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第一章 ボーイ・ミーツ・ツーディーガールズ

何てことだ!合法的に女湯に入れるなんて!!

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 俺の名前は神林慎一郎、何処にでもいる普通の高校生。

 ある日の買い物帰り、自動車に轢かれてガガガ戦記、正式名称ガールズ.ガーディアン.ガンガンダッシュ戦記というゲームの世界に飛ばされちゃった。これからどうしたら良いの?


 ーーというのが前回までのあらすじだ。
 ゲームの世界に行ってみたいとかは思ったことがあるが、実際に来れてしまい、嬉しさよりも困惑、そして若干の恐怖を感じている。

 一体どんなカラクリでこんな漫画のテンプレみたいな事が現実で起こったのだろうか?

 まあ、ここまでは分かる。←分からない。

 ただ、目の前で起こってる事態に、俺は震撼した。

「これがーー俺、いや、私?」

 目の前の鏡に映っているのは黒髪の美少女だ。

 俺が両手を上げると、少女も両手を上げ、セクシーなポーズをすれば、同じようにポーズをとる。

 鏡に映っているのは俺だ。俺はどうやら黒髪の美少女になっているようだ。

 ーって何でやねん!
 訳が分からない。なんでこんな事が立て続けにポンポン起こるねん。

 夢だ、そうだこれはきっと夢だ。
 なかなか覚めるのは惜しい夢だが、もう覚めよう。

 自分の胸を揉む。

 こういう時は頬をつねるのだが普通だが、折角この体なんだから良いだろう。

 うん、感触はある。ほうほう、これが胸の触り心地、なるほどなるほど。

「どうしたの?自分の胸なんか揉んで。」

「!、い、いや、何でも、無いです。」

 ツインリボンの少女、カナに話しかけられる。今してたことを見られ、焦りと羞恥の感情が沸き上がる。

 ここは東の国の女王アズの城。前回の戦いが終わった後に褒美として宿泊部屋を貸してくれたというわけだ。

 ここは間違いなくガガガ戦記の世界のようだ。そしてこれは夢なんかじゃない、胸の感触は触った事はないが恐らく本物だ。それだけは分かった。ただまだ分からないことが多すぎる。

「それでもまだ満足してないの?少し私に分けてほしいぐらいなのに。」

 カナは自分の胸を撫でる、その膨らみは小さい。

「ところで俺、いや私の名前って、何だっけ?」

 今思っている一つの疑問を尋ねる。

 カナはキョトンした顔を見せる。いきなりの話題の転換、いやそれでなくても訳の分からない質問だ。誰だってこうなるだろう。

「え?チ、チロじゃないの?」

 チロ、というのはガガガ戦記での自分の名前だ。ただこんな容姿はしていない。茶髪でおかっぱの中性的な少女というのがデフォルト主人公の設定、変更はできない。

 この黒髪の少女は何者なんだ?自分ではあるのだけれど。

「なんか変だよ?チロ。疲れてるんじゃない?」

 そう言うと、カナは何か思い出したように、

「そうだ!一緒にお風呂入ろうよ。湯槽凄く広かったよ!疲れも取れるし、ね!?」

 な、何だって!!一緒にお風呂だと!?もうそんな所までフラグが立っているのか!?

 いや、そういえば今の自分は黒髪美少女だった。しかし、今俺は合法的に女湯に入れるということか!!何てこったい!Fooooo!!!!

「ぜひ!一緒にご一緒させて下さいませ!!」

「う、うん、じゃあいこうか?」

 チロの高すぎるテンションにちょっと引きぎみにカナは銭湯に案内する。


 ーー銭湯に到着した。これだけ広い屋敷だ、入り口も男湯、女湯がありそれぞれ青と赤の暖簾みたいなのもある。

 先陣してカナが女湯に入る。チロは入り口目前で入るのを躊躇している。

「どうしたの?早くおいでよ?」

 そうは言っても、元男だ、それに最初はハイテンションの超エキサイティングだったのにいざとなると緊張して縮こまってしまう性格なのだ。

「もう、早くしなよ!!」

 カナが手を引っ張って中に連れ込む。ま、待て、まだ心の準備がーー。


 ーー脱衣場には誰もいなかった。残念なはずだが何故かホッとしていた。やはり俺はヘタレだ。

 するとすぐにカナが戸惑いも無く、服を脱ぎ始める。

 思わず目を離してしまう。童貞には刺激が強すぎる。ナニがあったらビンビンだろう。

 ガラガラと言う引き戸を開ける音が聞こえた。カナはもう浴槽に行ってしまったようだ。脱衣場は俺一人になってしまった。

 自分も服を脱ぎ始める。ーーなんか本当に女になってんだなと、そう思った。

 浴槽に向かう、その途中鏡に映った自分を見てなんとも言えない恥ずかしいような気持ちなり目を逸らした。

 引き戸を開ける。

 ーー湯槽の中央、カナが立っていた。一糸まとわぬ生まれたままの姿。色気もあるが何処か神々しい裸体。

 何故だか目を離すことができない。

「もお、遅いよ。呼びにいこうと思ったじゃん。」

 そう言うとカナは湯槽に肩まで浸かる。その隣少し離れた位置にチロも浸かる。

 するとーー

「えいっ!」

 カナがチロに飛び付き胸を揉みしだく。

「ぁうん!」

 自分でもドキッとするぐらい色っぽい声を出す。自分の声でハラハラするとは、体は女だが心は男のようだ。

 女の体は自分で胸を揉んだ時とは違う、なんか変な風に感じる。感じてしまう。

「へっへっへっ~、おっぱい寄越せ~。」

 喘ぎ声が浴槽内に響く。俺はこれから女として生きていくのだろうか。でもーー。

「ひゃっ!?」

 カナの胸を揉み返す。完全なセクハラだが今なら合法だ。

 やられた分はやり返す、倍返しだ。

「ぁぅん!」
「あぁん!」

 ーーまだ夜は続く。


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