異世界転生しましたが、魔王も復活してヤンデレ勇者も転生してきました

KOUAN

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転生者と魔王

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「では、ロズ様。御召し物を変えますので、こちらまで」


隣の部屋へ案内されると、数え切れないほどのドレスや装飾品が並んでいた。
その中央に立たされるが、ロズは圧倒される色とりどりの景色に目を眩ませる。
ノワはロズにドレスを合わせながら、あれでもない。これでもない。と部屋中を走り回った。


ノワが悩んだ結果、ドレスは真紅の物が選ばれたが、フリルやレースが多くて歩きにくく、普段着慣れていないロズには不釣り合いに思えた。


「これから魔王様にお会いするので、ロズ様には着飾って頂かないと」


「なんだか緊張してきたかも」


ロズは鏡の前で背筋を伸ばし、少しでも様になるように意識をする。エバーティムで王と会った時にはいた、スリザスやエリオもこの場所には居ない。
気を引き締めて、謁見の間へ向かった。


-*-



謁見の間へ入る扉はドラゴンの骨で装飾されており、いかにもラスボスへの入り口といった外見だった。表情に表れていたのか、ノワが困ったように説明する。


「こちらは先代魔王様に仕えていた竜の遺骸を模したものでして、イミテーションとなっております。竜の骨は魔除けとして重宝されており、謁見の間を守る象徴なのです」


何故魔王に魔除けなのか。とロズも考えたが、この世界のと付くものには様々な事柄がある。
魔王、魔族、魔物、魔獣、等は人間から見ればしき存在としての印象があった。
しかし、魔法、魔術、魔力、これらは人間にとっても生活に関わる重要な事。

という言葉だけで見れば、しの区別は出来ない。
そして、今のロズには魔族が悪い存在という印象はない。


「人にだって、悪い奴はいる」


「ロズ様?」


「なんでもない。でも、美味しい紅茶を淹れてくれたノワちゃんは好き」


「……私もロズ様のお世話をさせていただき光栄なのです。嬉しいお言葉、ありがとうございます」


花が咲くように愛らしく笑い、ノワはロズの手を取る。


「さあ、魔王様がお待ちです。参りましょう」


手を触れずに開いた扉の先には、赤い絨毯が真っ直ぐに伸び、王座にその人物は腰を据えていた。傍らにはレフィナードの姿がある。


「ロズ様をお連れいたしました」


靴のヒールが沈みそうな絨毯を進む。一歩先を歩くノワがロズのペースに合わせて歩む。
王座の下まで着き、一礼する。魔王を前にした緊張感は薄く、ノワのリードがロズに安心感を与えていた。


「顔を上げて、楽にしなさい」


レフィナードに言われ、姿勢を正したロズは真っ直ぐに魔王と呼ばれる存在を前にした。


端正な顔立ちに、艶やかな黒髪。その頭には二本の角が存在し、人とは違う種族である事が一目でわかる。
年齢は20過ぎだろうか。少年というより、青年のような印象をうける。
美しさと、艶かしさを感じる雰囲気だが、その顔は蒼白くて今にも折れそうな線の細さがあった。


「……ロズ」


伏せ目がちだった目が徐々に開き、金色の双眸がロズの姿を捉えた。
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