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しかし、目を覚ますと全て終わっているどころか自室のベッドの上だったが……
いつの間にか寝間着に着替えまでしていて——と、私は首を傾げてしまう。一体いつ眠ってしまったのだろうと……
ただ、枕元に置かれた料理本が視界に入るなり、すぐに思い出すことができたが。昨日、父の帰りをずっと待っていたが帰ってこなかったので仕方なく自分の部屋に戻ったことを。
それに時間潰しをする為に本を読んでいるうちに寝てしまったということも。
なので、私は慌ててベッドから飛び起きてしまったが。父が無事に帰ってきているか気になったので。ああは言ったけれどやはり責任を取らされない可能性はゼロではないから。
今回の件、問題が重ければ重いほどに——と、私は、はやる気持ちを抑えられず部屋を飛び出す。
そして、部屋の外に立っていた第三王子に慌てて挨拶も。
「あっ、ウルフイット第三王子、ごきげん……えっ?」と、私は首を傾げる。
それから、しばらくして「ああ、なるほど。まだ、夢の中なのね」と手を打ちも。落ち着きを取り戻しながら。
だって、王族である彼がこの場所にいることなんて絶対に有り得ないので。
しかも、私の部屋の前になんて——と、この状況をすんなりと受け入れる。
それは夢の中の彼が「ち、違う。現実だ」と顔を背けながら否定してきても。
「いいえ、夢です。だって、王族であるあなたがこんな場所におられるはずございません。きっと、私の願望が叶って夢の中に出てしまったのでしょう」
私はそう確信を持っているので。
「お、お前は俺に夢の中で会いたいと思ってくれていたのか?」
もちろんそう尋ねられても私は強気に答えたが。
「はい、当たり前ですよ」
何しろこれは夢の中なのだから。
ただし、すぐに恥ずかしくなり俯いてもしまったが。夢の中だろうがやはり今の言葉は告白に近いものだと感じてしまったので。
まあ、でも……
それでも結局は意志が弱い私は更に欲が出てしまったわけだけど。
夢の中だから何をしても許されるだろうと。つまりはこの際だからウルフイット第三王子のお顔をもっと間近で見てしまおうと。
なのに顔を上げるとなぜか目の前には怒った表情のユリが立っていて……
「お嬢様……」と更には詰め寄ってきて。
「あらっ? 今度はユリが怒った顔をして立っているわ。なぜかしら?」
まあ、私は所詮は夢の中と、ユリの眉間に皺が寄っていようとも気にしないが。
「怒るのは当たり前です。なぜ、その様なお姿で部屋から出られているのですか?」
だって、これは夢の中なので——と、私は寝巻き着が何よと鼻を鳴らす。
何度でも言うけど今は夢の中だから。
しかも私のね。
するとユリが呆れた表情で私の肩をがっちり掴むと、今度は揺すってくる。
「夢ではなく現実です! さあ、さっさと寝ぼけてないで目をしっかり覚ましてください」
そう言ってきながら——と、私が「へっ? げ、現実?」と、揺れる感覚に目を白黒させているとユリは憐れんだ瞳を向けながらそっと離れていく。肩に残る温もりを残して。
まあ、それで私にここが現実であることを理解させるのは十分だったが。
「そ、そうなると……」
私は辺りを見回す。
それから離れた場所でこちらを見ないようにしているウルフイット第三王子の姿に気づく。卒倒してしまうのだった。
◇
あれから、なんとか意識を取り戻した私は今現在、応接室でウルフイット第三王子と一緒にいる。アルバンとダーマル男爵令嬢のようにイチャイチャしているわけではなく、対面に座って。
しかも、難しい表情になりながら。
何しろ、真面目な話をこれからしようとしているところなので。
この国の未来を憂いながら。
「ウルフイット第三王子が来られたのはやはり昨日お父様が王宮にお話しに行ったからでしょうか?」
「ああ、隣国の件を話してくれてな。それで情報共有や今後のことを話し合うためホイット子爵は二、三日王宮に泊まることを伝えにきたんだ」
「そうだったのですか。でも、なぜ、わざわざ貴方が来られたのです?」
「それはお前に……いや、俺なら伝令より早く動けると思ってな」
「そうだったのですか。それは、わざわざお手数を……」
しかも、王族にこんなことまでさせてしまって——と、申し訳なく思っているとウルフイット第三王子は首を横に振ってくる。
「俺が勝手に動いてるだけだからな。気にしないでくれ。それよりも、厄介な事に巻き込まれたな。大丈夫か?」
「ええ、もちろんです。父に貴方もいらっしゃいますから」
そう言って私は全幅の信頼を寄せながら、彼に向けて柔らかな笑みを浮かべる。
何しろ、彼とこうしているだけでふつふつと自信が湧いてくるから。
それは、きっとウルフイット第三王子も。私の視線を真っ直ぐに受け止めた彼の瞳の中に燃えるような決意を感じた気がしたので。
「任せろ。今、王家が威信をかけて動いているからな」
その言葉を聞いたらなおさら。
ただし、彼が続けて「だから、お前は普段通りにしていればいい」そう言ってくる言葉に信頼を感じながらも私は首を傾げてしまったが。
「普段通りですか……。そうなるとアルバン様との事はどうしたら?」
つまりは単純にそう疑問に思ってしまったので。
まあ、すぐに理解もしてしまったけれど。
「残念だが隣国との繋がりが取れるまでは刺激をしないで欲しい。誰と誰が繋がっているかわからないからな」と、納得する内容を聞いてしまったから。
「やっぱり、そうなりますよね……」
せっかくアルバンとの婚約を取り消せると思っていたのに——と、私は落胆する。
「すまないな……」
そう言ってウルフイット第三王子が頭を下げてきたことで慌てて口を開いたが。
「頭をお上げ下さい。悪いのはダナトフ子爵家とダーマル男爵家ですから」
絶対にと私は頷くとウルフイット第三王子も頷いてくる。
「ああ、そうだな。だから早く終わらせたいと言いたいところだが」
「わかっております」
私が再び頷くとウルフイット第三王子は勢いよく立ち上がる。
「俺はそろそろ戻る。少し調べたいことができた」
「あまり無理をなさらないで下さいね」
「ああ、わかった」
ウルフイット第三王子は嬉しそうに頷く。
更に続けて「出かける時にこうやって毎回言われたいものだな」そんな嬉しい言葉も。
だから、私は精一杯、勇気を振り絞ることにしたが。現実でも私の気持ちを伝える為に。
「それならば何度でも言いますわ。その時が来ましたら」
「なっ、それは……」と、ウルフイット第三王子の瞳が、大きく見開かれる。
ただ、その表情は一瞬だけだったけれど。
何しろ、誰もが見惚れてしまうほどの柔らかな微笑みに変わったので。美しき銀狼ではなく一人の素敵な男性のものとして。
しかも、その表情はこちらに——と、私も彼に負けないよう精一杯、微笑む。この問題が早く解決すればと心から祈って。
いつの間にか寝間着に着替えまでしていて——と、私は首を傾げてしまう。一体いつ眠ってしまったのだろうと……
ただ、枕元に置かれた料理本が視界に入るなり、すぐに思い出すことができたが。昨日、父の帰りをずっと待っていたが帰ってこなかったので仕方なく自分の部屋に戻ったことを。
それに時間潰しをする為に本を読んでいるうちに寝てしまったということも。
なので、私は慌ててベッドから飛び起きてしまったが。父が無事に帰ってきているか気になったので。ああは言ったけれどやはり責任を取らされない可能性はゼロではないから。
今回の件、問題が重ければ重いほどに——と、私は、はやる気持ちを抑えられず部屋を飛び出す。
そして、部屋の外に立っていた第三王子に慌てて挨拶も。
「あっ、ウルフイット第三王子、ごきげん……えっ?」と、私は首を傾げる。
それから、しばらくして「ああ、なるほど。まだ、夢の中なのね」と手を打ちも。落ち着きを取り戻しながら。
だって、王族である彼がこの場所にいることなんて絶対に有り得ないので。
しかも、私の部屋の前になんて——と、この状況をすんなりと受け入れる。
それは夢の中の彼が「ち、違う。現実だ」と顔を背けながら否定してきても。
「いいえ、夢です。だって、王族であるあなたがこんな場所におられるはずございません。きっと、私の願望が叶って夢の中に出てしまったのでしょう」
私はそう確信を持っているので。
「お、お前は俺に夢の中で会いたいと思ってくれていたのか?」
もちろんそう尋ねられても私は強気に答えたが。
「はい、当たり前ですよ」
何しろこれは夢の中なのだから。
ただし、すぐに恥ずかしくなり俯いてもしまったが。夢の中だろうがやはり今の言葉は告白に近いものだと感じてしまったので。
まあ、でも……
それでも結局は意志が弱い私は更に欲が出てしまったわけだけど。
夢の中だから何をしても許されるだろうと。つまりはこの際だからウルフイット第三王子のお顔をもっと間近で見てしまおうと。
なのに顔を上げるとなぜか目の前には怒った表情のユリが立っていて……
「お嬢様……」と更には詰め寄ってきて。
「あらっ? 今度はユリが怒った顔をして立っているわ。なぜかしら?」
まあ、私は所詮は夢の中と、ユリの眉間に皺が寄っていようとも気にしないが。
「怒るのは当たり前です。なぜ、その様なお姿で部屋から出られているのですか?」
だって、これは夢の中なので——と、私は寝巻き着が何よと鼻を鳴らす。
何度でも言うけど今は夢の中だから。
しかも私のね。
するとユリが呆れた表情で私の肩をがっちり掴むと、今度は揺すってくる。
「夢ではなく現実です! さあ、さっさと寝ぼけてないで目をしっかり覚ましてください」
そう言ってきながら——と、私が「へっ? げ、現実?」と、揺れる感覚に目を白黒させているとユリは憐れんだ瞳を向けながらそっと離れていく。肩に残る温もりを残して。
まあ、それで私にここが現実であることを理解させるのは十分だったが。
「そ、そうなると……」
私は辺りを見回す。
それから離れた場所でこちらを見ないようにしているウルフイット第三王子の姿に気づく。卒倒してしまうのだった。
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あれから、なんとか意識を取り戻した私は今現在、応接室でウルフイット第三王子と一緒にいる。アルバンとダーマル男爵令嬢のようにイチャイチャしているわけではなく、対面に座って。
しかも、難しい表情になりながら。
何しろ、真面目な話をこれからしようとしているところなので。
この国の未来を憂いながら。
「ウルフイット第三王子が来られたのはやはり昨日お父様が王宮にお話しに行ったからでしょうか?」
「ああ、隣国の件を話してくれてな。それで情報共有や今後のことを話し合うためホイット子爵は二、三日王宮に泊まることを伝えにきたんだ」
「そうだったのですか。でも、なぜ、わざわざ貴方が来られたのです?」
「それはお前に……いや、俺なら伝令より早く動けると思ってな」
「そうだったのですか。それは、わざわざお手数を……」
しかも、王族にこんなことまでさせてしまって——と、申し訳なく思っているとウルフイット第三王子は首を横に振ってくる。
「俺が勝手に動いてるだけだからな。気にしないでくれ。それよりも、厄介な事に巻き込まれたな。大丈夫か?」
「ええ、もちろんです。父に貴方もいらっしゃいますから」
そう言って私は全幅の信頼を寄せながら、彼に向けて柔らかな笑みを浮かべる。
何しろ、彼とこうしているだけでふつふつと自信が湧いてくるから。
それは、きっとウルフイット第三王子も。私の視線を真っ直ぐに受け止めた彼の瞳の中に燃えるような決意を感じた気がしたので。
「任せろ。今、王家が威信をかけて動いているからな」
その言葉を聞いたらなおさら。
ただし、彼が続けて「だから、お前は普段通りにしていればいい」そう言ってくる言葉に信頼を感じながらも私は首を傾げてしまったが。
「普段通りですか……。そうなるとアルバン様との事はどうしたら?」
つまりは単純にそう疑問に思ってしまったので。
まあ、すぐに理解もしてしまったけれど。
「残念だが隣国との繋がりが取れるまでは刺激をしないで欲しい。誰と誰が繋がっているかわからないからな」と、納得する内容を聞いてしまったから。
「やっぱり、そうなりますよね……」
せっかくアルバンとの婚約を取り消せると思っていたのに——と、私は落胆する。
「すまないな……」
そう言ってウルフイット第三王子が頭を下げてきたことで慌てて口を開いたが。
「頭をお上げ下さい。悪いのはダナトフ子爵家とダーマル男爵家ですから」
絶対にと私は頷くとウルフイット第三王子も頷いてくる。
「ああ、そうだな。だから早く終わらせたいと言いたいところだが」
「わかっております」
私が再び頷くとウルフイット第三王子は勢いよく立ち上がる。
「俺はそろそろ戻る。少し調べたいことができた」
「あまり無理をなさらないで下さいね」
「ああ、わかった」
ウルフイット第三王子は嬉しそうに頷く。
更に続けて「出かける時にこうやって毎回言われたいものだな」そんな嬉しい言葉も。
だから、私は精一杯、勇気を振り絞ることにしたが。現実でも私の気持ちを伝える為に。
「それならば何度でも言いますわ。その時が来ましたら」
「なっ、それは……」と、ウルフイット第三王子の瞳が、大きく見開かれる。
ただ、その表情は一瞬だけだったけれど。
何しろ、誰もが見惚れてしまうほどの柔らかな微笑みに変わったので。美しき銀狼ではなく一人の素敵な男性のものとして。
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