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買い出し前に
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紫苑と芽衣がコンビニに行くために玄関を出ると、青々とした植物達が目に入る。
うちの庭の一部は田舎特有の広さを生かし、
自給自足用の畑になっている。
茄子やトマト、シソやピーマン、アシタバなどをはじめとした野菜やミカンやザクロなどといった果物を含め様々な食材を育てている。
そんな畑に目をやるとピコピコと小さい影が動いているのを見つけ、紫苑は声をかける。
「狐ばあちゃん、畑作業してたんだ。手伝わなくてごめんね」
「いいんじゃよ。これは半分ワシの趣味じゃからな」
そう答えたのが紫苑と芽衣の育て親の1人。
葛城 咲良。狐の大妖怪で通称狐ばあちゃんだ。
夏のカンカン照りの中、長袖のツナギの作業着をまとい、両耳が出る穴が空いた麦わら帽子を被り、首に手拭いを巻いた農家スタイルの金髪幼女だ。
傍から見たら、家の農業を手伝う子供だが、その実、我が家の畑の管理を一手に引き受けている農家だ。ちなみに狐ばあちゃんはうちで一番の凝り性であり、うちの庭には畑以外にも、近くの川で釣った川魚やテナガエビを保存する用の生け簀やピザ釜などがある。もちろん、狐ばあちゃんが一から作ったものだ。
「さくら!今日は何を収穫してるでありますか?」
「今日は茄子とピーマンを数個、ワシの晩酌用のトマトを一個じゃ」
必要なものを必要な分だけ。
それが狐ばあちゃんの方針だ。
だが、うちの食料の配給を一手に担っている狐ばあちゃんの方針ということは我が家の方針でもある。
「自分もトマト食べたいであります!」
「おぉ、そうか。ならメイの分も収穫しておこう。紫苑はどうじゃ?」
「じゃあ、お言葉に甘えていただこうかな?」
「ふふ、昔は2人ともトマト嫌いだったのに、成長したのう」
そうだった。狐ばあちゃんが畑を始めたキッカケは、俺とメイが小さい頃の野菜嫌いが発端で俺たち二人の為に美味しい野菜をということで畑を始めたんだった。そんな事をぼんやり思い出す。
「今では狐ばあちゃんが作ってくれた野菜は大好物だよ」
「自分も大好きであります!」
「おや?嬉しい事を言ってくれるねぇ」
「そうだ、今からコンビニ行ってくるけど、狐ばあちゃん何か欲しいものある?」
即席で思いついたささやかながらの親孝行だ。
「そうじゃなぁ、久しぶりにバニラ味のアイスが食べたいなぁ」
「オーケー買ってくるよ」
「行ってくるであります!」
「暗くなる前に帰ってくるんじゃぞ?車にも気をつけて」
「さくらぁ~自分達はもうそんな子供じゃないでありますよぉ」
「いくつになってボンはボンじゃ。親は心配なんじゃよ」
そういうと、狐ばあちゃんは笑顔で見送ってくれた。
うちの庭の一部は田舎特有の広さを生かし、
自給自足用の畑になっている。
茄子やトマト、シソやピーマン、アシタバなどをはじめとした野菜やミカンやザクロなどといった果物を含め様々な食材を育てている。
そんな畑に目をやるとピコピコと小さい影が動いているのを見つけ、紫苑は声をかける。
「狐ばあちゃん、畑作業してたんだ。手伝わなくてごめんね」
「いいんじゃよ。これは半分ワシの趣味じゃからな」
そう答えたのが紫苑と芽衣の育て親の1人。
葛城 咲良。狐の大妖怪で通称狐ばあちゃんだ。
夏のカンカン照りの中、長袖のツナギの作業着をまとい、両耳が出る穴が空いた麦わら帽子を被り、首に手拭いを巻いた農家スタイルの金髪幼女だ。
傍から見たら、家の農業を手伝う子供だが、その実、我が家の畑の管理を一手に引き受けている農家だ。ちなみに狐ばあちゃんはうちで一番の凝り性であり、うちの庭には畑以外にも、近くの川で釣った川魚やテナガエビを保存する用の生け簀やピザ釜などがある。もちろん、狐ばあちゃんが一から作ったものだ。
「さくら!今日は何を収穫してるでありますか?」
「今日は茄子とピーマンを数個、ワシの晩酌用のトマトを一個じゃ」
必要なものを必要な分だけ。
それが狐ばあちゃんの方針だ。
だが、うちの食料の配給を一手に担っている狐ばあちゃんの方針ということは我が家の方針でもある。
「自分もトマト食べたいであります!」
「おぉ、そうか。ならメイの分も収穫しておこう。紫苑はどうじゃ?」
「じゃあ、お言葉に甘えていただこうかな?」
「ふふ、昔は2人ともトマト嫌いだったのに、成長したのう」
そうだった。狐ばあちゃんが畑を始めたキッカケは、俺とメイが小さい頃の野菜嫌いが発端で俺たち二人の為に美味しい野菜をということで畑を始めたんだった。そんな事をぼんやり思い出す。
「今では狐ばあちゃんが作ってくれた野菜は大好物だよ」
「自分も大好きであります!」
「おや?嬉しい事を言ってくれるねぇ」
「そうだ、今からコンビニ行ってくるけど、狐ばあちゃん何か欲しいものある?」
即席で思いついたささやかながらの親孝行だ。
「そうじゃなぁ、久しぶりにバニラ味のアイスが食べたいなぁ」
「オーケー買ってくるよ」
「行ってくるであります!」
「暗くなる前に帰ってくるんじゃぞ?車にも気をつけて」
「さくらぁ~自分達はもうそんな子供じゃないでありますよぉ」
「いくつになってボンはボンじゃ。親は心配なんじゃよ」
そういうと、狐ばあちゃんは笑顔で見送ってくれた。
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