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3.叔父との約束
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エミリオはこのクエスト国営マーケットに出店を続けている【混沌の青】というアンティークを扱う露店のオーナーだ。
若干二十三歳にしてすでに参加回数は十を超えている。この若さで国営マーケットの常連になったのは、エミリオの他にはいない。そのためちょっとした有名人だ。
若いということもあるが、彼の商売の手腕が噂になっているのだ。まず彼の目利きは天性と努力によるもので、扱っている品物はどれもコレクターを唸らせる。古本や楽器、食器など彼の店頭に並ぶものは希少性の高い価値ある素晴らしいものばかり。
仕入れる目利きだけではなく、その作品の知識や作られた背景などを彼は豊富に持っており、それがまた客を惹きつけていた。そして熱弁を振るう姿と陽気な彼の性格に、多くの客は手にしたものを購入するのだ。
「若い頃の作品だから、まだまだ荒削りだけどさ、ヤエの見事な装飾を毎日見れるなんて幸せだよ!」
「分かったわ、これも運命ね。いただくわ」
客は懐から財布を出して、エミリオに札を渡す。するとエミリオはにっこり笑ってありがとうと頭を下げた。
エミリオの背後には紺碧のプレートが飾ってある。それはこの店の名前【混沌の青】のモチーフになっているものだ。祖父の弟、シェメシュが長い間大切にしていたこのプレートを、小さな頃から見ていたエミリオに譲ってくれたのは十二歳のとき。
その時の彼の手は痩せ細っていた。エミリオをよく可愛がってくれた彼は、病に侵されていて余命は長くないことに気がついていた。
『お前ならこのプレートを大切にしてくれるだろう』
彼が経営していたアンティークショップでエミリオはたくさんの古物に触れ合った。幼い頃からアンティークに囲まれていた彼は、シェメシュと同じようにアンティークを扱う商売をしたいと思うようになっていた。それをシェメシュは知っていたからこそ、あのプレートを譲ってくれたのだ。ただ一つだけ、シェメシュから条件があった。
『他の誰にも渡してはならないよ』
真顔になったシェメシュの顔がいまでもエミリオは忘れられなかった。いつも穏やかで優しくて、陽気な彼が怖いほど真顔でそう言ってきたからだ。
若干二十三歳にしてすでに参加回数は十を超えている。この若さで国営マーケットの常連になったのは、エミリオの他にはいない。そのためちょっとした有名人だ。
若いということもあるが、彼の商売の手腕が噂になっているのだ。まず彼の目利きは天性と努力によるもので、扱っている品物はどれもコレクターを唸らせる。古本や楽器、食器など彼の店頭に並ぶものは希少性の高い価値ある素晴らしいものばかり。
仕入れる目利きだけではなく、その作品の知識や作られた背景などを彼は豊富に持っており、それがまた客を惹きつけていた。そして熱弁を振るう姿と陽気な彼の性格に、多くの客は手にしたものを購入するのだ。
「若い頃の作品だから、まだまだ荒削りだけどさ、ヤエの見事な装飾を毎日見れるなんて幸せだよ!」
「分かったわ、これも運命ね。いただくわ」
客は懐から財布を出して、エミリオに札を渡す。するとエミリオはにっこり笑ってありがとうと頭を下げた。
エミリオの背後には紺碧のプレートが飾ってある。それはこの店の名前【混沌の青】のモチーフになっているものだ。祖父の弟、シェメシュが長い間大切にしていたこのプレートを、小さな頃から見ていたエミリオに譲ってくれたのは十二歳のとき。
その時の彼の手は痩せ細っていた。エミリオをよく可愛がってくれた彼は、病に侵されていて余命は長くないことに気がついていた。
『お前ならこのプレートを大切にしてくれるだろう』
彼が経営していたアンティークショップでエミリオはたくさんの古物に触れ合った。幼い頃からアンティークに囲まれていた彼は、シェメシュと同じようにアンティークを扱う商売をしたいと思うようになっていた。それをシェメシュは知っていたからこそ、あのプレートを譲ってくれたのだ。ただ一つだけ、シェメシュから条件があった。
『他の誰にも渡してはならないよ』
真顔になったシェメシュの顔がいまでもエミリオは忘れられなかった。いつも穏やかで優しくて、陽気な彼が怖いほど真顔でそう言ってきたからだ。
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