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21.竜人の国アスディア(竜人サイド)
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ユーロンとエドワードは、2枚目の鱗だけリリィから預かり竜人の国アスディアへと戻った。
「ユーロンさん、師団長は大丈夫ですよね?」
アスディアに着くと少し砕けた話し方になったエドワードは、預かったルイの鱗を太陽に透かしながらユーロンに話しかけた。
「ああ、その鱗に無事が書かれているだろ。安心しろ。」
ユーロンも少し安堵した表情だ。
聖騎士団の竜人にとって〝鱗の掟〟の2枚目の鱗は、『危険の印』だけでなく鱗の主から伝達を受け取る道具としても使える。
ルイの鱗からは「ドグライアス城の地下牢に拘束されているが無事でいる。魔王がいるため暫く様子を見る。コウモリ魔族のグレイは使える時が来るかもしれないから手を出すな。ただし、不穏な動きをした場合、処分は認める。必ず戻る、暫く待機せよ。」という内容が読み取れた。
伝達は受け取るのみで、こちらからの情報を送ることはできないが、とにかくルイが無事でいることが分かってユーロンは安心した。
1ヶ月前は本当に悲惨な状況だった。
ジルド率いる魔族軍が、人間の都市オカルナに攻め入り、街が全壊するほど暴れ回ったのだ。
聖騎士団もすぐに駆け付け応戦したが、大勢の人間を守りながら戦うことは困難を極めた。
しかし徐々に聖騎士団が優勢となり、魔族軍は撤退し始めた。
怪我をした子供たちの救護に当たっていた竜人を見つけたジルドはニヤリと笑い、強力な闇魔法攻撃を放った。
その行動にいち早く気付いたルイは、自分の身を呈して闇魔法攻撃を受け止めた。
禍々しく凄まじい闇魔法は、ルイの体を一瞬でボロボロにし、地面に叩きつけた。
ルイが一瞬気を失った瞬間、ジルドはルイを拘束し、そのまま姿を消したのだった。
その場にいた聖騎士は誰1人としてジルドのスピードに付いていけなかった。
ルイ以外の騎士では、あの闇魔法は受け止めきれなかっただろう。
そして誰もがルイの死を覚悟した。
リリィから鱗の連絡を受けるまでユーロンにとって絶望な日々だった。
兄弟のように育ってきたルイが死んでしまったのではないかと眠れない日が続いた。
弱い自分を責め、魔族を憎み、時間を忘れ鍛錬に励んだ。
そして今日、ルイの生存が確認できた。
「必ずルイを助けるぞ。」
ユーロンは自分自身に誓うように、エドワードに言った。
「ユーロンさん、師団長は大丈夫ですよね?」
アスディアに着くと少し砕けた話し方になったエドワードは、預かったルイの鱗を太陽に透かしながらユーロンに話しかけた。
「ああ、その鱗に無事が書かれているだろ。安心しろ。」
ユーロンも少し安堵した表情だ。
聖騎士団の竜人にとって〝鱗の掟〟の2枚目の鱗は、『危険の印』だけでなく鱗の主から伝達を受け取る道具としても使える。
ルイの鱗からは「ドグライアス城の地下牢に拘束されているが無事でいる。魔王がいるため暫く様子を見る。コウモリ魔族のグレイは使える時が来るかもしれないから手を出すな。ただし、不穏な動きをした場合、処分は認める。必ず戻る、暫く待機せよ。」という内容が読み取れた。
伝達は受け取るのみで、こちらからの情報を送ることはできないが、とにかくルイが無事でいることが分かってユーロンは安心した。
1ヶ月前は本当に悲惨な状況だった。
ジルド率いる魔族軍が、人間の都市オカルナに攻め入り、街が全壊するほど暴れ回ったのだ。
聖騎士団もすぐに駆け付け応戦したが、大勢の人間を守りながら戦うことは困難を極めた。
しかし徐々に聖騎士団が優勢となり、魔族軍は撤退し始めた。
怪我をした子供たちの救護に当たっていた竜人を見つけたジルドはニヤリと笑い、強力な闇魔法攻撃を放った。
その行動にいち早く気付いたルイは、自分の身を呈して闇魔法攻撃を受け止めた。
禍々しく凄まじい闇魔法は、ルイの体を一瞬でボロボロにし、地面に叩きつけた。
ルイが一瞬気を失った瞬間、ジルドはルイを拘束し、そのまま姿を消したのだった。
その場にいた聖騎士は誰1人としてジルドのスピードに付いていけなかった。
ルイ以外の騎士では、あの闇魔法は受け止めきれなかっただろう。
そして誰もがルイの死を覚悟した。
リリィから鱗の連絡を受けるまでユーロンにとって絶望な日々だった。
兄弟のように育ってきたルイが死んでしまったのではないかと眠れない日が続いた。
弱い自分を責め、魔族を憎み、時間を忘れ鍛錬に励んだ。
そして今日、ルイの生存が確認できた。
「必ずルイを助けるぞ。」
ユーロンは自分自身に誓うように、エドワードに言った。
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