3 / 5
そうね、やっちゃって
「どうしようどうしようどうしよう…」
「ルウシェ、落ち着いて」
アーノルドがレイナード様について行って早くも三日、私は再びミエーテル公爵家を訪れていた。
三日、三日だ。もう三日もアーノルドが帰って来ない。
もういっそのことノロワレール侯爵家に乗り込もうか?とも何回も考えたが、婚約を解消して間もないのだ、元婚約者がのうのうと顔を出せるわけもなく、こうして頭を悩ませている。
「ねえ、ルウシェ。気になってたんだけど、君とレイナード殿の婚約は本当に解消したのかい?そんな一方の勝手な言い分で婚約を解消できるとは思わないんだけど…」
ギュンター様の言葉はもっともだ。家同士で結ばれた婚約である。本来であれば双方の同意を持って、書類を交わして婚約解消と相成る。
だが、私達の婚約関係は少々特殊だったのだ。
「私が『奇人令嬢』と呼ばれているのはギュンター様もご存じでしょう?」
「それは…ああ…」
ギュンター様は微妙な顔をして渋々と頷いた。
「ノロワレール家は、そんな私と婚約を結ぶ代わりに、万一レイナード様がこの婚約を白紙に戻したいとお考えになった場合…私の意に関係なく婚約関係を白紙に戻せる権利を有しておられるの」
私の言葉に、ギュンター様は絶句した。
「な、なんて不誠実な婚約関係なんだ!君を軽んじるにも程がある!!」
目を怒らせて憤慨するギュンター様。私は、自分のためにここまで怒りをあらわにしてくれることが素直に嬉しかった。明らかにアンバランスな婚約関係であったが、私の両親はそれでも婚約できるのならと契約書にサインをしてしまったのだ。
「そうですね、婚約解消と言われて、私はまた両親を泣かせてしまうと必死で縋り付いたのですが…はぁ、まさか不貞を働かれていたなんてね…」
『それも一人だけではないぞ』
「アーノルド!!」
不意に頭上から降ってきた言葉に、私は勢いよく顔を上げた。
そこには甲冑を着て腕組みをする黒髪の騎士の姿があった。その身体は半透明で、宙にフヨフヨと浮いている。
「~~~んもうっ!!あんなに引き止めたのに行ってしまうんですもの!酷いです!三日もどこに行っていたのですか!」
『レイナードとか言う馬鹿のところに決まっていよう』
「………なにも、してないですよね?」
『案ずるな、まだ生きておる』
「まだ!?ちょ、ほんと何したんですか!!」
ツーンとそっぽを向いて反省の色がないアーノルドに、私は噛み付くように捲し立てる。ギュンター様がぽかんとその様子を眺めているが気にしない。まずはアーノルドがこの三日何をしていたのかを聞き出さねば。恐ろしくて本当は聞きたくないけれど。
『夜な夜な悪夢を見せては安眠の妨害をし、ちょいと金縛りで身動きを封じ、少し部屋の物を揺らしてビビらせただけだ』
悪夢に金縛りにポルターガイスト…!睡眠不足な上に怪奇現象にも悩まされ、きっと小心者のレイナード様はげっそり痩せこけているのだろう。ざまあない…げふん、呪い殺していなくて安心したが、このままではレイナード様の体力も気力も限界だろう。
「…ん?あなた、さっき一人だけではないって言いましたよね?どういうことですか?」
ふと先ほどのアーノルドの言葉が気になり、尋ねてみた。そしてすぐに問うたことを後悔した。
『あの男はカサンドラとかいう小娘だけでなく、これまでにも数人の女子と一夜の関係を持っていた。仲間に協力を仰ぎ調べたから間違いないぞ』
「んなっ!?」
なんということだ。レイナード様がそんなに女性関係にだらしがなかっただなんて。
『あの男は不誠実過ぎる。ルウシェ、お前にふさわしくない。こちらから婚約破棄してしかるべきだが、あの愚図はあろうことか自ずからお前との婚約を解消すると言った。その結果お前を傷つけ、お前の両親を泣かせた。如からば我が呪い殺してやろうというわけだ』
「そうね、やっちゃって」
「ルウシェ!?」
「はっ!ダメダメ!そんなことしてはいけません!」
あまりの素行の悪さに私はうっかりGOサインを出しそうになったが、ハッと我に返って慌てて首を振った。アーノルドは不満げに唇を尖らせている。
『いいのではないか?あの男に愛情はないのであろう』
「うぐっ…そ、それとこれとは別です!好きじゃないからと言って呪い殺していいはずがありません!」
「ま、待って待って、ルウシェ、君はレイナード殿のことを好いていなかったのかい?」
アーノルドと言い合いをしていると、ギュンター様が戸惑った様子で口を挟んできた。
「え…ええ、婚約自体も家同士が決めたことですから、それに従ったまでです。むしろ素の自分を偽った付き合いでしたので、もう息苦しくて息苦しくて…それにレイナード様って確かに見目麗しいのですが、キザなところがあって、手紙でポエムを送られた時にはもう鳥肌ものでした。思わず暖炉の火に焚べてしまいましたもの」
「そうだったのか…僕はてっきり、君はレイナード殿に惚れ込んでいるのかと…」
「そうか、よかった」とブツブツと独り言を言っているギュンター様。どことなく嬉しそうにしているが、何がそんなに嬉しかったのだろうか。さっぱり分からない。
「とにかく!もう戻ってきてください。これ以上、レイナード様の健康を害することは許しませんよ!」
『承知しかねる』
「なんで!?」
『ふむ、我はそれなりに怒っているのだ。大事な主を軽んじる彼奴のことをな。それに怒っているのは我だけではないのだよ』
「え?どういうこと…」
話を戻してアーノルドに帰ってくるよう訴えるが、アーノルドはなかなか首を縦に振ってくれない。それどころか何やら不穏なことを言い出した。
『ルウシェを慕う他の霊たちがえらく立腹していてな。取り憑かないようあの男には呪を施しておいたが、恐らく今頃は屋敷を荒らしまくっているだろう』
「なーーーっ!?」
なんということだ!私のために彼らがそんなに怒ってくれるだなんて、とても嬉しい…じゃなくて、今頃ノロワレール家は大騒ぎになっているのではないか?
顔を真っ白にしてふらつく私をギュンター様が支えてくれる。会釈で感謝の意を伝えると、ギュンター様は徐に口を開いた。
「ルウシェ、何が起こっているかは分からないけど、何か大変なことが起きてるんだね?僕も着いて行くから一緒にノロワレール家へ行くのはどうだろう?」
「ギュンター様…でもそんなご迷惑をおかけするわけには…」
正直ギュンター様のご提案は大変嬉しく心強いものだ。だが、私情にこれ以上巻き込むわけにも行くまい。
「迷惑だなんて、全く思っていないよ。僕はルウシェのことが大切だからね。君が困っているなら手を差し伸べるし、君が一人で立てないのならば喜んで支えるよ。だから遠慮なく頼って?」
「ギュ、ギュンター様~~~~!!」
私はなんと素晴らしい友人に恵まれたのか。
ギュンター様の優しい言葉に思わず涙もちょちょぎれる。私はギュンター様からのありがたいご提案に乗ることにし、アーノルドも入れて三人でノロワレール侯爵家の様子を見に行くこととなった。
「ルウシェ、落ち着いて」
アーノルドがレイナード様について行って早くも三日、私は再びミエーテル公爵家を訪れていた。
三日、三日だ。もう三日もアーノルドが帰って来ない。
もういっそのことノロワレール侯爵家に乗り込もうか?とも何回も考えたが、婚約を解消して間もないのだ、元婚約者がのうのうと顔を出せるわけもなく、こうして頭を悩ませている。
「ねえ、ルウシェ。気になってたんだけど、君とレイナード殿の婚約は本当に解消したのかい?そんな一方の勝手な言い分で婚約を解消できるとは思わないんだけど…」
ギュンター様の言葉はもっともだ。家同士で結ばれた婚約である。本来であれば双方の同意を持って、書類を交わして婚約解消と相成る。
だが、私達の婚約関係は少々特殊だったのだ。
「私が『奇人令嬢』と呼ばれているのはギュンター様もご存じでしょう?」
「それは…ああ…」
ギュンター様は微妙な顔をして渋々と頷いた。
「ノロワレール家は、そんな私と婚約を結ぶ代わりに、万一レイナード様がこの婚約を白紙に戻したいとお考えになった場合…私の意に関係なく婚約関係を白紙に戻せる権利を有しておられるの」
私の言葉に、ギュンター様は絶句した。
「な、なんて不誠実な婚約関係なんだ!君を軽んじるにも程がある!!」
目を怒らせて憤慨するギュンター様。私は、自分のためにここまで怒りをあらわにしてくれることが素直に嬉しかった。明らかにアンバランスな婚約関係であったが、私の両親はそれでも婚約できるのならと契約書にサインをしてしまったのだ。
「そうですね、婚約解消と言われて、私はまた両親を泣かせてしまうと必死で縋り付いたのですが…はぁ、まさか不貞を働かれていたなんてね…」
『それも一人だけではないぞ』
「アーノルド!!」
不意に頭上から降ってきた言葉に、私は勢いよく顔を上げた。
そこには甲冑を着て腕組みをする黒髪の騎士の姿があった。その身体は半透明で、宙にフヨフヨと浮いている。
「~~~んもうっ!!あんなに引き止めたのに行ってしまうんですもの!酷いです!三日もどこに行っていたのですか!」
『レイナードとか言う馬鹿のところに決まっていよう』
「………なにも、してないですよね?」
『案ずるな、まだ生きておる』
「まだ!?ちょ、ほんと何したんですか!!」
ツーンとそっぽを向いて反省の色がないアーノルドに、私は噛み付くように捲し立てる。ギュンター様がぽかんとその様子を眺めているが気にしない。まずはアーノルドがこの三日何をしていたのかを聞き出さねば。恐ろしくて本当は聞きたくないけれど。
『夜な夜な悪夢を見せては安眠の妨害をし、ちょいと金縛りで身動きを封じ、少し部屋の物を揺らしてビビらせただけだ』
悪夢に金縛りにポルターガイスト…!睡眠不足な上に怪奇現象にも悩まされ、きっと小心者のレイナード様はげっそり痩せこけているのだろう。ざまあない…げふん、呪い殺していなくて安心したが、このままではレイナード様の体力も気力も限界だろう。
「…ん?あなた、さっき一人だけではないって言いましたよね?どういうことですか?」
ふと先ほどのアーノルドの言葉が気になり、尋ねてみた。そしてすぐに問うたことを後悔した。
『あの男はカサンドラとかいう小娘だけでなく、これまでにも数人の女子と一夜の関係を持っていた。仲間に協力を仰ぎ調べたから間違いないぞ』
「んなっ!?」
なんということだ。レイナード様がそんなに女性関係にだらしがなかっただなんて。
『あの男は不誠実過ぎる。ルウシェ、お前にふさわしくない。こちらから婚約破棄してしかるべきだが、あの愚図はあろうことか自ずからお前との婚約を解消すると言った。その結果お前を傷つけ、お前の両親を泣かせた。如からば我が呪い殺してやろうというわけだ』
「そうね、やっちゃって」
「ルウシェ!?」
「はっ!ダメダメ!そんなことしてはいけません!」
あまりの素行の悪さに私はうっかりGOサインを出しそうになったが、ハッと我に返って慌てて首を振った。アーノルドは不満げに唇を尖らせている。
『いいのではないか?あの男に愛情はないのであろう』
「うぐっ…そ、それとこれとは別です!好きじゃないからと言って呪い殺していいはずがありません!」
「ま、待って待って、ルウシェ、君はレイナード殿のことを好いていなかったのかい?」
アーノルドと言い合いをしていると、ギュンター様が戸惑った様子で口を挟んできた。
「え…ええ、婚約自体も家同士が決めたことですから、それに従ったまでです。むしろ素の自分を偽った付き合いでしたので、もう息苦しくて息苦しくて…それにレイナード様って確かに見目麗しいのですが、キザなところがあって、手紙でポエムを送られた時にはもう鳥肌ものでした。思わず暖炉の火に焚べてしまいましたもの」
「そうだったのか…僕はてっきり、君はレイナード殿に惚れ込んでいるのかと…」
「そうか、よかった」とブツブツと独り言を言っているギュンター様。どことなく嬉しそうにしているが、何がそんなに嬉しかったのだろうか。さっぱり分からない。
「とにかく!もう戻ってきてください。これ以上、レイナード様の健康を害することは許しませんよ!」
『承知しかねる』
「なんで!?」
『ふむ、我はそれなりに怒っているのだ。大事な主を軽んじる彼奴のことをな。それに怒っているのは我だけではないのだよ』
「え?どういうこと…」
話を戻してアーノルドに帰ってくるよう訴えるが、アーノルドはなかなか首を縦に振ってくれない。それどころか何やら不穏なことを言い出した。
『ルウシェを慕う他の霊たちがえらく立腹していてな。取り憑かないようあの男には呪を施しておいたが、恐らく今頃は屋敷を荒らしまくっているだろう』
「なーーーっ!?」
なんということだ!私のために彼らがそんなに怒ってくれるだなんて、とても嬉しい…じゃなくて、今頃ノロワレール家は大騒ぎになっているのではないか?
顔を真っ白にしてふらつく私をギュンター様が支えてくれる。会釈で感謝の意を伝えると、ギュンター様は徐に口を開いた。
「ルウシェ、何が起こっているかは分からないけど、何か大変なことが起きてるんだね?僕も着いて行くから一緒にノロワレール家へ行くのはどうだろう?」
「ギュンター様…でもそんなご迷惑をおかけするわけには…」
正直ギュンター様のご提案は大変嬉しく心強いものだ。だが、私情にこれ以上巻き込むわけにも行くまい。
「迷惑だなんて、全く思っていないよ。僕はルウシェのことが大切だからね。君が困っているなら手を差し伸べるし、君が一人で立てないのならば喜んで支えるよ。だから遠慮なく頼って?」
「ギュ、ギュンター様~~~~!!」
私はなんと素晴らしい友人に恵まれたのか。
ギュンター様の優しい言葉に思わず涙もちょちょぎれる。私はギュンター様からのありがたいご提案に乗ることにし、アーノルドも入れて三人でノロワレール侯爵家の様子を見に行くこととなった。
あなたにおすすめの小説
平民とでも結婚すれば?と言われたので、隣国の王と結婚しました
ゆっこ
恋愛
「リリアーナ・ベルフォード、これまでの婚約は白紙に戻す」
その言葉を聞いた瞬間、私はようやく――心のどこかで予感していた結末に、静かに息を吐いた。
王太子アルベルト殿下。金糸の髪に、これ見よがしな笑み。彼の隣には、私が知っている顔がある。
――侯爵令嬢、ミレーユ・カスタニア。
学園で何かと殿下に寄り添い、私を「高慢な婚約者」と陰で嘲っていた令嬢だ。
「殿下、どういうことでしょう?」
私の声は驚くほど落ち着いていた。
「わたくしは、あなたの婚約者としてこれまで――」
醜さを理由に毒を盛られたけど、何だか綺麗になってない?
京月
恋愛
エリーナは生まれつき体に無数の痣があった。
顔にまで広がった痣のせいで周囲から醜いと蔑まれる日々。
貴族令嬢のため婚約をしたが、婚約者から笑顔を向けられたことなど一度もなかった。
「君はあまりにも醜い。僕の幸せのために死んでくれ」
毒を盛られ、体中に走る激痛。
痛みが引いた後起きてみると…。
「あれ?私綺麗になってない?」
※前編、中編、後編の3話完結
作成済み。
冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
勝手にしろと言われたので、勝手にさせていただきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
子爵家の私は自分よりも身分の高い婚約者に、いつもいいように顎でこき使われていた。ある日、突然婚約者に呼び出されて一方的に婚約破棄を告げられてしまう。二人の婚約は家同士が決めたこと。当然受け入れられるはずもないので拒絶すると「婚約破棄は絶対する。後のことなどしるものか。お前の方で勝手にしろ」と言い切られてしまう。
いいでしょう……そこまで言うのなら、勝手にさせていただきます。
ただし、後のことはどうなっても知りませんよ?
* 他サイトでも投稿
* ショートショートです。あっさり終わります
【完結】婚約破棄中に思い出した三人~恐らく私のお父様が最強~
かのん
恋愛
どこにでもある婚約破棄。
だが、その中心にいる王子、その婚約者、そして男爵令嬢の三人は婚約破棄の瞬間に雷に打たれたかのように思い出す。
だめだ。
このまま婚約破棄したらこの国が亡びる。
これは、婚約破棄直後に、白昼夢によって未来を見てしまった三人の婚約破棄騒動物語。
貧乏人とでも結婚すれば?と言われたので、隣国の英雄と結婚しました
ゆっこ
恋愛
――あの日、私は確かに笑われた。
「貧乏人とでも結婚すれば? 君にはそれくらいがお似合いだ」
王太子であるエドワード殿下の冷たい言葉が、まるで氷の刃のように胸に突き刺さった。
その場には取り巻きの貴族令嬢たちがいて、皆そろって私を見下ろし、くすくすと笑っていた。
――婚約破棄。
まさか、今更婚約破棄……ですか?
灯倉日鈴(合歓鈴)
恋愛
チャールストン伯爵家はエンバー伯爵家との家業の繋がりから、お互いの子供を結婚させる約束をしていた。
エンバー家の長男ロバートは、許嫁であるチャールストン家の長女オリビアのことがとにかく気に入らなかった。
なので、卒業パーティーの夜、他の女性と一緒にいるところを見せつけ、派手に恥を掻かせて婚約破棄しようと画策したが……!?
色々こじらせた男の結末。
数話で終わる予定です。
※タイトル変更しました。
傷付いた騎士なんて要らないと妹は言った~残念ながら、変わってしまった関係は元には戻りません~
キョウキョウ
恋愛
ディアヌ・モリエールの妹であるエレーヌ・モリエールは、とてもワガママな性格だった。
両親もエレーヌの意見や行動を第一に優先して、姉であるディアヌのことは雑に扱った。
ある日、エレーヌの婚約者だったジョセフ・ラングロワという騎士が仕事中に大怪我を負った。
全身を包帯で巻き、1人では歩けないほどの重症だという。
エレーヌは婚約者であるジョセフのことを少しも心配せず、要らなくなったと姉のディアヌに看病を押し付けた。
ついでに、婚約関係まで押し付けようと両親に頼み込む。
こうして、出会うことになったディアヌとジョセフの物語。