こころ・ぽかぽか 〜お金以外の僕の価値〜

神娘

文字の大きさ
32 / 767

32、俺の固定概念じゃ 斗真side

嗚咽を繰り返す奏くんの背中をさすり落ち着くのを待つことしかできなかった。

結局夕食は食べれず、気絶するように眠った奏くんを布団に横にさせた。

そっと様子を見に行くと30分経たずに起きて部屋の隅で体操座りをしていた。
せめて布団をかけて体が冷えないようにしようと近づくと体を震わせ怯える様子に近づくことは諦め、暖房を付けて部屋を出た。




部屋に戻り筆談をした紙を見ても奏くんの気持ちが理解できず透に電話する。

「もしもし、どうした?」

「あ、ごめん今大丈夫か?」

「大丈夫だよ。奏くんのことか?」

「ああ、さっき夕食前に奏くんがフェラしようとしてきて、それでどうしてフェラをしようとしたのかが分からなくて」

「フェラ?斗真に?」

「ああ、」

「させたのか?」

「させるわけないだろ!止めたよ!」

「奏くんに何でしようとしたか聞かなかったのか?」

「…えっと、聞いて…ない」

「はぁ?そんなの本人に聞くのが1番早いだろ。」

「いや、そうなんだけど…謝ってきて、何に謝ってるの?って聞いたら勃たせられなかったことを謝ってたって」

「筆談か?」

「うん、
それで売りはしなくていいって話を透としただろ?だから俺にもそういうことをしなくていいって言ったら、泣き出して…」

「なるほどな、筆談の紙あるか?」

「ある」

「全部写真撮って送ってきてくれ、会話の順番で」

「分かった」

全部送るとすぐに透は何故奏くんがフェラをしようとしてたのかが分かったみたいだった。

「斗真、ちゃんと読んだか?」

「読んだよ。何度も読み返した。」

「はぁ、まぁ俺らの固定概念じゃありえないことだからな。」

「どういうことだよ。早く教えてくれ、」

「奏くんがフェラしようとしたのは夕食を食べようとしたんだ。」

「え?」

「フェラする前にお前何か言わなかったか?」

「えっと…確か、ご飯食べて早く寝ようって言ったと思う。」

「それだよ 。」

「どういうことだよ。」

「俺の仮説は2つ、1つ目は奏くんは精子をご飯だと思ってる。2つ目はフェラしたらご飯を食べることを許されると思ってる。」

「え…」

「だが、今日昼食の前にはフェラはしなかった。っとなると夕食の時だけフェラをさせれられてたか…」

「ちょっと待て、昨日の夕食の時と朝食でもそんなことしなかったぞ」

「…だとしたら、昨日と今日の夕食での違い。それは発熱だ。発熱中は精液が唯一のご飯だった可能性がある。」

「……どうしてそんなこと…」

「売りなんて客も頭おかしい奴らばかりだからな。発熱はたまにしかないプレミアで値段も高かったんだろう。
ただでさえ脱水になりやすい状態で水分は精液のみだったら嫌でもよがるようにフェラするようになる。
それが当たり前の環境で育ってきたなら目の前の男が飯だと言えば迷わずフェラをしようとする。
その上それを止められたら夕食は無しと思ってもおかしくない。
もしこの仮説が正しいなら、奏くんが書いた『 ご飯上手にできなかった。』も意味が分かる。
つまり奏くんが筆談で伝えたかったことは

『 ご飯を食べたくてフェラをしたけど勃たせられなくてごめんなさい。
上手にフェラできなかったから、夕食無しでも大丈夫だよ。』ってことかな。」

「……そっか…」

「大丈夫か?おい斗真?」

電話越しに透の声が聞こえるが俺の常識にはないことが多すぎて思考が停止する。

この家で普通の生活をしてきた俺でもこんなに頭がいっぱいになるんだ。

もし透の仮説が合っていたとして、そんな生活をしてきた子どもが常識を覆されたら理解できず混乱して泣き出してもおかしくない。

何してるんだ…俺…

ここで考えてる場合じゃない…

「透、ありがとう。奏くんに普通のご飯食べさせてくる。」

「俺の仮説はあくまでも仮説だ。もしかしたら全然違うかもしれないぞ。」

「分かってる。けど、このまま何も食わず一晩過ごしたら奏くんの両親や客がしてきたことと同じだろ。」

「そうだな。斗真なら大丈夫だと思うけど、一応熱は出てるからあんまり無理させすぎるなよ。」

「分かった。ありがとう。また連絡する。」

「おう、じゃあまたな。」

電話を切り、キッチンに向かった。
感想 68

あなたにおすすめの小説

守り守られ

ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師 患者 瀬咲朔 腸疾患・排泄障害・下肢不自由 看護師 ベテラン山添さん 準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん 木島 尚久 真幌の恋人同棲中

双葉病院小児病棟

moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。 病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。 この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。 すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。 メンタル面のケアも大事になってくる。 当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。 親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。 【集中して治療をして早く治す】 それがこの病院のモットーです。 ※この物語はフィクションです。 実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

月弥総合病院

僕君・御月様
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…? 2025/09/12 ★1000 Thank_You!!

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中

創作BL短編集

さるやま
BL
短編まとめました。 美形×平凡、ヤンデレ、執着・溺愛攻め多め

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話