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第二章 学園生活中等部編

17話 生徒会に入会!?

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 俺は普段と同じように図書室で魔王に付いて調べていた。
 当然アリエスとフリップも一緒にだ。
 ただ魔王の体に関する資料はなく無駄に時間だけが過ぎ去っていく。

(師匠、すみませんなかなか手がかりを見つけられなくて)
(いいさ、そう気にするんな。)
(ですが・・・・・・)
(大丈夫だ。 気長に行こーや)

 魔王はそう言ってくれる。
 気長にか、これだけ探しても手がかりひとつ見つからないとなるともうダメなんじゃ。
 いかんいかんそんなことを思っては。
 俺は今までこの魔王にお世話になってきた。
 その恩返しをしなければ。

 しかし今回も手がかりを見つけられず夕食の時間になった。

「アリエス、フリップ。 そろそろ夕食の時間です行きましょうか」
「もうそんな時間か」
「私お腹減ったわ。 早く行きましょ」

 そうして3人で学食へ向かう。
 俺は焼き魚とデザートに林檎パイ、フリップはステーキ、アリエスはソーセージとサラダを選んだ。
 3人で席につく、もちろんアリエスは俺の隣に座る。
 そして夕食を食べ始めた。
 アリエスが俺の林檎パイを食べたそうに見ていたので一口あげることにした。

「アリエス、一口いりますか?」
「え? いいの? なら貰うわ」

 俺はフォークで林檎パイを刺しアリエスの口元まで運ぶ。
 アリエスはそれをすぐさま食べた。

「美味しいわね」
「でしょう? ここの林檎パイは凄くいいんですよ」

 それを見ていたフリップが。

「君たちほんとに付き合ってないのか? 今のやり取りは完全に恋人同士だよ」

 その言葉で俺はハッと気づいた。
 これは恋人同士がするこれ食べてごらん、はいあ~んだ。
 アリエスも気づいたらしく顔を赤く染めている。
 そして、このフォークだ。
 アリエスの口に入っている。
 このまま使えば関節キス。
 フリップの一言で非常に気まづい空気が流れている。
 何とかしなければ。
 すると奥の席から1人の男が近づいてきて話しかけてきた。
 助かった、これでひとまずこの空気を脱せる。

「やぁ お食事中に悪いね! 君が特別生のルーク・エメラリアだよね?」
「はいそうですが。 何か用ですか?」
「俺は生徒会会長ギル・フェルナンド、君に少し話があってね、ここ座っていいかい?」
「どうぞ」

 生徒会会長ギルと名乗った男はフリップの隣に座った。
 生徒会長が俺に何のようだ。
 俺は何もしてないぞ。

「話というのは何でしょうか?」
「あぁ実はね君におりいって頼みがあるんだよ」 
「頼みとは?」
「是非我が生徒会に入ってはくれないかい?」

 ギルはそう俺を生徒会に勧誘してきた。

「生徒会ですか? でもなぜ僕が?」
「君は魔術大会でも優勝したし不良達を懲らしめたりしてるだろ? その君が生徒会に入ってくれればこれ程力強いことはないと思ってね」

 確かに不良達を懲らしめたりした。
 生徒会か、でも俺にはやるべき事があるこれ以上他に手が回らない。
 この話は断るべきだな。
 そう思って断ろうとするとフリップとアリエスが。

「ルーク凄いじゃないか! 生徒会に勧誘されるなんて」
「流石ルークね! この話引き受けるわ」

 フリップはいいが、アリエスまて俺はまだ何も言ってないぞ。

「是非お願いしたい。 生徒会からのお願いだ聞いてくれ」

 そこまで言われると断りずらい。
 一様魔王に聞いてみた。

(魔王様すみません。 また後回しになりそうです)
(気にすんな! これはお前の人生だ。 俺はたまたまそこに入り込んだだけでお前の好きなように生きろ)

 そう言ってくれた。
 好きなように生きろか・・・・・・
 いいことを言ってくれる。

「分かりました。 生徒会に入りましょう但し条件が一つあります」
「本当かい!? そして、条件とは?」
「ここにいるフリップとアリエスも一緒に生徒会に入れてください」

 こうなったら2人とも入れて道連れだ。
 勝手に話を進めてからに。
 2人は驚きながら。
「私達も生徒会に入らないと行けないの?」
「そうですよ、僕ひとりじゃ寂しいじゃないですか」
「俺は別にいいよ! ルークと一緒にいた方が安全だからね」
「フリップはいいと言ってますが、アリエスはどうします?」
「う~ん。 分かったわよ入ればいいんでしょ」
「よし決まりです! ギルさんこれで宜しいですか?」

 そう勝手に話を進めギルに聞くと。

「ああ! そんなことならもちろんいいさ! 丁度人手が足りなくて困っていたんだよ! よろしく頼むよ」

 快く引き受けてくれた。
 こうして俺達3人は生徒会に入ることになった。

「詳しい話は明日の放課後するから。 生徒会室まで来てくれ」

 そう言ってギルは去っていく。
 俺達も食事を早々に切り上げ各自寮へともどった。
 この時フォークを少し舐めたのは秘密だ。

 そして部屋に戻り魔王と会話をする。

(本当にすみません、師匠には色々なことを教えて貰いながら自分のことばかりで)
(あのなだから気にすんなって、お前の人生なんだからな)
(でも手がかり一つも見つけられてませんし・・・・・・)
(それは、しょうがねーよ、お前は頑張ってくれてるし俺は不満じゃない)
(そうですか・・・・・・ ありがとうございます)
(まあでも これだけ探してねーならここにはもう何も無いのかもな)

 魔王は少し残念そうにそう言った。

(あの師匠、最後に誰といたか覚えてせんか?)
(最後にいたのは確か・・・・・・ ダメだ思い出せない)

 魔王の記憶もダメか。
 どうすればいいんだろう。

(そう言えば師匠には兄弟がいますよね? その人たちなら何か知っているのでは?)

 そうだ魔王は五人兄弟でその人達なら何か知っているかも知れない。

(だめだ。 あいらは頼りにならん。)

 魔王はそう切り捨てた。
 そして何か閃いたように。

(でもあいつなら・・・・・・)
(あいつ?)
(いや気にすんな。 あいつには会いたくない)

 あいつとは誰だろうか。
 兄弟のうちの1人だろうか。

(でも師匠の事を知ってるかもしれないんですよね?)
(まあかもしれねーけど てかもうこの話は忘れろ。)

 魔王は話を無かったことにしようと話題を変えてきた。
 気になるけど魔王がいいならいいか。
 そして俺は眠気が来るまで魔王と語った。

 翌日言われたとうり放課後、俺達3人は生徒会室に行った。
 部屋をノックし中に入る。

「ルークです、失礼します」

 中にはギルと気だるそうに机に突っ伏している女の人がいた。

「やあ! 君達よく来てくれたね。 ささここに座ってくれ」

 俺達は用意されていた椅子に座る。

「改めてようこそ生徒会へ こちらの方は秘書のミーナ」
「ミーナ・ゲラルトよ。 よろしくね」

 ミーナはかなりだるそうに挨拶をした。
 他に人はいないのだろうか。

「あのー 他のメンバーはいないのですか?」

 そう聞くとギルは。

「ああ! 君達を入れて5人だ」
「えっ? これだけなんですか!」

 なら今まで2人で活動していたのか。
 生徒会ならもっと人がいるかと思ったのに。

「なかなか入ってくれる人がいなくてね。 君達が入ってくれて良かったよ」

 だからあんなに頼み込んでしかもあっさりフリップとアリエスの入会を認めたのか。

「早速仕事の説明をするよーーー」

 そう言ってギルは説明を始めた。
 まず生徒会は学校行事の企画を考え出しそれを教師達に提出したりするらしい。
 そして学園内で怒った喧嘩や揉め事などの問題解決、要するに治安維持。
 そして、学園内の生徒から寄せられた要望書などの整理、事務仕事。
 この三つが、主な仕事になるらしい。
 そして俺は治安維持の仕事に振り分けられた。
 アリエスも俺と同じ治安維持だ。
 フリップはミーナと一緒に事務仕事になった。

 こうして俺は生徒会の一員となり新しい生活が始まった。
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