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第八夜
第48話 女の正体
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恐怖で声が出ない。
もっとも、恐怖以前に声は出ないのだが。
白狐面の女に俵担ぎをされた灯里の心情はいま、恐怖と冷静の狭間で揺れ動く。少女を抱えて走りながら息ひとつ乱さぬ女がとあるプレハブ倉庫へと駆けこんだ。倉庫内は昼間の陽光一切が遮断されているのか真っ暗で、入口の扉を閉めると一気に闇の世界となる。女は腰元からちいさなライトを取り出した。
心もとない明かりを頼りに、しかし女の足は怖気づくこともなく、まっすぐに倉庫の奥へと歩いていく。使われていないのだろう、物はほとんどない。
「────」
奥まで来たところで、女は灯里を下ろした。
逃げようにもあまりの暗さにからだが強ばってしまって、灯里はその場に棒立ちした。暗闇のなか、女の白面がぼうと浮かぶ。色味のない無機質なお面がまっすぐこちらを見据えた。背筋がぞくりと凍てついた。
──おにいちゃん。
まじないのように呼びかける。
届かずとも、恭太郎に呼びかけることで灯里のなけなしの勇気が湧くからだ。
女が、灯里の背をとんと押した。暗闇のなかで平衡感覚をうしなった灯里は、容易に奥の壁の方へよろめき、尻餅をつく。とっさに受け身をとろうと地面についた手が、ぐにゃりとした嫌な感触をおぼえた。
なんだろう?
と、左右に目を落としてみるが、暗くて見えない。
「見たい?」
ふいに。
面をつけた女が聞いてきた。
灯里はおどろいて女に視線をもどす。彼女は手中のライトをカチカチと明滅させて、すこし笑っているようだった。
「明かりをつけましょうか」
女はカツ、と靴音を鳴らして灯里の横を通り、ガサゴソと衣擦れの音をさせながら何かをしている。尻餅をついたまま首をひねってうしろを見ると、そこにふたつの灯明が差した。ろうそくに火が灯ったのだ。
闇のなか、揺らめく火によって次第に周囲のようすがぼんやりと浮かび上がってきた。灯里の目が暗闇に慣れたせいもあるだろう。手始めに灯里の手が触れたものが視界に飛び込んできた。と、同時に灯里はいきおいよく飛び上がった。
二本の腕。
ぐにゃりとした感触は、変色した皮膚によるものだったのである。無造作に棄てられたそれらを前に、灯里は胸底から込みあがる嫌悪感によってはじけるように泣き出した。とはいえ声は出ない。乾いた空気の音が喉からすかすかと出るばかりだが、瞳からはダム決壊したように涙がぼろぼろ溢れてきた。
こわい。
こわい。
わからない。
どうして?
逃げたくて、しかし闇のなか身体を動かすのも怖くて、灯里はただ腕から離れようと後ずさりをする。女はなにが可笑しいのかクスクスと笑いをこぼしながら、ふたたび灯里に近づいてきた。
たすけて。
助けて。
おにいちゃん!
「あかりッ」
声。
同時に、入口のアルミ扉が開かれた音がした。
突如倉庫内に差し込まれた陽光に、灯里はわずかに怯む。が、すぐにそちらへ目を向けると、逆光のため見えたのはシルエットだけだが、それがだれかはすぐに分かった。
長い手脚。豊かな髪。すらりとバランスのよい体躯──。
恭太郎だ。
「!」
その背後には息を切らしたふたつの影もある。
先ほど倉庫内で拳銃を発砲していた大人たちであろう。灯里は踵を返し、扉に向かって走り出した。
恭太郎がこちらに駆けてくる。
つづいて長髪の男もまた、恭太郎を追いかけるように駆けだした。灯里の背後から、
タァン。
と、乾いた音がした。
灯里の右耳当たりを風が切った。おもわず足を止める。
目前の光景がスローモーションのように目に映った。
駆ける恭太郎。
うしろから、長髪の男が手を伸ばして恭太郎を引き寄せる。
そのままかばい抱くようにこちらに背を向け、ゆっくりとその場に頽れて──。
男──黒須景一はどうっと音を立てて地面にころがった。
「景一さんッ」
もうひとりの男がさけぶ。
恭太郎はいっしゅん足を止め、景一のからだに視線を落とす。その瞬間に灯里の腕はぐいとうしろに引っ張られた。白面女が左手では灯里を抱え、右手では硝煙をあげる銃口を彼らに向けていた。
「ヤロウ」
恭太郎がつぶやき、姿勢を低くして女に飛び掛かる。
すかさず右手で照準を合わせて引き金を引こうとした女だが、その瞬間に灯里がはげしく暴れたために目測が狂い、引くに引けず。恭太郎の華麗な回し蹴りが女の顔面を襲った。
首を引いて間一髪に避けた女だが、彼の足が思いのほか長く、女の白面をかすめる。その衝撃によって白狐面がはらりと地に落ちた。
「────やっぱりアンタだったのか」
恭太郎が唸るように言った。
えっ、と灯里が顔をあげる。顔を見て、凍り付いた。
──いっしょにアイスクリーム、食べに行こ。
あのとき、本屋から自分を連れ出らした女の顔だった。
おもえば先ほどの声もどこか聞き覚えがあった。その記憶は間違っていなかったようだ。灯里は誘拐未遂のことをおもい出し、背筋がぞおっと寒くなった。
なぜ恭太郎も知っているのか。
灯里はあわてて彼に目を向け、ハッと息を呑んだ。いまだかつて見たことのないほど、怒りに満ちた表情を浮かべている。
「その分だと、本格的に母親ごっこはやめたみたいだな。そもそも母親の義務だって果たしていたようには見えなかったけど」
「その節はどうもね、藤宮恭太郎くん」
女は切れ長の瞳をうっそりと細めて微笑んだ。
古賀佳苗──一花の母を名乗っていた、あの女である。
貴様ァ、と岩壁の咆哮が響く。
恭太郎を押しのけて前に進み出た彼の手は、すでにセイフティーが外された拳銃を構えていた。銃口が狙うは女の脳天のようだがイレギュラーが発生すれば灯里に当たる可能性も高い。
恭太郎は岩壁の肩を押さえて引き寄せた。
「やめろ。あかりに当たる」
「そんなへまはしない!」
「あの女、普通じゃないのはわかるだろ?」
「────」
聞かずとも、彼の声はわかる。
景一を撃たれたことに動揺し、こみ上げる怒りのため冷静になれていないのだ。岩壁は知ったことか、と引き金に指をかけた。が、直後倉庫内にふたたび破裂音が轟く。同時に、岩壁がうしろへふっ飛んだ。
恭太郎があわてて振り向くと、岩壁は右上腕部をおさえてうめいている。出血はそれほど多くない。どうやら女の放った弾丸が掠ったらしい。
硝煙のあがる銃口を見て、灯里はがちがちと口内をふるわせる。
「バカはきらい」
女がつぶやいた。
恭太郎がゆっくりと顔を戻す。
彼女の構える銃口は、こんどはまっすぐ恭太郎の心の臓を狙っていた。
「あなたの身体は、極力傷つけたくはなかったけれど、これ以上食って掛かるようなら仕方がない。さいあく顔さえ傷つけなければミッションクリアだから」
「あいにくだけど、僕はそんなくだらないお遊びに付き合ってやれるほど寛容じゃないのだ。イッカをほったらかしにしてまで、長年いったいなんの研究をしているのかと思っていたが──死者蘇生? そんなくだらんことを目指していたとは」
「くだらない?」
佳苗の顔から笑みが消えた。
しかし恭太郎は怯まない。
「くだらないだろ。やっとこの世から解放された人間を、わざわざこっちのエゴで呼び戻していったいなにがしたいんだ?」
「ええ。ほんとうに──くだらない。何がしたいのでしょうね」
「は?」
「けれどそこに私の意思もない。蘇生術を確立させることが、私の役目よ」
がちゃり。
ふたたび女が拳銃を構え直した。
タァン。
銃声が鳴った。
が、恭太郎のからだは無傷である。
音がどこから鳴ったのか、恭太郎には分かっていた。
ゆっくりと振り返る。
先ほどまで腹部を撃たれてころがっていた景一が、うつぶせたまま上体を起こして、硝煙のあがる拳銃を構えていた。
ワンテンポ遅れたあと、灯里の背後で女ががくりと膝をつく。その手からぽろりと拳銃が落ちたのを確認した灯里はハッと顔をあげて恭太郎のもとへと駆けだす。
胸に飛び込む彼女をしっかと受け止めてから、恭太郎がすばやく景一のそばへ寄った。
「ケイさん」
「はぁ──はぁ。い、いてえぜ。ちくしょう──」
言いながら力尽きたように地面に頬をつける。
しかし喋ることはやめなかった。
「よお、お前の旦那が──ショック受けていたよ。まだうちにいる、から。迎えに来いよ」
「────フ。分隊応援がないって時点でお察しだわ。これは分が、わるそうね」
「うぐっ、」
景一がガハッと血を吐いた。
灯里は泣きそうな顔で景一の手をきゅっと握る。
「嗚呼──ハァ、は、はは──ごめ、ごめんな。またこわい思いを、させて」
「────」
「生きててよかった──」
その言葉を最後に、景一は意識をうしなった。
直後のことだ。
「恭!」
という声とともに沢井が駆け込んできた。
恭太郎と灯里がそちらに気をとられた隙に、女は忽然と姿を消した。
もっとも、恐怖以前に声は出ないのだが。
白狐面の女に俵担ぎをされた灯里の心情はいま、恐怖と冷静の狭間で揺れ動く。少女を抱えて走りながら息ひとつ乱さぬ女がとあるプレハブ倉庫へと駆けこんだ。倉庫内は昼間の陽光一切が遮断されているのか真っ暗で、入口の扉を閉めると一気に闇の世界となる。女は腰元からちいさなライトを取り出した。
心もとない明かりを頼りに、しかし女の足は怖気づくこともなく、まっすぐに倉庫の奥へと歩いていく。使われていないのだろう、物はほとんどない。
「────」
奥まで来たところで、女は灯里を下ろした。
逃げようにもあまりの暗さにからだが強ばってしまって、灯里はその場に棒立ちした。暗闇のなか、女の白面がぼうと浮かぶ。色味のない無機質なお面がまっすぐこちらを見据えた。背筋がぞくりと凍てついた。
──おにいちゃん。
まじないのように呼びかける。
届かずとも、恭太郎に呼びかけることで灯里のなけなしの勇気が湧くからだ。
女が、灯里の背をとんと押した。暗闇のなかで平衡感覚をうしなった灯里は、容易に奥の壁の方へよろめき、尻餅をつく。とっさに受け身をとろうと地面についた手が、ぐにゃりとした嫌な感触をおぼえた。
なんだろう?
と、左右に目を落としてみるが、暗くて見えない。
「見たい?」
ふいに。
面をつけた女が聞いてきた。
灯里はおどろいて女に視線をもどす。彼女は手中のライトをカチカチと明滅させて、すこし笑っているようだった。
「明かりをつけましょうか」
女はカツ、と靴音を鳴らして灯里の横を通り、ガサゴソと衣擦れの音をさせながら何かをしている。尻餅をついたまま首をひねってうしろを見ると、そこにふたつの灯明が差した。ろうそくに火が灯ったのだ。
闇のなか、揺らめく火によって次第に周囲のようすがぼんやりと浮かび上がってきた。灯里の目が暗闇に慣れたせいもあるだろう。手始めに灯里の手が触れたものが視界に飛び込んできた。と、同時に灯里はいきおいよく飛び上がった。
二本の腕。
ぐにゃりとした感触は、変色した皮膚によるものだったのである。無造作に棄てられたそれらを前に、灯里は胸底から込みあがる嫌悪感によってはじけるように泣き出した。とはいえ声は出ない。乾いた空気の音が喉からすかすかと出るばかりだが、瞳からはダム決壊したように涙がぼろぼろ溢れてきた。
こわい。
こわい。
わからない。
どうして?
逃げたくて、しかし闇のなか身体を動かすのも怖くて、灯里はただ腕から離れようと後ずさりをする。女はなにが可笑しいのかクスクスと笑いをこぼしながら、ふたたび灯里に近づいてきた。
たすけて。
助けて。
おにいちゃん!
「あかりッ」
声。
同時に、入口のアルミ扉が開かれた音がした。
突如倉庫内に差し込まれた陽光に、灯里はわずかに怯む。が、すぐにそちらへ目を向けると、逆光のため見えたのはシルエットだけだが、それがだれかはすぐに分かった。
長い手脚。豊かな髪。すらりとバランスのよい体躯──。
恭太郎だ。
「!」
その背後には息を切らしたふたつの影もある。
先ほど倉庫内で拳銃を発砲していた大人たちであろう。灯里は踵を返し、扉に向かって走り出した。
恭太郎がこちらに駆けてくる。
つづいて長髪の男もまた、恭太郎を追いかけるように駆けだした。灯里の背後から、
タァン。
と、乾いた音がした。
灯里の右耳当たりを風が切った。おもわず足を止める。
目前の光景がスローモーションのように目に映った。
駆ける恭太郎。
うしろから、長髪の男が手を伸ばして恭太郎を引き寄せる。
そのままかばい抱くようにこちらに背を向け、ゆっくりとその場に頽れて──。
男──黒須景一はどうっと音を立てて地面にころがった。
「景一さんッ」
もうひとりの男がさけぶ。
恭太郎はいっしゅん足を止め、景一のからだに視線を落とす。その瞬間に灯里の腕はぐいとうしろに引っ張られた。白面女が左手では灯里を抱え、右手では硝煙をあげる銃口を彼らに向けていた。
「ヤロウ」
恭太郎がつぶやき、姿勢を低くして女に飛び掛かる。
すかさず右手で照準を合わせて引き金を引こうとした女だが、その瞬間に灯里がはげしく暴れたために目測が狂い、引くに引けず。恭太郎の華麗な回し蹴りが女の顔面を襲った。
首を引いて間一髪に避けた女だが、彼の足が思いのほか長く、女の白面をかすめる。その衝撃によって白狐面がはらりと地に落ちた。
「────やっぱりアンタだったのか」
恭太郎が唸るように言った。
えっ、と灯里が顔をあげる。顔を見て、凍り付いた。
──いっしょにアイスクリーム、食べに行こ。
あのとき、本屋から自分を連れ出らした女の顔だった。
おもえば先ほどの声もどこか聞き覚えがあった。その記憶は間違っていなかったようだ。灯里は誘拐未遂のことをおもい出し、背筋がぞおっと寒くなった。
なぜ恭太郎も知っているのか。
灯里はあわてて彼に目を向け、ハッと息を呑んだ。いまだかつて見たことのないほど、怒りに満ちた表情を浮かべている。
「その分だと、本格的に母親ごっこはやめたみたいだな。そもそも母親の義務だって果たしていたようには見えなかったけど」
「その節はどうもね、藤宮恭太郎くん」
女は切れ長の瞳をうっそりと細めて微笑んだ。
古賀佳苗──一花の母を名乗っていた、あの女である。
貴様ァ、と岩壁の咆哮が響く。
恭太郎を押しのけて前に進み出た彼の手は、すでにセイフティーが外された拳銃を構えていた。銃口が狙うは女の脳天のようだがイレギュラーが発生すれば灯里に当たる可能性も高い。
恭太郎は岩壁の肩を押さえて引き寄せた。
「やめろ。あかりに当たる」
「そんなへまはしない!」
「あの女、普通じゃないのはわかるだろ?」
「────」
聞かずとも、彼の声はわかる。
景一を撃たれたことに動揺し、こみ上げる怒りのため冷静になれていないのだ。岩壁は知ったことか、と引き金に指をかけた。が、直後倉庫内にふたたび破裂音が轟く。同時に、岩壁がうしろへふっ飛んだ。
恭太郎があわてて振り向くと、岩壁は右上腕部をおさえてうめいている。出血はそれほど多くない。どうやら女の放った弾丸が掠ったらしい。
硝煙のあがる銃口を見て、灯里はがちがちと口内をふるわせる。
「バカはきらい」
女がつぶやいた。
恭太郎がゆっくりと顔を戻す。
彼女の構える銃口は、こんどはまっすぐ恭太郎の心の臓を狙っていた。
「あなたの身体は、極力傷つけたくはなかったけれど、これ以上食って掛かるようなら仕方がない。さいあく顔さえ傷つけなければミッションクリアだから」
「あいにくだけど、僕はそんなくだらないお遊びに付き合ってやれるほど寛容じゃないのだ。イッカをほったらかしにしてまで、長年いったいなんの研究をしているのかと思っていたが──死者蘇生? そんなくだらんことを目指していたとは」
「くだらない?」
佳苗の顔から笑みが消えた。
しかし恭太郎は怯まない。
「くだらないだろ。やっとこの世から解放された人間を、わざわざこっちのエゴで呼び戻していったいなにがしたいんだ?」
「ええ。ほんとうに──くだらない。何がしたいのでしょうね」
「は?」
「けれどそこに私の意思もない。蘇生術を確立させることが、私の役目よ」
がちゃり。
ふたたび女が拳銃を構え直した。
タァン。
銃声が鳴った。
が、恭太郎のからだは無傷である。
音がどこから鳴ったのか、恭太郎には分かっていた。
ゆっくりと振り返る。
先ほどまで腹部を撃たれてころがっていた景一が、うつぶせたまま上体を起こして、硝煙のあがる拳銃を構えていた。
ワンテンポ遅れたあと、灯里の背後で女ががくりと膝をつく。その手からぽろりと拳銃が落ちたのを確認した灯里はハッと顔をあげて恭太郎のもとへと駆けだす。
胸に飛び込む彼女をしっかと受け止めてから、恭太郎がすばやく景一のそばへ寄った。
「ケイさん」
「はぁ──はぁ。い、いてえぜ。ちくしょう──」
言いながら力尽きたように地面に頬をつける。
しかし喋ることはやめなかった。
「よお、お前の旦那が──ショック受けていたよ。まだうちにいる、から。迎えに来いよ」
「────フ。分隊応援がないって時点でお察しだわ。これは分が、わるそうね」
「うぐっ、」
景一がガハッと血を吐いた。
灯里は泣きそうな顔で景一の手をきゅっと握る。
「嗚呼──ハァ、は、はは──ごめ、ごめんな。またこわい思いを、させて」
「────」
「生きててよかった──」
その言葉を最後に、景一は意識をうしなった。
直後のことだ。
「恭!」
という声とともに沢井が駆け込んできた。
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