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32 新規クエスト
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雲ひとつない快晴が広がる農園の一角。偵察隊とギードさんが見守る中で、俺はとあるものと対峙していた。隣にいるヴァイスの服を掴み、反対の手を恐る恐るそれに伸ばす。明らかに腰が引けてて情けないのは見逃してほしい。俺の目の前__正確には足元に鎮座するこの苗は、先日東の森で遭遇したあのうねうねの魔物なのだから。
時は戻って数分前。いつものようにログインして、裏庭で水やりをしていた俺の元にヴァイスがやってきた。なんでもギードさんから俺を呼んでくるように言われたらしい。特に予定もなかったので了承し、農園と繋がっている柵を潜ってお邪魔したところ見せられたのがこの苗である。見せられた時に通知音がしたので多分これはクエストになってしまった。
「ギードさん、本当にこれ触らないと駄目…?」
多肉植物のような、ぷっくりとした葉が集まっている苗を指さして悪あがきをしてみる。見た目は可愛いんだけど、やってくることが全然可愛くないので。できれば触りたくないし近寄るのも結構怖い。
「発芽させて株を増やすだけならマジックポーションでも良いんだがな。どのくらい魔力を持ってかれるかの実験も兼ねてるから、どのみちあとでお前さんに触ってもらうことになるぞ」
異邦人はなんかそういうの見れるんだろ、と続く言葉に逃げ道がないことを悟る。というか、ギードさんは異邦人側の視点で確認できるディスプレイの存在を知っているんだ。まあ町内会に異邦人が参加してるぐらいだし知っててもおかしくはないけど。町内会の会長を任されているだけあって、ギードさんは雑談で聞いたさりげない話をしっかり覚えてたりする。
「そもそも何でこれを育てることになってるの」
「王宮から『へオラチアの被害が増えてきてるから調べろ』ってご命令が出たんだよ」
あっこの声はアルムさんだ。声がした方を向くと、後ろにいた偵察隊のひとりが手を振ってくれた。あの焚き火の前に座ってるのがアルムさんね。
俺の隣にヴァイスがいるからか、他の偵察隊の人はみんな焚き火を囲んで何かを焼いている。のんびりしすぎな気もするけど、定期的に現れる魔物なら偵察隊の人にとってはそこまで怖い魔物じゃないのかな。良い匂いしてるけど何焼いてるんだろう。
「これ、へオラチアっていう魔物なんだ」
「前々からこいつの研究をするべきだと話には出てたんだがな。話に出るだけで実行する奴がいねえから押し付けられちまった」
いかにも面倒だ、と言う顔を隠しもせずにギードさんが答える。農園主で植物に関してはフットワークが軽い彼が、ここまではっきり面倒と思っているのも珍しい。王宮に嫌な思い出でもあるのかな。このウィスペル国の王宮、確か六つ目の街ゼックスにあるんだっけ。
そんなことを考えていると、繋いでた手を引いてヴァイスが身を屈めてきた。俺の耳に顔を寄せて、内緒話をするように潜めた声が落とされる。
「こう言ってるけど、ギードさん最初は王宮の命令を断ろうとしてたんだよ。でもフィーアの女性陣の圧に負けて断れなかったんだ」
「そんなにお姉さんたちは研究をしてほしかったの?」
「リザが言うには、へオラチアの粘液は美容に良いんだって」
ぽそぽそと内緒話をしている俺たちにギードさんが「聞こえてるぞ」と愛用の鍬を向けてくる。鍬は耕すための道具であって、釘を刺すものじゃないよ。彼が長年大切に使い続けている道具で人を傷つけるようなことをするわけがないので、俺もヴァイスも落ち着き払ったまま眺めていた。
でもそっかあ。流石にギードさんも、お姉さんたちの美容への熱意には勝てなかったんだ。
「これで栽培方法がわかりゃ、美容液を量産できるとかなんとかリザが乗り気でな」
「そういえば町内会でそれっぽいこと言ってたかも」
確か異邦人が開発した美容液の効果がすごいとかだったかな。素材の関係でお値段が張るから、仕入れが難しいってお姉さんたちと話してた記憶がある。量産して市場に出回る数が増えれば値段も落ち着くだろうし、雑貨屋さんの店主としてこのチャンスを逃したくなかったんだろうな。
ひとつ問題があるとすれば。
「へオラチアはこの辺りが寒くなる時に現れるんでしょ?普段のフィーアの気候だと育てられないんじゃ……」
「そこは問題ねえ。そうなんだろ、ヴァイス」
ギードさんはそう言って俺の頭の上を見た。いまヴァイスは、俺を背中から抱きしめているので。この体制の方が内緒話しやすいんだよね。お腹の前で組まれた手に囲い込まれるから、これはこれで収まりが良くて好き。
手持ち無沙汰なのでヴァイスの手を解いてにぎにぎしてたら握り返してくれた。構ってもらえて嬉しい。ダイナミクスの話をして以来、こうしてこまめに甘やかしてもらっている。真面目な話の途中だから、俺もヴァイスも視線はギードさんに向けてて真面目な顔してるけど。
「へオラチア自体に長距離を移動する能力はないんだ。彼らを運んでいる渡り鳥の目的地は、ノイン山脈にある洞窟。ノインはこことそこまで気候が違わないから、余程暑かったり寒すぎたりしなければ大丈夫だと思う」
「ノインってここより少しだけ西南にある街だよね」
九つ目の街、ノイン。地図上だとフィーアと隣り合ってるように見えるけど、間には切り立った崖とそれで形成されている山脈がある。崖登りをするような酔狂でない限り、山脈を回り込むように各町を辿って進まざる得ない地形だ。プレイヤーレベルが低い初期には絶対にいけない場所になっている。
俺の確認にヴァイスが肯定の返事をしたあと、ただ問題もあってと言葉を続けた。
「衛兵隊の方に、王宮の人が調べた分布図の資料が送られてきたんだ。それによるとへオラチアは普段は砂漠地帯の地底湖のあたりに自生してるらしい」
「地底湖か……となると、気温より育てる場所の環境が課題になってくるな」
ヴァイスの話にギードさんが眉を寄せた。地底湖なんてあるんだ。洞窟は他にもあるだろうから、何か別の要素が関係してくるってことかな。
「分布が偏るってことは、気温と明るさ以外にも育てる条件があるの?」
うんうん唸ってるギードさんを横目にヴァイスに聞いてみる。俺の質問に、ヴァイスはよくわかったねと答えて優しく頭をひと撫でしてくれた。そのまま移動した手に頬をふにふにと揉まれながら、ふと、最近こうやって頬を揉まれることが多いなと気付く。
この人のスキンシップが多いのは前からだし、付き合ってからその頻度が増えたのもあるんだろうけど。……なんとなく体感で、グローブを外してる時の方がこうして頬を触ってくることが多い気がする。
へオラチアに襲われた時、確か頬にも粘液が付いてたんだよね。開発したって言ってたし美容液だから粘液そのままではないと思うけど、でも材料として指定されてるわけで。燃えにくくするための粘液だから保湿力とかかな。でもそれだと初期に手に入る他の組み合わせでも成り立つはず。薬師の仕事でハンドクリームとかも調薬してるからこそわかってしまう。粘液に含まれる成分が美容に良いのは確実。
正直すぐ近くの農園にへオラチアが育つのは怖いけど、こうやってヴァイスに触ってもらえるならこのクエストは絶対に成功させよう。
時は戻って数分前。いつものようにログインして、裏庭で水やりをしていた俺の元にヴァイスがやってきた。なんでもギードさんから俺を呼んでくるように言われたらしい。特に予定もなかったので了承し、農園と繋がっている柵を潜ってお邪魔したところ見せられたのがこの苗である。見せられた時に通知音がしたので多分これはクエストになってしまった。
「ギードさん、本当にこれ触らないと駄目…?」
多肉植物のような、ぷっくりとした葉が集まっている苗を指さして悪あがきをしてみる。見た目は可愛いんだけど、やってくることが全然可愛くないので。できれば触りたくないし近寄るのも結構怖い。
「発芽させて株を増やすだけならマジックポーションでも良いんだがな。どのくらい魔力を持ってかれるかの実験も兼ねてるから、どのみちあとでお前さんに触ってもらうことになるぞ」
異邦人はなんかそういうの見れるんだろ、と続く言葉に逃げ道がないことを悟る。というか、ギードさんは異邦人側の視点で確認できるディスプレイの存在を知っているんだ。まあ町内会に異邦人が参加してるぐらいだし知っててもおかしくはないけど。町内会の会長を任されているだけあって、ギードさんは雑談で聞いたさりげない話をしっかり覚えてたりする。
「そもそも何でこれを育てることになってるの」
「王宮から『へオラチアの被害が増えてきてるから調べろ』ってご命令が出たんだよ」
あっこの声はアルムさんだ。声がした方を向くと、後ろにいた偵察隊のひとりが手を振ってくれた。あの焚き火の前に座ってるのがアルムさんね。
俺の隣にヴァイスがいるからか、他の偵察隊の人はみんな焚き火を囲んで何かを焼いている。のんびりしすぎな気もするけど、定期的に現れる魔物なら偵察隊の人にとってはそこまで怖い魔物じゃないのかな。良い匂いしてるけど何焼いてるんだろう。
「これ、へオラチアっていう魔物なんだ」
「前々からこいつの研究をするべきだと話には出てたんだがな。話に出るだけで実行する奴がいねえから押し付けられちまった」
いかにも面倒だ、と言う顔を隠しもせずにギードさんが答える。農園主で植物に関してはフットワークが軽い彼が、ここまではっきり面倒と思っているのも珍しい。王宮に嫌な思い出でもあるのかな。このウィスペル国の王宮、確か六つ目の街ゼックスにあるんだっけ。
そんなことを考えていると、繋いでた手を引いてヴァイスが身を屈めてきた。俺の耳に顔を寄せて、内緒話をするように潜めた声が落とされる。
「こう言ってるけど、ギードさん最初は王宮の命令を断ろうとしてたんだよ。でもフィーアの女性陣の圧に負けて断れなかったんだ」
「そんなにお姉さんたちは研究をしてほしかったの?」
「リザが言うには、へオラチアの粘液は美容に良いんだって」
ぽそぽそと内緒話をしている俺たちにギードさんが「聞こえてるぞ」と愛用の鍬を向けてくる。鍬は耕すための道具であって、釘を刺すものじゃないよ。彼が長年大切に使い続けている道具で人を傷つけるようなことをするわけがないので、俺もヴァイスも落ち着き払ったまま眺めていた。
でもそっかあ。流石にギードさんも、お姉さんたちの美容への熱意には勝てなかったんだ。
「これで栽培方法がわかりゃ、美容液を量産できるとかなんとかリザが乗り気でな」
「そういえば町内会でそれっぽいこと言ってたかも」
確か異邦人が開発した美容液の効果がすごいとかだったかな。素材の関係でお値段が張るから、仕入れが難しいってお姉さんたちと話してた記憶がある。量産して市場に出回る数が増えれば値段も落ち着くだろうし、雑貨屋さんの店主としてこのチャンスを逃したくなかったんだろうな。
ひとつ問題があるとすれば。
「へオラチアはこの辺りが寒くなる時に現れるんでしょ?普段のフィーアの気候だと育てられないんじゃ……」
「そこは問題ねえ。そうなんだろ、ヴァイス」
ギードさんはそう言って俺の頭の上を見た。いまヴァイスは、俺を背中から抱きしめているので。この体制の方が内緒話しやすいんだよね。お腹の前で組まれた手に囲い込まれるから、これはこれで収まりが良くて好き。
手持ち無沙汰なのでヴァイスの手を解いてにぎにぎしてたら握り返してくれた。構ってもらえて嬉しい。ダイナミクスの話をして以来、こうしてこまめに甘やかしてもらっている。真面目な話の途中だから、俺もヴァイスも視線はギードさんに向けてて真面目な顔してるけど。
「へオラチア自体に長距離を移動する能力はないんだ。彼らを運んでいる渡り鳥の目的地は、ノイン山脈にある洞窟。ノインはこことそこまで気候が違わないから、余程暑かったり寒すぎたりしなければ大丈夫だと思う」
「ノインってここより少しだけ西南にある街だよね」
九つ目の街、ノイン。地図上だとフィーアと隣り合ってるように見えるけど、間には切り立った崖とそれで形成されている山脈がある。崖登りをするような酔狂でない限り、山脈を回り込むように各町を辿って進まざる得ない地形だ。プレイヤーレベルが低い初期には絶対にいけない場所になっている。
俺の確認にヴァイスが肯定の返事をしたあと、ただ問題もあってと言葉を続けた。
「衛兵隊の方に、王宮の人が調べた分布図の資料が送られてきたんだ。それによるとへオラチアは普段は砂漠地帯の地底湖のあたりに自生してるらしい」
「地底湖か……となると、気温より育てる場所の環境が課題になってくるな」
ヴァイスの話にギードさんが眉を寄せた。地底湖なんてあるんだ。洞窟は他にもあるだろうから、何か別の要素が関係してくるってことかな。
「分布が偏るってことは、気温と明るさ以外にも育てる条件があるの?」
うんうん唸ってるギードさんを横目にヴァイスに聞いてみる。俺の質問に、ヴァイスはよくわかったねと答えて優しく頭をひと撫でしてくれた。そのまま移動した手に頬をふにふにと揉まれながら、ふと、最近こうやって頬を揉まれることが多いなと気付く。
この人のスキンシップが多いのは前からだし、付き合ってからその頻度が増えたのもあるんだろうけど。……なんとなく体感で、グローブを外してる時の方がこうして頬を触ってくることが多い気がする。
へオラチアに襲われた時、確か頬にも粘液が付いてたんだよね。開発したって言ってたし美容液だから粘液そのままではないと思うけど、でも材料として指定されてるわけで。燃えにくくするための粘液だから保湿力とかかな。でもそれだと初期に手に入る他の組み合わせでも成り立つはず。薬師の仕事でハンドクリームとかも調薬してるからこそわかってしまう。粘液に含まれる成分が美容に良いのは確実。
正直すぐ近くの農園にへオラチアが育つのは怖いけど、こうやってヴァイスに触ってもらえるならこのクエストは絶対に成功させよう。
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