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〖211〗真実の狂気
しおりを挟む「効果?」
1度意識が戻った老婆の体調は、薬が切れてくると前よりも辛そうだと聞いた。
服用を続けて様子を見ようと話していたばかりではないか。
「まだ完治した人はいないんじゃ·····」
「エル、タダより高いものはありませんよ」
彼はため息みたいに笑った。
何かおかしい。
そして、予感は現実となった。
「栄えていると言えど、所詮は外部と隔離された閉鎖的な島国·····ちょうどいい環境と被検体です」
「·····?」
「彼らにとっても悪いことでは無かったでしょう。夢を見ることが出来たのですから」
万能薬の正体は麻薬だった。
ヨナ島の人達を使い、どのくらいの効果と依存度があるのかを調査したのだ。
「前準備は少し面倒でしたが、全て計画通りです」
テイラーはネクタイを締めながら言った。
シオンは絶句した。
ある可能性にたどり着いた。
「前準備って、何·····?」
長い間外との関係を絶ってきたヨナ。
では、得体の知れない感染症は、どこから侵入したというのだろう?
答えは簡単だった。
イディオムは、初めから村の人々を騙して核宝を手に入れ、無料の被検施設と身体を手に入れるのが目的だったのだ。
「ひどい」
非道だ。目的のために容易く人の弱みにつけ込むなど、許せることではない。
そして自分には、それを責める権利もないのだ。
テイラーが部屋を出ていく寸前、シオンは彼の袖口を捕まえた。
島の人たちを助けなければ。
口に出せない思いが、自分をつき動かした。
「待って····」
次の瞬間、腰を強く抱き寄せられた。
半開きの唇を無理やり塞がれる。何が起こったのか分からないまま、柔らかい粘膜を翻弄される。
2人を部屋に残したまま、扉はそっと閉められた。
「ああ·····たまりませんね」
「·····?」
シオンはその場にへたりこんだ。
「そうやって、私に縋りつけばよかったのに·····」
目の前の男は、一体、何を言っているんだ?
次には訳が分からないまま羽交い締めにされ、連れ去られたベットでただ欲望をぶつける穴として繰り返し貫かれていた。
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