🍸ホストクラブのオナペット~借金返済のための奴隷契約~🍾

亜依流.@.@

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🍸63.きっかけ🍾

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多額の売掛金を背負って複数人の男に慰みものにされていることなど。


(だめ)


今関係ないじゃないか。
彼にとっての自分はミ・カリーナのルチア。
それだけだ。
彼にとって、商品である。

(それだけ)


「ありがとう·····」

「ところで、君はなんでここに?」


モジモジしながら受け取った紙袋が指先をくすぐったくする。


「出勤前で、それで」


レイを見つけたから、待機中の車をおりて出てきた。


「あの·····」


彼を目の前にして言えない。
本当にどうしてしまったのだろう?


「まだ時間、あって、歩いてて·····」

「·····」


ひとりで暇してることをアピールしてるのだ。
切れ長の目が時計を見るから、声が出なくなった。

しかし直ぐにこっちに視線が戻ってくる。


「時間潰しなら、すぐ近くにいい所を知ってるよ」


後ろめたさを隠して、彼について半地下の喫茶店へ向かった。

レトロなカウンター席だ。
自家製のプリンとアイスがおすすめだっていうから、迷った挙句プリンを注文する。

とろけるようで、しかし濃密なカスタードプリン。
残った甘さには鼻から抜けるダージリン紅茶を流して、ほっと息をつく。


「ちょっと交換しようよ」


言いながら寄せてくれたアイスは、プリンにトッピングするとパフェになる。

ミルク感が増して最高だ。絶対一人でもまた来たい。
頬張っていたら、ふと向かいのレイと目が合った。


大人の男の優しげな眼差しに、思わず咀嚼を忘れて飲み込んでしまう。
長いまつ毛がゆっくり瞬きすると、天使の羽根みたいだ。


「レイさんも」


スプーンにすくっていたプリンを突き出してハッとする。
引っ込めようとするより先に、彼がちょっと身を乗り出した。

ぱくりと一口。
白い歯の奥、一瞬見えた先の細い舌に、変な声が出かける。


「ルチアちゃんの方が甘いね」

「は、ひ」


よく分からないまま返事して、結局噛んだ。

こっちの方が甘い?
アイスよりプリンの方がってことだろうか?
それ以外に何も無いのに、顔が熱くなる。

新しくすくったプリンをそっと口の中に運んだ。
喉を通る瞬間が、何故かとても恥ずかしい。

(間接キスなんて)

今どき小学生でも気にしない。


「嬉しいよ」

「へっ」

「偶然だけど、こうやって店の外で会えたから」


(びっくりした)

ただスプーンをシェアしただけで動揺しまくってるのがバレたら、変態みたいだ。

彼も会えてよかったと思っていたんだ。

(どうして?)


「そろそろ時間だね」

「ぁ」


会わない方が良かったのかもしれない。

彼が店で自分を指名してくれるきっかけを、潰してしまった。










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