骸の王~異世界勇者召喚に巻き込まれました。骸を使ってしたたかに生きていきます。

パブロフ

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3章

94話

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盆地の地形を見た時、一郎は故郷の風景が重なりここならば米が育つのではないかとジャンヌ達に沼地の村で手に入れた米を渡していた。

その後盆地の内の整備やらで輸送路の構築に時間を割いていた為、すっかり米のこと忘れていた。

そしてこの世界において米は栽培ができておらず少量しか取れないことから高価な食材である。

「これは思わぬ資金源ができましたね。土地柄でしょうか?」

「えぇみんな驚いてます。米の他のにも本来モンスターの住み着く森でしか育たない薬草や果実も成長しています。これならば人が増えてもやっていけそうです。
一郎さんのお陰でまた大きく前進することができましたありがとうございます」

「いえいえこちらもこれから大きく儲けさせていただきますから、早速商人ギルドのギルド長に報告しておきます。
陸上の輸送手段が出来れば流通が一気に加速するのでそれまでに色々と準備しましょう」

「えぇその件ですがそろそろ住居を立てたいのですがご協力いただけませんでしょうか?」

「わかりました。リバーウッドの知り合いに話しておきます」

その後ジャンヌと話し合いが終わり、日が傾き始めた頃いつもの骨の山が積まれている広場に向かう。

そこにはジョーンズ始め数人が立ち話をしていた。

「おっ旦那これからお帰りですかい?今日もよろしくお願いします」

「待たせてしまって申し訳ありません。早速展開したいと思います」

一郎が骨のドラゴンを召喚すると周りの人達も慣れた手つきで座席の取り付けを協力して行う。

魔力消費の大きさから一日一往復ではあるが一郎の移動に合わせて盆地とリバーウッドの骨のドラゴンによる空の移動手段ができていた。

盆地では作物が順調に育っているが道がモンスターに襲われる危険がある為、物資の補充は空路に頼るしかない。

今後の盆地の発展の為にも交通手段の正常化が急務である。

空の上ではリバーウッドに戻るジョーンズと遺跡の話で盛り上がった。

ジョーンズには遺跡のモンスターが盆地移動しないか入口の警備をしながら調査をしてもらっている。

遺跡は縦型の多重構造になっており低層には古代人たちが作った防衛設備が稼働しており、そのおかげでモンスターが遺跡の外から出てくることはまずないそうだ。

遺跡の調査は一郎も興味はあるのだが色々と忙しく手をつけることができていなかった。盆地の開発が進んで時間が出来れば是非とも協力したいところである。

リバーウッドに戻った一同は解散し、一郎はアルビーの運営の酒場に向かう。

入口をくぐるといつもの笑顔でアルビーが迎えてくれた。

「おかえりなさい一郎さん。食事?お風呂?それともワ・ラ・ワ?」

「いや、ここ酒場だから、今日はこれから2階で働くから賄い料理いただけるかな?」

「わかったわ後で持って行くわね。そうそうネイガー学長とフィート親方がもう飲んでるわよ」

一郎が2階に上がると二人は樽ジョッキ片手に飲んでいた。

「おっ一郎盆地の様子はどうかな?」

「いらっしゃいませ。ネイガー学長、フィート親方今の所順調ですよ。ジャンヌ達は自給自足に向けて大きく前進しております」

「ほうほうカインとは違って頑張っている様だな」

「そういえば廃村はどうなりましたか?」

その後質問をして顔を曇らせるネイガー学長達。

「カイン達はセントフリーに戻り一部の民を連れて廃村に独立国家を立ち上げてセントロイスに宣戦布告しおった」

「は?あいつら何考えてるんだ?」

驚愕を隠せない一郎であった。



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