうではないですか。ふふふッ」
「業平ァ!」
と道真が肩を怒らせる。
「道真」
ふいに、高村がずいと前に出た。
とたん道真の肩が跳ね上がる。
「あ、」
すると先ほどまでの不愛想な顔はいっぺんし、若々しきその表情にはパッと晴れやかな笑顔が咲いた。
「篁どの!」
「久しいな、おぬしの父君にはよく世話になったものだ」
「とんでもございません。父の懇意にしていた友人として篁どのの御名はよく──幾度かお話させていただいた折には、幼いながら篁どのの見識の深さに驚嘆しておりました」
業平に見せていた険しい顔はどこにもない。
まるで現代の子どもが戦隊ヒーローに会ったような感激ぶりに、八郎はたじろいだ。
「た、高村先生。それよりなんでこの人……急にこうやって現れたんスか? おれ別に和歌聞いたわけとちゃうし、ほんまにとつぜんのことで何がなんだか」
「ああ」
うなずく高村の顔が険しい。
「和歌は先ほど夢路で詠んだ。こうして言霊の姿で此岸にあらわれてもろうたんは、俺の指示や」
という声色もどこか暗い。
業平と小町は顔を見合わせ、首をかしげた。
「道真、お前に聞きたいことがある。すこし顔を貸せ」
※
場所は、高村の住む廃屋にうつった。
買い出しの帰りだった八郎はいそいでマヨネーズをゆきに手渡し、ともに高村邸へと向かう。その道中で小町と業平は『式』から言霊へと姿を戻し、高村は廃屋につくなりソファに腰かけてぐったりと身体をあずけた。
そのようすに八郎が眉を下げる。
「先生、最近疲れてへん?」
「そうなのです八郎さま。おもうさまったら近ごろ様子がおかしいのですよ。再三どうしたのかと聞いているのですけれど、まったく教えてくださらないの」
小町の声にはトゲがある。
どうやら彼女も娘なりに心配しているようだ。しかし高村はハッと鼻でわらった。
「疲れるもんか。しょせんは俺かてつくりもんの身体や、過労死なんてもんはせえへんから安心しい──ちょっと考えることがあるだけや」
と、背もたれにもたれていた首をゆっくりと起こす。
「道真」
「はい」
「お前は生前、巨勢金剛と交流があったな」
「……ええ」
「そこに一匹の黒犬が、すこしのあいだ身を寄せたはずだ。道真、お前さん……その犬の最期を知っとるか」
一瞬の静寂。
そののちに、
「黒犬」
と低い声でつぶやいたのを契機に、道真はぽつりと話をはじめた。
現代の日本において、日本三大怨霊として言われているうちのひとりである。ちなみに、先日八郎のもとに現れた崇徳院もそのうちのひとりであるらしい。
彼の生涯は崇徳院同様、極めて波乱万丈だった。
父である菅原是善の血を濃く継いだか、幼少の頃より詩歌に秀でて頭もよく、若年十八歳にして文章生となる。当初は家格に応じて文人社会に身を置いていたが、当時の宇多天皇にその才を見出され、政治の世界にも足を踏み入れることとなったとか。
よほどに重用された道真は出世も早く、宇多朝末期頃には、太政官ツートップのひとりとして君臨するまでに至るのである。
しかし宇多から醍醐に天皇が変わると、徐々に雲行きが怪しくなっていく。
道真の掲げる国家体制に不満を持つ保守派や、異例の昇進を見せていく道真を妬む者たちの手によってあらぬ嫌疑をかけられ、大宰府へと左遷。不遇な晩年を過ごした。
今では『学問の神様、至誠の神様』として太宰府天満宮他神社に祀られているが、当時は道真の死後に道真左遷に関係した人物が相次いで亡くなったことを受け、道真の祟りとして恐れられた過去もある。──
自宅門扉の前で、ひととおりをネットで調べた八郎は「ああ」と薄い返事をした。
「知ってんで、大宰府天満宮の神様やろ。ちょうどもうすぐ修学旅行で大宰府行くことなってんから、よう調べたもん──えっ、ていうことは天満宮行く前にそこの神さまに会うてもたってことやん。これすごいことちゃう?」
と無邪気にわらう八郎に、小町と業平はおかしそうに肩を揺らす。
「八郎さまったら、大宰府に行かれるのね」
「うん。高村学級はみんな頭わるいやつばっかりやさかい、すこしは道真公の恩恵もろうとけって先生がいうててん。な、先生」
「ああ、けっこう切実にな」
「ハハハッ。たしかに、彼は非常に秀才だったからね。まあ──ゆえに最後は大変だったそうだが」
業平がおだやかに微笑する。そのことばを受けて、八郎は眉をしかめた。
「なんで頭のええ人とか、いろんなことに優れとって将来有望な人ってすぐどっか遠くに追いやられるんスか。高村センセかて文武両道やったのに隠岐に行かされたいうし」
崇徳院の生涯を追ったときから、理不尽な処遇にたいして敏感になっている八郎。さきほどネットで軽く調べたかぎりでも道真の境遇はとうてい納得のできるものではなかった。
高村は軽くわらったのち、深くうなずく。
「それはな、頭がええ人間はほんの一部で大半の人間は頭の出来がそうよくないために、頭の良い人間の考え方が理解できひんからや。悲しいかな、この国は多数決というものがある。ゆえに必然的に頭のわるい人間が主張する言葉に流されてまうねん」
と経営コンサルタントのようなことを口走り、高村はつづけた。
「けれど悪いことは出来ひんな。結局は自責の念に駆られて死んでいく。みなが恐れる祟りちゅうんは、結局は自身の中で生み出す場合がほとんどやねん」
「…………」
八郎はムッとした顔で押し黙る。
しかし道真はひとり、しきりに高村に視線を向けてはそわそわと落ち着かない。すかさず業平はにっこりわらって、
「どうした道真。いつでも襟を正していたおまえが、ずいぶんと落ち着きのないようすだ」
と茶化しはじめた。
「あ、もしかしてあれかな。黒歴史を知っている私がいると気が散るかな。大丈夫大丈夫、若い男なんてみんなそんなもんだよ」
「業平どのッ」
道真は耳を真っ赤に染めて憤慨する。
その肩をなだめるように小町がそっと手を添えた。
「わかりますわ。この人のこういうところ──ほんとうに人がおわるいのよね。いっぺん死んだって治りゃしないのだから」
「……そちらは」
「あ、生前はお逢いしませんでしたね。わたくし、小野小町と申します」
「…………」
恭しく頭を下げる小町を見て、道真はびくりと肩を揺らした。
女流歌人──小野小町。
その名を、彼女と同時代に生きた菅原道真が知らぬはずもない。
「あなたが小町どのですか」
「ええ。あなたのことは業平からよくうかがっておりましたよ。秀才といわれながら、お若いころはなかなかの悪童だったそうではないですか。ふふふッ」
「業平ァ!」
と道真が肩を怒らせる。
「道真」
ふいに、高村がずいと前に出た。
とたん道真の肩が跳ね上がる。
「あ、」
すると先ほどまでの不愛想な顔はいっぺんし、若々しきその表情にはパッと晴れやかな笑顔が咲いた。
「篁どの!」
「久しいな、おぬしの父君にはよく世話になったものだ」
「とんでもございません。父の懇意にしていた友人として篁どのの御名はよく──幾度かお話させていただいた折には、幼いながら篁どのの見識の深さに驚嘆しておりました」
業平に見せていた険しい顔はどこにもない。
まるで現代の子どもが戦隊ヒーローに会ったような感激ぶりに、八郎はたじろいだ。
「た、高村先生。それよりなんでこの人……急にこうやって現れたんスか? おれ別に和歌聞いたわけとちゃうし、ほんまにとつぜんのことで何がなんだか」
「ああ」
うなずく高村の顔が険しい。
「和歌は先ほど夢路で詠んだ。こうして言霊の姿で此岸にあらわれてもろうたんは、俺の指示や」
という声色もどこか暗い。
業平と小町は顔を見合わせ、首をかしげた。
「道真、お前に聞きたいことがある。すこし顔を貸せ」
※
場所は、高村の住む廃屋にうつった。
買い出しの帰りだった八郎はいそいでマヨネーズをゆきに手渡し、ともに高村邸へと向かう。その道中で小町と業平は『式』から言霊へと姿を戻し、高村は廃屋につくなりソファに腰かけてぐったりと身体をあずけた。
そのようすに八郎が眉を下げる。
「先生、最近疲れてへん?」
「そうなのです八郎さま。おもうさまったら近ごろ様子がおかしいのですよ。再三どうしたのかと聞いているのですけれど、まったく教えてくださらないの」
小町の声にはトゲがある。
どうやら彼女も娘なりに心配しているようだ。しかし高村はハッと鼻でわらった。
「疲れるもんか。しょせんは俺かてつくりもんの身体や、過労死なんてもんはせえへんから安心しい──ちょっと考えることがあるだけや」
と、背もたれにもたれていた首をゆっくりと起こす。
「道真」
「はい」
「お前は生前、巨勢金剛と交流があったな」
「……ええ」
「そこに一匹の黒犬が、すこしのあいだ身を寄せたはずだ。道真、お前さん……その犬の最期を知っとるか」
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