93 / 123
92.🍸シャツ🍾
しおりを挟む※いつも誤字脱字のご指摘ありがとうございます。とても助かってます😭
──────────
彼はずっと手を握っていてくれた。
自分が思っているよりもずっとショックを受けているようだった。
「───落ち着いた?」
ホットミルクを差し出されてしばらく体を温める。
彼のマンション。
家を聞かれたけれど答えられずにいたら、車は静かに進路を決めた。
着いてきてしまったけれど、彼の家だ。
おまけに彼のシャツを借りてソファに腰かけている。
生活感のないリビングでソワソワしていたら、コートを脱いだ彼がふっと笑った。
「適当に寛いで」
普段は使わない部屋なのだと言う。
超高級一等地のタワーマンションだ。他にもいくつか持ち家があると言うから、彼のことがますます分からなくなる。
仕事の途中で抜けてしまったし、ハルキ達にも連絡をとっていない。
心配しながら連絡帳を開くが、ミカとは妙にスムーズに連絡がすんで、3人は彼女から早退の知らせを聞き店を出たと言う。
おかげで、暴漢に遭ったことを話さずに済んだ。
(レイさん)
今はスーツじゃなくて、Vネックの長袖を着てる。
落ち着いた服装なのに、軽く腕まくりしたところから見える血管や首筋の鎖骨が男らしくて、なんだかドギマギする。
普段使わないとはいえ彼の家だ。
簡単に着いてきてしまって、変な風に思われないだろうか。もちろんレイがなにかするはずがないけれど、彼からしたら簡単に家に上がってきた水商売の女である。
「落ち着いたら家まで送るよ」
柔らかい声に頷いてから、また視線を泳がせる。
やっぱり、体がおっきいんだ。彼が来てるとちょうど良かったはずのシャツが、自分の膝まで長い。
(いい匂い)
花みたいに華やかで、しかし切ない香り。
長い袖をまくってマグカップを持っていたら、隣に座った彼がそれを取り上げた。
「貸して」
「ぁ」
袖口を4回折って綺麗にしてくれた。
さっきまで血が着いていた拳。
この身体に傷をつけたら、きっと国の損害物だ。それほど美しい見た目をしている。
「·····そんなに見つめられると、少し照れるな」
「!」
ハッとする。
長いまつ毛やシャープな輪郭が不思議で、まじまじ観察していた。
「あっ、ご、ごめんなさい」
「いいえ」
嬉しそうな含み笑いに言葉が浮かばなくなってしまう。
彼の笑顔が特別優しく見える。
思い上がりにも程がある。
(さっきの、拳·····)
幻だと言われても信じられるような、嘘みたいな光景。
しかしそう言われるには、しっかりと記憶に焼き付いてる。
「痛く、ないですか·····?」
問いかけに彼は首を振る。
今度は相手から見つめてくるから焦ってしまう。隣に座られると、脚の長さが別の種類の生き物みたいだ。
「ずっと心配してた、君のこと」
123
あなたにおすすめの小説
「これからも応援してます」と言おう思ったら誘拐された
あまさき
BL
国民的アイドル×リアコファン社会人
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
学生時代からずっと大好きな国民的アイドルのシャロンくん。デビューから一度たりともファンと直接交流してこなかった彼が、初めて握手会を開くことになったらしい。一名様限定の激レアチケットを手に入れてしまった僕は、感動の対面に胸を躍らせていると…
「あぁ、ずっと会いたかった俺の天使」
気付けば、僕の世界は180°変わってしまっていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
初めましてです。お手柔らかにお願いします。
ムーンライトノベルズさんにも掲載しております
牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。
牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。
牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。
そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。
ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー
母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。
そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー
「え?僕のお乳が飲みたいの?」
「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」
「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」
そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー
昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」
*
総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。
いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><)
誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
親友が虎視眈々と僕を囲い込む準備をしていた
こたま
BL
西井朔空(さく)は24歳。IT企業で社会人生活を送っていた。朔空には、高校時代の親友で今も交流のある鹿島絢斗(あやと)がいる。大学時代に起業して財を成したイケメンである。賃貸マンションの配管故障のため部屋が水浸しになり使えなくなった日、絢斗に助けを求めると…美形×平凡と思っている美人の社会人ハッピーエンドBLです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる