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【117】千秋
しおりを挟む半分まで挿入されると、千秋はうっとり目を細めた。
「·····♡」
ユランを見下ろす。
初めてのアングルだ。やっぱりどこから見ても格好良い。
浮き上がった筋肉が、呼吸の度に固く膨らむ。
千秋はそっと吐息を零した。
「·····?」
熱い視線がいじらしい。
ユランは千秋の手を握ってやった。
「そろそろ、動けるだろ?」
動いてみろと言う声は、命令するような威圧感はない。
こちらを気遣っているようにも聞こえた。
「ん、うん♡うごく···っ♡あっ···♡はぁ、ぁん·····♡」
長い前戯のせいで、脚には力が入らない。
「あ·····なんで···っ」
大きな瞳が潤んで、再びぽろぽろと泣き出す。
次の瞬間、体制が逆転した。
「千秋」
耳元で囁かれたのは、自分の名前だ。
同時に、軽く腰を打ち付けられた。
「ひぅっ?♡」
奥まで届いたそれが引き抜かれて、また押し込まれてくる。
目の前で火花が散る。
「あ·····あ♡」
「動いていいか?」
千秋は首を縦に振った。
ユランが興奮しているという事実が、たまらなく嬉しかった。
「うごいてぇ····っ♡おねが···っしま···──あんっ♡」
凹凸が、ズルズルと動き出す。
「あ···♡あぁ···♡はんっ····ぁ、あ···すき····んっ♡ユラン様···すきぃ······♡」
「·····あんま、煽るな·····」
「·····?──あっ♡」
乳頭に噛みつかれる。
千秋は呆気なく絶頂した。
彼が沢山突いてくれるようにと、自ら脚を押さえつける。
少しづつ早くなってゆくピストンに合わせ、甘く鳴く。
熱い精液にナカを満たされる。
うわ言みたいに紡がれる「好き」は、弾力のある唇に塞がれた。
「───ん·····っ♡」
先程よりゆっくりと、深くを撫であげられる。
千秋のナカが小刻みに強弱し出した。
「千秋·····」
なんでこんなに優しい声で呼ぶんだろう。
幻聴でもいい。
千秋はユランを見上げた。
「好きだ」
「·····え·····?──ぁ、っ♡」
高い鼻がすり寄せられて、カプリと、首筋に噛みつかれる。
牙が皮膚を破り、体内へ侵入してくる。
「あ、あ♡あぁ·····~~っ♡」
「千秋」
何度も腰を打ち付けられる。
奥へと、熱が注ぎ込まれる。彼の昂りは収まらなかった。
「あぁ♡だ、めぇ········♡精液、♡おく、きちゃ·····っ♡」
「じゃあ、やめるか?」
長いホースが引き抜かれてゆく。
千秋は震えながら首を振った。
「あぁ♡だめぇ········♡やめちゃ、やだ···っ♡♡きもちぃ·····♡」
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