魔王と転生! 魔王と一緒に世界を救う!?

魔王の手先

文字の大きさ
37 / 50
第三章 魔王の体捜索編

36話 自分とは

しおりを挟む
 翌日二日酔いの頭痛で目が覚める、痛い、俺はすぐさま水場に行き水を飲む。

「はぁ、昨日は飲みすぎたな」

 そんなことを呟いているとカルヴァがやって来た。

「貴様、まだ昨日の酒が残っているのか? だらしない奴じゃのぅ」

 カルヴァはあれだけ飲んでいたのにケロッとしている、さすがカルヴァナーナ様だ。

「あれだけ飲んで、平気なんですか?」
「平気じゃ、しかし貴様話し方が元に戻っておるぞ」

 カルヴァは俺の話し方が昨日と変わっていることに不満を抱いているようだ。

「いえ一応カルヴァナーナ様ですし、敬語を使った方がいいかと、それにいきなり話し方が変わっても・・・・・・」
「そうか、なら貴様の好きにせい、妾は前の方が好きじゃけどな」

 カルヴァはそう言って去っていく、そして俺は痛む頭を抱え、あのことを伝えるべくアリエスの元へ赴く。


 そう転生したことを伝えに、カルヴァに話してアリエスに話さないわけにはいかない、俺にとって一番重要なことだ。

 しかしアリエスは受け入れてくれるだろうか、俺はアリエスの部屋の前まで来て部屋をノックをする。

 アリエスからの返事はない、寝ているのか、俺はそっと扉を開ける、予想どうりアリエスはベットですやすや眠っている、アリエスの寝顔は非常に可愛い、まるで天使ようだ。

 俺はそっとアリエスに近づきその髪を撫でる、とても撫で心地のいい感触でいつまでも撫でていたい、そしてしばらく撫でているとアリエスの目が開く、アリエスと目が合う。

「おはよう、起きた?」
「起きたわ、おはよう」

 アリエスはまだ少し眠そうにしながら起き上がった。

「起きてすぐに悪いけど、話がある、聞いてくれ」

 俺は単刀直入にそう切り出す、回りくどいのは嫌いだ。

「ルーク変よ? いつもと雰囲気も違うし?」

 アリエスは俺の変化に戸惑っているようで、少し困惑しているように見える。

「今まで黙ってたことがある、それをアリエスに話そうと思って、大事なことだからちゃんと聞いて」

 俺は真剣な眼差しでアリエスを見つめそう言った。

「分かったわ」

 アリエスもそれを察してくれたようで、困惑しつつも話を聞いてくれると、そして俺は自分の話を始めた。

「アリエス、俺はこの世界の人間じゃないんだ」
「えっ? それは一体どういう事?」
「俺は元々別の世界の人間でそこで死に、この世界で生まれ変わりとして誕生した」
「生まれ変わって?」

 アリエスは訳が分からないという様子で俺の話を聞いている、俺はそんなアリエスに説明をするため話を続けた。

「そうだ、前世の俺は二十代半ばて死んでしまってこの世界に転生したんだ」
「転生? ならルークは他の世界から生まれ変わってきたってこと?」
  「うん、この世界とは別の世界から、だからアリエス達とは違う」
  「ルーク・・・・・・」

 アリエスの様子を見る限り、まだよく訳が分かってない気がする、そりゃそうかいきなりこんな話しをされても訳が分からないよな。

「話はそれだけ! 今まで黙っててごめん」

 俺はそうアリエスに謝る、とりあえず黙っていたことを謝らないといけないと思った。

「ルーク・・・・・・ 」

 アリエスはなんと言っていいか反応に困っている、俺もこの後なにを言えばいいか困っていた。

 二人の間に沈黙が流れる、アリエスは俺のことをどう思っただろうか、急に異世界の人間で、生まれ変わりと言われ、挙句の果てには皆と違うと、俺ならまず変人だと思い突き放すな、俺はそんなことを考えながら、その沈黙に耐えきれずいつもの口調でアリエスに問いかけた。

「アリエス、黙っていたことどう思ってますか?」

 アリエスはゆっくり口を開き、逆に質問をしてきた。

「何で今更そんなことを伝えたの? 黙っていても良かったんじゃない?」

 俺はなんで今更こんな話をアリエスに伝えようとしたんだろう、アリエスの言う通り黙っていても良かったはずだ。

 カルヴァに話したからか、いや違うなどうしてもアリエスには伝えて、ありのままの俺を知って欲しかったのだろう、俺にとって今のアリエスは一番大事な人だから。

 俺は今まで本当の自分をアリエスには隠して生きてきた。

    だから話して楽になりたかったのかも知れない、きっとアリエスは、俺にとってかけがえのない人だから、本当の俺を知って欲しかったんだ。

 俺はありのままの気持ちをアリエスに伝えることにした。

「アリエスには本当の俺を知って欲しくて、本気で好きになった人だから」

 そう言うとアリエスは顔を少し赤く染め。

「そう、私もルークが好きよ! たとえ転生者でも、私達と違う世界の人間でも、ルークはルークだわ! だからそんな些細なこと気にしないで」
「アリエス・・・・・・ ありがとう」

 アリエスはそんなことを気にするなと、俺にとって思ってもない反応をしてくれる、そうか、俺は俺だな、たとえ転生者でも、今はルーク・エメラリアで、村神悟はあの日あの世界で死んだ。

 今は二度目の人生で違う生き方をしている、だから前世など関係の無いことだ。

    俺はアリエスに話したことで何かスッキリした様な気持ちになった。

 ーーアリエスsaidーー

 朝誰かが私の髪を撫でる感触で目が覚めた、それはとても心地よく私の知ってる感覚だ。

 この撫で方はルークだ、私を起こしに来たのだろうか、私はそっと目を開け髪を撫でるルークに目を向ける、ルークは私におはようと挨拶をしてくる、私はそれに応える、しかしルークの様子がいつもと違うような気がする、なにか様子が変だ。

 そしてルークは私に話があると真剣な眼差しで、私を見つめ話をしてくる、口調もいつもと違う、なんだろう、まさか別れ話とかじゃないだろうか、そんなの嫌よ、私はルークのことが大好きなのに、私は意を決して話を聞いた。

    しかしルークの話は私の予想の上を超えるような内容で自分は別の世界の人間で前世の記憶を持ち転生したと、最初は訳がわからなかった。

    しかしルークの真剣な表情と口調でそれが嘘ではないこが分かる、今までルークが妙に大人ぽかったのもこれで納得がいった。

 ルークはそして私にこの事を黙っていてごめんと謝って申し訳なさそうにしている、別にそんなこと謝らなくてもいいのに、私にとってルークは特別な存在なのだから。

 でも何で今更こんな話をしてくれたんだろう、別に黙っていても良かったのに、私はそれが気になりルークにその事を聞いた。

 するとルークは少し考えてから、私の事が大好きだからと、私はその言葉を聞いてルークの転生の話など、どうでも良くなった。

 別にルークに変わりわない、たとえ前世の記憶を持っていようが、転生していようが、私達と違う世界の人間だろうが、ルークはルークだ。

 私は思ったことをそのままルークに伝え、気にしないでと、するとルークはお礼を言ってきた。

    別にお礼を言われるほどのことはしてないんだけど、ルークは何かスッキリしたような顔をしている、ルークにとってこの話はそれほど重要な事だったのだろう、私にとってはそんなことどうでも良かったのに、ルークが私のことを好きでいてくれたらそれで充分。

 でも、こんな話を私にしてくれて嬉しい、ルークにもっと近づけたような気がする、そしてルークの事をもっと知れた。

 私は嬉しい気持ちで一杯になった。

 ーールークsaidーー

 アリエスはありのままの俺を受け入れてくれ、転生した事など気にしなくていいと、アリエスは本当にいい子だ。

    俺はアリエスを一生大切にしようと心に決め、アリエスを見つめる。

「アリエス、本当にありがとうございます、こんないい人に好かれて僕は幸せ者です」
「そんなのいいわよ! あと話し方元に戻ってるわよ」
「こっちの方が僕らしいと思うんですけど?」
「なんか嫌だわ、これから私に敬語は禁止ね! あと俺の方が男らしくてカッコイイわ」

 アリエスは敬語が嫌だと、そして一人称は俺にしろと、確かに彼女に敬語はなんか少し変な感じがする、それと僕より俺と言った方がカッコイイか、ならそうしよう。

「わかった! ならアリエスには敬語は使わない、それとこれから自分のことは僕じゃなくて俺にするよ」
「これからも宜しくねルーク!」

 そう言ってアリエスは俺の目を見て笑いかけてくる、その笑顔がたまらなく可愛く、俺はとても愛おしい気持ちになった。

 そして二人で見つめ合う、これはキスの雰囲気だな、俺はアリエスの肩に手を回し自分の方へと引き寄せる、アリエスは俺に体を預けるようになすがまま引き寄せられ、そしてキスをする。

「アリエス、大好きだ」
「私も大好きよ」

 部屋は一気にピンクムードだ、そして俺はあることに気づく、そうだ俺の中にもう魔王ジルはいない、これはキス以上の事が出来るんじゃないか、しかしあんなシリアスな話をした後にこんなのでいいのか、いや考えてもしょうがないな。

 そう思い俺はアリエスをベッドに押し倒す、アリエスは抵抗しない、これはオッケーなのか、俺はそのままアリエスに深いキスをする、アリエスはそれを受け入れなすがままだ。

 そしてアリエスの服に手をかけた時、勢い良く部屋の扉が開かれ魔王ジルが入ってくる、俺は急いでアリエスから離れた。

「よぉ! あれ! もしかしてお前ら今からおっぱじめる所だったか?」
「違いますよ! てか師匠ノックもなしに何のようですか?」

 なんてデリカシーのない魔王なんだ、おっぱじめるってもっとこう言い方があるだろうに。

「いやな! もうミリア達が帰るそうだからお前らを呼びに来てだな! ヤるやなら時間稼いでやろーか?」
「そんなことしませんよ! アリエスとは清く正しくお付き合いしているので!」
「またまた嘘ばっかり! まあでもお前らがいいなら早く準備しろ!」

 全くもう、これだから魔王ジルは、何が時間を稼ぐだ。

 俺は清く正しく美しくお付き合いしているんだよ、それをおっぱじめるなんて、なんて卑猥な、そんな事を考えている俺をアリエスはジトッとした目で見ている。

 そんな目で見ないでくれ、あれは雰囲気に飲まれただけで俺は紳士である、うん、これからはちゃんと時と場所を選んでからそういう事をしよう、そう心に決め出発の準備を始めた。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

趣味で人助けをしていたギルマス、気付いたら愛の重い最強メンバーに囲まれていた

歩く魚
ファンタジー
働きたくない元社畜、異世界で見つけた最適解は――「助成金で生きる」ことだった。 剣と魔法の世界に転生したシンは、冒険者として下積みを積み、ついに夢を叶える。 それは、国家公認の助成金付き制度――ギルド経営によって、働かずに暮らすこと。 そして、その傍で自らの歪んだ性癖を満たすため、誰に頼まれたわけでもない人助けを続けていたがーー 「ご命令と解釈しました、シン様」 「……あなたの命、私に預けてくれるんでしょ?」 次第にギルドには、主人公に執着するメンバーたちが集まり始め、気がつけばギルドは、愛の重い最強集団になっていた。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

学年一可愛いS級の美少女の令嬢三姉妹が、何故かやたらと俺の部屋に入り浸ってくる件について

沢田美
恋愛
名門・雄幸高校で目立たず生きる一年生、神谷悠真。 クラスでは影が薄く、青春とは無縁の平凡な日々を送っていた。だがある放課後、街で不良に絡まれていた女子生徒を助けたことで、その日常は一変する。救った相手は、学年一の美少女三姉妹として知られる西園寺家の次女・優里だった。さらに家に帰れば、三姉妹の長女・龍華がなぜか当然のように悠真の部屋に入り浸っている。名門令嬢三姉妹に振り回されながら、静かだったはずの悠真の青春は少しずつ騒がしく揺れ始める。

【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件

エース皇命
ファンタジー
 前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。  しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。  悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。  ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。

処理中です...