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26 お昼寝と訪問者
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リン…と頭に響いた音で意識が浮上する。水に広がる波紋のように、静かに空気を伝ってまたひとつリン…と音が鳴った。
ゆっくりと目を開ける。柔らかなランプの明かりが照らす見慣れた拠点の一角。落ち着いたオレンジ色の明かりは、けれど寝起きの目には眩しくて少しだけ重たい瞼を伏せる。ふわりと香る薬草の匂い。手繰り寄せた毛布と、埋もれるように身体を沈めたクッションが体温に馴染んで心地良い。
再び眠ってしまうと思ったのか、非難するように鈴の音が強く頭に響いた。大丈夫、ちゃんと起きてるよ。囁くように小さくひとり呟く。クッションに身を預けたまま、仰向けになって見上げた天井で渦を巻くように白い煙が漂っていた。
準平家のこの家は、薬師の作業部屋から伸びる階段で二階部分に行けるようになっている。吹き抜けの玄関を見下ろせる二階は、天井から吊るしたロープに薬草やハーブを干している乾燥スペースだ。奥に一部屋あるんだけど、前の薬師さんは物置にしていたらしい。雑多に置かれた荷物で溢れかえっていたからそっと扉を閉めたままでいる。合間を見て何度か片付けてはいるものの、あまりにも物が多くて終わりそうにないので。
そんな二階へ続く階段の、本来ならデッドスペースになる場所にあるのがこのヌックだ。天井は低いしこじんまりとしていて広くはないけれど、だからこそ運びこんだクッションと毛布に埋もれて身を預けるには丁度いい。
抑制剤の副作用も相まってあまり眠るのが得意でない俺は、眠気がきた時はできるだけ寝るように言われている。弾力のあるふかふかのクッションに柔らかい毛布、落ち着く薬草とハーブの匂いがするここは俺の定番のお昼寝スポットである。
寝起きのぼんやりとした頭でなんとか上体を起こす。階段下の斜めになっているスペースだから、たまに頭をぶつけてしまうのはご愛嬌。これでもアバターを変えてからは頭をぶつける頻度が減ったのだ。ぶつけた痛みで冴えた視界で、天井からわずかに垂れるペンダントライトが揺れる。わざと歪な形に作られた硝子の中で、魔法で灯された炎のゆらめきが水面のような模様をヌックに広げていた。
ゆらゆらとゆらめく水面を揺蕩うくらげのように、白い煙が俺の顔の前にゆったりと降りてくる。それに「お客さん?」と問えば、小さく鳴る鈴の音。
本来はリザの雑貨屋のようなお店で使われているこのペンダントライト__魔法具は、指定した敷地内に来客が来ると家主に教えてくれる優れものだ。俺は過集中のきらいがあるようで、編み物や調薬をしていると周りの音が聞こえなくなるらしい。古代言語を解読しているときに指摘されリザに導入するように勧められたのでお迎えした。脳内に直接響いてくれるから集中してても聞こえるし、さっきみたいに俺が返事を返さないと強めに鳴ってくれるのでとても助かっている。
ちなみに返事を無視したり集中しすぎて返さなかった場合、拠点中の明かりが七色に光りながらミラーボールのように回転するらしい。前に調薬に集中しすぎて生返事をして、10分ほどリザを待たせた時にそういう設定に変更されてしまった。どんなに集中してても絶対に気付かせるぞという強い意志を感じる。
悪かったなとは思ったしちゃんと謝ったけど、次はないかと問われればあまり自信がない。だってリザやヴァイスに言われるまで集中しすぎている自覚がなかったから。自分では普通に考え事をしてただけのつもりだったけど、よくよく思い返してみれば姉さんや萩原は俺に用がある時は肩を叩いたりしてから声をかけていることが多いかもしれない。ただのスキンシップだと思っていたけどそういうことだったのかな。
ふ、と息を吹きかけヌックの明かりを消す。魔法具の子は今日はくらげの気分みたいだ。ゆらりと空気に溶け込んだかと思えば、キッチンの灯りの近くに現れてふわふわと揺蕩っている。
それを見送って裏庭に面している小窓へと足を運ぶ。家主が許可を出した人でないと敷地内に入れない仕様になっているから、この拠点を訪ねて来るお客さんは限られている。休講でいつもはログインしていない時間。シルバーアックスの3人は事前にチャットを飛ばしてくれるし、普段の俺がいないこの時間にリザやギードさんが訪ねてくる可能性はかなり低い。
小窓を押し上げて裏庭に顔を出せば、予想通りの見慣れたフードの後ろ姿がそこにいた。俺が声をかける前に振り向いたヴァイスは、少し驚いたような顔をした後にふわりと表情を綻ばせる。
「ベル、こんな時間にいるの珍しいね」
「予定がなくなっちゃったから調薬ノートをまとめようと思って」
まあ途中でお昼寝に変更したんだけど。近づいてきたヴァイスの手が、俺の横髪を耳にかけてくれる。そのまま頬をふにふにと触られて、柔らかく笑いながら「もしかして起こしちゃった?」と前髪を梳かれる。なんでわかったんだろう。寝癖ついてたのかな。
髪を梳いて、頬を撫ぜる。珍しくグローブをつけていないヴァイスの手があたたかくて心地良い。こういうスキンシップは嫌いじゃない。じんわりと伝う熱に目を閉じれば、顔を引き寄せられてちょんってかわいいキスが降ってきた。
髪、耳、瞼に唇へと場所を変えて軽く触れられる。俺からもお返しにキスをすれば、嬉しそうに笑うヴァイスに胸がきゅーっと高鳴る。俺の彼氏、かわいい。
「ベルは夜までここにいるの?」
「夕飯を作らないとだから一度戻るけど、暗くなる頃にはこっちに来てるよ」
この世界も最近日が長くなってきたからね。今日は姉さんも早く帰ってくるって言ってたし、フィーアに夜が来る前には戻って来れるはず。
小窓越しにヴァイスに抱きしめられながらそう返せば、ならこれを渡しておくねと一輪の花を手渡される。うっすらと紫色に染まった花弁が綺麗な紫陽花。この世界にも紫陽花があるんだ。何も持ってなかったように見えたけどどこに隠してたんだろう。
「昨日約束したから、お花がなくても待ってたのに」
「俺がベルに贈りたくて。この辺りでもあまり咲かないから見せたかったんだ」
人伝に聞いた話だけど、とヴァイスが言葉を続ける。調薬の素材にもなるんだって。後で調べておこう。今はお話ししていたいので。
「ヴァイスまだ仕事あるよね」
「うん。でも今は休憩中だから、もうしばらくは時間あるよ」
身を屈めて抱きしめながら、ヴァイスが俺の肩口に頭を擦り寄せる。ちゃんと顔を見たくてフードを外したら、なあにって柔らかい声が耳をくすぐってこそばゆい。
ダイナミクスについて話すと決めてから、少しずつ積もった不安が溶けていく。ダイナミクスはランクが高いほど感情に影響されて症状が安定しづらい。だからこそ幼い頃からパートナーを組んで生活している人が多い中で、俺は相手を探して抑制剤を手にひとりで感情の波に漂っているだけだった。
ここがゲームの世界だとか、俺の話を聞いてヴァイスに拒絶されたらどうしようとか昨日からあれこれ悩んで眠れなかったけど。ヴァイスに抱きしめられて、声を聞いて、この腕の中にいたら何でも大丈夫な気がしてくるから不思議だ。
「すきだよ、ヴァイス」
この体温に慣れちゃったら、手放された時はすごく寒いんだろうなと頭の片隅で考えて。不安を忘れるために抱きしめて耳元で小さく呟いた。
ゆっくりと目を開ける。柔らかなランプの明かりが照らす見慣れた拠点の一角。落ち着いたオレンジ色の明かりは、けれど寝起きの目には眩しくて少しだけ重たい瞼を伏せる。ふわりと香る薬草の匂い。手繰り寄せた毛布と、埋もれるように身体を沈めたクッションが体温に馴染んで心地良い。
再び眠ってしまうと思ったのか、非難するように鈴の音が強く頭に響いた。大丈夫、ちゃんと起きてるよ。囁くように小さくひとり呟く。クッションに身を預けたまま、仰向けになって見上げた天井で渦を巻くように白い煙が漂っていた。
準平家のこの家は、薬師の作業部屋から伸びる階段で二階部分に行けるようになっている。吹き抜けの玄関を見下ろせる二階は、天井から吊るしたロープに薬草やハーブを干している乾燥スペースだ。奥に一部屋あるんだけど、前の薬師さんは物置にしていたらしい。雑多に置かれた荷物で溢れかえっていたからそっと扉を閉めたままでいる。合間を見て何度か片付けてはいるものの、あまりにも物が多くて終わりそうにないので。
そんな二階へ続く階段の、本来ならデッドスペースになる場所にあるのがこのヌックだ。天井は低いしこじんまりとしていて広くはないけれど、だからこそ運びこんだクッションと毛布に埋もれて身を預けるには丁度いい。
抑制剤の副作用も相まってあまり眠るのが得意でない俺は、眠気がきた時はできるだけ寝るように言われている。弾力のあるふかふかのクッションに柔らかい毛布、落ち着く薬草とハーブの匂いがするここは俺の定番のお昼寝スポットである。
寝起きのぼんやりとした頭でなんとか上体を起こす。階段下の斜めになっているスペースだから、たまに頭をぶつけてしまうのはご愛嬌。これでもアバターを変えてからは頭をぶつける頻度が減ったのだ。ぶつけた痛みで冴えた視界で、天井からわずかに垂れるペンダントライトが揺れる。わざと歪な形に作られた硝子の中で、魔法で灯された炎のゆらめきが水面のような模様をヌックに広げていた。
ゆらゆらとゆらめく水面を揺蕩うくらげのように、白い煙が俺の顔の前にゆったりと降りてくる。それに「お客さん?」と問えば、小さく鳴る鈴の音。
本来はリザの雑貨屋のようなお店で使われているこのペンダントライト__魔法具は、指定した敷地内に来客が来ると家主に教えてくれる優れものだ。俺は過集中のきらいがあるようで、編み物や調薬をしていると周りの音が聞こえなくなるらしい。古代言語を解読しているときに指摘されリザに導入するように勧められたのでお迎えした。脳内に直接響いてくれるから集中してても聞こえるし、さっきみたいに俺が返事を返さないと強めに鳴ってくれるのでとても助かっている。
ちなみに返事を無視したり集中しすぎて返さなかった場合、拠点中の明かりが七色に光りながらミラーボールのように回転するらしい。前に調薬に集中しすぎて生返事をして、10分ほどリザを待たせた時にそういう設定に変更されてしまった。どんなに集中してても絶対に気付かせるぞという強い意志を感じる。
悪かったなとは思ったしちゃんと謝ったけど、次はないかと問われればあまり自信がない。だってリザやヴァイスに言われるまで集中しすぎている自覚がなかったから。自分では普通に考え事をしてただけのつもりだったけど、よくよく思い返してみれば姉さんや萩原は俺に用がある時は肩を叩いたりしてから声をかけていることが多いかもしれない。ただのスキンシップだと思っていたけどそういうことだったのかな。
ふ、と息を吹きかけヌックの明かりを消す。魔法具の子は今日はくらげの気分みたいだ。ゆらりと空気に溶け込んだかと思えば、キッチンの灯りの近くに現れてふわふわと揺蕩っている。
それを見送って裏庭に面している小窓へと足を運ぶ。家主が許可を出した人でないと敷地内に入れない仕様になっているから、この拠点を訪ねて来るお客さんは限られている。休講でいつもはログインしていない時間。シルバーアックスの3人は事前にチャットを飛ばしてくれるし、普段の俺がいないこの時間にリザやギードさんが訪ねてくる可能性はかなり低い。
小窓を押し上げて裏庭に顔を出せば、予想通りの見慣れたフードの後ろ姿がそこにいた。俺が声をかける前に振り向いたヴァイスは、少し驚いたような顔をした後にふわりと表情を綻ばせる。
「ベル、こんな時間にいるの珍しいね」
「予定がなくなっちゃったから調薬ノートをまとめようと思って」
まあ途中でお昼寝に変更したんだけど。近づいてきたヴァイスの手が、俺の横髪を耳にかけてくれる。そのまま頬をふにふにと触られて、柔らかく笑いながら「もしかして起こしちゃった?」と前髪を梳かれる。なんでわかったんだろう。寝癖ついてたのかな。
髪を梳いて、頬を撫ぜる。珍しくグローブをつけていないヴァイスの手があたたかくて心地良い。こういうスキンシップは嫌いじゃない。じんわりと伝う熱に目を閉じれば、顔を引き寄せられてちょんってかわいいキスが降ってきた。
髪、耳、瞼に唇へと場所を変えて軽く触れられる。俺からもお返しにキスをすれば、嬉しそうに笑うヴァイスに胸がきゅーっと高鳴る。俺の彼氏、かわいい。
「ベルは夜までここにいるの?」
「夕飯を作らないとだから一度戻るけど、暗くなる頃にはこっちに来てるよ」
この世界も最近日が長くなってきたからね。今日は姉さんも早く帰ってくるって言ってたし、フィーアに夜が来る前には戻って来れるはず。
小窓越しにヴァイスに抱きしめられながらそう返せば、ならこれを渡しておくねと一輪の花を手渡される。うっすらと紫色に染まった花弁が綺麗な紫陽花。この世界にも紫陽花があるんだ。何も持ってなかったように見えたけどどこに隠してたんだろう。
「昨日約束したから、お花がなくても待ってたのに」
「俺がベルに贈りたくて。この辺りでもあまり咲かないから見せたかったんだ」
人伝に聞いた話だけど、とヴァイスが言葉を続ける。調薬の素材にもなるんだって。後で調べておこう。今はお話ししていたいので。
「ヴァイスまだ仕事あるよね」
「うん。でも今は休憩中だから、もうしばらくは時間あるよ」
身を屈めて抱きしめながら、ヴァイスが俺の肩口に頭を擦り寄せる。ちゃんと顔を見たくてフードを外したら、なあにって柔らかい声が耳をくすぐってこそばゆい。
ダイナミクスについて話すと決めてから、少しずつ積もった不安が溶けていく。ダイナミクスはランクが高いほど感情に影響されて症状が安定しづらい。だからこそ幼い頃からパートナーを組んで生活している人が多い中で、俺は相手を探して抑制剤を手にひとりで感情の波に漂っているだけだった。
ここがゲームの世界だとか、俺の話を聞いてヴァイスに拒絶されたらどうしようとか昨日からあれこれ悩んで眠れなかったけど。ヴァイスに抱きしめられて、声を聞いて、この腕の中にいたら何でも大丈夫な気がしてくるから不思議だ。
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この体温に慣れちゃったら、手放された時はすごく寒いんだろうなと頭の片隅で考えて。不安を忘れるために抱きしめて耳元で小さく呟いた。
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