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第三章 いざ!冒険へ!
カァカァカァ
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地面で羽ばたくだけの鳥に、恐る恐る近づいてみる。ルルがいくら近づこうとも、黒い鳥とは目が合っているが攻撃される気配はない。遂に目と鼻の先にまで近づくと、鳥の頭の近くにしゃがみ込んだ。
「ねぇねぇ、私たちここの道を通りたいの! だから早く飛び立って欲しいなーって!」
怖い気持ちを頑張って抑えながら無邪気な笑顔を作ってみせるも、黒い鳥は何も言わずに羽をばたつかせている。
「羽をバタバタさせるならお空の方が気持ちいいよ! 私はお空飛んだことないけど!」
ルルが必死に説得しようとも黒い鳥が飛び立つ気配はない。よし、こうなったら頼れる妹に相談してみよう。
「ナナー! この鳥さん危なくないと思うよー!」
ナナの方へと振り返って手招きをしてみる。すると、思っていたよりも素直にこちらに駆け寄って来た。恐らくだが、暗い山道に一人で残されて怖かったのだろう。
「と、鳥さん……?」
ナナがオドオドとしながらルルの元へと辿り着くと、その隣りにしゃがみ込んだ。
「そう! 道を塞いでたのは鳥さんだったんだよ~」
何故かルルが胸を張って偉そうにしている。その間にも、黒い鳥は羽をバタバタとさせ続けている。
「それでねナナ、この鳥さん地面で飛ぼうとしてるのかなー?」
ルルが問うと、ナナは首を傾げた。
「うーん、そんなはずは無いと思うんだけどなー」
ナナは黒い鳥を隅から隅まで見ると、ある異変に気が付いた。
「もしかしたら羽を怪我してるのかも……」
そう言いながらナナは、何か言いたげな顔を浮かべながら黒い羽を指さした。
「え、もしかして私に羽を掴めって言ってる?」
「うん、お姉ちゃんが良ければ」
それは少しだけ怖いかもしれない。だって、黒い鳥なんて初めて見たし、何より羽だけでも私の体と同じくらいの大きさだ。
そんな羽を素手で鷲掴みに?
なんて鬼畜なことを言う妹なのだろう、もしかしたらサドの血が流れているのかもしれない。
「それはちょっと怖いなあ」
「だよねぇ……じゃあ帰るしかないか……」
「私が掴みます!」
何だか上手く使われてる気がしてならないが、ナナなら本当に帰っても不思議ではない。
だからルルは急いで立ち上がり、バタつく羽を何も考えずに両手で掴んだ。
「カァ! カァ! カァ!」
何かされるのかと思ったのだろう黒い鳥は、威嚇するような鳴き声を姉妹に向かって放った。その鳴き声に、姉妹は揃って体をビクリとさせた。
「わあ! ごめんね! でも大丈夫! 何もしないから!」
黒い鳥の声と共に、大きな羽もバタバタとさせるので掴んでいるのが精一杯だ。
ルルの掴んでいる羽をナナは舐め回すように見ている。
するとナナは、羽のとある部分を指さした。
「ほらここ、羽が千切れてる」
ナナの指の先を辿ってみると、その言葉通りに黒い羽が空洞を作っていた。
これでは飛べる筈がないと、幼い姉妹の頭でも分かる。
「ほんとだー。これで飛べないのは当たり前だよね、黒い鳥さん酷いこと言ってごめんね!」
羽を離して貰えないと分かった黒い鳥は、観念したかのように静かになった。しかし、その目はこちらを向いていて少し怖い。
「ナナの魔法って人間じゃなくても大丈夫なのかな?」
ルルが問いかけると、ナナは渋い顔を浮かべながら胸の前に手を突き出した。
「分からないけど、やってみるしかないよね」
ナナの手から水色の光が溢れ出す。
すると、みるみる内に千切れていた羽が元通りになっていく。
「すごいすごい! 動物にも使えるんだね!」
ルルは表情を明るくさせながら、段々と綺麗になっていく黒い羽を見ている。
黒い鳥は羽を治して貰っていることに気が付いたのか、どことなく気持ちよさそうな顔をしている気がする。
そしてついに、黒い鳥の羽が完全に治ったのだ。
「ふぅ……疲れた……」
治癒魔法は疲れる。
いつもより体力を使ったことにより、ナナは肩で息をしながら手を離した。
「すごいよナナ、ちゃんと治っちゃった!」
ルルは自分のことかのように喜びながら、黒く大きな羽から手を離した。
すると黒い鳥は羽をばたつかせながら、ゆっくりと状態を起こす。
「うわぁ! 羽が!」「うぅ……さいあく……」
バサバサと音を立てながら立ち上がった事により、姉妹は頭から黒い羽を浴びる形になった。
そんな姉妹の様子など知ったことかと、黒い鳥は大きな羽を羽ばたかせながら空へと飛んで行ってしまった。
「カァ! カァ! カァ!」
そんな鳴き声を空から姉妹へと投げかけ、あっという間に黒い鳥は姿を消してしまった。
「行っちゃったね」
「うん、もう少し感謝してほしいところだけど」
ナナは顔をムスッとさせながら、体力と時間だけを奪って行った鳥に文句を垂れている。
隣に立っているルルは、そんなナナをなだめるように頭を撫でた。
「まあまあ、きっとありがとうって思ってるよ! 最後なにか言ってたし!」
「それなら文句は無いけど」
二人して木の影から伺える青空を見上げながら、そんな言葉を交わした。
「じゃあ行こっか。足止めされた分も頑張らなくちゃ」
ルルはそう言ってナナの手を握った。
「うん、行く」
今までは怖がって帰りたがっていたナナも、熊や鳥の障害を越えたという自信を持ち始め、やっと山道を進んでいく覚悟が出来たようだ。
なんだかそれが嬉しくて、ルルは満面の笑みで大好きな妹を眺めながら歩き出した。
「ねぇねぇ、私たちここの道を通りたいの! だから早く飛び立って欲しいなーって!」
怖い気持ちを頑張って抑えながら無邪気な笑顔を作ってみせるも、黒い鳥は何も言わずに羽をばたつかせている。
「羽をバタバタさせるならお空の方が気持ちいいよ! 私はお空飛んだことないけど!」
ルルが必死に説得しようとも黒い鳥が飛び立つ気配はない。よし、こうなったら頼れる妹に相談してみよう。
「ナナー! この鳥さん危なくないと思うよー!」
ナナの方へと振り返って手招きをしてみる。すると、思っていたよりも素直にこちらに駆け寄って来た。恐らくだが、暗い山道に一人で残されて怖かったのだろう。
「と、鳥さん……?」
ナナがオドオドとしながらルルの元へと辿り着くと、その隣りにしゃがみ込んだ。
「そう! 道を塞いでたのは鳥さんだったんだよ~」
何故かルルが胸を張って偉そうにしている。その間にも、黒い鳥は羽をバタバタとさせ続けている。
「それでねナナ、この鳥さん地面で飛ぼうとしてるのかなー?」
ルルが問うと、ナナは首を傾げた。
「うーん、そんなはずは無いと思うんだけどなー」
ナナは黒い鳥を隅から隅まで見ると、ある異変に気が付いた。
「もしかしたら羽を怪我してるのかも……」
そう言いながらナナは、何か言いたげな顔を浮かべながら黒い羽を指さした。
「え、もしかして私に羽を掴めって言ってる?」
「うん、お姉ちゃんが良ければ」
それは少しだけ怖いかもしれない。だって、黒い鳥なんて初めて見たし、何より羽だけでも私の体と同じくらいの大きさだ。
そんな羽を素手で鷲掴みに?
なんて鬼畜なことを言う妹なのだろう、もしかしたらサドの血が流れているのかもしれない。
「それはちょっと怖いなあ」
「だよねぇ……じゃあ帰るしかないか……」
「私が掴みます!」
何だか上手く使われてる気がしてならないが、ナナなら本当に帰っても不思議ではない。
だからルルは急いで立ち上がり、バタつく羽を何も考えずに両手で掴んだ。
「カァ! カァ! カァ!」
何かされるのかと思ったのだろう黒い鳥は、威嚇するような鳴き声を姉妹に向かって放った。その鳴き声に、姉妹は揃って体をビクリとさせた。
「わあ! ごめんね! でも大丈夫! 何もしないから!」
黒い鳥の声と共に、大きな羽もバタバタとさせるので掴んでいるのが精一杯だ。
ルルの掴んでいる羽をナナは舐め回すように見ている。
するとナナは、羽のとある部分を指さした。
「ほらここ、羽が千切れてる」
ナナの指の先を辿ってみると、その言葉通りに黒い羽が空洞を作っていた。
これでは飛べる筈がないと、幼い姉妹の頭でも分かる。
「ほんとだー。これで飛べないのは当たり前だよね、黒い鳥さん酷いこと言ってごめんね!」
羽を離して貰えないと分かった黒い鳥は、観念したかのように静かになった。しかし、その目はこちらを向いていて少し怖い。
「ナナの魔法って人間じゃなくても大丈夫なのかな?」
ルルが問いかけると、ナナは渋い顔を浮かべながら胸の前に手を突き出した。
「分からないけど、やってみるしかないよね」
ナナの手から水色の光が溢れ出す。
すると、みるみる内に千切れていた羽が元通りになっていく。
「すごいすごい! 動物にも使えるんだね!」
ルルは表情を明るくさせながら、段々と綺麗になっていく黒い羽を見ている。
黒い鳥は羽を治して貰っていることに気が付いたのか、どことなく気持ちよさそうな顔をしている気がする。
そしてついに、黒い鳥の羽が完全に治ったのだ。
「ふぅ……疲れた……」
治癒魔法は疲れる。
いつもより体力を使ったことにより、ナナは肩で息をしながら手を離した。
「すごいよナナ、ちゃんと治っちゃった!」
ルルは自分のことかのように喜びながら、黒く大きな羽から手を離した。
すると黒い鳥は羽をばたつかせながら、ゆっくりと状態を起こす。
「うわぁ! 羽が!」「うぅ……さいあく……」
バサバサと音を立てながら立ち上がった事により、姉妹は頭から黒い羽を浴びる形になった。
そんな姉妹の様子など知ったことかと、黒い鳥は大きな羽を羽ばたかせながら空へと飛んで行ってしまった。
「カァ! カァ! カァ!」
そんな鳴き声を空から姉妹へと投げかけ、あっという間に黒い鳥は姿を消してしまった。
「行っちゃったね」
「うん、もう少し感謝してほしいところだけど」
ナナは顔をムスッとさせながら、体力と時間だけを奪って行った鳥に文句を垂れている。
隣に立っているルルは、そんなナナをなだめるように頭を撫でた。
「まあまあ、きっとありがとうって思ってるよ! 最後なにか言ってたし!」
「それなら文句は無いけど」
二人して木の影から伺える青空を見上げながら、そんな言葉を交わした。
「じゃあ行こっか。足止めされた分も頑張らなくちゃ」
ルルはそう言ってナナの手を握った。
「うん、行く」
今までは怖がって帰りたがっていたナナも、熊や鳥の障害を越えたという自信を持ち始め、やっと山道を進んでいく覚悟が出来たようだ。
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