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旅は道連れ
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「それで、なんでお前がここにいるんだ?」
隣村へと続く街道の途中、ディードを待ち受けていたのは旅支度を済ませたウィルであった。
「お前一人でどこに行けるって言うんだディード」
ウィルは二頭の馬を連れていた。それに対しディードは徒歩であった。
「移動手段もなく持っているのは銛か?お前の事だから地図すら持っていないのだろう」
図星であった。お世辞にもディードの度の準備は万全とは言えなかった。漁で使う銛に手を加えたお手製の槍、わずかばかりの食料と水、そして銀貨、ミシェルに貰った物を除けばディードが持ちあわせていたのはそれくらいの物であった。
「地図なんてなくてもこの道を真っ直ぐに進めば次の村へ着くさ!」
ディードの言葉にウィルは呆れていた。一人で旅立たせればそう遠くない未来ディードは行き倒れるだろう。そうなっては欲しくなかった。
「とにかくだディード、旅には俺も同行する。お前も早く荷物を馬に積め」
「そうは言ってもだウィル、お前漁はどうするんだ。せっかく船まで持っているのに……」
「船なら従兄弟にくれてやったさ。代わりにこの馬を貰い受けた。それにお前と違い俺にはちゃんとした武器もある」
ウィルはそう言いながら剣と弓矢をディードに見せた。簡素な作りながらも丈夫な弓矢であった。ウィルは時折山に出てその弓矢で獣達を狩っていたのである。
「それならいいが……まあ何はともあれ行くとするか」
ウィルの用意した馬に荷を載せ二人はアレスティの村を旅立つ。天気は快晴、旅立つには絶好の日和だった。
海に面した道を二人は真っ直ぐ進んでいく。反対側は切り立った崖となっており数キロメートル程進まねば内陸側には行けないようになっていた。
ここら一帯の道は比較的安全ではあるもののダンジョンの周辺ともなると野生の獣や怪物の類いと遭遇することもあった為、人々は護身用の武器を携帯したりギルドから護衛を雇うことが多かった。その為ギルドの中には護衛業やハンティング等を生業とする所も少なくなかった。
「それで、まずはどこに行くつもりだったんだ?」
「ひとまずこの先の港町に行ってそれから考えるつもりだった」
「何も考えていなかったとはな……まあいきなりダンジョンに行こうとしないだけマシか」
ディードの言葉にウィルは呆れながら広げた地図を確認していた。このまま進めば港町ハーケルンがある。そこを拠点とするギルドもいくつかありダンジョンの情報を収集するにはうってつけと言えた。
「とりあえずハーケルンに行って情報収集だ。お前の装備も色々と見直す必要がありそうだしな」
「良いと思うんだけどなこの銛……」
港町ハーケルンを目指して進むディードとウィル。二人の冒険はまだ始まったばかり。
隣村へと続く街道の途中、ディードを待ち受けていたのは旅支度を済ませたウィルであった。
「お前一人でどこに行けるって言うんだディード」
ウィルは二頭の馬を連れていた。それに対しディードは徒歩であった。
「移動手段もなく持っているのは銛か?お前の事だから地図すら持っていないのだろう」
図星であった。お世辞にもディードの度の準備は万全とは言えなかった。漁で使う銛に手を加えたお手製の槍、わずかばかりの食料と水、そして銀貨、ミシェルに貰った物を除けばディードが持ちあわせていたのはそれくらいの物であった。
「地図なんてなくてもこの道を真っ直ぐに進めば次の村へ着くさ!」
ディードの言葉にウィルは呆れていた。一人で旅立たせればそう遠くない未来ディードは行き倒れるだろう。そうなっては欲しくなかった。
「とにかくだディード、旅には俺も同行する。お前も早く荷物を馬に積め」
「そうは言ってもだウィル、お前漁はどうするんだ。せっかく船まで持っているのに……」
「船なら従兄弟にくれてやったさ。代わりにこの馬を貰い受けた。それにお前と違い俺にはちゃんとした武器もある」
ウィルはそう言いながら剣と弓矢をディードに見せた。簡素な作りながらも丈夫な弓矢であった。ウィルは時折山に出てその弓矢で獣達を狩っていたのである。
「それならいいが……まあ何はともあれ行くとするか」
ウィルの用意した馬に荷を載せ二人はアレスティの村を旅立つ。天気は快晴、旅立つには絶好の日和だった。
海に面した道を二人は真っ直ぐ進んでいく。反対側は切り立った崖となっており数キロメートル程進まねば内陸側には行けないようになっていた。
ここら一帯の道は比較的安全ではあるもののダンジョンの周辺ともなると野生の獣や怪物の類いと遭遇することもあった為、人々は護身用の武器を携帯したりギルドから護衛を雇うことが多かった。その為ギルドの中には護衛業やハンティング等を生業とする所も少なくなかった。
「それで、まずはどこに行くつもりだったんだ?」
「ひとまずこの先の港町に行ってそれから考えるつもりだった」
「何も考えていなかったとはな……まあいきなりダンジョンに行こうとしないだけマシか」
ディードの言葉にウィルは呆れながら広げた地図を確認していた。このまま進めば港町ハーケルンがある。そこを拠点とするギルドもいくつかありダンジョンの情報を収集するにはうってつけと言えた。
「とりあえずハーケルンに行って情報収集だ。お前の装備も色々と見直す必要がありそうだしな」
「良いと思うんだけどなこの銛……」
港町ハーケルンを目指して進むディードとウィル。二人の冒険はまだ始まったばかり。
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