2 / 7
2話 イヴェエルの悩み
「今日はイヴェエル一人で来られたのですね」
馬に二人乗りをしながら、イヴェエルと私は草原を駆けていた――
「ああ、フーリュがいた方が話は盛り上がるが、今日はエスタレアと二人で話がしたかったからな」
「そうなんですね……」
改まって、何の話だろう?
わざわざ二人きりで話したいと言っているのだから、特別な話に違いない。
「ここら辺だな――」
イヴェエルがそう言って馬の足を止めたので、私達は馬から降りた。
「少し歩くぞ」
イヴェエルに案内されるまま私達は歩き出した。
しばらく歩いてたどり着いた丘の上で――
「わぁ!! きれーーい!!」
私は思わず歓喜の声を上げた。
急に視界が開けて見えた壮大な景色。
丘からは山脈に囲まれた美しい湖が一望できた。
また、様々な種類の鳥達が湖に集まっては飛んで行く姿が、この地の自然の豊かさを物語っているように見えた。
「俺が気に入っている場所なんだが……、エスタレアも自然が好きだと言っていたからな、もしかしたら喜んでもらえるんじゃないかと思ったんだ――」
「はい、とっても気に入りました。偉大な風景を見ていると、なんだか私の心まで豊かになったような気になれるから好きなんですよね――」
近くにこんな素敵な場所があるなんて、イヴェエルに連れて来てもらわなかったら知らなかった。
「そうか……、喜んでもらえたならよかった――」
「素敵な場所を教えていただき、ありがとうございます」
私がお礼を言うと、イヴェエルは少し照れた様子で微笑した。
「初めて逢った時に、戦場でできた傷をいきなり治癒魔法で治してもらったからな……。いつかお礼がしたいと思っていたんだ」
初めてイヴェエルに会った日、古傷が身体中にあったので治癒魔法で治させてもらったのだが、どうやらその時のお礼で今日は私をここに連れて来てくれたようだ。
「あの時は、初めて逢った俺にこんなに優しくしてくれる令嬢がいるのかと驚かされた……」
イヴェエルの古傷を見た時、何故か自然と治してあげたいという気持ちが湧いてきた。
私には彼が何かを背負っているようにも見えたから――
初対面で、そんな申し出をするのはどうかとも思ったが、話をすると治せるのであれば治してほしいという話になったので、治癒魔法で治させてもらった。
「私、ドジで自身の切り傷や怪我が多いので、治癒魔法だけは得意なんです」
私が苦笑しながら、そう言うと――
「フ、そんなエスタレアも、嫌いではないがな」
と、イヴェエルは微笑みながら言った。
「え、え、何を仰って――」
ダメなところも含めて、イヴェエルは私のことを認めてくれている。
ふと、そんな風に私は感じた……
その後も、素敵な景色を眺めながら、私達は心を開いて会話を楽しんだ――
◇
「それで、伝えたいと思っていた話なんだが――」
意を決して、俺はエスタレアに伝えておくべき話を始めた。
「はい」
「エスタレアは俺のことを立ててくれているようだが、俺はダルキス伯爵の実の子ではないんだ」
「……それは、どういう意味でしょうか?」
様子を見る限り、やはり、エスタレアは知らなかったようだ。
「ダルキス伯爵家には子どもがなかなか産まれなかったらしくてな。俺はフーリュが生まれる前に孤児院から引き取られた養子なんだ……。万が一、実の子が産まれなかった場合に備えて、俺を次期伯爵にと考えてのことだったらしいんだが――。その後、フーリュは無事に産まれた。だから、次に伯爵になるのはフーリュであって、俺ではないんだ」
「そうだったんですね……」
「――だから、他の領民と同じように、エスタレアもフーリュを次期伯爵だと思って俺に接してくれればいい。今日はそれを伝えたかったんだ」
「わかりました」
よかった。
どうやら、わかってくれたようだ……
「そうか、これで安心したよ。フーリュと一緒にエスタレアの家を訪問をすると、エスタレアだけが、いつも俺の名前を先に呼んでいたから気になっていたんだ――」
他の領民は次期伯爵であるフーリュの名前を、俺よりも先に呼んでいる。
――にもかかわらず、エスタレアはいつも俺の名前を先に呼んでいたことが気にかかっていた。
「え? それを変えるつもりはありませんよ……」
「ん、さっきわかったと言っていただろ?」
どういうことだ?
上手く伝わっていなかったのか?
「はい、フーリュが次期伯爵だということはわかりました。――ですが、イヴェエルがお兄さんなんですよね?」
「ああ、義理の兄ではあるが……」
「私にとっては、どちらが次期伯爵なのかということは関係ありません。イヴェエルとフーリュの関係は、兄弟としてしか見ていませんから――」
つまり……
エスタレアが俺の名前を先に呼んでくれていたのは、次期伯爵がフーリュだということを知らなかったからとかではなく、俺がフーリュの兄だから先に呼んでくれていたということなのか――
「フフ、そうか。エスタレアは俺のことを、そう見てくれているんだな……」
俺は思わず嬉しい気持ちになった。
そして――
ギュッ!
俺は衝動を抑えられずに、気がつくとエスタレアを抱きしめていた。
「イ、イヴェエル?!」
俺に抱きしめられて、エスタレアが驚いている。
それはそうだ。
伯爵の実の子ではない、本当はどこの誰なのかもわからない。
そんな男に抱きしめられて、嬉しいはずがない。
フーリュの方がエスタレアにふさわしいことはわかっている。
わかっているはずなのに……
「すまない、少しだけこうさせてほしい――」
「はい……」
ありがとう、エスタレア。
俺は心の中で、彼女の優しさに感謝した。
エスタレアと一緒にいると、何故か心に安らぎが宿る……
たとえ、その関係が永遠に続くものではなかったとしても――
馬に二人乗りをしながら、イヴェエルと私は草原を駆けていた――
「ああ、フーリュがいた方が話は盛り上がるが、今日はエスタレアと二人で話がしたかったからな」
「そうなんですね……」
改まって、何の話だろう?
わざわざ二人きりで話したいと言っているのだから、特別な話に違いない。
「ここら辺だな――」
イヴェエルがそう言って馬の足を止めたので、私達は馬から降りた。
「少し歩くぞ」
イヴェエルに案内されるまま私達は歩き出した。
しばらく歩いてたどり着いた丘の上で――
「わぁ!! きれーーい!!」
私は思わず歓喜の声を上げた。
急に視界が開けて見えた壮大な景色。
丘からは山脈に囲まれた美しい湖が一望できた。
また、様々な種類の鳥達が湖に集まっては飛んで行く姿が、この地の自然の豊かさを物語っているように見えた。
「俺が気に入っている場所なんだが……、エスタレアも自然が好きだと言っていたからな、もしかしたら喜んでもらえるんじゃないかと思ったんだ――」
「はい、とっても気に入りました。偉大な風景を見ていると、なんだか私の心まで豊かになったような気になれるから好きなんですよね――」
近くにこんな素敵な場所があるなんて、イヴェエルに連れて来てもらわなかったら知らなかった。
「そうか……、喜んでもらえたならよかった――」
「素敵な場所を教えていただき、ありがとうございます」
私がお礼を言うと、イヴェエルは少し照れた様子で微笑した。
「初めて逢った時に、戦場でできた傷をいきなり治癒魔法で治してもらったからな……。いつかお礼がしたいと思っていたんだ」
初めてイヴェエルに会った日、古傷が身体中にあったので治癒魔法で治させてもらったのだが、どうやらその時のお礼で今日は私をここに連れて来てくれたようだ。
「あの時は、初めて逢った俺にこんなに優しくしてくれる令嬢がいるのかと驚かされた……」
イヴェエルの古傷を見た時、何故か自然と治してあげたいという気持ちが湧いてきた。
私には彼が何かを背負っているようにも見えたから――
初対面で、そんな申し出をするのはどうかとも思ったが、話をすると治せるのであれば治してほしいという話になったので、治癒魔法で治させてもらった。
「私、ドジで自身の切り傷や怪我が多いので、治癒魔法だけは得意なんです」
私が苦笑しながら、そう言うと――
「フ、そんなエスタレアも、嫌いではないがな」
と、イヴェエルは微笑みながら言った。
「え、え、何を仰って――」
ダメなところも含めて、イヴェエルは私のことを認めてくれている。
ふと、そんな風に私は感じた……
その後も、素敵な景色を眺めながら、私達は心を開いて会話を楽しんだ――
◇
「それで、伝えたいと思っていた話なんだが――」
意を決して、俺はエスタレアに伝えておくべき話を始めた。
「はい」
「エスタレアは俺のことを立ててくれているようだが、俺はダルキス伯爵の実の子ではないんだ」
「……それは、どういう意味でしょうか?」
様子を見る限り、やはり、エスタレアは知らなかったようだ。
「ダルキス伯爵家には子どもがなかなか産まれなかったらしくてな。俺はフーリュが生まれる前に孤児院から引き取られた養子なんだ……。万が一、実の子が産まれなかった場合に備えて、俺を次期伯爵にと考えてのことだったらしいんだが――。その後、フーリュは無事に産まれた。だから、次に伯爵になるのはフーリュであって、俺ではないんだ」
「そうだったんですね……」
「――だから、他の領民と同じように、エスタレアもフーリュを次期伯爵だと思って俺に接してくれればいい。今日はそれを伝えたかったんだ」
「わかりました」
よかった。
どうやら、わかってくれたようだ……
「そうか、これで安心したよ。フーリュと一緒にエスタレアの家を訪問をすると、エスタレアだけが、いつも俺の名前を先に呼んでいたから気になっていたんだ――」
他の領民は次期伯爵であるフーリュの名前を、俺よりも先に呼んでいる。
――にもかかわらず、エスタレアはいつも俺の名前を先に呼んでいたことが気にかかっていた。
「え? それを変えるつもりはありませんよ……」
「ん、さっきわかったと言っていただろ?」
どういうことだ?
上手く伝わっていなかったのか?
「はい、フーリュが次期伯爵だということはわかりました。――ですが、イヴェエルがお兄さんなんですよね?」
「ああ、義理の兄ではあるが……」
「私にとっては、どちらが次期伯爵なのかということは関係ありません。イヴェエルとフーリュの関係は、兄弟としてしか見ていませんから――」
つまり……
エスタレアが俺の名前を先に呼んでくれていたのは、次期伯爵がフーリュだということを知らなかったからとかではなく、俺がフーリュの兄だから先に呼んでくれていたということなのか――
「フフ、そうか。エスタレアは俺のことを、そう見てくれているんだな……」
俺は思わず嬉しい気持ちになった。
そして――
ギュッ!
俺は衝動を抑えられずに、気がつくとエスタレアを抱きしめていた。
「イ、イヴェエル?!」
俺に抱きしめられて、エスタレアが驚いている。
それはそうだ。
伯爵の実の子ではない、本当はどこの誰なのかもわからない。
そんな男に抱きしめられて、嬉しいはずがない。
フーリュの方がエスタレアにふさわしいことはわかっている。
わかっているはずなのに……
「すまない、少しだけこうさせてほしい――」
「はい……」
ありがとう、エスタレア。
俺は心の中で、彼女の優しさに感謝した。
エスタレアと一緒にいると、何故か心に安らぎが宿る……
たとえ、その関係が永遠に続くものではなかったとしても――
あなたにおすすめの小説
「君は悪役令嬢だ」と離婚されたけど、追放先で伝説の力をゲット!最強の女王になって国を建てたら、後悔した元夫が求婚してきました
黒崎隼人
ファンタジー
「君は悪役令嬢だ」――冷酷な皇太子だった夫から一方的に離婚を告げられ、すべての地位と財産を奪われたアリシア。悪役の汚名を着せられ、魔物がはびこる辺境の地へ追放された彼女が見つけたのは、古代文明の遺跡と自らが「失われた王家の末裔」であるという衝撃の真実だった。
古代魔法の力に覚醒し、心優しき領民たちと共に荒れ地を切り拓くアリシア。
一方、彼女を陥れた偽りの聖女の陰謀に気づき始めた元夫は、後悔と焦燥に駆られていく。
追放された令嬢が運命に抗い、最強の女王へと成り上がる。
愛と裏切り、そして再生の痛快逆転ファンタジー、ここに開幕!
悪役令嬢の役割を演じきり、婚約破棄で自由を手に入れた私。一途な騎士の愛に支えられ、領地経営に専念していたら、元婚約者たちが後悔し始めたようで
黒崎隼人
ファンタジー
「悪役令嬢」の断罪劇は、彼女の微笑みと共に始まった――。
王太子に婚約破棄を突きつけられた侯爵令嬢エルザ・ヴァイス。乙女ゲームのシナリオ通り、絶望し泣き叫ぶはずだった彼女が口にしたのは、「その茶番、全てお見通しですわ」という、全てを見透かすような言葉だった。
強制された役割から自ら降りたエルザは、王都の悪意を背負いながら、疲弊した領地へと帰還する。そこで彼女を待っていたのは、世間の冷たい目と、幼い頃に救った孤児――騎士レオン・ベルナールの変わらぬ忠誠心だった。
「あなたが悪役などであるはずがない」。彼の言葉に導かれ、エルザは己の才能と知性を武器に、領地の改革に乗り出す。一方、シナリオから外れた王都では、王太子ルキウスやヒロインのリアナが、抱える違和感と罪悪感に苦しんでいた。
しかし、エルザを陥れようとする新たな陰謀が動き出す。果たしてエルザは、自らの人生を切り開き、本当の幸せを掴むことができるのか? そして、ゲームの呪縛から解き放たれた者たちの運命は――。
これは、悪役令嬢という仮面を脱ぎ捨て、真実の愛と自己実現を手にする、美しくも力強い逆転の物語。あなたもきっと、彼女の選択に心を揺さぶられるでしょう。
「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった
歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。
だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」
追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。
一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。
誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。
「その言葉は、もう翻訳できません」
偽りの呪いで追放された聖女です。辺境で薬屋を開いたら、国一番の不運な王子様に拾われ「幸運の女神」と溺愛されています
黒崎隼人
ファンタジー
「君に触れると、不幸が起きるんだ」――偽りの呪いをかけられ、聖女の座を追われた少女、ルナ。
彼女は正体を隠し、辺境のミモザ村で薬師として静かな暮らしを始める。
ようやく手に入れた穏やかな日々。
しかし、そんな彼女の前に現れたのは、「王国一の不運王子」リオネスだった。
彼が歩けば嵐が起き、彼が触れば物が壊れる。
そんな王子が、なぜか彼女の薬草店の前で派手に転倒し、大怪我を負ってしまう。
「私の呪いのせいです!」と青ざめるルナに、王子は笑った。
「いつものことだから、君のせいじゃないよ」
これは、自分を不幸だと思い込む元聖女と、天性の不運をものともしない王子の、勘違いから始まる癒やしと幸運の物語。
二人が出会う時、本当の奇跡が目を覚ます。
心温まるスローライフ・ラブファンタジー、ここに開幕。
【完結】「お前に聖女の資格はない!」→じゃあ隣国で王妃になりますね
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
恋愛
【全7話完結保証!】
聖王国の誇り高き聖女リリエルは、突如として婚約者であるルヴェール王国のルシアン王子から「偽聖女」の烙印を押され追放されてしまう。傷つきながらも母国へ帰ろうとするが、運命のいたずらで隣国エストレア新王国の策士と名高いエリオット王子と出会う。
「僕が君を守る代わりに、その力で僕を助けてほしい」
甘く微笑む彼に導かれ、戸惑いながらも新しい人生を歩み始めたリリエル。けれど、彼女を追い詰めた隣国の陰謀が再び迫り――!?
追放された聖女と策略家の王子が織りなす、甘く切ない逆転ロマンス・ファンタジー。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
前世が人気声優だった私は、完璧に悪女を演じてみせますわ!
桜咲ちはる
恋愛
「セイヴァン様!私のどこが劣ってると言うのです!セイヴァン様にふさわしいのは私しかいないわ!」
涙を堪えて訴えかける。「黙れ」と低く冷たい声がする。私は言葉を失い、彼女が床に座り込むのをじっと見つめる。そんな行動を取るなんて、プライドが高い彼女からは到底考えられない。本当に、彼女はセイヴァンを愛していた。
「レイン・アルバドール。貴様との婚約は、この場をもって破棄とする!」
拍手喝采が起こる。レイン・アルバドールは誰からも嫌われる悪女だった。だが、この数ヶ月彼女を誰よりも見てきた私は、レインの気持ちもわかるような気がした。
「カット」
声がかかり、息を吐く。周りにいる共演者の顔を見てホッとした。
「レイン・アルバドール役、茅野麻衣さん。クランクアップです!」
拍手と共に花束を渡される。レインのイメージカラーである赤色の花束を、そっと抱きしめる。次のシーズンがあったとしても、悪女レインはもう呼ばれないだろう。私は深々とお辞儀をした。
「レインに出会えて幸せでした」
【氷の公爵のお姫様】100万部を突破し、アニメ化された大人気の異世界転生ファンタジー。悪役令嬢レイン・アルバドール役の声優が家に帰ると異世界転生してしまった。処刑を回避したい、けどヒロインと公爵をくっつけなければ世界は滅んでしまう。
そんな世界で茅野麻衣はどう生きるのか?
小説家になろう様にも同じ作品を投稿しています。